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第4章 王立魔法学校一年目
237 反省の朝
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12/1 タイトルを変えました。
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目を覚ましたら、ベッドの中だった。
勢いよくベットから起き上がると、モスがいつもと変わらない様子で挨拶してくれた。
だけど、私には挨拶を返す余裕もない。
だって、話の途中で寝てしまったのだ。
「モス!!ケルベロスは!?あの後どうなったの?」
モスにケルベロスが怒ってなかったかとベットに腰かけた状態のまま聞く。
『サラ様との話はあれで終了だったようなので、問題ありません』
「そうなの?」
『はい。ケルベロス自身もあの後すぐ……ではありませんでしたが、そう時間がたたないうちに帰りました』
『帰る時も怒った様子は見られませんでした』とモスに言われ、私はようやく安心することができた。
でも、そこでハタと気づく。
「私って、どうやって部屋まで戻ったのかな?」
モスには実体がないし、マーブルは実体があると言っても子猫だ。
私を部屋まで連れてくるのは、難しくなかったのかな?
『そこは魔法がありますから』
どうやら、マーブルが風魔法を使って私をベットまで運んでくれたらしい。
またマーブルに頼ってしまったとがっくり肩を落とす私を、モスが『これくらい頼ったうちには入りません』と慰めてくれる。
「でも、そうやって少しくらいならってマーブルに頼る機会が増えて、それが当たり前って思うようになっちゃったらどうしよう?」
『そうやって心配しているうちは大丈夫です。それにそうならないようにするため我々がいるのです』
『我々がサラ様に称号を与えた時のことをお忘れですか?』とモスに言われて思い出す。
そうだった。最初はモス達もケルベロスのように私とマーブルを引き離そうとしたんだった。
でも私が絶対マーブルの傍にいるんだって今回の時のように癇癪を起して、そうしたらなぜかモス達から加護をもらうことになったんだよね。
今考えてもモス達がなんで私に加護を与えようとしたのか不思議だったりする。
モスは私の前で膝をつくと、更に大きな体を曲げて私と視線の高さを合わせた。
『サラ様が精霊王様の力に頼りきりになったその時には、精霊王様がなんと言おうと我々がサラ様を諫めましょう。ですから、心配なさいますな』
「……きっとだよ?」
『必ず』
モスが力強く頷いてくれたところで、背中に暖かなものが触れていることに気づいた。
後ろを向くと、今の今まですやすやと眠っていたマーブルが私の背中にぴとりと引っ付いていた。
どうやら、私を慰めようとしてくれていたようだ。
いけない!マーブルに心配をかけるなんて、これじゃあマーブルのママ失格だ。しっかりしないと!
「マーブル、ごめんね。もう大丈夫だから!」
「にゃんっ!」
マーブルの頭を撫でると、マーブルは途端にうれしそうな顔になる。
モスにも話を聞いてくれてありがとうとお礼を言えば、『なに、これしきのこと』となんでもないことのように言う。
私もモスの十分の一でもいいから、頼りがいのある人間になりたいものだ。
うん?でも、モスは私よりすごく長生きしているはずだから、モスみたいになるのは難しいかな?
なんて考えていると、
くーーーっ
マーブルのお腹がかわいく鳴った。
「ふふっ。お腹すいちゃった?」
「に、にゃう」
恥ずかしそうに前足で顔を隠すマーブルは殺人級にかわいらしい。
思わず抱きしめたくなるけれど、今は早く着替えるのが先だとぐっとこらえる。
「すぐに着替えるからね」
「にゃん」
宣言通りに手早く着替えて、さあ部屋を出ようと一歩踏み出したところで部屋の扉をたたく音が。
「サラちゃん、起きてる?」
アミーちゃんがご飯を食べに行こうと誘いに来てくれたのだ。
急いで扉を開けるとそこにはアミーちゃんとキャシーちゃんの姿があった。
どうやら今日は私が一番お寝坊さんだったようだ。
二人に朝の挨拶をした後、一緒に食堂に向かう。
まだ、ジャスパー君の件をどうするかの問題は残っていたけれど、取りあえず食事の間だけは忘れてみんなと楽しく食事をしよう。
そう後回しにしていた私だったけれど、とある人の来襲であっという間に解決することになるのだった。
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目を覚ましたら、ベッドの中だった。
勢いよくベットから起き上がると、モスがいつもと変わらない様子で挨拶してくれた。
だけど、私には挨拶を返す余裕もない。
だって、話の途中で寝てしまったのだ。
「モス!!ケルベロスは!?あの後どうなったの?」
モスにケルベロスが怒ってなかったかとベットに腰かけた状態のまま聞く。
『サラ様との話はあれで終了だったようなので、問題ありません』
「そうなの?」
『はい。ケルベロス自身もあの後すぐ……ではありませんでしたが、そう時間がたたないうちに帰りました』
『帰る時も怒った様子は見られませんでした』とモスに言われ、私はようやく安心することができた。
でも、そこでハタと気づく。
「私って、どうやって部屋まで戻ったのかな?」
モスには実体がないし、マーブルは実体があると言っても子猫だ。
私を部屋まで連れてくるのは、難しくなかったのかな?
『そこは魔法がありますから』
どうやら、マーブルが風魔法を使って私をベットまで運んでくれたらしい。
またマーブルに頼ってしまったとがっくり肩を落とす私を、モスが『これくらい頼ったうちには入りません』と慰めてくれる。
「でも、そうやって少しくらいならってマーブルに頼る機会が増えて、それが当たり前って思うようになっちゃったらどうしよう?」
『そうやって心配しているうちは大丈夫です。それにそうならないようにするため我々がいるのです』
『我々がサラ様に称号を与えた時のことをお忘れですか?』とモスに言われて思い出す。
そうだった。最初はモス達もケルベロスのように私とマーブルを引き離そうとしたんだった。
でも私が絶対マーブルの傍にいるんだって今回の時のように癇癪を起して、そうしたらなぜかモス達から加護をもらうことになったんだよね。
今考えてもモス達がなんで私に加護を与えようとしたのか不思議だったりする。
モスは私の前で膝をつくと、更に大きな体を曲げて私と視線の高さを合わせた。
『サラ様が精霊王様の力に頼りきりになったその時には、精霊王様がなんと言おうと我々がサラ様を諫めましょう。ですから、心配なさいますな』
「……きっとだよ?」
『必ず』
モスが力強く頷いてくれたところで、背中に暖かなものが触れていることに気づいた。
後ろを向くと、今の今まですやすやと眠っていたマーブルが私の背中にぴとりと引っ付いていた。
どうやら、私を慰めようとしてくれていたようだ。
いけない!マーブルに心配をかけるなんて、これじゃあマーブルのママ失格だ。しっかりしないと!
「マーブル、ごめんね。もう大丈夫だから!」
「にゃんっ!」
マーブルの頭を撫でると、マーブルは途端にうれしそうな顔になる。
モスにも話を聞いてくれてありがとうとお礼を言えば、『なに、これしきのこと』となんでもないことのように言う。
私もモスの十分の一でもいいから、頼りがいのある人間になりたいものだ。
うん?でも、モスは私よりすごく長生きしているはずだから、モスみたいになるのは難しいかな?
なんて考えていると、
くーーーっ
マーブルのお腹がかわいく鳴った。
「ふふっ。お腹すいちゃった?」
「に、にゃう」
恥ずかしそうに前足で顔を隠すマーブルは殺人級にかわいらしい。
思わず抱きしめたくなるけれど、今は早く着替えるのが先だとぐっとこらえる。
「すぐに着替えるからね」
「にゃん」
宣言通りに手早く着替えて、さあ部屋を出ようと一歩踏み出したところで部屋の扉をたたく音が。
「サラちゃん、起きてる?」
アミーちゃんがご飯を食べに行こうと誘いに来てくれたのだ。
急いで扉を開けるとそこにはアミーちゃんとキャシーちゃんの姿があった。
どうやら今日は私が一番お寝坊さんだったようだ。
二人に朝の挨拶をした後、一緒に食堂に向かう。
まだ、ジャスパー君の件をどうするかの問題は残っていたけれど、取りあえず食事の間だけは忘れてみんなと楽しく食事をしよう。
そう後回しにしていた私だったけれど、とある人の来襲であっという間に解決することになるのだった。
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