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第4章 王立魔法学校一年目
238 生徒達の反応
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出来上がったと喜んで保存ボタンを押したところで、なぜか保存に失敗し、半分以上の内容が消失しました(涙)。
記憶を頼りに書き直しましたが、そう言った理由で投稿も遅くなってしまいました。
続きを楽しみにしてくれた皆様、申し訳ありませんでしたm(_ _)m。
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「にゃん♪にゃん♪にゃーん♪」
ご機嫌で歩くマーブルをすれ違う生徒全員がぎょっとしたように見つめている。
それもそのはず、今のマーブルはポシェットの中ではなく空中を楽しそうに歩いているのだ。
こんなに楽しそうなマーブルを見るのは久々で、目立つからポシェットに戻ってとは言いだしづらい。
まあ、マーブルが空に浮くのは初めてのことではないしと自分に言い訳していると、マーブルを凝視していたキャシーちゃんに話しかけられる。
「本当に浮いているのね」
「う、うん」
キャシーちゃんの腕の中には召喚獣のソルテがいて、すやすやと気持ちよさそうに眠っている。
だらりと全身の力を抜いているため、キャシーちゃんは落とさないように必死で抱きかかえている。
「この子も浮いてくれればいいのに」と言いつつも、どこか嬉しそうだ。
「今日から私達もこの子達のご飯ももらいに行かないとね」
アミーちゃんはマカロンとシフォンの頭を指先で軽く撫でると言った。
マカロンとシフォンはアミーちゃんの指先に自分達からも頭をこすりつけ、気持ちよさそうに瞳を細めている。
キャシーちゃんもアミーちゃんもそれぞれの召喚獣とたった一日ですっかり仲良しになったようだ。
まずはマーブル達のご飯をもらいに行こうかと話したところで、食堂に到着する。
◇◇◇
食堂は異様な雰囲気に包まれていた。
いつもとは違う雰囲気に、食堂の入口で思わず足が止まる。
すると、近くにいた数人の先輩達が振り返り、召喚獣達と制服のリボンを見た後、ギラリと瞳を輝かせた。
「なあ、君達。席が空いてるから俺たちのテーブルにおいでよ」
「あっ!抜け駆けなんてずるいわっ。そんな男ばっかりのむさくるしい席より、あたし達のテーブルにいらっしゃいな」
「おいっ。むさくるしいって、どういう意味だよ!」
「なによ、本当のことでしょう!」
なぜか私達がどちらの席に座るのかで、喧嘩を始めてしまう先輩達。
私達はどうしようとオロオロすることしかできなかった。
そんな私達を救ってくれたのはヒューイ先輩だった。
「三人とも、こっち、こっち」
ヒューイ先輩は大きく手を振ってこちらにやって来ると、「先輩達、ごめんなさい。彼女達は僕達とご飯を食べる約束をしていたんです」と私達の代わりに断ってくれた。
「そうなの?」とこちらを振り向く先輩達に、こくこくと頷く私達。
もちろんそんな約束はしていないのだけど、そのおかげかすんなり解放してもらうことができた。
ヒューイ先輩に連れられた先には、ハル君とフィン君がいて、二人も私達と同じように先輩達に囲まれかけたところを、ヒューイ先輩達に助けてもらったそうだ。
どうやら、ケルベロスの件は既にみんなの知るところとなっていて、少しでもケルベロスの話を聞こうと、召喚獣の授業を受けた生徒に群がっていたのだ。
「ケルベロスって顔が三つもあるんだぜ!」
「本当にっ!?」
ケルベロスの召喚に立ち会った生徒達は今やちょっとしたヒーローだ。
ケルベロスを間近で見て怯えていた子達が得意げにケルベロスについて話している。
彼らを恐怖に陥れた張本人ならぬ張本犬(?)達が召喚された理由がマーブルだと知ってしまった私としては、みんなのトラウマになっていないかと申し訳なく思っていたので、思いのほか元気な姿を見ることができてほっとする半面、少し複雑な気持ちだ。
「サラちゃん、どうしたの?」
ヒューイ先輩に声をかけれれ、何でもないと慌てて答える。
実は私達も今まさにケルベロスについて話している最中だったりする。
「しかし、伝説級の魔物が召喚されるなんてな」とジョン先輩が興奮気味に話せば、
「わが校始まって以来の快挙だそうだよ」とヒューイ先輩が嬉しそうに話す。
「でも、ケルベロスと直接退治したなんて、怖かったでしょう」とミーナ先輩は私達に同情的だ。
「学校の授業で使う魔法陣では学生が召喚すると言うことを考慮してある程度のレベルの魔物しか召喚できないようにしてあるって聞いていたのだけれど」とナンシー先輩は不思議そうに首をかしげていた。
「だけど、召喚できたとしても、契約できなきゃ意味ないよな」
「しかも、召喚した生徒がケルベロスを怒らせたせいで、レベッカ先生達が大けがをしたって聞いたけど、本当?」
ヒューイ先輩の質問に目を見開いて驚く私達を見て、ヒューイ先輩達はそれが事実だとわかったようだ。
「やっぱりね」としたり顔で呟いている。
どうやら思った以上に正確な情報が広まっているみたいだ。
「その件で、今日の午後から職員会議が開かれるそうだよ」
更には私達の知らない情報まで教えてくれた。
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2022/2/8 一部文章を訂正しました。
誤:今日の午後から職員会議《は》開かれるそうだよ」
正:今日の午後から職員会議《が》開かれるそうだよ」
記憶を頼りに書き直しましたが、そう言った理由で投稿も遅くなってしまいました。
続きを楽しみにしてくれた皆様、申し訳ありませんでしたm(_ _)m。
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「にゃん♪にゃん♪にゃーん♪」
ご機嫌で歩くマーブルをすれ違う生徒全員がぎょっとしたように見つめている。
それもそのはず、今のマーブルはポシェットの中ではなく空中を楽しそうに歩いているのだ。
こんなに楽しそうなマーブルを見るのは久々で、目立つからポシェットに戻ってとは言いだしづらい。
まあ、マーブルが空に浮くのは初めてのことではないしと自分に言い訳していると、マーブルを凝視していたキャシーちゃんに話しかけられる。
「本当に浮いているのね」
「う、うん」
キャシーちゃんの腕の中には召喚獣のソルテがいて、すやすやと気持ちよさそうに眠っている。
だらりと全身の力を抜いているため、キャシーちゃんは落とさないように必死で抱きかかえている。
「この子も浮いてくれればいいのに」と言いつつも、どこか嬉しそうだ。
「今日から私達もこの子達のご飯ももらいに行かないとね」
アミーちゃんはマカロンとシフォンの頭を指先で軽く撫でると言った。
マカロンとシフォンはアミーちゃんの指先に自分達からも頭をこすりつけ、気持ちよさそうに瞳を細めている。
キャシーちゃんもアミーちゃんもそれぞれの召喚獣とたった一日ですっかり仲良しになったようだ。
まずはマーブル達のご飯をもらいに行こうかと話したところで、食堂に到着する。
◇◇◇
食堂は異様な雰囲気に包まれていた。
いつもとは違う雰囲気に、食堂の入口で思わず足が止まる。
すると、近くにいた数人の先輩達が振り返り、召喚獣達と制服のリボンを見た後、ギラリと瞳を輝かせた。
「なあ、君達。席が空いてるから俺たちのテーブルにおいでよ」
「あっ!抜け駆けなんてずるいわっ。そんな男ばっかりのむさくるしい席より、あたし達のテーブルにいらっしゃいな」
「おいっ。むさくるしいって、どういう意味だよ!」
「なによ、本当のことでしょう!」
なぜか私達がどちらの席に座るのかで、喧嘩を始めてしまう先輩達。
私達はどうしようとオロオロすることしかできなかった。
そんな私達を救ってくれたのはヒューイ先輩だった。
「三人とも、こっち、こっち」
ヒューイ先輩は大きく手を振ってこちらにやって来ると、「先輩達、ごめんなさい。彼女達は僕達とご飯を食べる約束をしていたんです」と私達の代わりに断ってくれた。
「そうなの?」とこちらを振り向く先輩達に、こくこくと頷く私達。
もちろんそんな約束はしていないのだけど、そのおかげかすんなり解放してもらうことができた。
ヒューイ先輩に連れられた先には、ハル君とフィン君がいて、二人も私達と同じように先輩達に囲まれかけたところを、ヒューイ先輩達に助けてもらったそうだ。
どうやら、ケルベロスの件は既にみんなの知るところとなっていて、少しでもケルベロスの話を聞こうと、召喚獣の授業を受けた生徒に群がっていたのだ。
「ケルベロスって顔が三つもあるんだぜ!」
「本当にっ!?」
ケルベロスの召喚に立ち会った生徒達は今やちょっとしたヒーローだ。
ケルベロスを間近で見て怯えていた子達が得意げにケルベロスについて話している。
彼らを恐怖に陥れた張本人ならぬ張本犬(?)達が召喚された理由がマーブルだと知ってしまった私としては、みんなのトラウマになっていないかと申し訳なく思っていたので、思いのほか元気な姿を見ることができてほっとする半面、少し複雑な気持ちだ。
「サラちゃん、どうしたの?」
ヒューイ先輩に声をかけれれ、何でもないと慌てて答える。
実は私達も今まさにケルベロスについて話している最中だったりする。
「しかし、伝説級の魔物が召喚されるなんてな」とジョン先輩が興奮気味に話せば、
「わが校始まって以来の快挙だそうだよ」とヒューイ先輩が嬉しそうに話す。
「でも、ケルベロスと直接退治したなんて、怖かったでしょう」とミーナ先輩は私達に同情的だ。
「学校の授業で使う魔法陣では学生が召喚すると言うことを考慮してある程度のレベルの魔物しか召喚できないようにしてあるって聞いていたのだけれど」とナンシー先輩は不思議そうに首をかしげていた。
「だけど、召喚できたとしても、契約できなきゃ意味ないよな」
「しかも、召喚した生徒がケルベロスを怒らせたせいで、レベッカ先生達が大けがをしたって聞いたけど、本当?」
ヒューイ先輩の質問に目を見開いて驚く私達を見て、ヒューイ先輩達はそれが事実だとわかったようだ。
「やっぱりね」としたり顔で呟いている。
どうやら思った以上に正確な情報が広まっているみたいだ。
「その件で、今日の午後から職員会議が開かれるそうだよ」
更には私達の知らない情報まで教えてくれた。
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2022/2/8 一部文章を訂正しました。
誤:今日の午後から職員会議《は》開かれるそうだよ」
正:今日の午後から職員会議《が》開かれるそうだよ」
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