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第4章 王立魔法学校一年目
280 お仕置きの時間です②
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「なるほど。確かに、彼女なら教えることができるでしょうね」
王太子様は納得したと言うように、頷いている。
まさか、王太子様にそう言ってもらえるとは思わなかったので、正直うれしさよりも驚きの方が強い。
イヴァンカ先生なんていまだに口を開けたままだし…。
どうして王太子様は私なら教えることができるって言ってくれたんだろう?
「陛下に謁見をした時に、それはそれは見事なカーテシーを彼女は披露してくれましたから」
私達の反応から、王太子様はもう少し説明が必要だと感じたようで、私が国王様に謁見した時のことを話してくれた。
王太子様の言葉に、そう言えば王太子様は私がカーテシーするところを見たことがあったのだと思い出した。
そこでようやく、王太子様は真実そう思ってくれてるのだと実感することができた。
イヴァンカ先生には散々に馬鹿にされて、自信を無くしかけていたところだったので、実際に見た相手に褒められたことで、お母さんの教えてくれたカーテシーをきちんと実演できていたのだと太鼓判を押されたようで、本当にうれしかった。
しかも、褒めた相手が王太子様なのだ!
まだ喜ぶのは早いと思いつつも、勝手に緩みそうになる頬を止められない。
続けて王太子様は国王様も村娘の私がカーテシーを完璧に披露したことを感心していたことも話してくれて、貴族科の生徒達の私を見る目が変わったのがわかった。
今までは加護持ちとしてしか見ていなかったのが、私個人を見てくれるようになったような…そんな風に感じた。
「で、ですがっ!わたくしが教わったカーテシーとは違っていましたわ」
ようやく落ち着きを取り戻したイヴァンカ先生には、納得がいかなかったようだ。
私もそこは気になるところだったので、理由を知っていそうな王太子様を見る。
「サラのカーテシーこそが本来は正しい作法なのです。今は簡略されたものが主流になって廃れてしまったので、イヴァンカ先生がご存じないのも無理はない。ですが、王族や公爵家の中では今でも必ず教わる伝統作法なのですよ」
「ど、どうしてそんなものをあなたが知っているの!?」
「それは、私も知りたいな」
王太子様に聞かれるまま、お母さんにです!と答えようとして気づく。
貴族でもない人物になぜカーテシーが教えれるのかと疑問を持たれるのではないかと。
いや、まぁ。お母さんは元公爵令嬢なので、知ってても不思議ではないんだけど。
それは決して誰にも言ってはいけない秘密なのだ。
ここでお母さんの名前を出すのは不味いってことは私でもわかる。
でも、じゃあ誰に教えてもらったと言えばいいのか。ひねり出した私の答えは…
「せ、精霊様?」
とっさに出たのがそれだった。
まさに困ったときの精霊様だより!
それに、アクアに協力してもらったのは事実だし、嘘ではない!…はず、…だといいなぁ。
祈る思いで王太子様を見つめる。
「なるほど。私達と違って長い時を生きる精霊様なら、知っていても不思議ではないね」
どうやら、その答えで納得してくれたようだ。
よ、良かった~!
さらに王太子様はアミーちゃん達のカーテシーも見てみたいと言ったので、アミーちゃん達はカーテシーを披露することになった。
まさか王太子様に見せることになるとは思っていもいなかったアミーちゃん達は、とても緊張した様子だったけれど、それでも全員ミスすることなく実演して見せた。
王太子様からはこの短期間でよくできていると褒められ、全員嬉しそうだ。
一気に和やかな雰囲気となった私達とは対照的に、イヴァンカ先生の顔色はどんどん悪くなっていく。
「イヴァンカ先生」
「ひっ!!」
王太子様の呼びかけにイヴァンカ先生は軽い悲鳴をあげると、ガタガタと震え出した。
「サラのカーテシーの正当性は私が証明しよう」
「わ、わたくしはっ…知らなかったのです!!」
「先ほども言った通り、知らなくても無理はない。そのことについてを責めるつもりはありません」
王太子様の責めるつもりはないとの言葉に、イヴァンカ先生はほっと安堵のため息をつく。
でも、イヴァンカ先生が安心できたのはここまでだった。
「その上で、あなたに問いたい」
「なんなりと!」
「あなたは本当に彼女達に教えたのか?」
「それは…」
「彼女達は短期間でこの難しいカーテシーを覚えたそうだ。そんな彼女達が簡略されたカーテシーを覚えられないはずがないと思うのだが?」
「……」
「答えてください」
「お、王太子様の仰る通りでございます」
イヴァンカ先生がついに自分の非を認めた!
歓声をあげたくなるのを、ぐっとこらえる。
王太子様の話はまだ終わっていなかった。
「生徒に教えるのが教師の務めであるのに、それを放棄するとは…。あなたに教師を続ける資格はない」
「お、お待ちくださっ…」
「これ以上の見苦しい言い訳は不要!!今から校長先生のもとに一緒に来ていただこう」
「処遇が甘いものになるとはゆめゆめ思わないように…」との王太子様からの厳しい言葉に、イヴァンカ先生は膝から崩れ落ちるようにその場に座り込んだ。
何だか、最後はあまりにも呆気ない終わり方だった。
王太子様が後ろにいたカイト先輩をちらりと見る。
それだけでわかったようで、カイト先輩が座り込んでいるイヴァンカ先生の腕を掴んで、強引に引き起こした。
「ケリー先生も私達と一緒に来ていただけますか?」
「乗り掛かった舟だからね。最後までお付き合い致しましょう」
ケリー先生はやれやれと言うように肩をすくめると、イヴァンカ先生をカイト先輩と挟むような立ち位置に移動した。
王太子様はその様子を見届けると、私に声をかける。
「今回は君達にはとても不快な目に会わせてしまったね」
王太子様が悪いわけではないのに、とても申し訳なさそうに話すので、こちらの方が恐縮してしまう。
「王太子様のおかげで、アミーちゃん達を助けることができました。本当にありがとうございます!!」
お礼を言うと、王太子様の強張った顔がほんの少しだけ和らぐ。
そこにケリー先生からの「あれ?僕にはお礼無し?」との言葉に、慌ててお礼を言った。
「もちろん、ケリー先生もです!ありがとうございました」
「なんだか、心がこもっていない気もするけど…まぁ、いいか!」
ケリー先生はそう言うけれど、キャシーちゃん達を庇ってくれたケリー先生には本当に感謝しているのだ。
大人げないやり取りには少し思うところはあるけれど、けっして感謝していないわけではないから!
「さて、ここで起きたことについては…」
「黙っています!」
もちろん言いません!!と力強く頷く私に、「いや、言ってもいいんだけどね」と苦笑気味の王太子様。
あれ、違ったの?
「ありのままの事実であれば構わない。ただし、事実でもないことを面白おかしく吹聴するようなことがあれば、必ず誰が言いだしたことなのか突き止めるので、覚悟するように」
「わかったね」と貴族科の生徒をちらりと見つめながら言うと、みんな一斉に首を縦に振った。
そうして完璧なフォローをすると、王太子様は教室を颯爽と立ち去った。
「今週のお茶会、楽しみにしているよ」
最後の最後に、特大の爆弾を落として…
「ど、どういうことっ」
「なぜ、平民が王太子様のお茶会に誘われるのよっ!!!」
数秒ほどの沈黙が続いた後、貴族科の子達が一斉に騒ぎ始める。
「サラちゃん、逃げるよっ」
「う、うんっ」
貴族科の子達の悲鳴を背に、私達は教室を逃げ出した。
---
読んでいただきありがとうございます。
よ、ようやくカーテシー編が終わりました。
次からは茶会編が始まります。
4/3 タイトルを変更しました。
誤字の訂正です。
未でも→今でも
カーテシ→カーテシー
王太子様は納得したと言うように、頷いている。
まさか、王太子様にそう言ってもらえるとは思わなかったので、正直うれしさよりも驚きの方が強い。
イヴァンカ先生なんていまだに口を開けたままだし…。
どうして王太子様は私なら教えることができるって言ってくれたんだろう?
「陛下に謁見をした時に、それはそれは見事なカーテシーを彼女は披露してくれましたから」
私達の反応から、王太子様はもう少し説明が必要だと感じたようで、私が国王様に謁見した時のことを話してくれた。
王太子様の言葉に、そう言えば王太子様は私がカーテシーするところを見たことがあったのだと思い出した。
そこでようやく、王太子様は真実そう思ってくれてるのだと実感することができた。
イヴァンカ先生には散々に馬鹿にされて、自信を無くしかけていたところだったので、実際に見た相手に褒められたことで、お母さんの教えてくれたカーテシーをきちんと実演できていたのだと太鼓判を押されたようで、本当にうれしかった。
しかも、褒めた相手が王太子様なのだ!
まだ喜ぶのは早いと思いつつも、勝手に緩みそうになる頬を止められない。
続けて王太子様は国王様も村娘の私がカーテシーを完璧に披露したことを感心していたことも話してくれて、貴族科の生徒達の私を見る目が変わったのがわかった。
今までは加護持ちとしてしか見ていなかったのが、私個人を見てくれるようになったような…そんな風に感じた。
「で、ですがっ!わたくしが教わったカーテシーとは違っていましたわ」
ようやく落ち着きを取り戻したイヴァンカ先生には、納得がいかなかったようだ。
私もそこは気になるところだったので、理由を知っていそうな王太子様を見る。
「サラのカーテシーこそが本来は正しい作法なのです。今は簡略されたものが主流になって廃れてしまったので、イヴァンカ先生がご存じないのも無理はない。ですが、王族や公爵家の中では今でも必ず教わる伝統作法なのですよ」
「ど、どうしてそんなものをあなたが知っているの!?」
「それは、私も知りたいな」
王太子様に聞かれるまま、お母さんにです!と答えようとして気づく。
貴族でもない人物になぜカーテシーが教えれるのかと疑問を持たれるのではないかと。
いや、まぁ。お母さんは元公爵令嬢なので、知ってても不思議ではないんだけど。
それは決して誰にも言ってはいけない秘密なのだ。
ここでお母さんの名前を出すのは不味いってことは私でもわかる。
でも、じゃあ誰に教えてもらったと言えばいいのか。ひねり出した私の答えは…
「せ、精霊様?」
とっさに出たのがそれだった。
まさに困ったときの精霊様だより!
それに、アクアに協力してもらったのは事実だし、嘘ではない!…はず、…だといいなぁ。
祈る思いで王太子様を見つめる。
「なるほど。私達と違って長い時を生きる精霊様なら、知っていても不思議ではないね」
どうやら、その答えで納得してくれたようだ。
よ、良かった~!
さらに王太子様はアミーちゃん達のカーテシーも見てみたいと言ったので、アミーちゃん達はカーテシーを披露することになった。
まさか王太子様に見せることになるとは思っていもいなかったアミーちゃん達は、とても緊張した様子だったけれど、それでも全員ミスすることなく実演して見せた。
王太子様からはこの短期間でよくできていると褒められ、全員嬉しそうだ。
一気に和やかな雰囲気となった私達とは対照的に、イヴァンカ先生の顔色はどんどん悪くなっていく。
「イヴァンカ先生」
「ひっ!!」
王太子様の呼びかけにイヴァンカ先生は軽い悲鳴をあげると、ガタガタと震え出した。
「サラのカーテシーの正当性は私が証明しよう」
「わ、わたくしはっ…知らなかったのです!!」
「先ほども言った通り、知らなくても無理はない。そのことについてを責めるつもりはありません」
王太子様の責めるつもりはないとの言葉に、イヴァンカ先生はほっと安堵のため息をつく。
でも、イヴァンカ先生が安心できたのはここまでだった。
「その上で、あなたに問いたい」
「なんなりと!」
「あなたは本当に彼女達に教えたのか?」
「それは…」
「彼女達は短期間でこの難しいカーテシーを覚えたそうだ。そんな彼女達が簡略されたカーテシーを覚えられないはずがないと思うのだが?」
「……」
「答えてください」
「お、王太子様の仰る通りでございます」
イヴァンカ先生がついに自分の非を認めた!
歓声をあげたくなるのを、ぐっとこらえる。
王太子様の話はまだ終わっていなかった。
「生徒に教えるのが教師の務めであるのに、それを放棄するとは…。あなたに教師を続ける資格はない」
「お、お待ちくださっ…」
「これ以上の見苦しい言い訳は不要!!今から校長先生のもとに一緒に来ていただこう」
「処遇が甘いものになるとはゆめゆめ思わないように…」との王太子様からの厳しい言葉に、イヴァンカ先生は膝から崩れ落ちるようにその場に座り込んだ。
何だか、最後はあまりにも呆気ない終わり方だった。
王太子様が後ろにいたカイト先輩をちらりと見る。
それだけでわかったようで、カイト先輩が座り込んでいるイヴァンカ先生の腕を掴んで、強引に引き起こした。
「ケリー先生も私達と一緒に来ていただけますか?」
「乗り掛かった舟だからね。最後までお付き合い致しましょう」
ケリー先生はやれやれと言うように肩をすくめると、イヴァンカ先生をカイト先輩と挟むような立ち位置に移動した。
王太子様はその様子を見届けると、私に声をかける。
「今回は君達にはとても不快な目に会わせてしまったね」
王太子様が悪いわけではないのに、とても申し訳なさそうに話すので、こちらの方が恐縮してしまう。
「王太子様のおかげで、アミーちゃん達を助けることができました。本当にありがとうございます!!」
お礼を言うと、王太子様の強張った顔がほんの少しだけ和らぐ。
そこにケリー先生からの「あれ?僕にはお礼無し?」との言葉に、慌ててお礼を言った。
「もちろん、ケリー先生もです!ありがとうございました」
「なんだか、心がこもっていない気もするけど…まぁ、いいか!」
ケリー先生はそう言うけれど、キャシーちゃん達を庇ってくれたケリー先生には本当に感謝しているのだ。
大人げないやり取りには少し思うところはあるけれど、けっして感謝していないわけではないから!
「さて、ここで起きたことについては…」
「黙っています!」
もちろん言いません!!と力強く頷く私に、「いや、言ってもいいんだけどね」と苦笑気味の王太子様。
あれ、違ったの?
「ありのままの事実であれば構わない。ただし、事実でもないことを面白おかしく吹聴するようなことがあれば、必ず誰が言いだしたことなのか突き止めるので、覚悟するように」
「わかったね」と貴族科の生徒をちらりと見つめながら言うと、みんな一斉に首を縦に振った。
そうして完璧なフォローをすると、王太子様は教室を颯爽と立ち去った。
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「ど、どういうことっ」
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数秒ほどの沈黙が続いた後、貴族科の子達が一斉に騒ぎ始める。
「サラちゃん、逃げるよっ」
「う、うんっ」
貴族科の子達の悲鳴を背に、私達は教室を逃げ出した。
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読んでいただきありがとうございます。
よ、ようやくカーテシー編が終わりました。
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