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第4章 王立魔法学校一年目
285 婚約者候補
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先輩達からはアナスタシア様が婚約者だと確かに聞いたのに、ジークは王太子様に婚約者はいないと言う。
ジークの話が本当だとしたら、アナスタシア様が嘘をついたってこと?あ!待って、待って。先輩達からは婚約者だとは聞いただけで、どこからその話を聞いたのかは教えてもらってないや。…でも、そんな嘘をつく必要なんて他の人にはないだろうし…そもそも、なんで王太子様は違うって言わないのかな?
「婚約者がいないって…じゃあ、アナスタシア様は?」
混乱する頭を何とか整理し、ジークに問いかける。
「アナスタシア様?もしや、アナスタシア・パッシィオーネ様のことでしょうか?」
「パッ…?えっと、名前しか知らないのでよくわからないけど、王太子様と同じ学年だって聞いてます。あ!あと、公爵家のご令嬢だって!」
ジークはアナスタシア様の名前には心当たりがあったようだ。でも、残念ながらアナスタシア様の家名がわからなかった。なんとか知っている情報を頭から引っ張り出し、ジークに話す。私のあまり詳しくない情報だけで大丈夫か不安だったけれど、爵位を覚えていたのが大きかったようで、ジークは同一人物で間違いないと断言した。
「ですが、おかしいですね?アナスタシア様は婚約者候補のお一人なだけで、婚約者に決まってはいないはず」
「婚約者こうほ?」
聞きなれない言葉に首をかしげていると、ジークが説明してくれた。
「はい。王太子殿下にはアナスタシア様含め、四人の婚約者候補がおられます。最終的にどちらのご令嬢を選ばれるかは王太子殿下に一任すると国王陛下は明言されております。そして王太子殿下は卒業と同時に決めると宣言しておられます」
候補者が四人もいるなんて、すごいなぁ。でも、王太子様なら当然なのかな?
「確か、魔法学校にはアナスタシア様以外の候補者のお方がお一人在籍されているはずですよ」
「そうなんですか!?」
そのご令嬢はアナスタシア様が婚約者だって学校で思われてるのは嫌じゃないのかな?それに、そのご令嬢の話がアナスタシア様と違って、全く噂になっていないのも不思議だ。
「控えめな方なので、学年の違うサラが知らなくても無理はありません」
そのご令嬢の名はプリエール・グラーツィア様と言って、教会での奉仕活動を積極的に行う心優しい女性らしい。控えめすぎる性格が災いしてか、他の婚約者候補に比べてあまり目立たないとか。
「逆にアナスタシア様は四人の中で最有力候補と言われているので、もしかしたらそれもあって誤情報が流れてしまったのかもしれませんね」
一般科の生徒の中ではアナスタシア様が婚約者様だと認識されていると話すと、ジークは王太子様は知っているのかが気になったみたい。それはわからないと答えたら、それとなく話しておくと言っていたので、しばらくしたら正しい情報が学校にも流れるようになるに違いない。
他の二人のご令嬢も気になるところだけれど、残念ながら時間切れだ。お城に到着したのだ。
ジークに手を貸してもらい、馬車から降りる。ジークがこのまま案内をしてくれるとのことだったので、ジークに手を引かれるままについていく。…前来た時よりも奥に来てるような気がするけど、良いのかな?
階段をのぼり、騎士様達が守る扉を何か所か潜り抜けた後、ふかふかの赤絨毯が廊下に敷き詰められた場所に出る。
「ここからは王家の方の居住スペースになります」
え!?そんなところに私が来て良いの?
驚く私に「今回のお茶会はプライヴェートなものなので」とジークは話す。堅苦しいものにしないようにとの王太子様の配慮だそうだ。
「サラっ!」
廊下の向こうから私を呼ぶ声がする。王太子様だ。
学校にいる時と違って、三人の先輩の姿はなく、王太子様はお一人だった。
王太子様のいる所まで急いで向かった方が良いのか、それともここで待っていた方が良いのか…
まさか廊下で王太子様と出会うとは思わず、反応が遅れる。ジークにとっても予想外だったのか、戸惑っているのが分かった。そんな私達に構うことなく王太子様はこちらに歩いてくると、「今日はよく来てくれたね!」と声をかけてくれた。
「本日はお招きありがとうございます」
なんとか、お礼の言葉と共にカーテシーをする。王太子様は私のカーテシーを見て、「やっぱりきれいなカーテシーだね」と褒めてくれた。王太子様はジークにも「案内ご苦労だったね」と声をかける。ジークはその言葉に軽く頭を下げて応えた。
「こんな廊下でごめんね。ジークに伝えていた場所へ行く前に、一緒に来てほしい場所ができたんだ」
王太子様は少し困ったように眉を下げると、そう言った。
ジークの話が本当だとしたら、アナスタシア様が嘘をついたってこと?あ!待って、待って。先輩達からは婚約者だとは聞いただけで、どこからその話を聞いたのかは教えてもらってないや。…でも、そんな嘘をつく必要なんて他の人にはないだろうし…そもそも、なんで王太子様は違うって言わないのかな?
「婚約者がいないって…じゃあ、アナスタシア様は?」
混乱する頭を何とか整理し、ジークに問いかける。
「アナスタシア様?もしや、アナスタシア・パッシィオーネ様のことでしょうか?」
「パッ…?えっと、名前しか知らないのでよくわからないけど、王太子様と同じ学年だって聞いてます。あ!あと、公爵家のご令嬢だって!」
ジークはアナスタシア様の名前には心当たりがあったようだ。でも、残念ながらアナスタシア様の家名がわからなかった。なんとか知っている情報を頭から引っ張り出し、ジークに話す。私のあまり詳しくない情報だけで大丈夫か不安だったけれど、爵位を覚えていたのが大きかったようで、ジークは同一人物で間違いないと断言した。
「ですが、おかしいですね?アナスタシア様は婚約者候補のお一人なだけで、婚約者に決まってはいないはず」
「婚約者こうほ?」
聞きなれない言葉に首をかしげていると、ジークが説明してくれた。
「はい。王太子殿下にはアナスタシア様含め、四人の婚約者候補がおられます。最終的にどちらのご令嬢を選ばれるかは王太子殿下に一任すると国王陛下は明言されております。そして王太子殿下は卒業と同時に決めると宣言しておられます」
候補者が四人もいるなんて、すごいなぁ。でも、王太子様なら当然なのかな?
「確か、魔法学校にはアナスタシア様以外の候補者のお方がお一人在籍されているはずですよ」
「そうなんですか!?」
そのご令嬢はアナスタシア様が婚約者だって学校で思われてるのは嫌じゃないのかな?それに、そのご令嬢の話がアナスタシア様と違って、全く噂になっていないのも不思議だ。
「控えめな方なので、学年の違うサラが知らなくても無理はありません」
そのご令嬢の名はプリエール・グラーツィア様と言って、教会での奉仕活動を積極的に行う心優しい女性らしい。控えめすぎる性格が災いしてか、他の婚約者候補に比べてあまり目立たないとか。
「逆にアナスタシア様は四人の中で最有力候補と言われているので、もしかしたらそれもあって誤情報が流れてしまったのかもしれませんね」
一般科の生徒の中ではアナスタシア様が婚約者様だと認識されていると話すと、ジークは王太子様は知っているのかが気になったみたい。それはわからないと答えたら、それとなく話しておくと言っていたので、しばらくしたら正しい情報が学校にも流れるようになるに違いない。
他の二人のご令嬢も気になるところだけれど、残念ながら時間切れだ。お城に到着したのだ。
ジークに手を貸してもらい、馬車から降りる。ジークがこのまま案内をしてくれるとのことだったので、ジークに手を引かれるままについていく。…前来た時よりも奥に来てるような気がするけど、良いのかな?
階段をのぼり、騎士様達が守る扉を何か所か潜り抜けた後、ふかふかの赤絨毯が廊下に敷き詰められた場所に出る。
「ここからは王家の方の居住スペースになります」
え!?そんなところに私が来て良いの?
驚く私に「今回のお茶会はプライヴェートなものなので」とジークは話す。堅苦しいものにしないようにとの王太子様の配慮だそうだ。
「サラっ!」
廊下の向こうから私を呼ぶ声がする。王太子様だ。
学校にいる時と違って、三人の先輩の姿はなく、王太子様はお一人だった。
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「本日はお招きありがとうございます」
なんとか、お礼の言葉と共にカーテシーをする。王太子様は私のカーテシーを見て、「やっぱりきれいなカーテシーだね」と褒めてくれた。王太子様はジークにも「案内ご苦労だったね」と声をかける。ジークはその言葉に軽く頭を下げて応えた。
「こんな廊下でごめんね。ジークに伝えていた場所へ行く前に、一緒に来てほしい場所ができたんだ」
王太子様は少し困ったように眉を下げると、そう言った。
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