冒険者から強制的に乙ゲーヒロイン!?~いえ、私の幸せはその中にはありませんっ!~

クリーム色

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始まりの村 3

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さて、トニーとのほのぼの癒しタイムから一転、攻略対象に絡まれる事となった私、リディア。

「なぁなぁ!これから狩りに行かね?」

「リディア、狩りなんて野蛮なことはせず私とランチはいかがです?」

互いの意見の違いによりギャーギャー言い合う二人を、なるべく焦点を合わせないように見つめる。直視したくないから。
だって、ガーネットはコテコテの赤い革ジャンに赤い宝石が付いたアクセをジャラジャラ付けてて、サファイアも青いタキシードに青のスパンコールびっしりのズボン。
正直言ってダサい。

ついでにざっくり性格まで言うならば、ガーネットは俺様ジャイアン、サファイアは紳士風を装ったナルシスト。

二人とも私の体の設定と同じ16才だけど、がっつりメイクでビジュアル系バンドですか?と聞きたいくらい。しかも精神年齢は絶対16才より下だ。つまりはお子様、悪く言えばガキんちょ。

精神年齢31の私にとって、彼らは恋愛対象にはなり得ないのだ!!

げんなりする私の目の前に、文字が浮かび上がる。ヒロインである私にしか見えない文字。
そうアレだ。

どうする?
▽狩りにいく
 ランチにいく
 断る

はい、きましたよ選択肢!私的にここは断るの一択なのだがさっきの効果音、長めのやつだったので隠しイベントがある可能性もある。だからといって、どっちかを選んでもろくな結果にならないことは分かっていた。
どうせ狩りに行ったら、突然どしゃ降りになってちょうどある洞穴に二人で籠る羽目になって、濡れてると風邪引くだろとかいう展開になるんだろうし、ランチを選んでも、折角の美味しい料理をあーん強制されたり、たまたま居合わせたタチの悪い酔っぱらいに絡まれたりして食べた気にならないとか。もう目に見えている。
ならばと一筋の希望を願って「断る」を選択する。すると…

「ヘイヘーイ!ガールが困ってんじゃん?キミ達なーにやってんの?」

くっ、隠しイベはこいつだったか…!
ザ・チャラいを体現したかのような金髪に金の宝飾品とサングラス、の16才。名は「シトリン」。【土属性】の彼は、性格も口調も(そして脳ミソも)軽い将来が非常に不安なキャラだ。ガーネットとサファイアの間に入って二人の肩に腕を回し、私に向かってパチリとウィンクする。

「チャオ♪俺のビーナス!今日も可愛いね!これから俺とショッピングデートしよ?」

「結構です」

「なら隣町までドライブ?そ・れ・と・も~☆俺ん家来ちゃう?」

かなり素っ気ない私の返事に怯むことなく絡んでくる。というか、代案を出せって意味じゃないし、そもそも一緒に行動するつもりないって!
そう、きっぱりと言ってやろうと口を開きかけたところで更なる追い討ちが。

「わぁ、皆揃ってどーしたの?おでかけの相談?僕たちも混ぜて~」

救世主メシアを困らせているようなら許さないが?」

キラキラキラ…シャランラ~☆

最も聞きたくなかった効果音。攻略対象者全員が揃った時にのみ鳴る、高レアリティな演出だ。

【風属性】の「ペリドット」。明るい緑色のふわふわパーマにキーの高い声。幼い容姿と言動のショタ用員だ。緑色の短いマントにサスペンダーと短パン。首もとの緑のリボンが無駄に大きく、同い年だとは思えない(いや、思いたくない)格好をしている。
そして、レアな【闇属性】の「オニキス」。闇属性特有の状態異常のエキスパートであり、真っ黒な髪は片目を隠し、フード付きの黒マントを羽織り、見た目はさながら黒魔導師。発言も行動もかなりの中二病で怒らせてはいけない要注意人物だ。

オニキスのジトリとした視線に、赤青黄の3人は慌てて首を振る。

「ち、違うって!俺は狩り行こうぜって言っただけだ!しつこかったのはシトリンくらいだぜ?」

「そうだねっ。みっともなく食い下がって、リディアも困っていたんじゃないかな?」

「ちょっ!?二人ともひどいっしょ!」

冒頭で述べた「共に泣き、笑い、支え合える素晴らしい仲間」彼ら5人。
あれから、5年…。なんとも残念な育ち方をしてしまった元盟友たちの姿に、何度目か分からないため息がこぼれるのだった。
  
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