【R18】酒蔵御曹司は意地っ張りちゃんを溺愛したいし、なんならもはや孕ませたい【本編完結】

にしのムラサキ

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……らしい。

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 あのあと──常駐している警備員さんが飛んできて、七階で蹲っていた先輩を発見した、とのことだった。
 事情を聞こうにもなにも話さない先輩に戸惑っていたところに、楢村くんの通報で警官が駆けつけてきて、さらに住民の通報で消防まで来て、とにかくてんやわんやの大騒ぎ──で、結局、約一ヶ月後、私たちはまた引っ越しすることになった。
 今度は新築じゃなくて、築十年のファミリータイプの分譲マンションだった。賃貸で探したけどなかったから、って楢村くんはその部屋を買ってしまう。嫌になったら貸し出せばいいとか、そんなことを言って。

「別にいいのに……」
「心配なんやと思うで?」

 引越しの手伝いに来てくれたエリさんが、ペットボトルのミネラルウォーターを飲みながら言う。

「こういうトコやったら、住民のほとんど顔見知りやし、オトコ一人暮らしとか浮くし。セキュリティもちゃんとしとるし」
「……ですね」

 先輩は捕まって、……多分しばらくは出てこない。
 それでも、楢村くんが私のことを心配しているのは──伝わってきていた。

「ウチで同居したらいいのにと思ったけど、あそこはあそこで業者の人やら、人出入り多いからなあ」

 紛れ込まれたらわからんかもやし、とエリさんは少し難しい顔をする。眉を下げた私をみて、エリさんは慌てたように微笑む。

「ま、捕まったしな!」
「……ですね」
「しかしなあ、コーセーもタイミング良かったわ、ほんま。無事でよかった」

 その言葉に、こくりと頷く。
 あの日──楢村くんが私を助けにこれたのは、たまたまエントランスでエレベーター内の映像をみかけたから。

『電話したんが帰りのクルマん中で』

 落ち着いた頃、説明してくれた。
 ちょうど帰宅して、エレベーターに乗ろうとして──エントランスにある液晶画面を見上げて。
 そこに私と先輩が映っていた──

(……もし、気がついてくれてなかったら……今頃)

 ぞっ、とした。
 その気分を振り払うように、ばっと顔を上げる。

「ていうか、エリさん、お休みの日にすみません」
「いいって。セナちゃんは座ってて」

 にこやかなエリさんに、私は「いえ」と笑って──ふと固まる。エリさんはじっと私を真剣に見つめていて。彫刻みたいに整った顔面。

「……あの」
「セナちゃん、まだあいつのこと信じられへん?」
「……まぁ」

 すうっと目を逸らした。
 信じられない? 頭がごちゃごちゃしてる。ああ、だから、だから……私は楢村くんが嫌いだ。
 大嫌い。

「愛しとらんかったら、ここまでせんと思うで」

 エリさんさ淡々と続けた。

「──」

 無言になる。
 それは、……そうかも、しれなくて。

「じゃあ、なんで……私はセフレなんかにされたんでしょうか」
「それはなあ。コーセーがアホやからとしか言いようがないねんけど」

 エリさんがぽりぽりと頭を掻く。
 と、その頭をぺちんと楢村くんがはたく。

「なにサボっとんねんエリ」
「おかえりコーセー。買ってきた?」

 楢村くんは無表情でエリさんに缶コーヒーを押し付けて、私にも一本、渡してくれる。甘いカフェオレ。

「……ありがとう」
「ん」

 まだカーテンがかかってない、冬の始まりの陽射しがあたたかな、その部屋で──私は楢村くんを見上げた。その整った横顔を見ながら、ぼんやり思う。
 この人は、いま、私を大事にしてる。

 どうやら愛されているらしい。

 この引っ越しがなくたって、あの日、助けてくれたあの心音を聞いていたら──そうだと気がついた。

(でも、なんで?)

 エリさんが帰って、二人きりになった途端にソファに押し倒されて喘がされながら、私は思う。
 お互い服も着たまま、求め合った。
 何度も唇が重なる。口内を蹂躙していく、少し分厚い舌。
 どちらのものとも知れない唾液をこくりと飲んで、溢れたぶんはだらしなく口の端から落ちていく。

「っ、ぁ、あんっ、やぁ……っ」

 楢村くんが、私の膝を割り開いてガツガツと貪るように腰を進める。彼の形がわかるくらいに、私の肉襞は締まって痙攣を繰り返す。その度に、ぐちゅぐちゅとぬるぬると粘液が溢れて、淫らな水音が部屋に満ちる。
 横にずらされたショーツはもうべちょべちょで、脱いでおけば良かった、と働かない頭のどこかで思った。
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