22 / 29
誘拐!?(理人視点)
しおりを挟む
鍋島は音もせずに立ち上がり、俺の正面に座り直す。
「だいいちね、僕の奥さんはFカップあるんだ」
「……」
何が言いたいんだ。茉白の控えめバストは感度がよくて(いやそれでかなり苦労してるんだけれども)可愛いんだぞ!
「こうなってくると娘が大きくなったときが心配だよ」
「え、子供までいんの」
「ふふ」
鍋島はちう、とアイスコーヒーを飲む。透明なストロー、そこを黒い液体が上がっていく。こいつがやると、やたらと艶かしくて目線を外した。
「……で? なんの用事だ」
「なにもないよ? たまたま僕がここでコーヒーをブレイクしちゃってたら、君が恋人とイッチャイッチャイッチャイッチャしながら来ただけじゃないか」
「……そんなにはいちゃついてないぞ」
「いいや、いちゃついてたね。乳繰り合ってたね」
「あってない!」
ふ、と鍋島は実に優雅に目を細めた。
「あれでイチャついてない、なんて判定するのは無理があるよ」
「……」
ちょっと自重しよう、と思った。そんなつもりはなかったのだけれど……。
「ま、いいんじゃない? 子供ができたらいちゃつきようがなくなるからね。まぁ僕は遠慮なくいくけどね」
「想像がつかん」
「ふふん」
なぜか自慢げに笑い、鍋島は立ち上がる。
「じゃあね名探偵くん」
「……なんだそれ?」
「なんでもないさ」
そう言って後ろ手に手を振って(嫌味なほどに似合っていた)さっさと人混みに姿を消す。
俺はどっと疲れて、ソファに身を預けた。
それからしばらく、ぼうっとする。
(あいつと話すと疲れる……)
しかし意外だった。まさか結婚していたとは……と、ふとスマホに目をやる。
案外と時間が経っていた。
「茉白」
遅いな、とフロアに目を散らす。
見える範囲には姿がない。
ふと──心配になり、立ち上がった。歩き出し、目線で茉白を探しながら電話をかける。
『ただいま電話にでることができません──』
無機質なアナウンス。
(茉白!)
嫌な予感がどんどんと大きくなって、フロア中を歩き回る。
(大丈夫だ)
単にトイレにでも行っているだけ。
試着室で、ああでもないこうでもないと悩んでいるだけ──茉白!
そのとき、だった。
ごった返す人混みのむこうに、明らかに異質な存在を認知する。
「……っ、な」
大仏と、馬。
そのゴム面を被った二人組が、フロアの隅、京都の街を一望できる大きなはめ殺しの窓の前に立っていた。
大仏のおとこはすこし小肥りのようで、馬の方は細身の男だった。
「……!」
全身がざわつく。まさか、まさか……!
人混みをかきわけてそちらに駆け出すと、そいつらはパッと二手に別れて走り出す。
「待てっ!」
どちらを追いかけようか──と悩んで、大仏にした。馬は速そう、とどこかで思ったのかもしれない。細かったし。
ふたりがいたのは、左手にエレベーター、右手に階段がある、ベンチがあり休憩スペースになっていた大きな窓の前。
馬は階段を駆け下り、大仏は駆け上がった。
大仏をおいかける。けれど、案外というか、なんというか──大仏は機関車のようにどんどんどん、と階段を進んでいく。
(……あれ、脂肪じゃないな!?)
小肥りのように見えたのは、ずんぐりむっくりした体型だったからだ。けれど、どうやら──筋肉のようだ。アメフトかなにかしているかのような、太い首がゴム面の隙間から見え隠れする。
「っ、待て……っ!」
足を階段でしたたかに打ち付ける。
……っ、もっとこまめに運動しておけば良かった……!
大仏が、行き止まりのドアを簡単に押し開ける。どうやら屋上のようだった。すぐに閉まってしまう。
青色吐息で続いてドアを押し開けると──そこは、空中庭園のようになっていて、家族連れやカップルが、祇園祭直前の街を楽しそうに見下ろしている。
傾きかけた夏の陽を金色に反射する、京都の街並み。
風に乗って、祇園囃子があたりを漂う。
そろそろ、車通行止めの規制が始まるのか──笛の音も聞こえていた。じきに歩行者専用となった大通りで、宵山が始まる。
屋台も出て、──茉白はそれを楽しみにしていて……!
肩で息をしながら、あたりを見回す。
男の姿はどこにもない。
代わりに、大仏のゴム面が落ちていた。
「……茉白」
呆然と呟いたそのとき、可愛らしい声がした。
「ねえお兄ちゃん」
幼稚園の年長か、小学校一年生くらいの、赤い浴衣を着た女の子だった。ニコニコと俺を見上げている。思わず息を飲むくらいに、綺麗な女の子。
「──あ、済まない、いま忙しくて」
「これ、頼まれたの」
女の子は封筒を俺に押し付けてくる。怪訝な顔をしていると、ぱっと袂を翻して去っていった。彼女の母親らしき、綺麗な女性が不思議そうに女の子に話しかけている。
ふと心がざわついて、その封筒を開いた。
『神山茉白は預かった』
手紙の最初の一文に、息を飲む。──茉白!
『警察に連絡するのはおすすめしない。20時までに茉白さんを見つけ出さなければ、君はもう茉白さんに会うことはできない』
どくん、と嫌な鼓動が心臓から聞こえた。
『がんばりたまえ、名探偵くん』
けれど最後の一文で──どっと気が抜けた。……すくなくとも、茉白が傷つけられたりはないんだろう。
「……鍋島」
なにを考えてる?
けれど……「茉白に会うことはできない?」。
ぐっと唇をかみしめた。
なにを考えているか知らないが──と、ぽん、と肩を叩かれた。
反射的に振り向くと、そこにいたのは、茉白のおばあさん、だった。
白い浴衣の襟を抜いて、やたらとアダな格好が似合う。紫の帯が上品だった。
「こんばんは……には、まだ早いかしら」
「……っ、あの」
どう挨拶すればいいか、口ごもる俺におばあさんはやたらと艶やかに微笑んだ。
「頑張ってちょうだいね」
「……は」
「あなた歯医者さんじゃなくて、探偵さんだったのね?」
固まる。
ええと、これは、要は……これって。
茉白のおばあさんは、団扇を俺に押し付ける。
「期待してるわ」
そう言って、白い浴衣を翻して、エレベーター方面にぴんとした背中で歩いていく。
頭がごちゃごちゃだ。
茉白のおばあさんは──何か知っている。何か知っている、というよりはもう噛んでいる、とみて間違いないんだろう。
鍋島との関係は?
(茉白は?)
茉白はおそらく、何も知らない──嘘をついたり、演技をしたりはいちばん苦手なはずだ。
(ということは、……ことは?)
これはもしかして、アレなんだろうか。
茉白のおばあさんから与えられた──課題、のようなものなんだろうか?
要は──これをクリアしなければ。
「……茉白ともう会えない?」
ぽたり、と落ちた汗が、空中庭園の芝生に染み込んでいった。
「だいいちね、僕の奥さんはFカップあるんだ」
「……」
何が言いたいんだ。茉白の控えめバストは感度がよくて(いやそれでかなり苦労してるんだけれども)可愛いんだぞ!
「こうなってくると娘が大きくなったときが心配だよ」
「え、子供までいんの」
「ふふ」
鍋島はちう、とアイスコーヒーを飲む。透明なストロー、そこを黒い液体が上がっていく。こいつがやると、やたらと艶かしくて目線を外した。
「……で? なんの用事だ」
「なにもないよ? たまたま僕がここでコーヒーをブレイクしちゃってたら、君が恋人とイッチャイッチャイッチャイッチャしながら来ただけじゃないか」
「……そんなにはいちゃついてないぞ」
「いいや、いちゃついてたね。乳繰り合ってたね」
「あってない!」
ふ、と鍋島は実に優雅に目を細めた。
「あれでイチャついてない、なんて判定するのは無理があるよ」
「……」
ちょっと自重しよう、と思った。そんなつもりはなかったのだけれど……。
「ま、いいんじゃない? 子供ができたらいちゃつきようがなくなるからね。まぁ僕は遠慮なくいくけどね」
「想像がつかん」
「ふふん」
なぜか自慢げに笑い、鍋島は立ち上がる。
「じゃあね名探偵くん」
「……なんだそれ?」
「なんでもないさ」
そう言って後ろ手に手を振って(嫌味なほどに似合っていた)さっさと人混みに姿を消す。
俺はどっと疲れて、ソファに身を預けた。
それからしばらく、ぼうっとする。
(あいつと話すと疲れる……)
しかし意外だった。まさか結婚していたとは……と、ふとスマホに目をやる。
案外と時間が経っていた。
「茉白」
遅いな、とフロアに目を散らす。
見える範囲には姿がない。
ふと──心配になり、立ち上がった。歩き出し、目線で茉白を探しながら電話をかける。
『ただいま電話にでることができません──』
無機質なアナウンス。
(茉白!)
嫌な予感がどんどんと大きくなって、フロア中を歩き回る。
(大丈夫だ)
単にトイレにでも行っているだけ。
試着室で、ああでもないこうでもないと悩んでいるだけ──茉白!
そのとき、だった。
ごった返す人混みのむこうに、明らかに異質な存在を認知する。
「……っ、な」
大仏と、馬。
そのゴム面を被った二人組が、フロアの隅、京都の街を一望できる大きなはめ殺しの窓の前に立っていた。
大仏のおとこはすこし小肥りのようで、馬の方は細身の男だった。
「……!」
全身がざわつく。まさか、まさか……!
人混みをかきわけてそちらに駆け出すと、そいつらはパッと二手に別れて走り出す。
「待てっ!」
どちらを追いかけようか──と悩んで、大仏にした。馬は速そう、とどこかで思ったのかもしれない。細かったし。
ふたりがいたのは、左手にエレベーター、右手に階段がある、ベンチがあり休憩スペースになっていた大きな窓の前。
馬は階段を駆け下り、大仏は駆け上がった。
大仏をおいかける。けれど、案外というか、なんというか──大仏は機関車のようにどんどんどん、と階段を進んでいく。
(……あれ、脂肪じゃないな!?)
小肥りのように見えたのは、ずんぐりむっくりした体型だったからだ。けれど、どうやら──筋肉のようだ。アメフトかなにかしているかのような、太い首がゴム面の隙間から見え隠れする。
「っ、待て……っ!」
足を階段でしたたかに打ち付ける。
……っ、もっとこまめに運動しておけば良かった……!
大仏が、行き止まりのドアを簡単に押し開ける。どうやら屋上のようだった。すぐに閉まってしまう。
青色吐息で続いてドアを押し開けると──そこは、空中庭園のようになっていて、家族連れやカップルが、祇園祭直前の街を楽しそうに見下ろしている。
傾きかけた夏の陽を金色に反射する、京都の街並み。
風に乗って、祇園囃子があたりを漂う。
そろそろ、車通行止めの規制が始まるのか──笛の音も聞こえていた。じきに歩行者専用となった大通りで、宵山が始まる。
屋台も出て、──茉白はそれを楽しみにしていて……!
肩で息をしながら、あたりを見回す。
男の姿はどこにもない。
代わりに、大仏のゴム面が落ちていた。
「……茉白」
呆然と呟いたそのとき、可愛らしい声がした。
「ねえお兄ちゃん」
幼稚園の年長か、小学校一年生くらいの、赤い浴衣を着た女の子だった。ニコニコと俺を見上げている。思わず息を飲むくらいに、綺麗な女の子。
「──あ、済まない、いま忙しくて」
「これ、頼まれたの」
女の子は封筒を俺に押し付けてくる。怪訝な顔をしていると、ぱっと袂を翻して去っていった。彼女の母親らしき、綺麗な女性が不思議そうに女の子に話しかけている。
ふと心がざわついて、その封筒を開いた。
『神山茉白は預かった』
手紙の最初の一文に、息を飲む。──茉白!
『警察に連絡するのはおすすめしない。20時までに茉白さんを見つけ出さなければ、君はもう茉白さんに会うことはできない』
どくん、と嫌な鼓動が心臓から聞こえた。
『がんばりたまえ、名探偵くん』
けれど最後の一文で──どっと気が抜けた。……すくなくとも、茉白が傷つけられたりはないんだろう。
「……鍋島」
なにを考えてる?
けれど……「茉白に会うことはできない?」。
ぐっと唇をかみしめた。
なにを考えているか知らないが──と、ぽん、と肩を叩かれた。
反射的に振り向くと、そこにいたのは、茉白のおばあさん、だった。
白い浴衣の襟を抜いて、やたらとアダな格好が似合う。紫の帯が上品だった。
「こんばんは……には、まだ早いかしら」
「……っ、あの」
どう挨拶すればいいか、口ごもる俺におばあさんはやたらと艶やかに微笑んだ。
「頑張ってちょうだいね」
「……は」
「あなた歯医者さんじゃなくて、探偵さんだったのね?」
固まる。
ええと、これは、要は……これって。
茉白のおばあさんは、団扇を俺に押し付ける。
「期待してるわ」
そう言って、白い浴衣を翻して、エレベーター方面にぴんとした背中で歩いていく。
頭がごちゃごちゃだ。
茉白のおばあさんは──何か知っている。何か知っている、というよりはもう噛んでいる、とみて間違いないんだろう。
鍋島との関係は?
(茉白は?)
茉白はおそらく、何も知らない──嘘をついたり、演技をしたりはいちばん苦手なはずだ。
(ということは、……ことは?)
これはもしかして、アレなんだろうか。
茉白のおばあさんから与えられた──課題、のようなものなんだろうか?
要は──これをクリアしなければ。
「……茉白ともう会えない?」
ぽたり、と落ちた汗が、空中庭園の芝生に染み込んでいった。
4
あなたにおすすめの小説
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる