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第1章

試し撃ち

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さて、全員レベルを1上げて最低限戦う能力を手に入れたので隊列を真逆に反転させ、俺らレベル上げの対象者中心に戦闘を行う隊列に変わった。

一条 鈴華
職業  白魔道士
年齢   16
レベル2
HP306
攻撃力252
守備力319
魔力612
精神力 713
敏捷性 300
魔法属性 聖  水  風
スキル  鑑定眼   念話   魔力強化  
             魔力覚醒   不動の精神    言語理解


高野浩介
職業  魔法闘士
年齢   16
レベル2
HP691
攻撃力603
守備力652
魔力610
精神力507
敏捷性 891
魔法属性 火 雷 風
スキル  付与魔法強化    魔力強化   俊足    
             眼力   投擲    言語理解


森下透
職業  武術家
年齢   28
レベル2
HP863
攻撃力811
守備力951
魔力806
精神力72
敏捷性 711
魔法属性 風   聖
スキル   剣術  柔術  弓術   眼力  槍術
              身体強化    言語理解


そして彼らのステータスなのだが、一条が平均400、浩介が600、森下が800程度上昇した。

ちなみにこの辺でよく出る、ゴブリンのステータスはこんな感じだ。


ゴブリン
レベル1
HP500
攻撃力600
守備力500
魔力100
敏捷性 500
魔法属性 なし
スキル  奇襲    人海戦術

ダンジョンから生み出されているからか、魔物のステータスはキリがいい。
で、強さ自体は一条に毛が生えた程度だがスキルが結構凶悪。

奇襲     背後からの攻撃による威力が2倍

人海戦術   戦闘に参加している同族が敵の数より多い場合、全ステータスが2倍。

つまりは数的優位に立たれると現状俺とロレンスで対処しなければいけなくなる。
このほかにステータスを若干いじった、アーチャー、弓持ちと火属性の魔法を使うウィザードが出てくるが、スキルも一緒なので割愛。

行動を始める前にロレンスから絶対に数的優位を作らせるなときつく言われたので慎重にかつ迅速に行こうと思う。


歩いていると正面にゴブリンが一体現れた。
俺は後ろに発見を伝え、兼ねてからこの世界の魔物に試してみたかったM9を取り出す。

「高坂さん、数に限りがあるんじゃなかったんですか?こんな所で使って大丈夫なんですか?」
後ろから森下が勿体無いと言いたげに声をかけてくる。
「一回も試したことないのはまずいと思うし、何より魔物がどんな反応するか気になる。音で驚くなら硬くて弾が通らない敵にも要所でねこだまし程度に使えるだろう。」
「前半だけだと、殺人鬼みたいなセリフに聞こえるよな。」
適当に相槌を打ってくる浩介。
もっと他に考えることあるだろうと思うが、彼の表情は硬く、手にはしっかり投げナイフを握っておりすぐにも動ける体勢だ。
ちょっと緊張してるのかもしれないな。

ゴブリンは少し前にこちらに気付き走り出している。
俺は射程内に入ったゴブリンの頭目掛けて引き金を引いた。

パァーッンと甲高い音が響いて、ゴブリンの頭に命中する。
ゴブリンはそのまま倒れて息絶えた様だ。

「ヘッドショットじゃ、音が有効かとかわからなくねぇか?」
「いや、確かに音で動きを止めたのを見えたから問題ない。」
「高坂、それはなんだ?」
 ロレンスが興味深そうにM9を見つめている。

「拳銃と言って、俺らの世界では弓の後釜遠距離武器だ。向こうの世界では殆どの命は等しくこの中から出てくる鉛玉1発で奪うことができた。もっともこの世界の弓と違い、使用者のステータスにより威力補正もかからず、弾数も有限。挙げ句の果てに守備力1500超えると弾が貫通しなくなるって鑑定で見たら書いてあってな。それにこの弾の速度より速く動く生物もいそうだし、唯一元の世界から持ってこれたものだが役に立ちそうもない代物だ。」

「………よくわからんが、俺の前ではあまり使わないでくれ。音がな、心臓に悪い。」
ものすごい険しい顔をしていたから何か、銃を使うことがまずかったのかと思っていたら、ただ驚いていただけの様だ。

「あっ、何か落ちてますよ!」
森下の方を見ると、ロレンスと話している間にゴブリンの死体が消えていた場所になにやら小さくピンク色の様な石が落ちていた。
形はサッカーボールの様な球に近い多面体で面数は非常に多い。

「そいつは魔石だ。ダンジョンが魔物の死体を回収していくときに置いて行ったりする奴だ。強い魔物だともっと大きかったり必ず魔石を残してくれるんだが、ゴブリン程度だと小さく3体に1体程度しか魔石を置いていかない。」

「魔石というのは、学者たちが言っていた資源ってやつか?」

「まぁその1つだ。こいつは魔道具のエネルギー源として使われてる。例えばトイレの水だったり、コンロの火種だったりと役割が多い。」
説明をしながらロレンスは魔石を拾う。

「あと、これは使える技術だから覚えておいたほうがいい。」
ロレンスはかなり遠くの方に新たに出現したゴブリンに目掛けて魔石を投げた。

100m近く距離があったのだが、ゴブリンにしっかり命中、そしたら急にゴブリンの体から石の針が生えてきてゴブリンを貫通している。

「簡単な話だ、魔道具が魔石に何をさせるか命令している部分を手動でやったまで、命令を受けた魔石は軽い衝撃を与えるだけで発動する。もし追い込まれることがあるなら、使ってみるといい自身の魔力はほとんど使わないから攻撃しながら身体強化に魔力を割けるから逃げやすくなる。」
「コツは?」
「付与魔法と同じ原理だ。」
「おっそれなら俺の得意分野だな。投げるってところも性に合ってるし。」
ロレンスの説明に上手くいってなかった投げナイフに変わる投擲武器が手に入ると喜ぶ浩介。
まぁ丸くて投げやすそうだしな、ナイフを正確に投げてかつ精度を上げるには、かなりコツがいる。
正直、ほかの投げるものと勝手が違うから、投擲のスキル外で上手くいってないってのもあるかもしれない。

「おっと今回の魔石は全て国に資源として納めてもらう。ここを貸してもらう条件なのだから、やったら目ったら投げないでくれよ。」
ロレンスに釘を刺され、項垂れる浩介だった。
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