恋文筆弁士の最後の交換日記

京間 みずき

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二十話  愛のかたち

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秋の風が吹く、寒い夕暮れ時に、文華は背中の温もりを感じ、溢れ落ちそうな涙を目に浮かばせたまま、笑顔を見せる。

 顔をあからみながら、少し小さな声で、恥ずかしいそうに話しはじめる。

 「ごめんね、ヤツメさん」「私も悪かったの」「ヤツメさんが、ちょとイライラしていたの、わかっていたの私」

 「でもね、健一君の前では、素直になれなくて、、、」


 その言葉を聞いたヤツメの腕は、自然と更にギュウと力を入いる。

 文華は、言葉にならない程の優しさと、すまなかったと言う、ヤツメの気持ちが、背中を伝え溢れ出す、その思いを感じ取る。

 「文華ちゃん、悪いのは俺の方だ」
 「許してくれないか」「許してくれるなら、なんでもするから」

 文華はソーと、ヤツメの左手に、自分の右手を添え、絡ませニッコリと笑顔を見せる。

 「ヤツメさん、もし良かったら、家迄このまま、送ってくれないですか」

 「それで、許しますよ」

 ここから、文華の家まで、一キロあるだろうか、そのわずかな道のりを、二人は幸せな空間に包み込まれ、何か特別な時間を味合うかの様に、ゆっくりと歩き始める。

 冷静をよっていた文華だっが、ヤツメの左手には、彼女の鼓動を感じる事が出来る。

 「文華ちゃん、これからも、こんな時間を大事にしたいな」

 「同じこと思ってた」「私もこんな時間を大切したいな~」

 何か、特別な事を話している訳ではない、手を繋いで歩いているだけなのだが、今の二人には、大事な時間だった。

 二人は思う、お互いの目を見つめながら、嗚呼もう、家が見えた、この幸せな時間とも、お別れなの

 そんな事を考えていると、次第に足が重くなる。

 しかしついに、文華の家の前たどり着いてしまい、二人は、絡み合う指を離し、手を振り、この日の終わりを優しく告げる。


 文華は、家に入ると、二階の自分の部屋にかけ走り、窓を開け、再びヤツメに手を振る。

 ヤツメもそれに気づいて、後ろを振り返り、手振り返す。

 彼等は、ゆっくりと愛を育み合って行く

 当然の事ながら、ヤツメは文華の瞳のを確認していた。
「良かった、悪しき力は強くなってなかった」

 「多分もって五年」「早いうちに、見つけないとな」「取り除く方法が、絶対に有るはずだ」
 「帰って、ミコトと一緒に、古い文献を読み解くかな」
 ヤツメは、ブツブツと独り言をつぶやきながら、家路に向かう。


 一方文華は、自分の部屋で、ヤツメとの思いを振り返っていた。

 「ネェネェ、聞いてキツネさん」「今日ねヤツメさんにギュって、抱きしめられたの」


 「それは、良かったですね、文華さん」「順調で、何よりです」

 「でもね、お忘れですか、貴方の瞳には、悪しき力を持つ、もののけが、その命を狙っています」

 「文華さん貴方には、長生きして  いただきたいのです」「だから、早いうちに、ヤツメ様とはお別れした方が、良いと言いませんでしたか?」



 「キツネさん、私はどれぐらい、生きていられるの?」
 
 「このままなら、もって五年です」

 「わかったは、ありがとうキツネさん」


 「私の瞳の事は、ヤツメさんには、内緒にしてくれませんか」

 「当然です文華さん、口が裂けても話しません」「でも、なぜですか?」

 「私ね、彼を傷つける事無く、お別れしたいの」
 
 この命が、消えゆくその日迄に、何かいい方法が、きっと有るはず。

 「キツネさん、もし良ければ、一緒に、古い文献を読み解いてくれませんか」

 「それが、私が選んだ、愛のかたちなのよ」


 「絶対に有るはず、相手を傷つけず、別れる方法がね」




 それにしても、嫉妬とは恐ろしい物で、自分でも思いも知らない行動を起こして仕舞う物で

 ミコトは今、取り返しの付かぬ、自分の愚かさを、思い知る。

 
 私は、なんて事をしてしまったの

それに、ヤツメ様の事を思う気持ちは、私は文華さんの足元にも、及ばない、、、



 


 
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