嫌われ者の【白豚令嬢】の巻き戻り。二度目の人生は失敗しませんわ!

大福金

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やり直しの人生 ソフィア十三歳魔法学園編

第百七十二話 すみません

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「あぐっ!? あれっ私は……?」

 先生に助けを求めようも、気絶していてどうしたら良いのか困っていたら、全てを察したファーブル様が、先生の頭に小さな雷を落として目を覚ましてくれた。

 ……ありがとうございます。

 先生に対してかなり雑な起こし方なのは置いといて。助かりました。

「ファーブル様ありがとうございます。ですが先生にあの様な事をして大丈夫ですか?」
「いえいえどーいたしまして。ソフィアの偉業を、ちゃんと見てないこのバカ教師が悪いんだから、良いんだよ」

 ソウ先生とファーブル様の所に走って行くと、「ホント、ソフィアの魔法は綺麗だね」そう言いながら優しく私の頭を撫でてくれるファーブル様。
 そしてソウ先生の方を残念そうに見つめた後、大きなため息をはいて、先程の返事をくれたのだ。

「いつまでボーッしてるんですか? いい加減この素晴らしい魔法を、褒め称える事くらいしたらどうです?」

 ファーブル様!? 先生にその言い方は大丈夫なんですか? それに素晴らしいと言うよりもこれは……大失敗じゃ。

「へっ!?」

 ソウ先生は頭を左右に振り、やっと冷静になったのか、真っ青な顔になりながらも「さすがグレイドル宰相の血をひくだけあって、素晴らしい魔法ですね」と言いながら、私に向けて拍手をしてくれた。

 その反応にやっと、他の生徒たちも正気に戻ったのか、いきなりの大歓声が巻き起こる。

「さすがソフィア様です」
「壊しちゃうとか……スゴすぎるでしょ」
「かっこいい……」
「ソフィア様に一生ついていきます」
「女神ソフィア様……」

 ええと……嬉しいんだけど、私の事持ち上げ過ぎじゃないかな?
 
「……壊しちゃったんだよ? いいのかなこんなに賞賛されて」
「何を言ってるんだよ、ソフィア。賞賛以外に何があるっていうんだよ!」
「でっですが……私が魔力調整をもっと上手く出来ていたら、壊れる事は無かったし……」
「ソフィア!? 違うよ! この的はね? 全力で魔法を放っても、全て吸収するように作られているんだよ。それなのに、ソフィアの魔力を全て吸収出来なかった、あのクソな的が悪いんだよ。分かる? だからね、ソフィアは何にも気にする事はないんだよ? ねっ? ほらっ笑って?」

 ファーブル様がニコリと無邪気に笑うので、ついつられて笑ってしまった。

「ふふふっ」
「うん。ソフィアは笑ってる方が可愛いね」
「ふぇっ!?」

 いきなり可愛いと褒められ、顔が赤くなるのが分かる。
 それをファーブル様に気付かれたくなくて、下を向いていると不意に前が暗くなる。

「あれ?」

 前を向くと、アイザック様が私とファーブル様の間に立っていた。

 え? いつの間に?

「ファーブル? 近付き過ぎじゃないか?」
「んん? 言ってる意味が分からないね? それを言うなら、アイザックの方が近付き過ぎだと思うけど?」
「僕は婚約者だから良いんだよ」
「ああ……(仮)のね? くすっ」
「なっ……!」

 何やらアイザック様とファーブル様の様子が、穏やかでは無い。

「あのう……? 二人ともどうかしましたか?」

 二人の会話に割って入ると「「ソフィアどうしたのそんな顔して? なんでもないよ」」と声を揃えて返事を返された。
 なんだ息ぴったりじゃないですか、心配して損しましたよ。相変わらずの仲良しですね。安心しました。

「ふふっなら良かったです」

 笑って返事を返すと、二人は手で顔を覆い黙ってしまった。

 んん? どうしたのかな。

 そんな時だった。
 背筋に異常な殺気を感じとり振り返ると、恐ろしい形相でグラードン王女が、私の事を睨んでいた。

「ひっ!」

 ちょっと待って? 
 私グラードン王女にそんな顔で睨まれる様な事してないですよ?

 この後。
 的や壁が壊れてしまって魔法練習が出来ないため、訓練はここで中断となった。
 もしかして、この事で私はグラードン王女に睨まれてたのかな? そんなにも魔法練習がしたかったとか、すみません。

 私たちが魔法訓練所を出た後に、この場を訪れたお父様が学園長たちに平謝りし、「全て私が弁償しますから」と言っていたなんて、この時私は知らなかった。
 後でそのお話を知って、お父様に対し、感謝と反省の気持ちでいっぱいになった。
 私、頑張って魔力調整出来るようになりますから!

 そう心に誓った。
 

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