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第二章 ボス(プレイヤースキル的な)
十一本目 ダンジョンボスになられますか?
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《BFO運営アナウンス イベント『ダンジョンボスの心』を今週末の土日に開催致します》
新しい装備を試そうと意気揚々と[双竜の牙]を出た僕の頭にそんな音声が鳴った。
視界の端にメールアイコンが表示され・・・ステータスウィンドウを開く。
確かメールはここから見れるはず・・・
――――――――
From:『BFO運営陣』
To:プレイヤー
イベント『ダンジョンボスの心』を今週末の土日に開催いたします。
イベント期間:今週末の土曜日・日曜日のPM9:00~11:00
ゲーム内時間で4時間
イベント内容:・イベント期間中、始りの街ルミリエイスに12種類のダンジョンの入り口ができる。詳しい場所は直前に告知
・12個のダンジョンのボスはこのBFOの全プレイヤー中戦闘力において上位12名のプレイヤーが担当。上位12名の選出は運営がデータを元に行い、各プレイヤーのみに告知します。上位12名のプレイヤーの内誰かがボス担当を拒否した場合、次の序列のプレイヤーへとボスを担当する権利が移譲されます
・ダンジョンの適正Lvは基本的に40Lvですが、そのダンジョンのボスを担当するプレイヤー次第で変化します
・ダンジョンに出るモンスターは各ダンジョンによって違い、プレイヤーはそのダンジョンに出るモンスターの素材、そしてダンジョンボスの撃破で特別報酬が渡されます。
・ダンジョン攻略に参加希望の方はイベント開始前にダンジョンの入り口に近づくことでイベントの参加権が入手できます。
・ただし、同じダンジョンへの挑戦は二回まで。
BFO二度目のイベントです。皆様、奮ってご参加ください。
――――――――
ふむふむ・・・『ダンジョンボスの心』、か。
ダンジョンボス体験会って感じかな?
12っていう中途半端な数なのが気になるけど・・・
あれ?もう一通メールが来てる。
えーっと・・・
――――――――
From:BFO運営陣
To:リューセイ
リューセイさん、あなたは全プレイヤー中の戦闘力上位12名の一人に選ばれました。
よって、イベント『ダンジョンボスの心』のダンジョンボスを担当する権利をお渡しします。
詳しい説明を聞きますか?
Yes. or No.
※Yesを選んだ場合一時的に転移されます。説明終了後に元いた場所へ戻ります。
出来ればYes押してっ!!
――――――――
おー・・・っていや、何?最後の文・・・
何でこんな懇願するような文章なんだろう?
まぁ、説明を聞くだけなら何の問題もないし。
Yesっと。
その瞬間、視界が光に包まれる。
視界が元に戻ると、周囲が真っ白な空間にいた。
キャラクターメイキングの時と真逆・・・
ん?不思議な空間に目がいってたけど、周囲にプレイヤーがいた。
あれ?もしかして、全員同時に説明ってことかな?
「リューセイッ!?!」
背後からそんな声が聞こえてきた。振り向くと、そこにいるのは赤い鎧を着た赤い髪の男がこちらを唖然とした顔で見ていた。
「あれ?ショートだ」
「あれ?ショートだ、じゃねぇよっっ!!!!何でお前がここに・・・?って、理由なんて一つしかないよな・・・」
なんだか一人で納得したみたいだ。
良かった良かった。
「ショート、突然どうしたのよ?」
「おいおいギルマスよぉ、いつも以上に変だぜ?」
「何!?いつも以上って!!俺がいつも変みたいじゃないかっ!!」
「「その通りだろうが(でしょう)」」
うん?美人なお姉さんと、筋骨隆々な男の人がショートと話してる。
ギルマス・・・ギルドマスターのことか。
ってことは、ショートのギルド・・・"紅鎧"だっけ。
そのメンバーかな?
「えーっと、初めまして」
「初めまして。ところで、あなたは誰なの?戦闘力上位の12人に入るような人なら全員知ってると思ってたんだけど・・・何者なのかしら?」
「・・・エスティアよぉ、ちょっとこいつのLv見てみろや」
「え?・・・はぁっ!?Lv34って・・・どういうこと!?」
Lv34か・・・そういえば確認してなかったな。
あれ?確かこのイベントのダンジョンの適正Lv40だったよね?
・・・僕、届いてないんだけど・・・
「おいお前らっ!!俺をおいて話を進めるな!!」
「「ああ、いたのかギルマス(いたのねギルマス)」」
「いるに決まってんだろっ!?」
へぇ・・・仲のいい友達って感じだ。
名前は・・・エスティアさんとフェンリルさん。
学校だとショートの友達はあんまり多くないからなぁ・・・
僕もだけど。
「ショートと仲良くやってくれてるみたいで嬉しいです。ショートのギルドのメンバー、ってことでいいですか?」
「その通りだけど・・・仲がいいかはおいといて。むしろあなたは誰なのよ?」
「ん?お前まさか・・・ギルマスが前に言ってたヤバい友達か?」
「・・・ショート、ちょっとどういうことか説明してもらえるかな?」
「え?いや、あはは・・・えっと・・・」
「少し話そうか。色々と聞きたいから・・・ね?」
「・・・!!(殺気!?)すいやせんっしたあああああ!!」
「うーん、えっと、エスティアさんとフェンリルさん、ちょっとショートが僕のことをどんな風に言ってたのか説明していただけませんか?」
「「リアルチートなヤバい奴」」
「よし、ショート、有罪だね」
「ちょちょちょ、お、お前らっ!裏切ったな!!」
「裏切るも何も・・・ねぇ?」
「ああ・・・ギルマスの説明を要約したらこうなるよな?」
「とりあえず、ショートに対する刑は後にとっておこうか。自己紹介をさせてもらうよ。一応・・・一応、ショートの友人をやってます。名前はリューセイ。よろしくお願いしますね」
「いや何でそんな一応を強調すんのっ!?友達だよね!?そうだと言って!!」
「・・・なんつーか、ギルマスの紹介のイメージとちげぇな。あと、敬語はいらねぇぜ?普通に話してくれ」
「そうね、そんな風に話されるとむしろこっちが話しづらいわ。普段通りに話して頂戴」
「そうかな?分かったよ。これでいいかな?」
「おうよ!」
「問題ないわ」
「つーか・・・リューセイ、お前、薄々予想はしてたがほんとに選ばれるとはな・・・俺らの半分以下のLvなのに」
「ほんとにとんでもないわよね・・・本人はそんな風には見えないのだけど」
「あはは、僕自身はそんな大層なもんじゃないよ?正直、なんで選ばれたのか分からないくらいだからね」
「お前・・・本気で言ってんのか?」
「ギルマスーー!何話してんのー?あれ?君は?」
突然、明るい女の子の声が背後から聞こえた。
「んー・・・?初めましてだよね?よろしくー!」
「ああ、よろしく。僕はリューセイ、一応ショートの友人・・・ということになってる」
「何その設定上友人、みたいな感じっ!?リアルフレンドだろうがぁ!!」
「え、もしかしてギルマスが言ってた意味が分からないヤバい友達?」
「ショート、残念だけど、刑を重くするね」
「いや何申し訳ない風に言ってんの!?俺の苦しみが増えることには変わらないからね!?」
「あはは、そっかぁ。僕はリリー。改めてよろしくねー!」
「こちらこそ。ところで、同じギルドから四人も上位12名に入るなんて、ショートのギルドって凄いんだねぇ」
「当然だろ?って言いたいところなんだけどな・・・?Lvが俺たちの半分以下で選ばれてるお前には言われたくねぇわ・・・お前、何やらかした?」
「何を言うんだい、僕は何もやらかしてないよ」
「ハッ!!寝言は寝て言え!!」
「ショート、さらに罪を加算するのかい?」
「えっ、いや・・・そ、そんなことは・・・」
「ねぇ、確かギルマスの友達がBFOを始めたのって昨日じゃなかったっけ?」
「そのはずだよな・・・Lv34なんて、1日でなれるようなもんじゃねぇだろ・・・」
「そもそもLv10にもなれないのが普通よ・・・聞いてた通りの異常な人なんじゃないの?」
「でもあの人自身は普通にいい人そう・・・というか、ギルマスの友達にしてはまともに見えるよ?」
「だよな・・・もっととんでもねぇ見た目の奴を想像してたぜ。それこそ筋肉の塊みたいな」
「それは不気味すぎるわよ・・・実際そうだったらどうするつもりなのよ」
「まぁその時は・・・どうすんだろな?」
「何他人事みたいに言ってるのよ」
『皆様、全員がそろったようなので説明を始めたいと思います』
ショートと遊んでいると、突如そんな声が聞こえてきた。
『今回のイベントでダンジョンボスを担当する際のメリットについて説明いたします。まず、ボスを担当してくださる方にはボスポイントが支給されます。そのボスポイント、BPと呼ばせていただきますが、これはダンジョンの強化とダンジョン内でのみ自分のLvを上げることができます。具体的には最初に配られるのが400BP。ダンジョンのモンスターのLvまたは自分のLvを上げる場合には1Lvにつき10BPを消費し、プレイヤーがダンジョンで命を落とすことで1BP、ボスが直接プレイヤーを倒すことで5BPが取得できます。さらに、イベント終了まで一度も倒されることがなければボーナスポイントが貰えます。逆に攻略、つまりボスが倒されてしまった場合、その時持っているBPが半分になります』
「ダンジョンと自分の強化以外にBPの使い道は?」
そう質問したのはエスティアさんだ。
『イベント終了後、持っていたBPの量に応じて特別報酬が渡されます。どれも有用なものだと思いますよ』
「つまり強化に使いすぎてもダメってことか・・・」
「けどダンジョンに挑んでくるプレイヤーの中には当然パーティもいるっスよね?ってことは、あんまり強化しなさすぎるとやられちまうんじゃないっスか?」
「はっ!やられなきゃいいだろうが!!」
そんな風に言っているのは"紅鎧"のギルドメンバー以外のプレイヤーのようだ。
『BPを上手く使うことが、特別報酬を得る方法です。それでは、説明は以上です。質問はありますか?』
「ちょっといいかな?」
『はい、なんでしょう』
聞きたいことがあるので、質問しておく。
「ダンジョンボスになった場合、装備に制限は?」
『いえ、特にありません。お好きな装備を使ってください』
「分かったよ。ありがとう」
せっかくアルミリアさんに作ってもらった装備を使えないのは嫌だからね。
『もう質問はありませんか?・・・それでは、最後に注意事項です。もしダンジョンボスになられる場合は、挑戦者と手を組んでBPを得るような真似は禁止です。もしそんな真似をされた場合は、特別報酬を入手する権利剥奪だけでなく、ペナルティを課します』
まぁ、それはそうだよね。
『それでは皆さん、ボスになりますか?』
――――――――
イベント『ダンジョンボスの心』でダンジョンボスになりますか?
Yes. or No
――――――――
答えは当然、Yesだ。
強いプレイヤーが挑んでくるなんて・・・なんていいイベントなんだろう。
「・・・おいリューセイ、その笑顔怖いんだが」
「ん?ああ、ごめんごめん。ついね」
「はあ・・・お前がその顔してるときは必ず戦闘関連なんだよな。ところでリューセイ・・・」
「??」
「ダンジョンボスが適正Lvより低いってどうなんだ?――」
――「うん、それ、僕も思った」
新しい装備を試そうと意気揚々と[双竜の牙]を出た僕の頭にそんな音声が鳴った。
視界の端にメールアイコンが表示され・・・ステータスウィンドウを開く。
確かメールはここから見れるはず・・・
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From:『BFO運営陣』
To:プレイヤー
イベント『ダンジョンボスの心』を今週末の土日に開催いたします。
イベント期間:今週末の土曜日・日曜日のPM9:00~11:00
ゲーム内時間で4時間
イベント内容:・イベント期間中、始りの街ルミリエイスに12種類のダンジョンの入り口ができる。詳しい場所は直前に告知
・12個のダンジョンのボスはこのBFOの全プレイヤー中戦闘力において上位12名のプレイヤーが担当。上位12名の選出は運営がデータを元に行い、各プレイヤーのみに告知します。上位12名のプレイヤーの内誰かがボス担当を拒否した場合、次の序列のプレイヤーへとボスを担当する権利が移譲されます
・ダンジョンの適正Lvは基本的に40Lvですが、そのダンジョンのボスを担当するプレイヤー次第で変化します
・ダンジョンに出るモンスターは各ダンジョンによって違い、プレイヤーはそのダンジョンに出るモンスターの素材、そしてダンジョンボスの撃破で特別報酬が渡されます。
・ダンジョン攻略に参加希望の方はイベント開始前にダンジョンの入り口に近づくことでイベントの参加権が入手できます。
・ただし、同じダンジョンへの挑戦は二回まで。
BFO二度目のイベントです。皆様、奮ってご参加ください。
――――――――
ふむふむ・・・『ダンジョンボスの心』、か。
ダンジョンボス体験会って感じかな?
12っていう中途半端な数なのが気になるけど・・・
あれ?もう一通メールが来てる。
えーっと・・・
――――――――
From:BFO運営陣
To:リューセイ
リューセイさん、あなたは全プレイヤー中の戦闘力上位12名の一人に選ばれました。
よって、イベント『ダンジョンボスの心』のダンジョンボスを担当する権利をお渡しします。
詳しい説明を聞きますか?
Yes. or No.
※Yesを選んだ場合一時的に転移されます。説明終了後に元いた場所へ戻ります。
出来ればYes押してっ!!
――――――――
おー・・・っていや、何?最後の文・・・
何でこんな懇願するような文章なんだろう?
まぁ、説明を聞くだけなら何の問題もないし。
Yesっと。
その瞬間、視界が光に包まれる。
視界が元に戻ると、周囲が真っ白な空間にいた。
キャラクターメイキングの時と真逆・・・
ん?不思議な空間に目がいってたけど、周囲にプレイヤーがいた。
あれ?もしかして、全員同時に説明ってことかな?
「リューセイッ!?!」
背後からそんな声が聞こえてきた。振り向くと、そこにいるのは赤い鎧を着た赤い髪の男がこちらを唖然とした顔で見ていた。
「あれ?ショートだ」
「あれ?ショートだ、じゃねぇよっっ!!!!何でお前がここに・・・?って、理由なんて一つしかないよな・・・」
なんだか一人で納得したみたいだ。
良かった良かった。
「ショート、突然どうしたのよ?」
「おいおいギルマスよぉ、いつも以上に変だぜ?」
「何!?いつも以上って!!俺がいつも変みたいじゃないかっ!!」
「「その通りだろうが(でしょう)」」
うん?美人なお姉さんと、筋骨隆々な男の人がショートと話してる。
ギルマス・・・ギルドマスターのことか。
ってことは、ショートのギルド・・・"紅鎧"だっけ。
そのメンバーかな?
「えーっと、初めまして」
「初めまして。ところで、あなたは誰なの?戦闘力上位の12人に入るような人なら全員知ってると思ってたんだけど・・・何者なのかしら?」
「・・・エスティアよぉ、ちょっとこいつのLv見てみろや」
「え?・・・はぁっ!?Lv34って・・・どういうこと!?」
Lv34か・・・そういえば確認してなかったな。
あれ?確かこのイベントのダンジョンの適正Lv40だったよね?
・・・僕、届いてないんだけど・・・
「おいお前らっ!!俺をおいて話を進めるな!!」
「「ああ、いたのかギルマス(いたのねギルマス)」」
「いるに決まってんだろっ!?」
へぇ・・・仲のいい友達って感じだ。
名前は・・・エスティアさんとフェンリルさん。
学校だとショートの友達はあんまり多くないからなぁ・・・
僕もだけど。
「ショートと仲良くやってくれてるみたいで嬉しいです。ショートのギルドのメンバー、ってことでいいですか?」
「その通りだけど・・・仲がいいかはおいといて。むしろあなたは誰なのよ?」
「ん?お前まさか・・・ギルマスが前に言ってたヤバい友達か?」
「・・・ショート、ちょっとどういうことか説明してもらえるかな?」
「え?いや、あはは・・・えっと・・・」
「少し話そうか。色々と聞きたいから・・・ね?」
「・・・!!(殺気!?)すいやせんっしたあああああ!!」
「うーん、えっと、エスティアさんとフェンリルさん、ちょっとショートが僕のことをどんな風に言ってたのか説明していただけませんか?」
「「リアルチートなヤバい奴」」
「よし、ショート、有罪だね」
「ちょちょちょ、お、お前らっ!裏切ったな!!」
「裏切るも何も・・・ねぇ?」
「ああ・・・ギルマスの説明を要約したらこうなるよな?」
「とりあえず、ショートに対する刑は後にとっておこうか。自己紹介をさせてもらうよ。一応・・・一応、ショートの友人をやってます。名前はリューセイ。よろしくお願いしますね」
「いや何でそんな一応を強調すんのっ!?友達だよね!?そうだと言って!!」
「・・・なんつーか、ギルマスの紹介のイメージとちげぇな。あと、敬語はいらねぇぜ?普通に話してくれ」
「そうね、そんな風に話されるとむしろこっちが話しづらいわ。普段通りに話して頂戴」
「そうかな?分かったよ。これでいいかな?」
「おうよ!」
「問題ないわ」
「つーか・・・リューセイ、お前、薄々予想はしてたがほんとに選ばれるとはな・・・俺らの半分以下のLvなのに」
「ほんとにとんでもないわよね・・・本人はそんな風には見えないのだけど」
「あはは、僕自身はそんな大層なもんじゃないよ?正直、なんで選ばれたのか分からないくらいだからね」
「お前・・・本気で言ってんのか?」
「ギルマスーー!何話してんのー?あれ?君は?」
突然、明るい女の子の声が背後から聞こえた。
「んー・・・?初めましてだよね?よろしくー!」
「ああ、よろしく。僕はリューセイ、一応ショートの友人・・・ということになってる」
「何その設定上友人、みたいな感じっ!?リアルフレンドだろうがぁ!!」
「え、もしかしてギルマスが言ってた意味が分からないヤバい友達?」
「ショート、残念だけど、刑を重くするね」
「いや何申し訳ない風に言ってんの!?俺の苦しみが増えることには変わらないからね!?」
「あはは、そっかぁ。僕はリリー。改めてよろしくねー!」
「こちらこそ。ところで、同じギルドから四人も上位12名に入るなんて、ショートのギルドって凄いんだねぇ」
「当然だろ?って言いたいところなんだけどな・・・?Lvが俺たちの半分以下で選ばれてるお前には言われたくねぇわ・・・お前、何やらかした?」
「何を言うんだい、僕は何もやらかしてないよ」
「ハッ!!寝言は寝て言え!!」
「ショート、さらに罪を加算するのかい?」
「えっ、いや・・・そ、そんなことは・・・」
「ねぇ、確かギルマスの友達がBFOを始めたのって昨日じゃなかったっけ?」
「そのはずだよな・・・Lv34なんて、1日でなれるようなもんじゃねぇだろ・・・」
「そもそもLv10にもなれないのが普通よ・・・聞いてた通りの異常な人なんじゃないの?」
「でもあの人自身は普通にいい人そう・・・というか、ギルマスの友達にしてはまともに見えるよ?」
「だよな・・・もっととんでもねぇ見た目の奴を想像してたぜ。それこそ筋肉の塊みたいな」
「それは不気味すぎるわよ・・・実際そうだったらどうするつもりなのよ」
「まぁその時は・・・どうすんだろな?」
「何他人事みたいに言ってるのよ」
『皆様、全員がそろったようなので説明を始めたいと思います』
ショートと遊んでいると、突如そんな声が聞こえてきた。
『今回のイベントでダンジョンボスを担当する際のメリットについて説明いたします。まず、ボスを担当してくださる方にはボスポイントが支給されます。そのボスポイント、BPと呼ばせていただきますが、これはダンジョンの強化とダンジョン内でのみ自分のLvを上げることができます。具体的には最初に配られるのが400BP。ダンジョンのモンスターのLvまたは自分のLvを上げる場合には1Lvにつき10BPを消費し、プレイヤーがダンジョンで命を落とすことで1BP、ボスが直接プレイヤーを倒すことで5BPが取得できます。さらに、イベント終了まで一度も倒されることがなければボーナスポイントが貰えます。逆に攻略、つまりボスが倒されてしまった場合、その時持っているBPが半分になります』
「ダンジョンと自分の強化以外にBPの使い道は?」
そう質問したのはエスティアさんだ。
『イベント終了後、持っていたBPの量に応じて特別報酬が渡されます。どれも有用なものだと思いますよ』
「つまり強化に使いすぎてもダメってことか・・・」
「けどダンジョンに挑んでくるプレイヤーの中には当然パーティもいるっスよね?ってことは、あんまり強化しなさすぎるとやられちまうんじゃないっスか?」
「はっ!やられなきゃいいだろうが!!」
そんな風に言っているのは"紅鎧"のギルドメンバー以外のプレイヤーのようだ。
『BPを上手く使うことが、特別報酬を得る方法です。それでは、説明は以上です。質問はありますか?』
「ちょっといいかな?」
『はい、なんでしょう』
聞きたいことがあるので、質問しておく。
「ダンジョンボスになった場合、装備に制限は?」
『いえ、特にありません。お好きな装備を使ってください』
「分かったよ。ありがとう」
せっかくアルミリアさんに作ってもらった装備を使えないのは嫌だからね。
『もう質問はありませんか?・・・それでは、最後に注意事項です。もしダンジョンボスになられる場合は、挑戦者と手を組んでBPを得るような真似は禁止です。もしそんな真似をされた場合は、特別報酬を入手する権利剥奪だけでなく、ペナルティを課します』
まぁ、それはそうだよね。
『それでは皆さん、ボスになりますか?』
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イベント『ダンジョンボスの心』でダンジョンボスになりますか?
Yes. or No
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答えは当然、Yesだ。
強いプレイヤーが挑んでくるなんて・・・なんていいイベントなんだろう。
「・・・おいリューセイ、その笑顔怖いんだが」
「ん?ああ、ごめんごめん。ついね」
「はあ・・・お前がその顔してるときは必ず戦闘関連なんだよな。ところでリューセイ・・・」
「??」
「ダンジョンボスが適正Lvより低いってどうなんだ?――」
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