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Ep.5-3《現実からの刺客》

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虫のように体を這う指先の感覚。
杏奈は本棚に突っ伏しながら、それに耐えていた。

「んっ……くぁ……っ」

周囲の視線を気にしながら、漏れそうになる声を必死に抑える。
二人がいる場所は高い本棚が迷路のように入り組んでいるため遠目からは見えない。
だから誰かの足音が響くたびに、まるで心臓が鷲掴みにされたかのようにギュッと苦しくなる。
もしすぐ横の道を誰かが通りかかったら……そんなことを杏奈は嫌でも想像してしまう。

そして今まさに、カツンカツンと響く足音が数メートル手前のところまで近づいてきた。
杏奈は息を潜めてギュッと目を瞑る。

(い、嫌だ……っ、そんな、お願いだから誰もこっちに来ないで……っ!)

今や杏奈は混乱して、助けを求めることよりもこんな姿を見られたくないという気持ちの方が優先されてしまっていた。
Tシャツやスカートを捲られて、下着の合間に指を挿れられて、こんな姿を見られたくないと思うのは当然といえば当然なのだが。
しばらくして、数十秒ほどすぐ近くに感じていた気配が足音と共に遠くへ消えていく。
杏奈は、はぁと安堵のため息をこぼす。

「イケナイ場所で隠れんぼしてるみたいで楽しいね」

本当に楽しそうな声でそう囁くリリア。
杏奈はそこに狂気のようなものを感じた。

「何も、楽しくない、こんなの……っ、ンッ!? い、いぃ……ッ!」

必死に抵抗の意思を見せつけた瞬間、アーニャの体がビクンと跳ねる。

「アーニャちゃんの乳首みっけ。ツンツン、きゅっきゅ……ふふっ、人が向こうに行ったから責めも再開だよ」

「んんっ……くふぅ……ッ!」

慣れた手付きで胸を撫で回され、さらにはその先端を弄られる。
甘い痺れが全身に伝い、体は小刻みに震え、だんだんと自分の体を自分の意思で制御できなくなる。

「やっぱりすごく敏感! これって呪いの影響なのかなぁ? 仮想空間でたくさんおっぱい責められて、開発されちゃったからなのかなぁ!?」

あくまで囁きの範囲内でありながらも、リリアの声は興奮した様子でだんだんと語気が強くなる。

(そんなはず、ない……っ! ……のに……んぁああッ!?)

フロンティアで受けた呪いの効果が現実にまで残っているなどありえない。
そう自分に言い聞かせる。
だが胸の先端を突かれたり摘まれたりする度に、杏奈の体がビクビクと震えどんどん熱くなっていく。
VRの世界では何をされても「所詮は作り物の体だから」と自分に言い聞かせて耐えていたが、今はそれが通用しない。
火照る自分の体がむず痒くて、辛くて、怖い。

「私さ、杏奈ちゃんがウブすぎて私ちょっと怖くなってきちゃった。ねぇ、ここ自分で触ったことある? こうやって、皮剥いたことある?」

リリアは片手で杏奈の胸を責めながら、もう片方の手で杏奈の下半身を責める。
杏奈のショーツの中に入り込んだ指先が、優しい手付きでクリトリスの皮を剥いていく。

「や……そこ、やめて……ッ!」

自分の性感帯が剥き出しにされて、そこに空気が触れるだけで背筋がゾクリと震える。
そしてそのそそり立った小さな突起を、リリアの指がツンと突く。

「ッ、ンぁうぅう――――ッ!?」

たとえ来ると分かっていても、その甘い痺れに抗うことはできない。
杏奈の背筋がビクンと跳ねて反り上がる。
左手で本棚に突っ伏して、漏れる甘い声を抑えるために右手は自分の口に当てる。
全身を痙攣させながら善がり狂い、体がだんだんおかしな体勢に変わっていく。

「すごい反応……でも、あれ? あれれー? 杏奈ちゃんはここ、敏感になる呪い受けたんだっけ? 受けてないよね……ってことは」

リリアの指先が、何度も何度も杏奈のクリトリスに触れる。
生の体で誰かに自分のクリトリスを触られるなんて、杏奈にとっては初めての体験。
ほんの少しの刺激でビクンビクンと跳ね上がる自分の体に驚きすら感じる。

「んっ、ンぁッ、あぁッ!? お、お願いっ、そこほんとに……ッ、ンぅうッ!?」

「つん、つん、つーん。ふふっ、杏奈ちゃん敏感すぎ。呪いとか全然関係ないじゃん。ただのエッチな女の子だ」

周囲の状況を気にしながら、胸を責められ、クリトリスを責められ、杏奈は下腹部がどんどん熱くなっていく。

「んふ、んふふっ……ねぇ、プシュ、プシュって音立てながら、私の指どんどん汚れてくよ。ねぇ、これ何? これ何かな?」

「……ッ、ンくぅ……ッ!」

杏奈は何も言い返さない。
言い返す余裕もない。
ただ必死に快楽に耐えながら歯を噛みしめる。

「顔真っ赤にしちゃって、潮吹いちゃったねぇ……大丈夫かなぁ? あんまり気持ちよくなっちゃうと図書館の床、汚れちゃうよ?」

「い、ぁ……ぁくぅ……っ!」

快楽に耐えるので精一杯になっている杏奈の顔をリリアは横から眺める。
もう杏奈が限界であることを悟り、何か悪いいたずらを思いついたような、そんな表情で微笑んだ。

「ふっ、ふふふっ……あーんなちゃん、汚さないように、頑張ってね……っ!」

そう言ってリリアが、杏奈の乳首とクリトリスを同時にキュッと摘んだ。
二箇所から来る強い刺激。
杏奈の体に許容範囲を超えた快楽が叩き込まれる。

「んぁっ!? んむっ、ンン~~~~ッ!?」

その瞬間全身に電流が流れたかのように、ビクビクっと体が跳ね上がる。
必死に手で口を押さえるも、もはやそんな行為に意味があるのかどうかも分からない。

「ンッ……あ、ンぁああッ……!」

一瞬で体が絶頂に至る。
秘所の奥がぎゅうっと熱くなって、溢れる愛液が止まらない。

(あっ、ああああッ……わ、私、こんな場所でイかされて…………んぁ、だめ……頭、ぼんやりして……)

全身が痙攣して、ついには杏奈は自身を支える力さえ失ってしまう。
膝から床に崩れ落ち、そのまま倒れそうになる上半身をリリアに支えられる。
リリアの胸に後頭部を預け、ぼんやりとした意識の中、天井を見上げる。
そんな杏奈の顔をリリアはうっとりとした表情で見つめていた。

「ああ~~、可愛いイキ顔。アーニャちゃんの中身がちゃんと美人さんで良かったぁ」

とろんと蕩けた表情の杏奈。
そんな杏奈の頬に、リリアはキスをする。

「んっ…………っと、おっとまずいまずい。杏奈ちゃんのお汁がたくさん垂れて、このままじゃほんとに床が汚れちゃう」

そう言うとリリアは慌てた様子で、杏奈の体を支えながら何かを取り出す。

「ふふっ、でも安心して。私タオル持ってきたから。だからたくさん潮吹きして大丈夫だよ。全部拭いてあげるからね」

そう言ってリリアはハンドタオルを取り出し、潮や愛液が滴る杏奈の太ももやショーツを拭いていく。
その少しの刺激すら今の杏奈にはまるで愛撫のようで、小刻みに震える体が止まらない。

そんな時だった。
またこちらに近づいてくる足音が聞こえる。
はぁはぁと息を切らしていた杏奈はそっと息を潜める。
だがその瞬間、太ももをツーっと撫でる感覚が走る。

「――ひッ!? な、なんで……人、来て……んぁあ……ッ!」

こんなことをしている所を誰かに見られるのは、リリアだって不本意なはず。
場合によっては警察を呼ばれる可能性だってあるのだから。
と、杏奈はそう思い込んでいた。
だが当のリリアに焦る様子はなく、ただ不敵な笑みを浮かべていた。

「声出したらバレちゃうよ~。ほら、頑張って耐えてね」

そして絶頂したばかりの杏奈の体に鞭を打つように、またリリアの責めが始まる。
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