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第二章
第40話 死霊術士、美少女二人と暗黒街に入る
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日が暮れ、ギルドの酒場で食事を取った俺たちは夜更けの町を歩いていた。
昼間の内に例のクエストを受注してある。
結局、多数の冒険者が関わっているのにもかかわらず、クエストは何の進展も無いまま二日目の夜を迎えてしまった。
俺たちが歩いている商業通りは昼間とは打って変わって閑散としている。
酒場やレストランの灯りがぽつぽつと漏れていて、酔っ払いが千鳥足で歩いているくらいしか人気が感じられない。
「そういえばエレナはどうしてるんだ?」
リリス、ゼフィ、そして俺の三人で通りを並んで歩きながら、俺は言った。
「エレナ? アパートにいると思うわよ」
「エレナは今回のクエストについて何か言ってたか?」
「いや、あの子はクエストの存在すら知らないと思うわ」
「え?」
「あたし、あの子にクエストのことは一切話してないのよ。あの子もここ最近は部屋に籠もってるし、知らないと思うわ」
「どうして話してないんだ?」
「だって、三日前、あの子色々あったでしょ? 実の父親に殺されかけて、その父親は王都に連行されて……。良い子だからそんな素振りは全然見せないけど、あれでもまだ辛いはずなのよ」
「……そうですよね。あんなことがあったら、まだ気持ちの整理が必要だと思います」
「うん。だから、今のエレナには心配をかけさせたくないのよ。部屋で静かに薬の勉強でもさせてあげたいの」
ゼフィとエレナは二人だけのパーティーだ。
まだ十五歳と十六歳という若さでA級冒険者になった二人は俺が想像するよりもずっと固い絆で結ばれているのだろう。
「そうだな。今は一人でそっとしておいてあげた方が良いかもな」
人見知りのゼフィが、クエストを受けるでもないのに最近よく一人でギルドに来ていたのは、きっと寂しかったからなのかもしれない。
「だから、あたしも二人に感謝しているわ。正直エレナがいないとすることなくてね……」
「ははは、それは俺たちも同じだよ。ゼフィがいると助かるさ」
ゼフィは物知りで頭も切れる。この町のことも詳しいから、まだサラマンドに来たばかりの俺たちにとって頼りになる存在だ。
「人数は多い方が楽しいですしね!」
「クラウス、リリス……ふふっ」
照れくさそうに微笑むゼフィを見て、俺とリリスは顔を見合わせて笑った。
「お、ゼフィが笑ったぞ」
「珍しいですね。いつもツンツンしてるのに」
「うっ、うるさいわね! あんたたちまでオデットみたいにからかわないでよ、もうっ!」
「あははは」
「わ-、ゼフィさんが怒ったー」
これから危険な作戦に臨もうとしているとは思えないほど、静かな商業通りを俺たちは和気藹々と歩いていた。
◇◇◇◇◇
商業通りを北に抜け、更に人通りの少ない裏路地の方へと進む。
「この通りが、例の?」
「ええ、町の住人からは暗黒街と呼ばれているわ。盗賊や暗殺者がうろつく危険なエリアよ。脱法魔法石やら殺しの依頼やら何でもありの、普通の人ならまず近づかない場所ね」
「情報屋さんもいるんですよね?」
「そうね。今朝襲われた冒険者もここで一人で情報を集めていたらやられたらしいわ」
看板の掛かっていない怪しげな店や見るからに営業許可を得ていなさそうな露店が並び、ボロを纏ってブツブツと独り言を呟く老人が徘徊している。けっこう冷えるというのに、薄着の上に毛皮のガウンだけを羽織っている女性なども建物を出入りしている。
うーん、いかにもな場所だな。
こんな時間でも露店はいくつか営業しているし、建物の灯りがそこかしこから漏れ出している。
表の通りとは対照的に、この時間だからこそ活動的になるエリアなのだろう。
王都にもスラム街や暗黒街は存在したが、辺境のこの町にもこんな場所が存在したとはな。
「あちこちに立ってる、黒い帽子を被っているのが情報屋よ。手分けして……て、手当たり次第声をかけてみましょう……」
「ゼフィ、大丈夫か?」
明らかにゼフィの様子がおかしい。
声が震えている。
「だ、だだだ大丈夫よ、心配しないで」
「お前、ここに来るの初めてなんじゃないか?」
「そ、そうだけど……」
まぁ無理もないことだ。こんな場所、本来は十五歳の少女が足を踏み入れるようなところではないからな。
「ゼフィさん、無理しないで良いんですよ? ギルドで待っててくれても……」
「あ、あたしだってこれでもA級冒険者なのよ。その辺のチンピラなんか怖くないわ。……それに、オデットのことも心配なのよ。ギルドでじっとしているなんて嫌だわ」
毅然たる態度でゼフィは言った。
「リリスだって、あたしと三つしか変わらないじゃない。子供扱いしないでよね」
「そうですね……ふふ、ごめんなさいゼフィさん」
やれやれ。背伸びしたいお年頃といったところか。
だが、ゼフィもオデットのことを心配しているというのが痛いほど伝わってきた。
「だが、犯人はA級一人とB級二人を同時に相手できるほどの腕前だ。実力はS級冒険者クラスだと思って差し支えないだろう。手分けして聞き込みをすると言っても、ゼフィを一人にすることはできないぞ」
「どうする? 三人で固まって聞き込みをするのはここじゃ目立つし効率が悪いわ」
「そうだな、俺とゼフィが二人組で……リリスには一人で聞き込みをしてもらって良いか?」
ジョーキットには辛うじて勝てたとはいえ、やはりS級クラスが相手なら今の俺でも心許ない。
ゼフィと二人組でちょうど良いくらいだろう。
「はい、お任せください!」
「リリス、一人で大丈夫なの?」
「リリスは今はA級だけど、実質S級以上の強さだ。問題ないよ」
少なくともこの町にリリスに勝てる相手がいるとは思えない。
「犯人に遭遇したときの為に、合図を決めておきませんか?」
「そうね……ファイアを上空に向かって撃つというのはどう? リリスも魔法使えたわよね?」
「使えますよ。それで良いと思います」
「ああ、それで行こう」
作戦の流れは決まった。
そのへんにいる情報屋に聞き込みをし、犯人をおびき出す。
犯人を発見し次第上空に魔法で合図を出し、合図を確認したらその場所に集まり、三人で犯人を倒す。
倒した犯人に話を聞き、ナディアさんやオデットに関する情報を持っていないか聞き出す。
「何か疑問点はないか?」
「大丈夫よ」
「問題ありません」
「各々、決して無理をしないことだ。ヤバそうならすぐに声や魔法で助けを呼んで、可能であれば逃げること」
ゼフィとリリスは頷いた。
「よし――では、作戦開始だ」
昼間の内に例のクエストを受注してある。
結局、多数の冒険者が関わっているのにもかかわらず、クエストは何の進展も無いまま二日目の夜を迎えてしまった。
俺たちが歩いている商業通りは昼間とは打って変わって閑散としている。
酒場やレストランの灯りがぽつぽつと漏れていて、酔っ払いが千鳥足で歩いているくらいしか人気が感じられない。
「そういえばエレナはどうしてるんだ?」
リリス、ゼフィ、そして俺の三人で通りを並んで歩きながら、俺は言った。
「エレナ? アパートにいると思うわよ」
「エレナは今回のクエストについて何か言ってたか?」
「いや、あの子はクエストの存在すら知らないと思うわ」
「え?」
「あたし、あの子にクエストのことは一切話してないのよ。あの子もここ最近は部屋に籠もってるし、知らないと思うわ」
「どうして話してないんだ?」
「だって、三日前、あの子色々あったでしょ? 実の父親に殺されかけて、その父親は王都に連行されて……。良い子だからそんな素振りは全然見せないけど、あれでもまだ辛いはずなのよ」
「……そうですよね。あんなことがあったら、まだ気持ちの整理が必要だと思います」
「うん。だから、今のエレナには心配をかけさせたくないのよ。部屋で静かに薬の勉強でもさせてあげたいの」
ゼフィとエレナは二人だけのパーティーだ。
まだ十五歳と十六歳という若さでA級冒険者になった二人は俺が想像するよりもずっと固い絆で結ばれているのだろう。
「そうだな。今は一人でそっとしておいてあげた方が良いかもな」
人見知りのゼフィが、クエストを受けるでもないのに最近よく一人でギルドに来ていたのは、きっと寂しかったからなのかもしれない。
「だから、あたしも二人に感謝しているわ。正直エレナがいないとすることなくてね……」
「ははは、それは俺たちも同じだよ。ゼフィがいると助かるさ」
ゼフィは物知りで頭も切れる。この町のことも詳しいから、まだサラマンドに来たばかりの俺たちにとって頼りになる存在だ。
「人数は多い方が楽しいですしね!」
「クラウス、リリス……ふふっ」
照れくさそうに微笑むゼフィを見て、俺とリリスは顔を見合わせて笑った。
「お、ゼフィが笑ったぞ」
「珍しいですね。いつもツンツンしてるのに」
「うっ、うるさいわね! あんたたちまでオデットみたいにからかわないでよ、もうっ!」
「あははは」
「わ-、ゼフィさんが怒ったー」
これから危険な作戦に臨もうとしているとは思えないほど、静かな商業通りを俺たちは和気藹々と歩いていた。
◇◇◇◇◇
商業通りを北に抜け、更に人通りの少ない裏路地の方へと進む。
「この通りが、例の?」
「ええ、町の住人からは暗黒街と呼ばれているわ。盗賊や暗殺者がうろつく危険なエリアよ。脱法魔法石やら殺しの依頼やら何でもありの、普通の人ならまず近づかない場所ね」
「情報屋さんもいるんですよね?」
「そうね。今朝襲われた冒険者もここで一人で情報を集めていたらやられたらしいわ」
看板の掛かっていない怪しげな店や見るからに営業許可を得ていなさそうな露店が並び、ボロを纏ってブツブツと独り言を呟く老人が徘徊している。けっこう冷えるというのに、薄着の上に毛皮のガウンだけを羽織っている女性なども建物を出入りしている。
うーん、いかにもな場所だな。
こんな時間でも露店はいくつか営業しているし、建物の灯りがそこかしこから漏れ出している。
表の通りとは対照的に、この時間だからこそ活動的になるエリアなのだろう。
王都にもスラム街や暗黒街は存在したが、辺境のこの町にもこんな場所が存在したとはな。
「あちこちに立ってる、黒い帽子を被っているのが情報屋よ。手分けして……て、手当たり次第声をかけてみましょう……」
「ゼフィ、大丈夫か?」
明らかにゼフィの様子がおかしい。
声が震えている。
「だ、だだだ大丈夫よ、心配しないで」
「お前、ここに来るの初めてなんじゃないか?」
「そ、そうだけど……」
まぁ無理もないことだ。こんな場所、本来は十五歳の少女が足を踏み入れるようなところではないからな。
「ゼフィさん、無理しないで良いんですよ? ギルドで待っててくれても……」
「あ、あたしだってこれでもA級冒険者なのよ。その辺のチンピラなんか怖くないわ。……それに、オデットのことも心配なのよ。ギルドでじっとしているなんて嫌だわ」
毅然たる態度でゼフィは言った。
「リリスだって、あたしと三つしか変わらないじゃない。子供扱いしないでよね」
「そうですね……ふふ、ごめんなさいゼフィさん」
やれやれ。背伸びしたいお年頃といったところか。
だが、ゼフィもオデットのことを心配しているというのが痛いほど伝わってきた。
「だが、犯人はA級一人とB級二人を同時に相手できるほどの腕前だ。実力はS級冒険者クラスだと思って差し支えないだろう。手分けして聞き込みをすると言っても、ゼフィを一人にすることはできないぞ」
「どうする? 三人で固まって聞き込みをするのはここじゃ目立つし効率が悪いわ」
「そうだな、俺とゼフィが二人組で……リリスには一人で聞き込みをしてもらって良いか?」
ジョーキットには辛うじて勝てたとはいえ、やはりS級クラスが相手なら今の俺でも心許ない。
ゼフィと二人組でちょうど良いくらいだろう。
「はい、お任せください!」
「リリス、一人で大丈夫なの?」
「リリスは今はA級だけど、実質S級以上の強さだ。問題ないよ」
少なくともこの町にリリスに勝てる相手がいるとは思えない。
「犯人に遭遇したときの為に、合図を決めておきませんか?」
「そうね……ファイアを上空に向かって撃つというのはどう? リリスも魔法使えたわよね?」
「使えますよ。それで良いと思います」
「ああ、それで行こう」
作戦の流れは決まった。
そのへんにいる情報屋に聞き込みをし、犯人をおびき出す。
犯人を発見し次第上空に魔法で合図を出し、合図を確認したらその場所に集まり、三人で犯人を倒す。
倒した犯人に話を聞き、ナディアさんやオデットに関する情報を持っていないか聞き出す。
「何か疑問点はないか?」
「大丈夫よ」
「問題ありません」
「各々、決して無理をしないことだ。ヤバそうならすぐに声や魔法で助けを呼んで、可能であれば逃げること」
ゼフィとリリスは頷いた。
「よし――では、作戦開始だ」
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