妹がいなくなった

アズやっこ

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「ごめんなさいチャーリー、ご友人だった?」

「嫌、学友ではあるけど友人ではないよ。何かと良く絡んできてたけどね」

「なら良いけど。少し出しゃばった事を言ってしまったわ」

「嫌、エリーが言い返してくれて嬉しかった。ありがとう」


 チャーリーは私の頬を撫でた。チャーリーの手が私の腰に回り抱き寄せられた。


「ありがとうエリー、エリーが側に居てくれると心強いよ。周りに誰も居なかったら口付け出来たのに」

「もう!」


 私達と殿方とのやり取りを聞き耳立ててた人達が事の真相を次から次へと伝えて言ったみたいで、変に絡まれる事もお声をかけられる事も無かった。


 王族の方々が御出になる時間になり、アーサー父様がローラ母様の元に来た。


「ローラ」

「旦那様」

「もうそろそろ御出になる」

「はい」

「チャーリー、良いな」

「はい、父上」

「エミリーヌ、今日はチャーリーの婚約者として私達と一緒に陛下に挨拶する」

「はい、アーサー父様」


 アーサー父様はローラ母様の腰に手を回し抱き寄せローラ母様の手に口付けしていた。


「エリー、あれだよあれ」

「え?」

「一応この国の宰相だよ?」

「仲が良くていいじゃない」

「息子としては両親がベタベタするの何か見たくないよ」

「私は見てて羨ましいけど」

「言ったな?」

「私は無理よ?恥ずかしいもの」

「それにキティ姉様の方を見てみなよ」


 私はキティ姉様の方を見た。旦那様と仲良くしていた。


「あっちも側に居るとベタベタと、やっぱり血かな?」

「ならチャーリーもじゃない」

「そこは否定出来ない。エリーに触れていたいし口付けしたい」

「ふふっ、アーサー父様とキティ姉様の旦那様と変わらないじゃない」

「だから否定出来ないって言っただろ? だけどいい歳なんだよ?」

「私はおじいさんおばあさんになってもチャーリーに触れたいわ」

「それは俺も。歳をとってもエリーに触れてたい」

「ほら、やっぱり変わらないじゃない」

「なら俺は子供達の前ではエリーとベタベタしない様に気をつける」

「私は子供達の前でもチャーリーの膝の上に座りたい。それに両親が仲が良い方がいいし、それが自然と一部になるって素敵な事だと思うけど」

「本当?エリーもそう思ってくれるの?」

「思ってるわよ?」

「なら俺も子供達の前でも遠慮しない。エリーを離さないから」

「ならアーサー父様とローラ母様も許してあげないと」

「二人は俺が許さなくてもいつも側で離れないよ」

「ふふっ、チャーリーは除け者にされて寂しいのね」

「そうかもね。だから俺は愛するエリーを独り占めしたいし、エリーにもそう思って欲しい」

「思ってるわよ。愛してる」

「俺も愛してる」


 チャーリーは私の手に口付けした。

 
 王族の方々が御入場される時間になり、臣下の礼をして迎える。

 陛下がお言葉を述べられ、夜会が始まった。公爵家から順に陛下へ挨拶をする。その間、


「チャーリー」

「ん?」

「王妃様と王太子妃様のドレス、ディーナが作った物だわ」

「あ~、隣国から送った生地だな」

「そう」

「綺麗に出来てる。確か夜空と青空だったよな」

「そうよ」

「うん、二人に似合ってる。王妃様のドレスは落ち着いてて大人の装いだし、王太子妃様のドレスは若々しくて似合ってると思う。同じ青系の生地なのに明るさを少し変えただけで装いがあんなに変わるんだな」

「ね?」

「エリーも今度のドレスはもう少し明るめの紫色にしような。エリーは何着ても似合うけど、明るめは若い時しか着れないかもな」

「確かに落ち着きある大人の女性には合わないかもね。でも女性はいつまでも若々しく見られたいものよ?」

「そうだな。明るめだけど落ち着きある生地を今後は探すか」

「生地の買い出しに隣国へ行くの?」

「嫌、生地選びは基本アンネとリンに任せてる。俺も付いて行ってたけど、ここ数年は生地屋が商会に売り込みに来るから、そこで気にいった生地を購入するんだ」

「そうなのね」


 チャーリーと話してたらブラウニー侯爵家の挨拶の番が来た。私はチャーリーにエスコートされへ陛下の前に来て、カーテシーで礼をする。


「陛下、ブラウニー侯爵家、息子のチャーリーです。それとチャーリーの婚約者、キャメル侯爵エミリーヌです」


 アーサー父様が代表で陛下に紹介した。


「ミリー商会の経営者チャーリーよ、ブラウニー侯爵の子息として精進いたせ」

「はい、国王陛下」

「チャーリーよ、直ぐに呼び寄せる事が出来ずすまなかった。これからは婚約者のエミリーヌと愛を育み二人で力を合わせて私の臣下として尽くしてほしい」

「はい、有り難きお言葉感謝致します」


 挨拶が終わり、アーサー父様は陛下の後ろに立った。本来は始まりから其処に立つのだけれど、今日はチャーリーの顔見せと婚約の報告を兼ねてるから侯爵として一緒に挨拶をしたらしい。

 ローラ母様は先程のご婦人達の所へ行き、私達は壁際に来た。


「疲れてない?」

「まだ大丈夫」

「何か飲む?」

「果実水で」

「分かった。少し待ってて」


 チャーリーは果実水を取りに行き戻って来た。


「チャーリーはお酒を飲んでも良いのよ?」

「嫌、もうお酒は付き合い以外では飲まないよ」

「そうなの?」

「お酒は嫌いじゃないけどいい思い出もないしね」

「そうね」


 演奏がなり王族の方々のダンスが順に始まった。初めは陛下と王妃様、その次に王太子様と王太子妃様、その次に第二王子と婚約者が踊り、貴族のダンスが始まった。


「エリー踊る?」

「もう少し後で。今は目立つわ」

「目立つ?」

「先陣きって踊るの人達は上手な人達よ?私は下手だもの。もう少し後の方が良い」

「エリーも上手いのに」

「上手いって言うのはあの人達の事を言うのよ?」

「エリーと変わらないよ?」

「チャーリー、たまに残念に思うのは何故なのかしら」

「エリー限定だから諦めて」

「でも私も本当は嬉しいの。 チャーリーが私を一番って思ってくれるの」

「俺の中でエリーは一番だよ?」

「私の中でもチャーリーは一番よ?」

「エリー」


 チャーリーに手を取られ見つめ合う。チャーリーが私の手に口付けした。


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