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 怜司が用意したというツルツルのシャツを着て、さっきの和室でお泊まりすることになった。

 この部屋に泊まることが決まったときに、浩司兄ちゃんが腰に手を当てながら、

「俺は模試の勉強があるからまだ起きてるけど、怜司は寝ろよ。龍は疲れてるんだからな!」

 と先に釘をさしてくれたので、安心して寝ることができた。いろいろあったせいで疲れているのもあり、いつも以上に寝つきがよかった。だけど――。

「……う、んぅっ?」

 ツルツルのシャツの上から、乳首を執拗に引っ掻く誰かの手。その触り方で誰なのかすぐにわかってしまうくらい、ソイツは僕の胸が好きなわけで。

「怜司、浩司兄ちゃんに言いつけるぞ」

 横向きで寝ている僕の背後に寄り添うように横たわる、怜司に話しかけた。

「だってひとつ屋根の下に大好きな龍がいると思ったら、どうしても一緒にいたかったし」

「こんなことをするなら、僕は自宅に帰るけど」

「ズルいって思ったんだ!」

 やんわりと僕に抱きつきながら告げられたセリフがわかりかねて、大きなため息をついた。

「なにがズルいんだよ。意味がわからないって」

「兄貴ばっかりいい思いしてる」

「どこがだよ?」

 言いながら怜司の腕の中で振り返り、目の前にある顔を見てやる。薄暗がりだったが目を凝らすと、眉根を寄せて泣き出しそうな表情がそこにあった。

「さっき……風呂場でさ。兄貴のヤツは龍のナカに生挿入して、中出ししただろ。俺はそんなことしてない」

「怜司だって、僕の口の中で気持ちよくなったというのに」

「だけど龍のナカではイってない!」

「そんなことで――」

(これってふたりを相手にしたとき、それぞれ同じことをしなきゃいけないってことじゃないのか!?)

 ただでさえ、ふたりを同時に相手にしている時点で大変だというのに、対等に扱っていないとなると、今回のように寝込みだけでなく、隙があればどこかで襲われる可能性があることに気づいた。しかもふたりから逃げていたら、いつの間にか薬を使われて、無理やり行為に及ばれた実績がある以上、どうにも逃げられる気がしない。

 それにふたりの想いが強すぎて、なし崩し的に僕は受けてしまうだろう。今だって怜司の顔を見てるだけで、可哀想に思えてくる。

「怜司、いいよ。痛いことをしなければ、僕の躰を好きにして」

「龍……」

「怜司のは大きいんだから、無理やり挿れたりしないで」

 俯きながら告げた途端に、ぎゅっと躰を強く抱きしめられた。

「龍を感じさせるように頑張る。だから声、我慢しないで」

「恥ずかしいから、あまり声を出したくないんだけど」

「俺は龍の感じてる声が大好き。聞いてるだけで、イキそうになる」

 怜司が笑いながら、僕の額に唇を押し当てた。

「ねぇ龍からキスして。そして俺を犯すみたいに、舌を出し入れしてみてよ」

「僕からそんなエロいこと――」

「龍だって男だろ。俺を感じさせてみたくない? 龍にされたフェラ、すごく気持ちよかったぞ」

 まるでスタンバイするように、怜司は僕の顔に近づく。ドキドキしつつ、近寄った顔に狙いを定めながらを顔を近づけ、薄く開いている唇に自分の唇を押しつけた。
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