ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字サイズ
特大
213 / 656
10章

356.ギル

ギルバートはレアル達を待たせてレミオロン王の元へと向かった…

ちょうど席を外しているらしく部屋で待っていると、しばらくしてレミオロン王が到着し、クラウス隊長とクラーク医師も同席した…

「すみません…お待たせして…ちょうど罪人の聴取をしていまして…」

レミオロンが謝り席に座ると

「ああ…どうですか?何か喋りましたか?」

「いえ…今は黙秘を続けています…申し訳ありません」

レミオロンが謝ると、

「色々と問題が起きていて…本当に申し訳無い…」

疲れた顔を見せるレミオロンに

「その問題を一つ解決してやろう」

ギルバートがニヤッと笑うと

「えっ…」

レミオロンが驚いてギルバートを凝視した。

「今、行方不明のピース王子だがうちのもの達が保護したらしい…」

ギルバートの言葉にクラウス隊長が口を挟む。

「それは本当ですか!」

「クラウス!」

レミオロンがクラウスを睨んだ。

「申し訳ございません…」

クラウスが頭を下げさがる。

「かまわないさ、心配していただろうからね」

ギルバートが寛容に笑うと

「それでピースは?」

「私と共にこの国に来た従者達と一緒にいるようだ、怪我もなく無事だよ」

レミオロン達はホッと息をはくと

「本当にありがとうございます。では今すぐ迎えを遣わしますので…」

レミオロンがクラウスを見ると、頷き直ぐにでも向かおうとすると…

「それなんだが、ピース王子をもう少しうちで預かりたいと思っている」

ギルバートがニコリと笑うと

「それは…どういう意味でしょうか…」

レミオロンの顔が嫌悪感を示すと

「そんな顔をするな別に人質に取ったわけじゃ無いさ」

ギルバートが明るく答えると

「ですが…第一王子を断りもなく拘束するなど…」

「お前達がそれを言うか?」

ギルバートが嫌味たらしく言うと、クラウス達は唇を噛み締めた…。

「陛下…」

ユリウスが後ろから声をかけると

「わかってる…さて、冗談は置いといて…ピース王子は今王都熱に侵されているな?」

急に話が変わり困惑しながらもレミオロンが頷くと

「ピース王子をうちの者が手違いで治療してしまってなぁ…」

「「えっ!」」

「そ、それで王子の病気は?」

「無事、熱も下がったが…まだ安静にさせて様子を見ないといけないそうだ」

「それなら…この王宮で…」

クラーク先生が同意するようにコクコクと頷くと

「治療した薬師達がもうこちらにはきたくないそうだ…理由は君たちが一番よくわかっているね」

ギルバートがクラウス達をじっと見つめると

「なので…ピース王子を今すぐ迎えに来るのなら治療はお終いだ…後の事は君達でどうにかするといい。しかし、まだピース王子を預かっていいのなら最後まで治療を続けよう」

ギルバートがどうする?とレミオロンを見つめると…

「ギルバート王…どうかピースを治してやってください…」

レミオロンは机に手をつくと深々と頭を下げた…。

「わかった…では治り次第ピース王子をこちらに送り届けよう…だが!それまでに決して我らの仮の住居に兵士達を近づけさせないで頂きたい!」

「そ、それは…ウエスト国の皆さんも警護しないと…」

「君たちより強いのにか?」

ギルバートが鼻で笑うと

「必要ない」

キッパリと断る。

「その屋敷には、攫われた少女も滞在している…これ以上心の傷を広げたくないのでな…もし近くで怪しい行動が見えたら即刻王子の治療は止めて我らは国に帰らせてもらう」

「そ、そんな…」

「その意味がわかるよな?」

ギルバートがギロっと睨みつけると…フッと表情を和らげる。

「君達が変な事をしない限り我らから手は出さない…安心したまえ…我らはあいつらと違って子供に危害を加えるつもりは毛頭ない」

三人は、一瞬飛ばされた殺気に背中の汗が止まらないでいた…

「では、そういう事で…私は部屋に帰らせてもらうよ」

「は、はい…」

レミオロンが慌てて立ち上がると…

「あっ!そうだ、もう一つ重要な事を忘れていた…」

ギルバートがニッコリ笑うと、レミオロンがまだあるのかと顔を強ばらせた…。



「陛下…いいんですか?あちらの了承も取っていないのに」

ギルバートの後ろから付いてくるユリウスとシリウスが顔を曇らせる。

「何を言う!ここまでやってやったんだ、俺があいつに嘘をつくのにどんなに心を痛めたか…」

ギルバートが大袈裟に胸を掴んで苦しそうにすると

「それに…お前らだって行きたいだろ?」

ギルバートがニヤッと笑い二人を見ると

「「うっ…」」

二人が同じ顔で同じように顔を顰める。

「もう言っちゃったし、気にしない!気にしない!」

ギルバートはスキップでもしそうな勢いで廊下を歩いて行った…。



ミヅキ達が肉を焼いていると…

「おっ、デボット達が戻ってきた…ぞ…」

顔をあげてベイカーを見ると、顔が強ばっている…おかしいと思いミヅキが振り返るとそこにはデボットさん達に連れられてギルバート王とユリウスとシリウスがついてきていた。

「なんであの人来たんだ?」

ベイカーが首を傾げると

「すみません…セバスさん、付いてくる事を条件に出されまして…」

デボット達が耳打ちすると

「大丈夫ですよ、こうなると思っていましたから」

セバスが笑って二人を労うと

「おお!ギルお前も来たんか!」

ディムロスがギルバートに近づくと酒を渡す。

「全く狡いぞお前達!こんな面白そうな事をして黙ってるなんて」

ギルバートが文句を言うと

「そりゃ王様となんか食えないだろ」

ディムロスが笑うと

「じゃあ今日はただのギルとして参加だ!みんなもそのつもりでな!」

ギルバートが豪快に笑うと

「そのつもり…っていつもそんな感じじゃねえか…」

アランが愚痴をこぼす…

「あーあ…せっかく羽を伸ばしてたのにぃ~」

ミシェルもよいしょっと立ち上がると服を整えるとギルバート王の元に向かう。

「陛下…」

ミシェル隊長がギルバートに頭を下げると

「ミシェル隊長、警護は大丈夫だ。俺はディムロスと飲んでるからなお前達も好きにしてていいぞ、こんな所で襲ってくる奴などいないだろ?」

「そういう訳にもいきません」

ミシェル隊長が苦笑すると…

「あっ!まじでなら俺は肉を食ってくるな!」

一緒に近づいたアランがさっさと剣をしまって焼き場へと戻って行った…ミシェルとユリウス達は唖然とアランを見つめた…。

「はーい!肉焼けましたよ~」

ミヅキが声をかけると

「「待ってました!」」

ベイカーとアランが皿を突き出す!

「…アラン隊長…ギルさんの警護は?」

ミヅキがジッとアランを見つめると

「今夜はいいんだと、親父もついてるし大丈夫だろ、大体あの二人に勝てるやつなんざいないよ」

それより肉をくれと皿をクイクイと動かしている。

ミヅキは呆れながらも肉を盛ると

「もう、じゃあこのお肉ギルさんとじいちゃんに渡してきてね」

ミヅキが三皿分用意すると

「わかった、わかった!」

アランはさっさと受け取るとくるっとギルバート王の方に行こうとする。

「あー!アラン隊長このタレを付けても食べるんだよ!あとこの野菜も!お肉を巻いて食べるとさっぱりして美味しいからギルさん達に説明してね」

「なんだ?野菜を巻くのか?」

ミヅキから葉を受け取ると

「うん、コハクに頼んで生やして貰ったんだ、じっちゃん達はお年だし肉だけだと油っこすぎるだろうからね」

「ふーん…まぁ俺は肉だけでいいかな」

アランは葉とタレを受け取ると今度こそ離れて行くが…

「うっま!」

届ける途中でつまみ食いをしたようで大声をあげていた…。
感想 6,830

あなたにおすすめの小説

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します 表紙

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します

「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
恋愛 連載中 長編
文字数:94,149
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜 表紙

過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜

過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。 初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。 溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
恋愛 完結 短編
文字数:20,369
転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜 表紙

転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜

保育士として働いていた莉子は、ある日の仕事中に暴走してくる車から子どもたちを守り、死んでしまう。 しかし、目が覚めるとそこは深い森の中。 ここはどこだろうと彷徨い歩いているうちに狼のような獣に襲われかけたものの、間一髪のところで冒険者の兄弟、ベクターとゼノに助けてもらった。 家族が宿屋をやっているから、と行くあてもない莉子を拾ってくれた二人。 やってきたのは、リーベル王国の国境付近にある街、ベルン伯爵領。 そこにある人気の宿屋に身を置くことになった莉子は、様々な事情を知りながら身を寄せることへのお礼のため、ベクターとゼノにお弁当を作ろうと決意して──?
ファンタジー 連載中 長編
文字数:124,638
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか? 表紙

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ファンタジー 完結 長編
文字数:148,101
捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした 表紙

捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした

神殿で無能と決めつけられ、三歳で捨てられた少女リリア。 辺境伯家に保護された彼女は、厳つい辺境伯やお兄様たち、領民にまで溺愛されながら幸せな日々を送ることに。 けれど実はリリアは、数百年に一人現れる伝説級の聖女だった。 これは捨てられた幼女聖女が、たくさんの愛に包まれながら成長していく物語。
ファンタジー 完結 短編
文字数:36,970
『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜 表紙

『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜

元・社畜SE、今世は国宝級の赤ん坊!? 最強の父様とお兄様が過保護すぎて、一歩歩くだけで国が揺れちゃいます!
ファンタジー 完結 長編
文字数:187,096
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません 表紙

悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません

乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。 破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。 しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。 外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!? さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、 静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。 「恋をすると破滅する」 そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、 断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
恋愛 完結 短編
文字数:14,447
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました 表紙

初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました

夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。 彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。 けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。 セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。 夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
恋愛 完結 短編
文字数:12,593