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11章
381.記憶
【じゃあシルバそばで見てて!今からあの人形触るからね!】
ミヅキが人形の方に向かうとシルバがピッタリとくっついてきた…
【何かされたら直ぐにでも叩き落とすからな!】
ミヅキはそっと人形を拾うと
「さっき喋ったのは…君?」
優しく話しかけて見ると
[ご主人…様?]
人形のつぶらな瞳がミヅキを見つめた…
「ごめんね…私は多分君のご主人様じゃないと思うんだよ…ご主人様の名前はわかる?」
[雄一郎様]
「やっぱり…この子雄一郎さんのだよ!」
ミヅキが人形を見つめると
「なんで私と雄一郎さん間違えたんだろ?」
[ご主人様と同じ魔力を感じた]
「魔力?錬金術の事かな?雄一郎さんからもらったのってそれだもんね…」
ミヅキは人形をじっくりと見ると…
(石…と何を錬成してあるのかな?)
「ちょっと、君の体を見てもいいかな?」
ミヅキが聞くと
[どうぞ]
人形が答えると体の真ん中に模様が浮き上がってきた…
【シルバ!これなに?】
ミヅキが聞くと
【知らん!なんでこいつは動いてるのかもわからん】
[ご主人様に似た人…この紋章に魔力を流して下さい]
「魔力?…こうかな?」
ミヅキが浮き出た紋章に手を触れ魔力を注ぎ込んだ…
[やっぱり…ご主人様と同じです]
人形が答えると…ミヅキは一瞬人形が微笑んだ気がした…。
[これからご主人様が残した記憶を見せます]
そう言うとミヅキの頭に見たことも無い光景が流れ込んできた…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「あー…また上手く行かなかった…」
雄一郎は石の人形を見つめていた。
(なにこれ?あれって…ちょっと歳とってるけど雄一郎さん?あの時はもっと若かったよね)
「雄一郎さん!」
ミヅキが声をかけてみるが雄一郎さんは反応しない…まるでミヅキが見えていないようだった。
「雄一郎さん!」
ミヅキが思い切って雄一郎さんを叩こうとすると…
スカッ!
雄一郎さんをすり抜けてしまった…
「えっ…」
な、なんだこれ…
ミヅキは自分の手を見ると透けていた…
「ちょ、ちょっと待って…えーと…なんて言ってたっけ…記憶を見せる…って言ってたな…これは雄一郎さんの記憶…って事?」
ミヅキは考え混んでいる雄一郎さんを見つめた…
(うーん…錬金術っていったらやっぱりゴーレムだよな…なんで上手く行かないんだ)
雄一郎は石のゴーレムを見つめる。
「なにこれ!雄一郎さんが考えてる事まで聞こえてくる!」
雄一郎はもう一度魔力を集め出した…
「何してるの…」
ミヅキは近づいて雄一郎の手元をみた…
雄一郎は魔力を集めて結晶化していた…そしてそれをゴーレムに取り込もうとしていた…
しかしゴーレムに取り込まれる前に魔力の結晶は弾けとんだ!
「うわっ!」
ミヅキに当たる事はないがミヅキは思わず仰け反った…
「また駄目だ…なんで結晶を受け付けないんだ!くそっ!」
雄一郎はゴーレムを地面に叩きつけた!
「あー…ゴーレム可哀想…」
ミヅキがボソッと呟くと…
「これじゃあせっかくエヴァの為に残す物を守れない…」
雄一郎は叩きつけたゴーレムを拾うと土をはたいた。
「今…エヴァさんって言った!」
すると…周りがテレビの砂嵐の様に乱れだした!
「えっ…今度は何?」
ミヅキが固まっていると、周りの光景が変わっていく…するとまた雄一郎さんが現れた。
しかしその姿は先程よりも歳をとっていた…
「今日こそは…」
雄一郎はゴーレムを置くと前に座り魔力を集めだした…前の時よりもスムーズに結晶化させると…ゴーレムの胸元に結晶を近づける。
「どうにか…俺が生きてる間に…」
雄一郎がゴーレムに結晶を埋め込むと…
ピシッ…
結晶にヒビが入った…
「また駄目か…」
雄一郎が肩を落とすと
「やはり…こんな事をしても無駄なのかな…エヴァはとうに違う相手と幸せになっているかもしれない…」
雄一郎の顔が曇ると更に結晶のヒビが広がった…
「諦めないで!雄一郎さん!エヴァさんが待ってるよ!」
聞こえないとわかっていてもミヅキは雄一郎のそばに行き声をかけた!
「エヴァさんはずっと…ずうっと雄一郎さんの事を思ってたよ!また逃げるなんて許さないんだから!」
ミヅキが声を荒らげると…
「いや…もしエヴァが幸せになっていたとしても…いつかエヴァの元にたどりつくように…」
雄一郎がゴーレムの結晶に手を添えた…ミヅキもその上から手を乗せると…
「また二人がいつか会えますように…」
ミヅキが笑いかけると…
「はは…なんか石なのにお前は温かいな…」
雄一郎の手が淡く光出した!
「あっ!この反応は…やった!成功だ!」
雄一郎はゴーレムを抱き上げると
[………ピーーー]
ゴーレムから電子音が響いた…
雄一郎は結晶に魔力を込めると…
[魔力感知…登録完了]
ゴーレムの結晶が胸のあたりで紋章の様にゴーレム広がった…するとゆっくりと目の様な物が開くと雄一郎を見た。
[ご主人様]
「よし!やっと成功した…この調子でもう一体…」
雄一郎はその後何度か違うゴーレムを作ろうとしたが…成功したのはこの一回きりだった。
雄一郎はゴーレム作りを諦めたようだ…。
成功した唯一のゴーレムにある物を見せると
「お前にこれを守って欲しい、エヴァに会えるまで…」
雄一郎が小瓶に入った液体を取り出した。
「なんだろ?」
ミヅキが近づいてジロジロと見てみるがただの琥珀色の液体だった…
「鑑定…できるかな?」
鑑定!
しかし、何も起こらない。
「やっぱり駄目か…でも雄一郎さんが渡したかった物があれだね。そしてそれをゴーレムが持ってると…」
雄一郎がゴーレムに小瓶を近づけると…ゴーレムの身体がブロックの固まりに別れ分解されるように開き出した。
「すごっ…」
ミヅキが唖然としていると…ゴーレムは小瓶を取り込むとそのからだを閉じた。
「うっそ…ゴーレムの中にあるって事か…」
ミヅキはゴーレムをじっと見つめる
「えっ…でもどうやって出すんだ?」
ミヅキが首を傾げていると…
「よし…開放するには…そうだな。やっぱり開けるとなったら…〝開けゴマ〟だな」
雄一郎が得意げに頷くと
「ブッ!」
思わず吹き出してしまう!
「開けゴマって…古っ…」
お腹を抱えて笑っていると…
「なんだ…今凄く馬鹿にされている気がするぞ…」
雄一郎が急にキョロキョロと周りを確認しだした…
「ゴーレム…周りに誰かいるか?」
雄一郎がゴーレムに確認すると…
[ご主人様の周りに見えてる人はいません]
「そうか…そうだな」
雄一郎は納得すると…
「ゴーレム、さっきお前に渡した物を取り出す時は先程の合言葉でのみ開くんだ…エヴァにはわかるように何か記録を残しておこう…」
[合言葉…開けゴマ…登録]
ゴーレムの言葉に雄一郎は嬉しそうに頷き、ゴーレムの頭を撫でていた…。
その後の記憶は…少し寂しそうにしながらも雄一郎はゴーレムと穏やかな日々を過ごしていた。
その様子を早回しの様に見ていたミヅキは…
「雄一郎さん…本当に片時もエヴァさんの事を忘れて無かったんだな…」
エヴァさんと雄一郎さんの思いは一緒だった…ただお互いを思いやり過ぎて…離れてしまったのがよくわかった…
「寂しいな…」
ミヅキは無性にシルバ達やベイカー達に会いたくなってきた…
「帰りたいけど…どうやって帰ればいいんだろ…」
ミヅキが寂しそうに雄一郎とゴーレムを見ていると…ゴーレムが不意に後ろを振り向いた。
ミヅキはゴーレムに見られたような気がした…
「見えて…ないよね?」
ミヅキがゴーレムが何を見たのかと振り返るが後ろには何もない…
「ゴーレム…ちゃん?」
ミヅキは思わず話しかけて見ると…
[記憶の再生を終わります]
頭の中にゴーレムの声が響くとまた砂嵐が視界を遮る…気がつくと里の家に戻っていた。
「あっ!戻った!」
ミヅキが横を見るとシルバが何事も無かったかの様に座っていた。
ミヅキが人形の方に向かうとシルバがピッタリとくっついてきた…
【何かされたら直ぐにでも叩き落とすからな!】
ミヅキはそっと人形を拾うと
「さっき喋ったのは…君?」
優しく話しかけて見ると
[ご主人…様?]
人形のつぶらな瞳がミヅキを見つめた…
「ごめんね…私は多分君のご主人様じゃないと思うんだよ…ご主人様の名前はわかる?」
[雄一郎様]
「やっぱり…この子雄一郎さんのだよ!」
ミヅキが人形を見つめると
「なんで私と雄一郎さん間違えたんだろ?」
[ご主人様と同じ魔力を感じた]
「魔力?錬金術の事かな?雄一郎さんからもらったのってそれだもんね…」
ミヅキは人形をじっくりと見ると…
(石…と何を錬成してあるのかな?)
「ちょっと、君の体を見てもいいかな?」
ミヅキが聞くと
[どうぞ]
人形が答えると体の真ん中に模様が浮き上がってきた…
【シルバ!これなに?】
ミヅキが聞くと
【知らん!なんでこいつは動いてるのかもわからん】
[ご主人様に似た人…この紋章に魔力を流して下さい]
「魔力?…こうかな?」
ミヅキが浮き出た紋章に手を触れ魔力を注ぎ込んだ…
[やっぱり…ご主人様と同じです]
人形が答えると…ミヅキは一瞬人形が微笑んだ気がした…。
[これからご主人様が残した記憶を見せます]
そう言うとミヅキの頭に見たことも無い光景が流れ込んできた…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「あー…また上手く行かなかった…」
雄一郎は石の人形を見つめていた。
(なにこれ?あれって…ちょっと歳とってるけど雄一郎さん?あの時はもっと若かったよね)
「雄一郎さん!」
ミヅキが声をかけてみるが雄一郎さんは反応しない…まるでミヅキが見えていないようだった。
「雄一郎さん!」
ミヅキが思い切って雄一郎さんを叩こうとすると…
スカッ!
雄一郎さんをすり抜けてしまった…
「えっ…」
な、なんだこれ…
ミヅキは自分の手を見ると透けていた…
「ちょ、ちょっと待って…えーと…なんて言ってたっけ…記憶を見せる…って言ってたな…これは雄一郎さんの記憶…って事?」
ミヅキは考え混んでいる雄一郎さんを見つめた…
(うーん…錬金術っていったらやっぱりゴーレムだよな…なんで上手く行かないんだ)
雄一郎は石のゴーレムを見つめる。
「なにこれ!雄一郎さんが考えてる事まで聞こえてくる!」
雄一郎はもう一度魔力を集め出した…
「何してるの…」
ミヅキは近づいて雄一郎の手元をみた…
雄一郎は魔力を集めて結晶化していた…そしてそれをゴーレムに取り込もうとしていた…
しかしゴーレムに取り込まれる前に魔力の結晶は弾けとんだ!
「うわっ!」
ミヅキに当たる事はないがミヅキは思わず仰け反った…
「また駄目だ…なんで結晶を受け付けないんだ!くそっ!」
雄一郎はゴーレムを地面に叩きつけた!
「あー…ゴーレム可哀想…」
ミヅキがボソッと呟くと…
「これじゃあせっかくエヴァの為に残す物を守れない…」
雄一郎は叩きつけたゴーレムを拾うと土をはたいた。
「今…エヴァさんって言った!」
すると…周りがテレビの砂嵐の様に乱れだした!
「えっ…今度は何?」
ミヅキが固まっていると、周りの光景が変わっていく…するとまた雄一郎さんが現れた。
しかしその姿は先程よりも歳をとっていた…
「今日こそは…」
雄一郎はゴーレムを置くと前に座り魔力を集めだした…前の時よりもスムーズに結晶化させると…ゴーレムの胸元に結晶を近づける。
「どうにか…俺が生きてる間に…」
雄一郎がゴーレムに結晶を埋め込むと…
ピシッ…
結晶にヒビが入った…
「また駄目か…」
雄一郎が肩を落とすと
「やはり…こんな事をしても無駄なのかな…エヴァはとうに違う相手と幸せになっているかもしれない…」
雄一郎の顔が曇ると更に結晶のヒビが広がった…
「諦めないで!雄一郎さん!エヴァさんが待ってるよ!」
聞こえないとわかっていてもミヅキは雄一郎のそばに行き声をかけた!
「エヴァさんはずっと…ずうっと雄一郎さんの事を思ってたよ!また逃げるなんて許さないんだから!」
ミヅキが声を荒らげると…
「いや…もしエヴァが幸せになっていたとしても…いつかエヴァの元にたどりつくように…」
雄一郎がゴーレムの結晶に手を添えた…ミヅキもその上から手を乗せると…
「また二人がいつか会えますように…」
ミヅキが笑いかけると…
「はは…なんか石なのにお前は温かいな…」
雄一郎の手が淡く光出した!
「あっ!この反応は…やった!成功だ!」
雄一郎はゴーレムを抱き上げると
[………ピーーー]
ゴーレムから電子音が響いた…
雄一郎は結晶に魔力を込めると…
[魔力感知…登録完了]
ゴーレムの結晶が胸のあたりで紋章の様にゴーレム広がった…するとゆっくりと目の様な物が開くと雄一郎を見た。
[ご主人様]
「よし!やっと成功した…この調子でもう一体…」
雄一郎はその後何度か違うゴーレムを作ろうとしたが…成功したのはこの一回きりだった。
雄一郎はゴーレム作りを諦めたようだ…。
成功した唯一のゴーレムにある物を見せると
「お前にこれを守って欲しい、エヴァに会えるまで…」
雄一郎が小瓶に入った液体を取り出した。
「なんだろ?」
ミヅキが近づいてジロジロと見てみるがただの琥珀色の液体だった…
「鑑定…できるかな?」
鑑定!
しかし、何も起こらない。
「やっぱり駄目か…でも雄一郎さんが渡したかった物があれだね。そしてそれをゴーレムが持ってると…」
雄一郎がゴーレムに小瓶を近づけると…ゴーレムの身体がブロックの固まりに別れ分解されるように開き出した。
「すごっ…」
ミヅキが唖然としていると…ゴーレムは小瓶を取り込むとそのからだを閉じた。
「うっそ…ゴーレムの中にあるって事か…」
ミヅキはゴーレムをじっと見つめる
「えっ…でもどうやって出すんだ?」
ミヅキが首を傾げていると…
「よし…開放するには…そうだな。やっぱり開けるとなったら…〝開けゴマ〟だな」
雄一郎が得意げに頷くと
「ブッ!」
思わず吹き出してしまう!
「開けゴマって…古っ…」
お腹を抱えて笑っていると…
「なんだ…今凄く馬鹿にされている気がするぞ…」
雄一郎が急にキョロキョロと周りを確認しだした…
「ゴーレム…周りに誰かいるか?」
雄一郎がゴーレムに確認すると…
[ご主人様の周りに見えてる人はいません]
「そうか…そうだな」
雄一郎は納得すると…
「ゴーレム、さっきお前に渡した物を取り出す時は先程の合言葉でのみ開くんだ…エヴァにはわかるように何か記録を残しておこう…」
[合言葉…開けゴマ…登録]
ゴーレムの言葉に雄一郎は嬉しそうに頷き、ゴーレムの頭を撫でていた…。
その後の記憶は…少し寂しそうにしながらも雄一郎はゴーレムと穏やかな日々を過ごしていた。
その様子を早回しの様に見ていたミヅキは…
「雄一郎さん…本当に片時もエヴァさんの事を忘れて無かったんだな…」
エヴァさんと雄一郎さんの思いは一緒だった…ただお互いを思いやり過ぎて…離れてしまったのがよくわかった…
「寂しいな…」
ミヅキは無性にシルバ達やベイカー達に会いたくなってきた…
「帰りたいけど…どうやって帰ればいいんだろ…」
ミヅキが寂しそうに雄一郎とゴーレムを見ていると…ゴーレムが不意に後ろを振り向いた。
ミヅキはゴーレムに見られたような気がした…
「見えて…ないよね?」
ミヅキがゴーレムが何を見たのかと振り返るが後ろには何もない…
「ゴーレム…ちゃん?」
ミヅキは思わず話しかけて見ると…
[記憶の再生を終わります]
頭の中にゴーレムの声が響くとまた砂嵐が視界を遮る…気がつくと里の家に戻っていた。
「あっ!戻った!」
ミヅキが横を見るとシルバが何事も無かったかの様に座っていた。
感想 6,830
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