ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字サイズ
特大
277 / 656
11章

420.鍛冶屋

誤解も解けてミヅキとベイカーは約束していた防具を作りに鍛冶屋へと向かっていた。

「何処に行くの?」

ミヅキが聞くと

「マルコさんが王都ならここって店を教えてくれたからなそこに行ってみる」

そう言うとベイカーは人が通っていないような路地に入り込み右へ左へと複雑になっている道を進んで行った。

「もう一人で帰る自身無いよ…」

ミヅキが言うと

「一人で帰る必要ないんだから問題ないだろ」

ベイカーはミヅキを抱き上げて肩に乗せる。

「ほら高い所から見れば道も覚えられるんじゃないか?」

「おお、高い所から見ると道の感じがよくわかるね!でももう覚えられないから帰りもベイカーさんの肩でよろしくね」

ミヅキは甘えるように頭にしがみついた。


薄暗い店の前に着くと

「ここだ」

ベイカーがミヅキを下ろして扉に手をかける。

ギギッ…

軋む扉を開けて中に入るとビッシリと剣やら盾など武器や防具が並んでいた。

「すごーい!いっぱいある!」

ミヅキが珍しそうにキョロキョロと眺めていると

「おい…店に子供を入れるんじゃない!」

中からおじいさんがベイカーに怒鳴りつけた!

「いや…客なんだが…」

ベイカーがおじいさんに言うと

「子供に何がわかるんだ!店の売り物がぶつかりでもしたらどうする!親ならしっかりと見とけ!」

そういいながらおじいさんはカウンターに並んでいた武器を裏に下ろして片付け出した。

「ありがとうございます。心配してくれて、触ったりしないですから…でもカッコイイ武器もう少し見ててもいいですか?」

ミヅキがおじいさんに笑いかけると

「お前はわしの武器がカッコイイと思うのか?」

おじいさんが聞くと

「うん!カッコイイね!私も欲しいなぁ~みんなが心配して木の剣しか持ってないからなぁ~」

「お前…あれで十分だろうが…」

ベイカーが神木の剣を思い出して呆れる。

「そりゃあの剣も好きだけどちゃんとしたのも欲しいよね!」

「そうかそうか、いや悪かったなお前さんの子供はよくわかっとるなぁ」

おじいさんはご機嫌にミヅキに合いそうな小さい剣をたくさん出してきた。

「どれがいい?」

たくさんの剣を見せられてミヅキは一本の地味な剣を選んだ。

「あっ!これ!これがいい!」

ミヅキが手に取るとしっかりと手に馴染む。

「それを選ぶとわなぁ…」

おじいさんがミヅキじっと見つめた…

「なんでそれを選んだんだ?」

おじいさんがミヅキに聞く。

「えっ?なんでって言われても…」

(これって…前の世界の包丁にそっくりなんだもん…)

「形が気に入ったんだよね」

おじいさんがミヅキが選んだ剣を掴む、その剣は他の剣と比べて地味でなんの装飾もない不格好な物だった。

「いやに地味なの選んだな」

ベイカーが剣を見ると

「これなんてミヅキに似合ってないか?」

綺麗な石が埋め込まれた剣を掴むと

「うーん…綺麗だけど…さっきのがいい!」

ミヅキの言葉におじいさんは嬉しそうに微笑みながら…

「この剣はなわしが初めて師匠に合格をもらった剣だ」

懐かしそうに剣を見つめる。

「わしがお前ぐらいの時に師匠の弟子になってな…何度も何度も打ち直しやっと初めて頷いて貰った時は嬉しかったのぉ~」

「そんな大切な剣売ったら駄目じゃん」

ミヅキが包丁もどきの剣を返すと

「いや…それがが冒険者に選んで貰える事はなかったんだ…」

「まぁ確かに微妙な形だもんな…短剣としちゃ太いし…投げナイフとしてはでかいな」

ベイカーが剣を手のひらで器用に回す。

「そう?私にはちょうどいいなぁ~おじいさんその剣売り物なの?」

ミヅキが聞くと

「あ、ああ…一応な」

「なら私欲しいなぁ!」

「ミヅキがか?お前に使いこなせる剣には見えないけどなぁ」

ベイカーが渋ると…

「うーん…多分二人が思ってるような使い方はしてあげられないかも…」

ミヅキが申し訳なさそうな顔をすると…

「ちょっと試し斬りしてもいいですか?」

ミヅキがおじいさんに聞くと、おじいさんが頷いた。

ミヅキは神木のまな板を出すとおじいさんの剣を水魔法で洗う。

収納からキャベツを出すと…

「見ててね」

コンコンコン!

いい音をさせながら軽快にキャベツを千切りにしていく。

「それって…包丁として使うって事か?」

「駄目かな?」

ミヅキが恐る恐るおじいさんを見ると…ミヅキの使い方に唖然としていた…

「やっぱり…剣なのに包丁として使ったら…嫌かな?」

おじいさんに聞くと

「いや…嬢ちゃんが買ったもんをどう使おうが自由だ…ただそんな風な使い方があると思わなかった…」

「そう?私はそうとしか使う道ないと思ったけどなぁ~ここに手を置いたら固いものも切れるし」

包丁の背に手を置いて体重を乗せる。

「なるほどな…しかし嬢ちゃんは小さいのに包丁裁きが上手いもんだな」

「へへ…そうかな?」

ミヅキが照れると

「そいつは嬢ちゃんにピッタリだな!貰ってやってくれ」

おじいさんが笑って頷く。

「やったー!」

ミヅキが嬉しそうに喜んでいると

「おい爺さん!欲しいのはこの子の剣じゃないんだよ!俺の防具作ってもらいに来たの!ほら、マルコさんからの紹介状!」

ベイカーがマルコさんからの預かっていた紹介状をおじいさんに渡す。

「なんだお前さんマルコさんの知り合いか?なら早く言えばいいものを…」

「爺さんが先走ったんだろうが…」

「なんか言ったか?」

おじいさんはとぼけてベイカーを見る。

「いや…いい。それでこの皮を使って防具
を作って貰いたい」

ベイカーはバイコーンの皮を取り出す。

「ほう…バイコーンか?にしちゃいい物だな」

「あっ!あとこれも使って下さい!」

ミヅキはプルシアの鱗を一枚取り出す。

「こ、これは!」

「お!プルシアのか?いいのかもらって?」

ベイカーがプルシアの鱗を撫でると

「うん、プルシアもいいよって言ってた大丈夫だよ」

ミヅキが頷く。

「お前さん…こりゃドラゴンの鱗じゃないか!どうしたんだ!」

「え?もらった…よ?」

ミヅキが首を傾げると

「ドラゴンの鱗なんざ誰がくれるんだこんな高価なもの!騙されてるんじゃないのか?奴隷になれとか変わりに売られるとか!」

おじいさんが心配そうに鱗を返えすと

「今からでもいいから返して来るんだ!おいお前早くしろ!この可愛い娘が売られちまうぞ!」

おじいさんがベイカーを行かせようと出口を指さす!

「おじいさん大丈夫だよ、貰ったのはドラゴン本人にだから」

ミヅキが苦笑して答える。

「ほ、本人?ドラゴンから鱗を貰ったのか?」

「うん!私の従魔だからね!それに半年に一枚くらい抜けるらしいよ。それをもらって取っておいたの綺麗だから」

「お前さん達…一体何者なんだ?」

おじいさんは怪しい親子を怪訝な顔で見つめた。

「ただの仲良し親子だよねー」

ミヅキがベイカーに抱きついて笑いかけると

「ああそうだよなー」

ベイカーがミヅキを抱き上げて自慢げに鍛冶屋のおじいさんに見せつけた。

「フンッ!まぁお前がこの嬢ちゃんに甘々なのはわかったわい!」

「まぁな!それでどうだ?作って貰えるか?」

ベイカーが聞くと

「まぁいいだろ…ドラゴンの鱗を扱えるなんて願ってもないしな!」

おじいさんがニヤニヤと笑ってプルシアの鱗を撫でる。

「よかったねベイカーさんいい物作ってもらおうね!」

「まずは体のサイズを測るからちょっとこっちにこい」

おじいさんがベイカーを手招きして中に連れて行く。

「ミヅキもこい」

ベイカーが呼ぶと

「私はもう少し武器見ててもいい?」

「…どこにも行くなよ…」

ベイカーはミヅキを睨むと

「はーい!」

元気よく返事をして店の中の道具を見回していた。
感想 6,830

あなたにおすすめの小説

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します 表紙

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します

「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
恋愛 連載中 長編
文字数:94,149
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜 表紙

過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜

過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。 初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。 溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
恋愛 完結 短編
文字数:20,369
転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜 表紙

転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜

保育士として働いていた莉子は、ある日の仕事中に暴走してくる車から子どもたちを守り、死んでしまう。 しかし、目が覚めるとそこは深い森の中。 ここはどこだろうと彷徨い歩いているうちに狼のような獣に襲われかけたものの、間一髪のところで冒険者の兄弟、ベクターとゼノに助けてもらった。 家族が宿屋をやっているから、と行くあてもない莉子を拾ってくれた二人。 やってきたのは、リーベル王国の国境付近にある街、ベルン伯爵領。 そこにある人気の宿屋に身を置くことになった莉子は、様々な事情を知りながら身を寄せることへのお礼のため、ベクターとゼノにお弁当を作ろうと決意して──?
ファンタジー 連載中 長編
文字数:124,638
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか? 表紙

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ファンタジー 完結 長編
文字数:148,101
『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜 表紙

『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜

元・社畜SE、今世は国宝級の赤ん坊!? 最強の父様とお兄様が過保護すぎて、一歩歩くだけで国が揺れちゃいます!
ファンタジー 完結 長編
文字数:187,096
捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした 表紙

捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした

神殿で無能と決めつけられ、三歳で捨てられた少女リリア。 辺境伯家に保護された彼女は、厳つい辺境伯やお兄様たち、領民にまで溺愛されながら幸せな日々を送ることに。 けれど実はリリアは、数百年に一人現れる伝説級の聖女だった。 これは捨てられた幼女聖女が、たくさんの愛に包まれながら成長していく物語。
ファンタジー 完結 短編
文字数:36,970
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません 表紙

悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません

乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。 破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。 しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。 外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!? さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、 静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。 「恋をすると破滅する」 そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、 断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
恋愛 完結 短編
文字数:14,447
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました 表紙

初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました

夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。 彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。 けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。 セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。 夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
恋愛 完結 短編
文字数:12,593