ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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13章

550.またね

ミヅキの嫌な予感通り物々しい雰囲気の中エルフの森を突き進む事になった…

先頭にはエルフの兵士達が歩き、その後ろには騎馬隊…そして王子達が続きその後ろから私達が豪華な神木様特製の馬車に乗せられさらに後ろからもエルフ達が続く…

「何この大名行列…」

馬車を用意された時から嫌な予感が確信に変わっていたが…

チラッと横をみると同じようにベイカーさんやコジローさんは戸惑っている。

「ベイカーさん…こんな派手なの恥ずかしくない?」

私が声をかけると

「聖獣達がいますからねこの程度はしょうがないですよ」

アルフノーヴァさんやオリビアは慣れたものなのか平然と座っている。

「それにしても大きな馬車だね…シルバ達までみんな乗れるもん」

「本当はもう少し小さいのですが急いで大きく作り替えました。聖獣様達を歩かせる訳には行きませんから」

オリビアが説明すると

「私…その聖獣にいつも乗せてもらってる…」

「ミヅキ様はいいのです!聖獣様達が認めたお方ですから!」

「ミヅキ…」

また敬語になっているオリビアをじっと見つめると

「ミヅキはいいの…」

オリビアが恥じらいながら可愛らしく言い直す。

【そうだぞ、ミヅキは特別だ。本来なら他の奴らなんて絶対乗せる気はなかったんだがな…】

シルバがため息をつくと

【結構いろんな人乗せてくれたもんね】

ありがとうと感謝を込めてシルバを撫でた。

シルバ達のように全然揺れない馬車で進んで行くとすぐにイシスさんの住む村に着いた。

村の人達は何事かと大木の家から出てきて外を伺っていた。

馬車から降りてエヴァさんとイシスさんの家に向かうと…

「あっエヴァ、その子供は…まさかミヅキか?」

イシスさんも騒ぎに家から出てきてエヴァさんに気がつくと私を見つめ驚きの顔を見せる。

「イシスさん!」

私が駆け寄ろうとすると

「やっぱりお前…エルフじゃなかったんだな…」

イシスさんの言葉にエルフの姿で騙していたことを思い出す!

「あっ…」

「それが本当の姿なのか?」

イシスさんがじっと見つめて聞いてくる。

「うん…コハク…」

私はコハクをみると頷いて幻影をかけてとお願いする。

【いいの?】

コハクが心配そうに聞くがコクッと再度頷くと困った顔をしながら幻影で私の姿をエルフに変えた。

ザワッ!

その様子を見ていたエルフ達が騒ぎ出すが構わずにイシスさんに近づくとそっとその体に触れる。

「これ、あの子の幻影魔法なんです…触れられると見破られちゃうから…」

イシスはミヅキに触られるとエルフの子供のミヅキが黒髪の人の子になるのを確認する。

「そうか…」

「騙しててごめんなさい…」

申し訳なさそうに項垂れるミヅキをみると、エルフの時のミヅキがよくこんな顔をしていたなと気がついた。

ポンッ

イシスはミヅキの頭に手を置くと

「ならその姿なら触られるのは嫌じゃないんだな?」

その言葉に私は顔をあげると、イシスさんが優しい顔をして見下ろしていた。

「お前、エルフになってる時よく申し訳なさそうな顔をしてたな。騙してるのが辛かったんだろ?」

「う、うん…でも人の姿だとまずいと思って」

「何となく回復魔法かけてくれた時になんか違うと思っていたよ」

イシスさんが笑って許してくれて私はほっと息を吐くと

「あとね…イシスさんに報告があるの…」

ダフネさんの最後の時の事を話す。

「そうか…ありがとうって言ってたか」

イシスさんが穏やかに笑った、その顔には悲しみは感じられなかった。

「助けてあげられなくてごめんね」

「いや、十分だよ。これでダフネはいつか生まれ変われる。その時にどこかで会えばいい事さ、ミヅキ…ダフネの事を助けてやってくれてありがとう」

イシスは優しい人の子に感謝を込めて膝をついた。

人の子に膝をつくイシスをエルフ達は驚きの見つめると

「皆にも紹介しておく!この度我々は誤解から人を遠ざけてきた…しかしそれは間違いだった!人の中には我らと同じように慈悲深い人達がいることがわかった。今日をもって人を忌み嫌う事を終いにする!これからは人との交流を少しずつして行きたいと考えている」

ウォール王子が戸惑う村にエルフ達に声をかけると

「そんなこと急に言われても…」

「いきなりは無理だよ」

エルフ達は不安げな表情を浮かべている。

【大丈夫、この子達は信頼出来る人よ…】

神木様が現れるとエルフ達に優しく語りかける。

【聖獣に愛される人を信じなさい】

「聖獣?」

エルフ達が見つめるとシルバ達が馬車から降りてきてミヅキの元へと歩き出す。

聖獣達に囲まれる人の子を見てエルフ達は言葉を失った。

「神木様や聖獣達からも愛される子を信頼出来ないか?」

王子が聞くと

「いや、この子は俺の親友のダフネを救ってくれた!エルフだからと偏見を持たずに傷ついた俺に回復魔法までかけてくれたんだ」

イシスが声をかけると、エルフ達の見る目がかわり出した。

「王子達や神木様がそこまで言うのなら…信じてみようか」

「そうだな、堅物のイシスまでそう言うなら本当のことなんだろう」

「皆さん、信じてくれてありがとうございます!これからは仲良くしてくださいね」

私は精一杯の笑顔でエルフ達に笑いかけた。

少し戸惑い気味のエルフのみんなとイシスさんに別れを言って次の村を目指すと

「やっぱりすぐに受け入れるのは難しそうだね」

私がしょんぼりとしていると

「大丈夫です、兄様達がミヅキさ…ミヅキの作った料理を振る舞うと言ってました。興味を持ったエルフ達は人の国に行きたがると思います。そして来たなら私の出番です」

ふふふ…と不敵に笑う。

「皆さんの元でしっかりと学びミヅキの素晴らしさを伝えていきます!」

オリビアがやる気を見せると…

「まって!オリビアなんか後半おかしいよ!私の事じゃ無くて人の国の素晴らしさを伝えてね」

「それは…人の国を見てからですね。やはりちゃんと自分で体験して見ないと何とも言えませんから、今私がわかっていることはミヅキの事だけです」

「オリビア…お前ととっても気のあいそうな人がいるぞ…」

ベイカーが苦笑すると

「人に?」

「ああ、ミヅキの事を崇拝してて大好きな女の子がいるんだよ、もう人妻だがな」

思い当たる人物を想像すると

「それってイチカの事?」

ベイカーが頷くと

「そうですか…ミヅキを崇拝ね…まぁ私ほどではないと思いますが…」

ブツブツとつぶやくオリビアは何故かもっとやる気をみなぎらせていた…


続いて次の村に着くと、今度は村人を集めて最初に人との交流を始めることを説明する。

やはり難色を示すエルフ達に今度はオリビアが語りかける!

「皆さん私も最初は皆さんと同じ気持ちでした…しかしそれは間違いだと気が付きました。人にも尊敬すべき人はいます!それがこのミヅキなのです!」

「げっ…」

オリビアはキラキラした表情で私を紹介しだした…

思わず後ずさりすると

「人の子だぞ…しかも黒髪だ」

「なんか不吉だな」

ざわつき出すとそれを聞いていたシルバが怒りを顕にする!

【ミヅキを不吉だと!誰だ!そんなふざけた事言ったやつは!】

うなりながら私の前に立つと、その後ろからはシンクが大きく羽ばたきエルフ達を見つめる。

【僕らのミヅキを傷つけた代償は大きいよ…覚悟してね】

口調は楽しそうだが怒りが隠せていない…炎がメラメラと燃え上がる。

【やはり分からないものには力で示すべきかな…】

プルシアも珍しく元の大きさに戻ると…

「せ、聖獣達が…」

「何か怒ってませんか?」

エルフ達の白い顔がさらに白くなると

【ま、待ってみんな!私傷ついてないよ!怒ってないから元に戻って!】

みんなの前に立ち両手を広げてみんなを宥めると

【ふん…ミヅキがそう言うなら…だが次は許さんぞ】

【ミヅキ可哀想…本当は傷ついたの僕はわかるよ】

シンクも元の大きさに戻るとミヅキの肩に止まる。

【ミヅキはもう少し怒ってもいいんだぞ】

プルシアはため息をつくと小さくなって私の頭の上に乗っかる。

「おお!さすがです!」

オリビアが聖獣達を抑えたミヅキに拍手を送ると

「皆さんの失礼な態度に聖獣様達が怒りを顕にしましたがミヅキ様が寛大なお心で収めて下さいました」

「あの子が…」

「確かに聖獣達があんなにとろけた顔をしている」

エルフ達は半信半疑でミヅキや聖獣達を見つめていると

「なぁ、トリヤ。あれってエヴァさんだよな?しかもあの人の子…ミヅキって」

ハイドラが隣のトリヤに話しかけると

「あの人の子があのミヅキって事か?」

トリヤも驚きの顔を隠せないでいた。
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