ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字サイズ
特大
431 / 656
14章

569.執事風ベイカー

「あの…」

とうとうベイカーさんに女性の二人組が話しかけて来た。

「何か?」

ベイカーさんが執事らしく微笑んで二人を見ると…

「あ、あの…ドラゴン亭ってお店知りませんか?私達そこに行きたくて…」

頬を染めながら聞いてくる二人に

「ああ、この道をまっすぐ行けばありますよ」

ベイカーさんがあっさりと答えると

「もしよかったら…案内して貰えませんか?お礼に何かご馳走しますので…」

「いや、大丈夫だ。本当にここを行けば着くから、わからなくなったらまた誰かに聞くといいですよ。じゃ」

ベイカーは二人に軽く頭を下げて横を通り過ぎ先に行こうとすると…

「ま、待って下さい!私達…あなたと…もう少し話がしたくて…あのお店でいいんでちょっと入りませんか?」

パシッ!と服を掴んで、すぐ近くに見えるお店を指さしてお願いと上目遣いに見られている。

「凄い…ベイカーさんがモテてる…」

コジローさんとミヅキはすこし離れた場所でそのやり取りを唖然と見ていた。

「コジローさんみて、あのお姉さん達の後ろに違う組が控えてるよ!」

ミヅキがコソッと後ろを指さすと確かに遠巻きに何組か様子を伺っている様な女の子達が見えた。

「ベイカーさん…どうするんだろ。ご飯ご馳走してくれるなんて言われたらすぐについて行っちゃいそうだよ…」

ちょっと心配になりながらやり取りを見つめていると…

「悪いが連れがいるんだ、また今度にでもしてくれるか…」

ベイカーさんがこちらをチラッとみて断ると

「ならお名前教えて貰えませんか?また今度必ず伺いますから!」

なかなか諦めない二人にベイカーさんは顔をしかめると…

「わりぃ…はっきり言うわ。俺は大事な連れがいるからあんたらと飯食う予定はないんだわ。その子と食べるのが一番好きなんでな…分かったらそこ退いてくれるか?」

面倒になったのか口調を戻してはっきりと断ると

「なんだ!相手がいるならはっきり言ってくれればいいのに!もういいよ行こ!」

「それが本性なわけ…騙されたわ!…ふん!」

二人はベイカーの態度に気分を悪くするとさっさとその場を去っていった…

遠巻きに見ていたい女の子達もいつの間にか消えている。

「なんなんだよ…」

ベイカーさんはわけがわからずに困惑していると…

「ベイカーさん大丈夫?」

ミヅキとコジローがベイカーに近づいて行った。

「なんか知らんが絡まれた。今どきは女も絡んでくるんだな…ミヅキ気をつけろよ」

ベイカーさんが心配そうにミヅキに声をかける。

「女の子が絡むのはベイカーさんかコジローさんだけだよ。私は心配いらないよ」

苦笑すると

「そうか?なんで俺達だけ…まさか!この格好だから金持ちそうに見えてるとか?」

「それだけじゃないと思うけどね…」

思考がモテそうもないベイカーさんにミヅキはほっとすると

「早いとこ学校に行こう!またゆっくり歩いてたら捕まちゃいそうだからね」

「はっ?誰に捕まるんだ?」

首を傾げるベイカーさんを無視して三人はとりあえず早足で学校へと向かった…

学校に着くと…

「で?なんて言って学校に入るんだよ」

「それは、今度家事見習いの子達が学校に入るかもしれないので見学に来たとか何とかってのはどうかな?」

「まぁ妥当かな…よし行くか!バレたらそこで終わりだぞ」

「おっけー!なるべく顔見知りには会わないように行こう!」

ミヅキ達は気合いを入れて学校へと入っていった…


「すみません、少しここを見学したいのですが…」

ベイカーは始めて見る先生らしき人に声をかけると…

「はい、見学ですね。ご自由にどうぞ…その代わり何があっても責任は持ちませんのでご了承くださいね」

何故が意味深な言葉でにっこりと笑われる。

「あの…何があっても…とは?それに自由に見て回っていいんですか?警備とかは大丈夫なのですか?」

コジローがたまらずに聞くと

「あれ?うちの学校の噂を聞いて入りたいと思ったんじゃないんですか?」

先生が怪訝な顔をする。

「すみません、私達王都には来たばかりで…ここを勧められたので来てみたのですが…」

口からでまかせで話すと

「なるほど、ここはディアナ様が建てた子供達の為の学校です。心·技·体を無料で学べる場となってまして…子供達はそこら辺のゴロツキなら数人がかりなら軽く倒せるようになるんですよ」

「へー!」

ミヅキが驚くと

「ですからこの学校で悪さを働こうものなら…子供達の手によって痛めつけられます」

「こ、怖いな…」

ベイカーが思わずつぶやくと

「子供達も不審者を捕まえればそれが報酬になりますので容赦しません…まだ魔法や体術がまだ上手くない子でも上の子達がしっかりと面倒を見るようになってますから」

「すごい!誰が考えたんですか?」

ミヅキが聞くと

「自然とそうなっていった…と言う感じですかね。創立者のディアナ様の関係者の子供達が生徒会を作って色々と学校の決まりなどを話し合い規律を作ったんです」

「関係者の子供…?」

「リュカくんやテオくん、ハルさんやサラさん達です」

「リュカ!」

ミヅキは思わず大声で名前を呼んでしまい口を塞ぐ…

「おや?リュカくんをご存知ですか?まぁこの学校で知らない子はいませんが…」

「ゆ、有名なので聞いた事がありました…」

ミヅキが誤魔化すと…

「そうですね、リュカくん達はギルドに登録しており、冒険者としても働いていますから。ここの子供達の憧れの存在ですからね」

先生が誇らしそうに微笑むと…

「今日はリュカ…くんはいますか?」

「いえ、今日は生徒会の子達はリバーシのお店とギルドの依頼だと言っていたような…」

なら居ないかな…ミヅキはほっとする。

さすがにリュカ達に会ったらこの変装ではすぐにバレてしまいそうだ…

「わかりました…色々とお聞きしてすみませんでした。少し見学したら検討してみますね」

ミヅキは先生に頭を下げると

「…君も学校に入る予定なのかな?」

じっとミヅキを見つめる。

「あっ…いえ…どうですかね」

頭をかいた誤魔化すと

「あなたなら生徒会にも入れそうな気がします…頑張って下さいね」

「あ、ありがとうございます…」

にっこりと微笑む先生にミヅキは複雑な思いでお礼を言った…
感想 6,830

あなたにおすすめの小説

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します 表紙

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します

「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
恋愛 連載中 長編
文字数:94,149
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜 表紙

過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜

過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。 初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。 溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
恋愛 完結 短編
文字数:20,369
転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜 表紙

転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜

保育士として働いていた莉子は、ある日の仕事中に暴走してくる車から子どもたちを守り、死んでしまう。 しかし、目が覚めるとそこは深い森の中。 ここはどこだろうと彷徨い歩いているうちに狼のような獣に襲われかけたものの、間一髪のところで冒険者の兄弟、ベクターとゼノに助けてもらった。 家族が宿屋をやっているから、と行くあてもない莉子を拾ってくれた二人。 やってきたのは、リーベル王国の国境付近にある街、ベルン伯爵領。 そこにある人気の宿屋に身を置くことになった莉子は、様々な事情を知りながら身を寄せることへのお礼のため、ベクターとゼノにお弁当を作ろうと決意して──?
ファンタジー 連載中 長編
文字数:124,638
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか? 表紙

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ファンタジー 完結 長編
文字数:148,101
『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜 表紙

『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜

元・社畜SE、今世は国宝級の赤ん坊!? 最強の父様とお兄様が過保護すぎて、一歩歩くだけで国が揺れちゃいます!
ファンタジー 完結 長編
文字数:187,096
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません 表紙

悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません

乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。 破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。 しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。 外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!? さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、 静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。 「恋をすると破滅する」 そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、 断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
恋愛 完結 短編
文字数:14,447
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました 表紙

初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました

夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。 彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。 けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。 セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。 夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
恋愛 完結 短編
文字数:12,593
捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした 表紙

捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした

神殿で無能と決めつけられ、三歳で捨てられた少女リリア。 辺境伯家に保護された彼女は、厳つい辺境伯やお兄様たち、領民にまで溺愛されながら幸せな日々を送ることに。 けれど実はリリアは、数百年に一人現れる伝説級の聖女だった。 これは捨てられた幼女聖女が、たくさんの愛に包まれながら成長していく物語。
ファンタジー 完結 短編
文字数:36,970