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ゾーイ※
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メアリー様との出会いや思い出を思い出し決意を新たにする。
「早くメアリーを綺麗にして眠らせてやろう」
ゾーイ様は信じられないほど軽いメアリーを持ち上げると愛おしげに髪を梳かした。
「メアリーの子供の頃を思い出すな。こうやってよく髪を梳かしてあげたもんだ。さぁメアリーを綺麗にしてくる。イーサンは埋葬する準備をしてくれるか?」
私は力なく頷くと雨の中外に出ていった。
ゾーイ様は風呂場に行くとメアリー様を横たえ優しく水で洗っていく。
「ごめんよ、冷たいかな。でも今はお前の事だ温かい場所で楽しくしているよな。いや、楽しくしていなきゃ困るよ」
体の汚れを取ると腕や足に沢山の痣が出てきた。汚れていた時にはわからなかったがどうやら日常的に暴行を受けていたようだ。
しかし体をよく見るとお腹の部分には一切痣が無かったと教えてくれた。
「メアリー、お前赤子を守っていたのか」
お腹を庇うように叩かれるメアリー様の姿が浮かびまた涙がこぼれる。
ゾーイ様はメアリー様を隅々まで綺麗にしてあげた。
「お前がそこまでして守った子を助けられなくてすまない。どうか天で子供と幸せになっていることを願うよ」
メアリー様を洗い終わると今度は家で一番上等な布で優しく拭き、髪を乾かし梳かしてやる。
長かった髪を綺麗に切ってやり、軽く化粧を施すと前の面影が戻ってきた。
メアリー様の為にと用意しておいた一番いい服を着せ終わる頃穴を掘り終えて声をかける。
「メアリー様が一番好きだった場所に向かいましょう」
私の言葉にゾーイ様は頷いた。
綺麗にして貰えたメアリー様の姿を見ると目が潤む。
「もう一度、メアリー様にお会いしたかった」
メアリー様の手を握りしめるとそっと甲に唇を当てる。
そしてメアリー様が濡れないように布を被せて優しく抱き上げゾーイ様と見晴らしのいい高台に向かった。
二人で小屋から近くの高台に向かっていると雨が上がる。深く掘った穴には沢山の花を引き詰めてメアリー様を寝かせた。
布を顔にかける前に二人はメアリー様に語りかける。
「どうか安らかに・・・・・・」
「メアリー様、申し訳ありませんでした」
美しいメアリー様に布を被せると上からそっと土を被せる。
今までずっと降っていた雨がやみ月まで出てくるとメアリー様の眠る場所を月明かりが照らした。
「必ずお子様を連れてきます。それまでここで安らかにおやすみください」
誓うように胸に手を当て膝をつき祈った。
「月の神よ、どうかメアリーを哀れだと可哀想だと思うならこの子達を導いてやってくれ。メアリーと赤子にどうか次は幸せを与えてやってくれ」
ゾーイ様は美しく輝く月をじっと見つめていた。
メアリー様を埋葬すると私はまた屋敷に戻る為に馬を引いてきた。
「では、ゾーイ様次に来る時はメアリー様のお子様をお連れします」
「お前はまだあそこで働くのか?」
ゾーイ様が心配そうに私を見あげた。
「はい、メアリー様を救えなかった罰です。あの男の元で働いていつかその証拠を掴んで見せます」
「もうメアリーはいない。お前は好きな様に生きていいんだぞ」
ゾーイ様の優しい言葉に感謝して私は首を横に振る。
「無理です。どんなに幸せになったとしても楽しい事があったとしてもメアリー様を忘れられません。その瞬間どんなに幸福な事も褪せてしまう」
私はこの罪を一生背負っていくつもりだった。
「早くメアリーを綺麗にして眠らせてやろう」
ゾーイ様は信じられないほど軽いメアリーを持ち上げると愛おしげに髪を梳かした。
「メアリーの子供の頃を思い出すな。こうやってよく髪を梳かしてあげたもんだ。さぁメアリーを綺麗にしてくる。イーサンは埋葬する準備をしてくれるか?」
私は力なく頷くと雨の中外に出ていった。
ゾーイ様は風呂場に行くとメアリー様を横たえ優しく水で洗っていく。
「ごめんよ、冷たいかな。でも今はお前の事だ温かい場所で楽しくしているよな。いや、楽しくしていなきゃ困るよ」
体の汚れを取ると腕や足に沢山の痣が出てきた。汚れていた時にはわからなかったがどうやら日常的に暴行を受けていたようだ。
しかし体をよく見るとお腹の部分には一切痣が無かったと教えてくれた。
「メアリー、お前赤子を守っていたのか」
お腹を庇うように叩かれるメアリー様の姿が浮かびまた涙がこぼれる。
ゾーイ様はメアリー様を隅々まで綺麗にしてあげた。
「お前がそこまでして守った子を助けられなくてすまない。どうか天で子供と幸せになっていることを願うよ」
メアリー様を洗い終わると今度は家で一番上等な布で優しく拭き、髪を乾かし梳かしてやる。
長かった髪を綺麗に切ってやり、軽く化粧を施すと前の面影が戻ってきた。
メアリー様の為にと用意しておいた一番いい服を着せ終わる頃穴を掘り終えて声をかける。
「メアリー様が一番好きだった場所に向かいましょう」
私の言葉にゾーイ様は頷いた。
綺麗にして貰えたメアリー様の姿を見ると目が潤む。
「もう一度、メアリー様にお会いしたかった」
メアリー様の手を握りしめるとそっと甲に唇を当てる。
そしてメアリー様が濡れないように布を被せて優しく抱き上げゾーイ様と見晴らしのいい高台に向かった。
二人で小屋から近くの高台に向かっていると雨が上がる。深く掘った穴には沢山の花を引き詰めてメアリー様を寝かせた。
布を顔にかける前に二人はメアリー様に語りかける。
「どうか安らかに・・・・・・」
「メアリー様、申し訳ありませんでした」
美しいメアリー様に布を被せると上からそっと土を被せる。
今までずっと降っていた雨がやみ月まで出てくるとメアリー様の眠る場所を月明かりが照らした。
「必ずお子様を連れてきます。それまでここで安らかにおやすみください」
誓うように胸に手を当て膝をつき祈った。
「月の神よ、どうかメアリーを哀れだと可哀想だと思うならこの子達を導いてやってくれ。メアリーと赤子にどうか次は幸せを与えてやってくれ」
ゾーイ様は美しく輝く月をじっと見つめていた。
メアリー様を埋葬すると私はまた屋敷に戻る為に馬を引いてきた。
「では、ゾーイ様次に来る時はメアリー様のお子様をお連れします」
「お前はまだあそこで働くのか?」
ゾーイ様が心配そうに私を見あげた。
「はい、メアリー様を救えなかった罰です。あの男の元で働いていつかその証拠を掴んで見せます」
「もうメアリーはいない。お前は好きな様に生きていいんだぞ」
ゾーイ様の優しい言葉に感謝して私は首を横に振る。
「無理です。どんなに幸せになったとしても楽しい事があったとしてもメアリー様を忘れられません。その瞬間どんなに幸福な事も褪せてしまう」
私はこの罪を一生背負っていくつもりだった。
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