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複雑な思い※
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「ミラの様子はどうですか?」
ローガンは仕事終わりにメイソンの元を訪れるのが日課となっていた。
メイソンは顔を曇らせながら首を横に振った。
「何か思い悩んでいるように塞ぎ込んでいる。理由を聞くと話したそうにするが最後にはなんでもないと口を噤んでしまう」
「ミラはどうしてしまったのでしょう」
目覚めてからまだあの弾けるような笑顔を見ていない。
ローガンとメイソンはミラが目覚めればまた前のように元気になると思っていただけに深いため息をついた。
「あと時折ジョンの事を聞かれる。なんで来ないのか聞かれたので独房に入ってる事を言うとさらに落ち込んでしまった」
「やはりあいつに一番懐いていましたからね、悔しいですが会いたいのかもしれん」
「しかしあいつの謹慎はまだ解けんからな」
二人は困ったと唸り出した。
その時私は寝ながら天井を見つめていた。
もう一人で動けるようになったが何処か行くことにお許しが出ない、みんなが自分を心配そうに見てくる。すると罪悪感が沸き落ち込むという悪循環に陥っていた。
「ジョンさんは?」
起きてから姿を見せないジョンさんはどうしたのかと聞くと私が眠ったせいで荒れて独房送りになったと聞いた。
「ジョンさんに会いたいな・・・・・・」
今の悩みをメイソンさん達に話してしまおうかと思った。本当の事を言って謝りたかった。
自分はもうあのミラじゃないと言ってしまいたかった。
でも怖かった。言ってしまえばなにかが変わりもうここには居られない気がした。
ジョンさんに言ったらなんて言うだろ。もう一人で生きて行けって言われるかな。
まぁ普通の子より知識があるからどうにかなるだろうが、みんなと別れるのは寂しい。
そんな事を考えていると目から涙が零れた。
私はみんなを心配させたくなくて、なかなか止まらない涙をシーツで拭いた。
次の日ローガンさんとメイソンさんからジョンさんの元に行ってみないかと話をされた。
「えっでもジョンさん独房でしょ? 私行けるの?」
「ええ、どうにか看守を買収・・・・・・オッホン! 頼んで一時間ほど話せる様に手筈を整えました」
「どうだ行ってみないか? ミラあいつに会いたいんだろ?」
メイソンさんが優しく聞いてくる。
私は二人を見つめてコクンと頷いた。
その日の夜にいつものカートに乗り込み地下の独房を目指した。
カートを押すのはローガンさんだ。何かあったとしても一番上手く立ち回れるだろうとその役を引き受けてくれた。
そんな事が見つかったら重い処分があるかもしれないのに私のわがままで申し訳ない。
そう思い落ち込んでいると、いつものように頭をポンと撫でられる。
「大丈夫、見つからないようにしっかりと守りますからね」
怯えていると思われたのか安心させるように頷かれる。
「ローガンさんごめんね、ありがとうございます」
私は深々と頭を下げた。
ローガンは仕事終わりにメイソンの元を訪れるのが日課となっていた。
メイソンは顔を曇らせながら首を横に振った。
「何か思い悩んでいるように塞ぎ込んでいる。理由を聞くと話したそうにするが最後にはなんでもないと口を噤んでしまう」
「ミラはどうしてしまったのでしょう」
目覚めてからまだあの弾けるような笑顔を見ていない。
ローガンとメイソンはミラが目覚めればまた前のように元気になると思っていただけに深いため息をついた。
「あと時折ジョンの事を聞かれる。なんで来ないのか聞かれたので独房に入ってる事を言うとさらに落ち込んでしまった」
「やはりあいつに一番懐いていましたからね、悔しいですが会いたいのかもしれん」
「しかしあいつの謹慎はまだ解けんからな」
二人は困ったと唸り出した。
その時私は寝ながら天井を見つめていた。
もう一人で動けるようになったが何処か行くことにお許しが出ない、みんなが自分を心配そうに見てくる。すると罪悪感が沸き落ち込むという悪循環に陥っていた。
「ジョンさんは?」
起きてから姿を見せないジョンさんはどうしたのかと聞くと私が眠ったせいで荒れて独房送りになったと聞いた。
「ジョンさんに会いたいな・・・・・・」
今の悩みをメイソンさん達に話してしまおうかと思った。本当の事を言って謝りたかった。
自分はもうあのミラじゃないと言ってしまいたかった。
でも怖かった。言ってしまえばなにかが変わりもうここには居られない気がした。
ジョンさんに言ったらなんて言うだろ。もう一人で生きて行けって言われるかな。
まぁ普通の子より知識があるからどうにかなるだろうが、みんなと別れるのは寂しい。
そんな事を考えていると目から涙が零れた。
私はみんなを心配させたくなくて、なかなか止まらない涙をシーツで拭いた。
次の日ローガンさんとメイソンさんからジョンさんの元に行ってみないかと話をされた。
「えっでもジョンさん独房でしょ? 私行けるの?」
「ええ、どうにか看守を買収・・・・・・オッホン! 頼んで一時間ほど話せる様に手筈を整えました」
「どうだ行ってみないか? ミラあいつに会いたいんだろ?」
メイソンさんが優しく聞いてくる。
私は二人を見つめてコクンと頷いた。
その日の夜にいつものカートに乗り込み地下の独房を目指した。
カートを押すのはローガンさんだ。何かあったとしても一番上手く立ち回れるだろうとその役を引き受けてくれた。
そんな事が見つかったら重い処分があるかもしれないのに私のわがままで申し訳ない。
そう思い落ち込んでいると、いつものように頭をポンと撫でられる。
「大丈夫、見つからないようにしっかりと守りますからね」
怯えていると思われたのか安心させるように頷かれる。
「ローガンさんごめんね、ありがとうございます」
私は深々と頭を下げた。
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