放課後はダンジョンに行って憂さ晴らしのつもりがいつの間にか学園最強になってたことに気が付かなかった

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第百七十五話 シーサーペント、狩り狩られ

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ドラゴニア海岸領の沖合、外海に面する島。
この名も無き島は、現在は「人魚王国島」と呼ばれている。安直すぎるけど、わかりゃすくていいと思わないか?

つい最近まともな国に見えるようになった。
それまでは、寒村というかスラムと言うか、、見た目そんな感じだった。
それが今では一つの島を領有し、その内部に街を持つ国となっている。国民は数十人だけども。人魚だからね、個体の絶対数が少ないからね!

「おと、、王様、ほんと、なんて言っていいのか、、」王女ワリディ
「うむ姫よ、我らは幸運じゃ。そうとしか言えん」

岩の寄せ集めになった所が王宮だったのが、今では見た目もしっかり小ぶりだけど王宮だ。
城下町も、国民の数が数だから数十件ほどだが、城から見下ろし、眼下に国民の家々が広がる、など夢にも見ることがなかった事だった。

ここを作ってもらったのは、国民セレーネの功績だ。ドラゴニア国民達の貢献によって出来上がったそうな。その貢献を導いたセレーネを”導きの人魚”として賞賛した。
人魚は魚と同じようなので、領地とか持たない。なので称号を与えるくらいができること。人魚は身勝手なのであまり部下になるとか部下を持つとかできない。数少ない男の人魚がそれをできるくらいだ。

また、この島から人魚達お気に入りのドラゴニア海岸領の筏まで高速泳法ですぐだ。時計があったら10分を切ることもあるくらいだ。人間が普通に泳げば一日ではたどり着かないけど。
つまりマグロ並みに速い?

更に、ドラゴニアの子達が遊びに来てくれるらしい。
「とてもいい島だから、保養地とか作らせてもらえたらいいかも」と言っていたという。

セレーネはあれから筏に居っぱなしである。なんか、海賊のお宝がどーのとか言い残して行ってしまったのだ。

ーー

ドラゴニア海岸の筏
「ねぇ、今日は行くんでしょ?」セレーネ
マッハ達の休暇は半月。もう一週間ほど経った。でもまだ一週間もある。
遺跡と人魚達の街を作ったんで、結構満足してしまったマッハご一行。

でもセレーネはマッハ達といて面白かったのだ。生まれてはじめてワクワクした。
なので、
海賊のお宝探しなんかもっとワクワクするだろう、と思っている。


朝食後から筏の上でごろごろしているマッハ達にセレーネはねだり続ける。
「仕方ないなー、行くか?」
と皆に訊くマッハ。

「俺はいいよ?」ターロ
「にーちゃんと同じく」ジーロ
「吾輩はよいぞ?」クマ

仕方がない、行くか、とマッハ。
何のことはないマッハがだるかっただけだった。


「作戦会議だ」
皆車座になる。

「前回はここらの島を見てみた。それっぽいのは人魚の街を作ったあの島だけだったが気配もなかった。
なので、今度は西側に向かおうと思う。」マッハ
「なぜ西なのだ?」クマ

「良い質問だ。西はウチの影響圏内だからだ。東は未開拓海域だ。西にはうちのフェリーが通るそうだし、新ムータンの領海になるからダイジョブだろう。」
「はーい!」
「よしジーロ」

「怪獣(海獣?)とか海賊とかいるんですかー?」
「知らないから気をつけないとな。ときにクマ、俺ら海賊ってしらないんだけど」
「今更かいっ!!えっとだな、海のふつーの船を襲って金品を強奪する海の物盗りの集団だ」
・・・・・・
「ん?」クマ
「いや、、でっかい船って、うちのドラゴニアがはじめてだと思う。他の国も持ってないだろうし、、小舟で魚とりする漁師はいるけど、、」マッハ

「そうなのか?」
「「「うん」」」
「私も見たこと無いわね」セレ

「いないじゃん、海賊、、、」クマ

「・・・作戦、しゅーりょー、、、」マッハ
「いや、先日のように島を見つけて歩く(泳ぐ?)のも面白んじゃないか?」クマ
「それもそうかもなー」マッハ
「なんかおもしろいことしたい」ジーロ
「遺跡も、島の近くのほうがあるっぽいと思う」ターロ
確かに深いとこには無いだろう。

んじゃ、と役割分担。
移動中はセレーネが皆を引っ張る。
左右に2人づつついて、マッハとターロがセレーネと手をつなぎ、マッハはクマと手をつなぐ。
ターロはジーロと手をつなぐ。

で、
移動中男子4人は周囲を観察警戒する。何か見えたと思ったら、すぐに言うこと。
会話は念話。セレーネも最初から使えていたので。というか、人魚は海中なので音が通りにくい。念話が通常用いられる方法なのだろう。

「じゃ、探す経路は私が決めていい?潮の流れの変わり目を目印にすればわかりやすいの」セレ
「そこらへんは俺らにはさっぱりだから全面的に任せる。お願い。」
「任されたわ!」

で、皆水中に入る準備をし、海の中に入る。
で、セレーネに手を引かれて沖合に。
浅いところには何もないのだから。


「速い速い速い!!!もっと遅く!」
「えー、時間かかちゃうわよー」
「最初だけでも、、慣れるまではそこそこ遅く頼む、じゃないと何も見えないって!」
「わかったわ、、もう」

ぎりぎり見えるくらいの速度で泳ぐセレーネ。
マッハ達はぐいぐい引っ張られていく。

たまに何かの影を見つけても岩礁だ。
勿論外洋航海がまだ無いので沈没船など無い。

と、、、足元に、いきなりでっかい断層、、深い。中は真っ暗。
水も急に冷たくなる。

「引き返すわ。」
「ちょっとまった、このヘリのところに立たせて、、」

ヘリから中を覗き込む。
遠視をかける。
暗くて、、、、暗視も掛けてみるマッハ。
マッハは小さい魔法を見るたび知るたびに教えてもらってきていたから。

「うわ、、、」
「何?」
「なんか、、うじゃうじゃ?」
「居るの?」
「うん、、きもい、、」
「どーゆーのがいる?」
「海蛇のでっかいの」

「帰るわよ、急いで。」
皆しっかり手を組んで、セレーネの”急ぎ”に対応した。

とんでもなく早く泳ぐセレーネ。
バリアを纏っていてもバリアごと海水に押されて顔がぶるぶるになっている。
みな、あばばばばばばば!とか、ぶるるるるるるるるる!とか、ぼぼぼぼぼぼぼぼぼ!!とかいいながら引っ張られていく。

ザッパーン!!
筏の上に飛び乗るセレーネ。

「はあはあはあはあ、、、いやー、、怖かったぁああああああ!!!!」
「どうしたのセレーネ?」
側に居た人魚。
「多分、シーサーペントの巣、、、」
・・・・・・・・・・・・・・
引きつるその人魚。

「どうしようか、、」セレーネ
「シーサーペントって何よ?」マッハ
「あんたが見たうじゃうじゃの奴等よ」
「ああ、きもかった、、」
「きもいじゃ済まないわよっつ!!」

「凶暴なの?」
「共謀も凶暴、一匹で大変よ、ここらへんは蹂躙されるわ!」
「クラーケンとどっちが強い?」
「うー、、シーサーペントじゃないかしら、しかも大群でしょ!」

「まぁ、、でもウチの王様達に言えば軽いかな?」
「はあ?んなわけないでしょ!!」
「ちょいまち、、」
と、マッハは念話でニヤと話す。遠距離だとニヤが受け取ってくれやすいし、ニヤは話をしやすい相手なのだ。

「んじゃよろしくねー!ありがとー!」
セレーネに向き、
「討伐してくれるって。その前に話し合いできればするって。」
「ああ?何言ってるの?できるw
シュン!

「よばれてとびでてじゃじゃまるうううううう!!!!ドーラ登場っ!!」
「同じくユータ登場っつ!!!」
ドーラとユータが転位してきてくれた。

「なになに?シーサーペントが出たってニヤに聞いたけど?」
「大群だって?蒲焼き?」ユータ、新しい食べモノ好きか?


発見者特典で一緒に行っていいことになった。
マッハがそれほど信頼するのって、、と思ったセレーネも興味津々、恐怖半分で一緒に行く。
「あんた、危なくなったらアタシを助けてね!あんたの魔法すごいんだからっつ!!」とマッハにすがるセレーネ。

いや、それほどじゃないけど、空に逃げればどーにかなるし、、、と思うマッハ。
のんびりくつろいでいるターロ、ジーロ、クマ。ドーラとユータ直々に拾って貰った3人。それなりにドーラとユータの凄さを見てたのだ。


海底断層の縁
「んじゃ、中に入るなよ?バリア張るから出ないでな」
と、ドーラは5人の居るところにバリアを張った。勿論強力なやつ。物理および魔力に効果あり。

上から見えるように照明魔法を断崖に掛け、断崖が光るようにした。
すぐに下のうねうねの集団のうねうねが活発になった。

ずごごごごーーーー!!!
一匹がミサイルのようにドーラに迫ってくる。
ドーラはぎりぎりでひょいと転移して首の後ろにまわってがっしと首を捕まえ、下からの凄い勢いなんぞ瞬時に殺して逆に下に引っ張っていく、惰性で掴まれた首以外の体が上にびゅーーーーん!となったサーベント、その勢いでのびてしまった。

ユータはもう下に降りている。
ユータを囲む大量のサーベントだが、手を、、手はないけど手を出そうとするモノはいない。怖いのかな、、
ユータは、海中なのでよだれが出ているかどうかは定かではないが、、なにか美味しそうな顔をしているようにも見える。

狩る者、狩られる者、を体感しているのだろうかシーサーペントたちは。

なんか言っている気配がするけど、、、
「ドーラ、この子、なんか言っているけど、、わかる?」ユータ
目の前の小さめのサーベントに顎をしゃくるドーラ
「ん?・・・・・さっぱり?」
・・・・
「でも、あの人魚の子ならわかるかな?」ユータ
「呼んで見る」
と、
ドーラはバリア毎転送させた。
ドーラのわきに現れる5人。

「「「「「え”!!!!!」」」」」
「だいじょーぶ、、僕らが狩る方だから。」ユータ
「おう、、あいつが何か言っているってんだ、話してみてくれ」と人魚(セレーネ)に言う

「・・・・・・・ええと、、食べないでください、って」
「んじゃ、この辺の人間と人魚を襲わないなら、俺らもお前らを襲わない。お前ら守れるか?一匹でも約束破ったらお前ら皆蒲焼きだからなー、って言ってくれる?」
「難しいわね、、、えっと、@ー#4%&8”¥*+?。、<#?¥*・・・」
なんか言っている向こうの蛇
「えっと、わかった、おそわないようにさせる。けどもし襲ったあほうがいたら、私達で倒してそれをあなたに引き渡す。それで了承してもらえまいか?だって」

「・・・そういう事例が起きたときは、また俺がお前らと話しに来る。どこに居ても見つけられるから、どこに居るとか連絡くれなくとも大丈夫だ。でも、不幸な事故は起きないほうがいいよな?」ドーラ、威力を半分くらいだす。
バリア内の皆は平気だったが、シーサーペントの、話をしている奴以外は皆気絶したようだ。
「・・・・わかった、絶対に敵対しない、、しないから許してくれ、、、」
弱めたドーラ。

「ちなみに、、君達って、おいしいの?」ユータ
それを聞いて全身真っ青になったそのシーサーペント。

ま、それじゃ、、、たのむぞ。とそいつを置いて転位で筏に戻った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・
(一番怖いの、ユータさんだったね)
(おう、、これほどとは、、、)
(韜晦もしすぎとるな)
(食いしん坊さん!)
(よかったー、、ドラゴニアの仲間でほんっとよかったーーーーー)セレーネ

ジーロの見立てが大正解。
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