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第百八十話 マッハとセレーネ
しおりを挟む一応水中宿の方を見ているはずの人魚側副責任者に会いに行く。クマはあくまでサポート。基本は人魚側で切り盛りできるようになってもらうのだ。
「ちわー」ドーラ。水中なので念話だ。
「あら、国王様、じゃない、、ドーラ、いらっしゃい。」
お互いに名前呼びにしていたのだ。
なので、副責任者をやっている人魚国王女ワリディにも
「おうワリディ、悪いな、セレーネを借り出した。今うちのダンマスに特訓受けている」ドーラ
「ええ、良くってよ!おほほほほほ!」ワリディ
??
(なんだろう?なんかのパロディ?)ドーラ
(ごっこ遊びなんじゃないの?)ユータ
(お姫様ってなんか怖いんだな、その、得体の知れない?)マッハ
「・・・・姫らしくしてみたかったのよっつ!!」ひそひそ念話を聞いている姫。
でもほっとした3人。とりあえず納得できる理由だったからw
「あっはっは、次は”魚がなければケーキを食べればいいじゃない”とかいい出すと思ったよ!」ドーラ
「それは縁起悪いよ、、」ユータ
「あ、スペイン風邪だかペストだかが流行っちゃうんだっけ?」
「え??そうなの?あれ?」
正解の方のユータが混乱してどうする?
「なんだかがわらないけど、よかったのよね?」
「「うんだいじょうぶ!!」」何がなのかよくわからんが、と思う2人。マッハは理解不能。
「何か困ったこととか相談事とか、、ある?」ドーラ
「そうねぇ、、ケーキが不足だわね」
「え?客、ケーキ欲しがるの?」
「いえ、私がケーキ食べに行く暇がなくなるかな?って」
一応、人魚達へは労働対価として特製ケーキ支給してる。
・・・・・・・・・
「昼間少し王様に代わってもらって売店に行けばいいじゃん、、」
「あ、そうね、お父様に代わってもらおうっと!」
王をこき使おうとする姫様w
でも、他の者(人魚)だと自己中多いからね、王様が一番安心なんだよここじゃ。一応王国に責任感持っている王様だから。
なんか姫の方は大丈夫そうなんで、その宿の前で、
「んじゃ訓練始めるか!」ドーラ
「・・ここで?」マッハ
「おう、どこでも同じだし!水の中ってのも珍しくていいじゃん?」
珍しいことは珍しいだろうけど、、
まぁいいか、、と思ったマッハ。
それからマッハがドーラから新たな魔法を聞いて、その気(魔力)の放出の仕方など教えてもらって練習とかしていると、
物陰からそれを覗く人魚たちが出始めた。
「あれがセレーネの?」
「そうそう、いい人なんだって」
「へぇ、ヒレなしじゃない、、どうやって泳ぐの?」
「・・・泳がないんじゃない?」
「泳がなくってどーすんのよっつ!!」
「知らないわよ、ヒレなしとほとんど喋ったこと無いもの」
・・・
「お、俺あるぜ?」
と一番最初に姫の警護で一緒に来ていたおっさんが。警護いいのかな?国内だからね、安全だからいいのかな。
「何喋ったのよ?」
「納品です。これください。と、ありがとう。だ」
以前物々交換だった時に海産物を売店に納品し、対価としてのケーキはどれにしますか?と聞かれた時、それとケーキを受け取った時だろう。
「その3つをヒレなしと喋ったこと無い人魚見てみたいわ、私」
「うん私も」
やっぱ相手にされてないおっさん人魚だった。気の毒に、オツムが。
(人魚って雄が少ないのに、皆あーゆー気の毒な感じなのかな?)ユータ
(どうだろう、王様はマシだったろ?)
(あー、結構普通に近かったね)
それでもやっぱアレっぽいということか、、、
「だからセレーネもまともで真面目で男らしく責任感ばりばりのマッハが気に入ったんだな!!」ドーラ
「えっつ!!いきなり何言い出すんっすか!!」マッハ
「おや、ダダ漏れしていたか、、いやユータと念話してて」
念話を指向性にしてても緩むときもある。
「うん、マッハがセレーネに惚れられた訳がわかったって言ってて」ユータ
「・・いや、、べつに、、、とくに、、まだ、、」
なんて言っていいか困るマッハ。でもここにいないけど、聞いたら悲しませるような言葉は吐きたくないマッハ。
「いやいや、あれだけ積極的に来てるんだから、おまえも判ってるんだろう?」
「・・はぁ、、まぁ、、」
「んじゃお前から言ってやれよ、、好きです!ってさー」
「・・・・いつ?」マッハ
・・・・・・(どうよ?)と、ユータに振るドーラ
「うーん、、、、、、帰ってきたら、お疲れ様ってねぎらってあげて、ケーキでもいっぱい食べさせてやって、そんときにでも言えば?」
安直だけど、まぁそんなとこか?
「いや、も少しこう、、なんか、ロマンチックに、、、」
妄想に入り始める?マッハ。
でも気持ちはわかるぞ!!
ーー
マッハ。人間。十五歳くらい?
セレーネ。人魚。年齢不明。ちなみに人魚は長生き。1000歳くらい生きると言われてる。人魚達自身は、年齢の概念が希薄なので、超ザックリ。半世紀単位で数える者も少なくない。
年齢はそう意味のあるものではないと知っているから。
ちなみに両人とも結婚したことは無い。
「もういいかもな、男でも仕事持って15歳になってりゃ、人柄や責任感でいいと思えたら結婚させてもいいよな」ドーラ
「うん、僕もそう思う。」ユータ
「いやいや、まだ早いんじゃね?」マッハ
「そんなこと言ってると、セレーネに他の誰かが言い寄って、そっちになびいたらどーすんだよ?」ドーラ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかった、、、結婚とかよくわからんから、OK貰ったらあとは頼む、、、」マッハ
「「おう!任せろっつ!!」」ドーラ、ユータ。
全く何もしらないが、ダンマスは知っているだろうからいいよと気軽に返事した2人。
あ!!、と気がついてすぐに宿に入り姫に
「マッハとセレーネがくっついて地上に住むってったら、どう?」
と訊いてみたドーラ。
「あら、めでたいわね、、でもセレーネは変身できなかったはずだけど、、、」姫
「おう、そこらをダンマスが特訓していると思う」
「でさあ、マッハがセレーネに結婚してくださいって言う時、どこでそういう場面で言えば、セレーネが喜ぶと思う?」ドーラ
「・・・・食事かケーキおごって貰ったときかな?」
そうなの?そんなんなの?
「普段一番嬉しいのはケーキ食べているときだもん。そのときに更に嬉しいことがあったら、最高よね?」姫
・・・・・・・・・まぁ、言っていることは正しいかもって聞こえるんだけど、、、なんか違うっぽい、、、
が、
人魚だから、そういうものなのだろう、と思わないと行けないんだろうなぁ、、と思うドーラだった。
で、マッハに伝えると
OTL、、、、、まじっすか、、、
と折れていた。
マッハがロマンチックなシュチュエーションほしかったんだな?
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