放課後はダンジョンに行って憂さ晴らしのつもりがいつの間にか学園最強になってたことに気が付かなかった

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第百九拾七話 知られざるダンジョン?

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その銭湯の湯は温泉なので、銭湯の建物が出来上がった時にはもう湯を流していた。小物などはまだ無かったが、村には余ってる手桶くらい幾つもあった。
なので、もう宿の客は銭湯に入れた。

客達は殆どがドラゴニアから来たムータンの者達なので、ドーラとユータが作ったそれを見てもさほど驚かず、それよりも湯に浸かれることを喜んだ。
さっぱりしてぐっすり眠れるから。

うまい飯がある。まともな宿がある。清潔な風呂が在る。
コレだけ揃えばそれ以上の要求はわがままでしか無い。
いくらユータの世界から来たと言えど、昔ながらの生活形態だった向こうのムータンの者達。
そのくらいは判っている。

そして獲物を買ってくれる冒険者ギルドも小さいながらもある。
宿の部屋数は何倍にも増えた。


湯から上がって食堂で飯を食いながらエールを飲んでたドーラとユータ。
「あ、ひなびた良さげな村が、発展してすれちゃうかな?」ドーラ
「それはやだねー。このひなびた感じがいいのに」ユータ

「はいこれサービス。でもね、あまりにひなびすぎてもねぇ。冒険者たちが来る迄はすごかったわよ?いつ廃村になってもおかしくないかな?って思えてたもん」リーシャ

「それは、、ぎりぎりだったな?」ドーラ
「そんな感じ。ギルドが出来て助かったわ。」
「へぇ、、ギルドも頑張ってるんだなー」
「獣が出る森があるからね。獲物がでなかったらそのチャンスも無かったし」
「そりゃそうだ。」

「魔獣の肉はおいしいからねぇ」
「もっと強い変異種はもっとうまいぞ!」
「そうなの?出ないかしら?」

「おいおいリーシャ、変異種は結構きびしいんだぞ?」
と、側の席の冒険者
「あなた達でも?」
「む、、」と仲間を見回すその冒険者
皆頷く
「いけるぜ!」
「よかったわ!変異種獲ったらうちに売ってね!」
と食堂全体に声をかけるリーシャ。
商売人である!


その晩はドーラもユータもぐっすり眠れた。


翌朝、朝食を食べたドーラとユータは宿を発った。
リーシャはも少しゆっくりしていけばいいのに、と言ってくれたが。

マークはこの街にあったはずなのだが、他にもムータン人多く居たので一緒くたにして見たからおkだろう。
次のマークに向かう。

少し離れた北の山奥に入っているようだ。
「行こう!」
「うん!」

随分前からドーラはユータに乗らないで自分で転位していた。
それから少したって、手を繋いで一緒に転位すると魔力が節約されることに気がついた。
ユータがドーラを載せて(自分以外の誰かを連れて)転位するのと同じくらいの総量みたいだった。
なので手をつなぐだけで少し節約!


「見えるかー?」
「見えないねぇ、」
「おっかしいな、ここらにいるはずなのに?」
「隠密?」
「あー、かもな、今獲物を追い詰めているのかもな」

少し待っているとサーチに現れた。
「出た!」
2人がその近くに行くと、4人が獲物の周りにいた。

「ダイジョブそうだね?」
問題かな?と思ったからマークしたチームである。みんな健康そうに見えるし。
一応声を掛けてみる。

「おーい、おまえら大丈夫かー?」
ユータは山の方に少し気になった気配があるので、そっちを遠視でみている。

「あれ?ドーラさん?どうして?」と冒険者の1人。
「いや、ムータンの冒険者や旅人を見て回っててなー」
「ありがとーございますー。でも今の所、問題?ないよな?」
ユータとドーラは4人のところに降りた。

「この先にダンジョンみたいのがある・・」ユータ
「あ、俺らそれ訊いて、少し見てみようかなって」
「あ、ばかっ!」
「・・・・あっつ!!」
「そうだよな?俺、禁止していたよな?ムータンの者達だけでは潜るなって」ドーラ
「「「「ごめんなさーい」」」」

「まぁ、ボクらがいるし」ユータ
「・・そうだな、一緒に行けばいいだけか」ドーラ
ほっとした4人。

リーダーらしきのが獲物をストレージに仕舞い、ダンジョンの方に皆で走っていく。
走りながら
「誰かが転位使えないのか」
「ええ、2人ほど。でも俺ともう一人が一緒に転位させられるから行けるんですけど魔力消費多いし」
「そうだな、街に戻るまで余裕見ないと死ぬからな」
「「「「・・・・・・」」」」

「そうだよ?あれ?ってほど簡単に死んじゃうからね?」ユータ
「「「「・・・・・・・」」」」ゾッとする4人。

ほどなくダンジョン入り口についた。
「・・・けど、なんか?」ドーラ
「うん、マソが?」ユータ

「なんかあるんですか?」リーダー
「おう、弱々しいと言うか」
「空っぽっぽい?」

「そんなのあるんですか?」
「聞いたこと無いなー」
「ドーラ、もしダンジョンマスターが消えたらどうなるの?そのダンジョンは」
「・・・・聞いたこと無いけど、崩落したり消えたりすると思っていたけど」

「ま、中にはいろうぜ?」
「うん、見てみなきゃ始まらないね!」
「「「「・・・・・・」」」」

「おまえら、待ってるか?そのほうが安全だし」
「・・いや、俺は行く。見てみたい」
おれも、俺も、と他3人も。

「んじゃ、しゅっぱーつ!」
と、6人は洞窟に入っていく。

ーー

5階層まですぐに到達した。
魔獣や魔物は全く出ず。罠もない。雑草一つ生えていない。つまり何もない。

「こりゃ、廃坑みたいなもんだなぁ」ドーラ
「うん、引っ越しました!その後みたいなもんだね」ユータ
ムータンの者達は皆物珍しさにきょろきょろしている。

5階層になってはじめて洞窟風景から変わり、ひろびろとした元草原だった様子の場所に出た。が、下は土のみ。
少し休憩する。
干し肉をかじり、水を飲む。
ユータ達のストレージには他の食料も入っているが、冒険中は基本干し肉のみ。なぜだかはしらないけど、それが自然になっちゃっている。
ムータンの者達も同じく干し肉をかじっている。勿論彼等もストレージ魔法が使える。使えないと冒険者にさせてないから。

その後10階層、20階層と降りていく。

「随分深いな?」
「うん、長生きしたダンジョンだったんだねぇ」
そんなダンジョンがなぜ?

50階層を過ぎた辺りから、
「何か気配するね?」ユータ
「おう、危険というわけじゃないな、なんだろう?」

62階層。
「ここが最深層だな。ユータ、マスタールーム探そう」
「そうだね!」

通常、そのダンジョンの管理に無関係な者はマスタルームに入れないどころか、その場所さえ特定できない。
ドーラもユータも、他のダンジョンのマスタールームを探したり入った経験も無かった。
が、
そんなこと知らないし、そもそもマスタールームを探さないと、このダンジョンがこんなことになっている理由はわからないだろう。
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