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第二百九話 ギルド支部訪問 4 南部
しおりを挟むそれからユータとドーラは僻地を回った。
ナッシュの所以降は皆ゲスザンス出身の冒険者達だった。だからドーラとユータが見ても旨くやってると見えたし、彼等も特に助力の必要は今の所無いと言っていた。
なので、少し内側のも少しマシな環境のギルドを回ることになったが。
「あまり多くないね?」ユータ
「森がないからなー」ドーラ
森がないと猛獣や魔獣はいない。なので冒険者の出番も稼ぎもない。つまりギルドを出す場所がない。
少し大きめの街になると、近くに森があったりする。
それは街の成り立ちに関係する。
森が獣や魔獣を生み出すところだと捉え、そこの近くに村が出来、獲物がよく獲れはじめると村が街になりそれが大きくなっていく。その森の規模や、ダンジョンがあればそのダンジョンの規模によって街の大きさが決まってくる。
僻地は開拓されていないので森が多く残るが、街が大きくなると木材のための森を開墾していく。
そうなると資源も少なくなっていき、街は開梱された土地を利用して農業を進めていくようになる。
そうやって内側になればなるほど森は小さくなってしまっている。
「まぁ、こんなもんかな?あとは南側だけか」ドーラ
南側は、ドラゴニアやゴンザールから言う所の”北側”になる。北の森などもゲスザンスからすれば南の森だ。
でも南の森の南側=ドラゴニア・ゴンザール側にはもうギルドがあり、そこらの冒険者達はもうほぼドラゴニア側に移動してしまっていた。
なので、ポツリポツリとしかギルドができていなかった。
「あと数カ所回ればゲスザンス国内は終わりか。んじゃ行こうか?」
「うん!」
シュン!
ーー
ゲスザンス南の森の西側(北西王国側)の小さな街。
「あれ?ターロ、ジーロが居た街だよね?ここ」
以前少し寄ったことがある。
「ここにも新たに支部出したんだ?」
「少しはよくなったかな?」
と、ギルドに寄る。
ざわざわざわ・・・
おや?
(結構いるな・・・)
「・・っつーかっ!おまえらなんで?」
と、目の前の冒険者を捕まえるドーラ。
北の森の街の冒険者である。他の者達も見たことある者達ばかりだ。
「あ、ドーラさん。俺らも少しはなんかしたいなーって、こっち側に応援です」
「・・みんな?」
「そうっすよ?」
「・・宿とか、マシなの、あるの?」
「あはは、もうそこらもやってますよ。ひとつだけ俺らで作って、メシウマ、清潔、親切な宿にして繁盛させたら、今までのゴミ箱みたいな宿も真似しはじめてねー。数日でかなりマシになりましたよ。できるんなら最初からやりゃいいのに、と思ったけど、奴等知らなかったんでしょうね。銭湯も作ったし、清潔でいいのを。」
「「速攻!!やるなあ!!」」ドーラ、ユータ。
あれから数日しか経っていないんじゃないっけ?
「南側って、ギルドのある街、みなそんなんなってるの?」
「でしょうね。皆分散してそれぞれのところに入ってますから」
「「うわー、、助かる!!」」
(なんかしてーな?)
(ドーラ、いつもどおりでいんじゃないの?)
ということで
「皆!どうもありがとーな!!何もできないけど、気持ちだけ受け取ってほしい、今日は俺の奢りだー!!」ドーラ
「おーーー!!!」皆
ということで、
よほど嬉しかったのかドーラ。
2日間宴会しっぱなし。
3日目の朝、ようやくドーラとユータはその街をでた。
ーー
「どうしよう?ゴーミに行く?」
先程の街の高空。
「一度戻るか?」
「そうだね、邸に戻ろう!」
シュン!
「「ただいまー」」
ドーラとユータは邸に戻ってそのまま寝た。まる2日、あまり寝ていなかったから。
ーー
翌朝までよく寝て、朝になったら自然に起きたドーラとユータ。
朝食をとりに下に降りると、もう半数はいない。仕事にでたのだろう。
「偉いなーみんな」ユータ
「おう、なんか気が引けるなー」ドーラ
といいながら、厨房前のカウンターで朝食の盆を貰う2人。
「そんなことないでしょ?」厨房の中から。
「うん、2人とダンマスがちゃんと見回ってくれたり見守ってくれて俺らの世界を守ってくれてるのを知ってるから。」厨房からカウンターに顔を出す厨房班の子達。
「お、おう、なんか、ありがとな。」
「どーいたしまして!」
席について朝食を食べ始める。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「「なんか・・」」
どうぞどうぞと譲り合うドーラとユータ
「褒められる、認められるって、嬉しいね?」
「おう、そのためにやってるつもりまったくなかったけど、意表を突いて褒められると、なんかこそばゆいな?」
「だよねー」
それから2人はにへら、としながらぼそぼそと朝食を食べた。
厨房にもその声は聞こえている
「意外だねー」
「うん、あそこまでなっててもねぇ」
「うん、褒められると嬉しいんだねぇ」
「同じなんだね、私達と」
「ああ、そうだね」
その後数日、
外でなんか褒められることが増えたドーラとユータ。
????である。
皆が、厨房班の子達からそういうことを聞いていたのだ。
情報共有が確実になされている良い例である! w
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