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第二百三十四話 日本に漫画を買いに帰ります!
しおりを挟むドーラとユータはムータン最高峰の山のてっぺんに登った。登ったというより飛んでいった。
当然万年雪の山頂。
「いい眺めだねぇ!」
「おう、うちの裏山より高いなぁ、王都自体も高地だからよりもっと高いんだよなー」
ドラゴニア王国は高地ではない。向こうの新ムータンには一部高地を作ったからそこがでっかい山みたいになってるが。
「そんじゃ、漫画買いに行くか?」ドーラ
なぜここで、そんじゃ、なのかわからないが、
「そーだねー。それじゃ日本の一番高い山の上に転移しよ?」ユータ
「おう!いいな!」
魔力セーブのために手を繋いで、
シュン!!
富士山頂。
「あ、こっち、今冬?」
雪があった。
「秋じゃね?」
早めの降雪かな?早い時は9月中に初雪あったりする。積もるのはもっと後だろうけど。
富士山は周囲を遮るものが無いので、3千メートル級だけど眺めが凄く良いのだ。
雪で濡れるのでバリアを纏ってそこらに座り、遠くを眺める。
空気が冷たく風が速く、だから雲がない。とても眺めが良い。時折吹っ飛ぶような突風あるがw
「んー!」ごろん、
雪の上に寝転がる。
ドーラも同様に。
こういうとき、なんか自由なんだなー、と感じるユータとドーラ。
特にドーラはずっとダンジョン最下層ボスやってたし、ダンマスの仕事手伝ってマスタールームこもっていたりした。
ユータは、向こうの世界に行けるようになってからは、自由であろう。
「なぁ、」
「うん?」
「でっけードラゴンになってこっから飛んでみたい」
「このへん、つぶれちゃわない?」
山頂全体よりもデカくなれるし、片足だけでもここら山頂一帯よりでかくなれる。
「そんへんはダイジョブにするから」
軽くするのかな?
「んじゃ、ボクはドーラに乗ってくね!」
「おう!」
でっかすぎるドラゴンの背中の上は凄く広いので、景色が見られない。
ひゅーーーん!
ドラゴンはほぼ羽ばたかない。魔力で飛ぶから。
ユータはその一つの街ほどあるドラゴンドーラの背には乗らず、頭の上に乗っていた。
そこだって高層ビルの屋上より広い。体にバリア纏っており、高速飛行してるがおにくはプルプルプルプルとはならない。あれ痒くなっていくんだよねー。
ユータも並走して飛べば良いのだが、
「やっぱドラゴンに乗って飛んでいる!ってのがカッコイイよねっつ!!」
「そうなのか?そうだな!漫画とかアニメでもそーだもんな!!」
あーゆーの読んだり見たりしてる時、自分がドラゴンという意識は無かったようである!!
富士山の高さから飛び立ってるので、高度4千メートルくらい。
街ほどの大きさの飛行物体だ、下からよーく見える。肉眼でもドラゴンってわかる。
前回、ユータが両親の前で転移を使ってから、ドーラも何かが吹っ切れた様子である。
良いことだ!!
ドーラは新宿上空くらいになったらぽむっ!っと人形に戻った。
あーれぇええええ!とわざとらしい悲鳴を上げて墜落するユータ。
でも下から悲鳴とか聞こえない、4千メーター上空だと人くらいだと黒い粒くらいにしか見えないのだろう。
おもしろくないのでひゅーーん!と飛んでドーラに並走した。
「あ、お団子食べていかない?」
「お、いいな?美味いとこあるのか?」
「うまいかと言われるとわからないけど、子供の頃食べた」
「行こうぜ!」
上野の山に降り立つ。
日本はどこも人がいるが、東京は特に「どこでも混んでない?」って感じるほどだ。ローカル駅までとかでも視界に10人以上はいる。どこでも狭いので視界内で10人はむさ苦しく感じる。向こうから来ると。
人がとりまいて、なんか写メ?撮り始めた。
ユータが勝手なことをしている者達のそれらの機械を魔法でおかしくする。指一本動かさずに。
いずれ彼らは驚くことであろう。
・・めんどくさい。と感じたユータ。自分たちを無断で撮る者達に自動的に呪いをかける魔法を、ユータは自分とドーラに掛けた。
てくてくと舗装されて味気ないデカイ歩道?を歩くと、先に屋台が幾つか見えた。
だんごのノボリとのれんの屋台。
プラスチックの容器に入れられて、パックになっているのしかない。
なんか、味気ないなぁ、昔は選んでたのに。と子供の頃を思い返すユータ。
仕方ないので、草団子にあんこ、みたらし団子、おいなりさんとかんぴょうの海苔巻きのものを4つづつ買った。
「2個ずつは家におみやげね」ユータ
隣の屋台で果物のジュースを2つ買う。
それを持って、よさげなベンチを探す。
「なんか、どーでもいいような場所にあるよな、ベンチ」ドーラ
「桜が咲いたときだけいい位置になるようになってるみたい」
年に、何日?
いっしゅうかん
あほか
うん・・
その一週間も、前後から含めて屋台が立ち並ぶので、ベンチのいくつかはは使えなくなってしまてたり・・
団子を食べた後、家に転移した。
「「ただいまー!!」」
玄関に転移した2人。靴履いているからね!!
「おかえりなさーい」
「おかえりー」
と、奥からとうさんかあさんの声。
居間に入ってソファにドッカと座る。
「はー、なんか疲れやー」ドーラ
「うん、なんか疲れたー」ユータ
ドーラはそこそこ長く飛んだからじゃないだろうか?
ユータは、そんな気分?
前に座っているとうさんに
「おみゃげ、おだんご」
差し出すユータ
がさがさがさ・・
「お、いいな。ありがとな。どっか寄ってきたのか?」
「上野の山に寄ってきた、人が多くてヤだったな。」
「まぁな、この街程度が一番いいんだよ」
「「うん」」ユータとドーラ
かあさんがケーキと紅茶を持ってきてくれた。ユータは2個、ドーラは3個。
以前からドーラはよく食べるから、と、こうなっている。そういうイメージが出来上がってるんで、今更食べる量減りました、とか言いにくんでそのままにしているドーラ。
駅前のケーキ屋のだ。見ればわかる。
この街は、食べ物やに関しては凄く当たりなのだ。(第152話)
その後部屋に戻って、
「あ、漫画・・」ドーラ
2人して
「買い忘れたものあるんで少し出てくるねー」
と玄関から駅前の古本屋の側に転移した。
結構いいのあったので片っ端から買う。
「なぁ、言語魔法で、文字とか、できないかな?」
「いいね!そしたらこの漫画そのまんま皆が読めるね!!」
「ダンマスに訊くか・・」
「ムータンに行けばユーリがいるよ?」
「そうだな!!」
なので、ドラゴニアの子達が喜びそうなのも大量に買った。
日本も貴金属硬貨を使うようになっている。大銀貨1枚使うほど大量に買った。
ストレージあってよかった!とおもうのはこういうときである!!
それから本屋に行った。
持ってるものの新刊は全部買う。
それから本屋のおっちゃんが、「これはどうかい?」と見せてきたモノのなかで5つ面白い漫画があったので、それらも既刊全部大人買い!
ここでは数は少ないが新品なのでやっぱ大銀貨1枚ほど。
2人はほくほくして家にもどろうとしたけど、スーパーでアイスを仕入れて歩いて戻る。
「空気がうまくなってきたな」ドーラ。ドーラはもう日本の秋を何度も経験して知っている。
「うん、美味しい空気。この匂いしだすと、日本の秋だなぁって実感する」
「だよなー」
ドラゴニアでは味わえないことだった。
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