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中−35 オーウト最後の日。アザーン
しおりを挟む中央市場でやぎ肉食ってから、宿に帰った。
泉さんが起きそうなので起こした。
ぼーっとしてるので、水を飲ませ、、
かおあらいまちょうねー、、と顔を洗わせ、、
泉さんはぼけっとしているときはその本体のまま?みたで子供そのもの。
少しづつ起きていた。
下に連れてって朝飯を食わしていると、途中から泉さん復活。
「で?」泉
「うん、泉さん、こっちの人たちと話している時何語使ってます?」
「そりゃー、、、、、、、武国語、、、、、????」
「うん、そう、なんかおかしいっすよね?で、宿のおっちゃんは農国語で僕らと話しているって。で、俺の農国語は上手で、農国人と変わらないって」
「ほう、、、」
「泉さんも同じだと言っていた」
「・・・なるほど、、、」
「わかった?そうなんですよ、俺らは自動で言葉を覚え、勝手にそれを使うみたいです。俺らには日本語としか認識できないけど、実際は違う。
ただ、その土地に居て、その言葉をある程度聞いていないと、覚えられない。多分1周間もいれば覚えるんじゃないかな?」
ふーん、とさほど驚きもしないで朝飯を片付けていく泉。
げふー、、うまかった、、
「んじゃ、ケーキ食いに行くか?」
一体ドコに入るのか?という以前に、満腹時でよく食欲湧くよな?
外に出ると、泉さんは結構物売りとかに声をかけている。言葉を使って確認している?使うのが楽しいって感じかな?
「どんどん使って、その能力伸ばすのだ!!」
まぁ、実際に伸びるのは農国語。特殊な言い回しとか単語とか覚えたいなー、王様などに対する敬語とか、政府関係の用語とか、、
俺達は翌日オーウトの町を発つことにした。
農国人狼軍人のゲルセイ達はまだ宿におり、あと数日はのんびりするとかだった。
まぁ、奴らが帰るときは馬車など使わん、走るだろ、好きなんだから。と泉さん。
まーそーか、、
昼は市場近くの食堂で、
「カレー子供用にあまりからくしないってできます?」俺
「ああ、できるよ、何カレー?」
「やぎ!!」
「知ってるなぁ、、、んじゃ、チャパティかな?」
「あたり!で、アチャー、香辛料いっぱいいれてねー」
「ほう、、わかった、特製な!」
と、いろいろ物分りのよい店主。
「カレーにはやぎ肉があうのか、、、」泉
「ええ、一番ですね。次が鶏肉かなぁ、、」
チャパティで右手だけで食べる食べ方を見せたら、たちまち覚えてうまく食べる泉さん。
武芸達者だけあるな。
おかわりは軽めにダルバートにした。
泉さんの額から汗が吹き出している。もう出来上がっているカレーを少量別鍋に移し、ミルク(牛とは限らない、ヤギ乳も少なくない)と果物やスや醤油などいれて、口では辛さを感じないようにするのが一般的な辛さを減らす方法。尤も、何日も煮込んでたら辛さも飛ぶのだが。
午後は俺が朝散歩した路地を泉さんを連れて回る。
あの小さなモスクにはやはり感心していた。
夕暮れ。町を歩いていたら、またザーンが流れてくる。
この町とも明日でお別れだ。
音が大きいのに、夜中だろうが明け方だろうが、全く気にならなかった。きれいな歌声みたいにしているからだろう。
アザーンは不思議だ。
それまで異国の風景であった眼の前の、周囲の、風景が、アザーンの唄声とともに、幻想的な異国になっている。
砂漠の、土漠の、小さな町。土壁の、高さのさほど無い小さな家々がいくつかあるだけの小さな集落。そういう集落で、夕方のアザーンを聴いてみたい。
その集落で、星空、月夜を眺めながら、夜中のアザーンを聴いてみたい。
たまーに、初心者の練習?みたいな、あー、、雑音に近いかな?ってのも、ほんとたまにあるけどね。皆、愛嬌だ、と思っている様子だった。
晩飯は
「またカレーが良い」つーんで
他の店で試してみることに。当然混んでいる店。居る客が何を食べているのか?を観察し、ここでは何が美味いのか?を推測する。で、結構ヤギ食っている人が居るんでOK♪!!
ヤギカレー、一つは辛くしないで、と言おうとしたら、泉さん「いらん普通の試す」と。
アチャーも一緒に頼んで、
「辛ければ、この熱いのを飲んでくださいね」と。
「ああ、わかっている、今度は大丈夫だ」泉さん
おかわりはダルバート。パターン化したかw
で、アチャーおかわり。チャパティーもたのんで、アチャーに浸しながら食べる。茶菓子としてのチャパティ。
「よく知っているなぁ、、」と横の席の家族連れの主人らしき男が声をかけてきた。
「ええ、好きなんで、、」俺
「ムーサリムかい?」
「いえ、違いますけど、食事は美味しいものは万国共通だから」
「そりゃそうだ、でも、くい方もきれいにうまく食べるし、チャパティをアチャーにひたして食べるなんざ、今時老人しかしないやりかたなのに、、」
「うまいぞ?」泉さん
「そーだよなー、、おーい、こっちにチャパティ6枚、アチャーおかわり!!」と注文する主人
「うちも食べたくなったようだ、、あっはっは、」と、早速来たチャパティとに向かう。
「学、まだ起きているか?」
「ええ、、なんすか?」
「・・旅って、面白いもんだなぁ、、、」
「そーっすねー、、まぁ、俺ら、こっちに来たこと自体が旅みたいなもんっすけどねぇ、、」
「まぁ、な、、」
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