247 / 409
後後121 王都・・・
しおりを挟む翌朝一番の馬車に乗った。
次の町は王都だと停車場で聞いた。
教えてくれた者は、デカイぞ!食べ物も美味いぞ、でも高いけどなー。へたすりゃ倍とられる。けどうまいけどな。銭湯もあるし!」と教えてくれた。
何がうまいかと訊くと、
「食事は大概どこでも何でもうまい。ケーキとかもあるぞ!?、これも高いけどなっ!!でもうまいっ!!。」
酒は?と泉さん
「あー、酒蔵はあるし、造り酒屋のどぶろくもなかなかいいな。でも高いの飲んだこと無いんで、俺の飲んでるのはここいらとさほど変わらんなぁ、、」
「まぁ、、旨く飲めるけどな、、ここいらでも」
「そう思うんなら大丈夫だ!あっはっは!!」
いや、幼女相手に普通に酒の話するなよ? でも泉さん相手にする者って、皆泉さんがおっさんに見えているじゃなかろうか?
馬車は俺らでほぼ満員になり、あと4人だけ一般のお客さん。こっちでは屋根の上に荷物を乗せる様だ。雨も少ないんだろうな。
昨日より道が良い。王都との道なので整備されてるんだな、、ただうるさい、、石畳なので。
朝早く出たんで、すぐに皆こっくりこっくりしはじめる。こっくりさんってココから来たのかな?狐に憑かれて本人の魂は寝てしまうとか?ねーよw
ふぁぁー、眠い、、
「休憩でーす。」
との声で起きた。
馬車が道の脇に停まる。
うん、茶屋。毎度のおんなじような作りの。
でもやはり蕎麦はなく、、スープとパン。
泉さんも物足りなさそう、、若手も見ても、、一部は物足りなさそう、、旅を知っているんだな。
泉さんは当然冷酒を飲んでる。(こっちは、冷=常温。江戸時代と一緒)
茶屋の周りにはのっぱらだけではなく、畑も広がる。王都近くだからかな。
向こうには池も見える。用水以外に魚の養殖はしていないのだろうか?そう言えば泉さんは甘露煮とか焼き魚とか注文していない、それが無い、養殖もしていない?
まじ「食」に対して、あまり興味は無いのかなぁ、、
程なく馬車はまた走り始める。
食後なので、また皆ウトウトし始める。
疎(うと)い、とかって、、眠くなって脳が働らかなくなって忘れたりするから、ウトウトから来たのかなぁ、ふぁぁあ、あーい、すうぇーにょ、、、
すうぇーにょって、、、、、ぐーすかぐーすか、、、
クシュン!
泉さんのくしゃみによって起きるガク。
あ、王都だ、、
郊外なのか、畑の合間に農家だろう、民家が見える。民家が纏まっている場所もある。
畑は綺麗に手入れされている様子。
努力が見える割には、みのりの具合が今ひとつなのはもったいないなぁ、、とか思うガク。
どんどん民家が多くなり、街みたいになってきた。
ほどなくでっかい門をくぐり、停車場に着く。
御者に宿の多い場所を訊く。泉さんが「良い宿教えて欲しい」と頼むと、やっぱ幼女のなりが利くのか、美味しく安全な宿を教えてくれた。
当然のように中央市場の近くだった。
「で、美味い酒屋は?」と続けて訊く泉さん
一瞬驚いた顔の御者だったが、、
「ああ、路地を適当に入って市場の裏手に行ってみな、蔵もあるし、小さな造り酒屋もある。混んでない所は玄人向けなので厳しいぞ?」と御者。
うむ、、へんな方向に行きそうだ。
宿の部屋を確保し、銭湯の場所を訊き行く。すぐ側だった。
なぜどこでも市場の側には少なくとも一つは銭湯あるんだろう?
宿が多いからかな?
飯屋も多いしな!(大概は宿の一階、というか、飯屋が上を宿にしている、か、、)
銭湯は、っすがデカイ街の銭湯だけあって広い。皆綺麗に使っているようなので、湯もちゃんと透き通っているw
見ていると、皆体を洗ってから湯船に浸かっている。逝かれた街じゃなくってよかった♪!
大田さんは最初はよく叱られていたという。
「武国に行ってから風呂を村に作ってもらったでしょう?そんときに、洗ってから入りなさい!って毎回人狼達に叱られてたわ」
「日本では?」
「うちに風呂あったからなぁ、、温泉とかランドとか逝かなかったし、、、」
逝けばよかったのに、、
風呂を出て縁台に座って待っていたら、泉さんがオバハン達と出てきた。
「あらあら、おにい、、お父さん?」
「・・違いますお兄さんです、、面倒見てもらったようですね、どうもありがとうございます!!」
「いえいえ、可愛んだけど、わんぱくねー!面白かったわよ!!」
珍獣扱い?
再度礼を行って、さあ、行こうか、、、あれオータさんは?
若手が指を指す。
一番年寄りが最もきかない子供並ってのが、、あの世代だよなっつ!!!!
捨てていこうかと思ったが、宿を探し出せるだろうから無理だなと思い直した。
うん、領主様が俺に押し付けたんだね!今やっとあのときの領主様の目論見がわかったよ!!
多分「躾けろ」だねっつ!!!
今なら返事できるのに、、「無理っつ!!」ってな。
あの世代が国をも滅ぼしているんだと、帰ったら領主様にコンコンと説いて聞かせなきゃな。
まぁ、今の世代もあの海に面した蒸気機関戦車とか蒸気機関潜水艦形状の船とかの支配者だった奴みたいなのも少ないくないけどなー、、
・・・どの世代もヤバイのかよ、、、
、、泉さんの時代も長州みたいな逝かれた集団も常備していたし、、
まっいっか、、今更♪
などとへんなこと考えながら混んでいる食堂に入る。
俺らが泊まる宿も飯ウマらしいが、明日の朝でも明日の晩でも食えるので、外に出た時は基本そこらで食う。よさそうなのがなかったら宿に戻る、が基本。
かなり混んでいて、席が無いかな?
「お客さん、ここでいいかい?」
店の人だろうな、窓際に用意してくれている。
「すまんな、」泉さん
「うまいもの、適当にこの人数が腹いっぱいくえる分、それと冷酒とりあえず2つ。猪口7つ。甘露煮とかあったら嬉しいが」
「譲ちゃん半端なく通だね?あるよ、あまり出したくないやつなんで、品書きにもないだろ?でも待ってな、酒もそれに合わせるからな」
とおっさんはいそいそ戻っていった。
「あれも酒飲みだな」泉さん
類友だなぁ、、こいつら、、
出てきた料理はなんか、肴っぽいモノがおおかった。
ガッツリメシと肉とか食いたかったんですけどー、、、
次回から、ここは「飲みに来る店」だな。
まぁ
旅は「ひと」と「めし」だ。あとは余録みたいなもんだ。
そして、良いひと、と、良いメシ、は大概、一組みのようになっている。
少なくはない国々、街々を見て、滞在し、そこの人びとと交わり、少なからずのことを経験し知った。
街を見れば、そこの人はその街を体現したような者達がほとんどで、、、
街は人で作られ、ひとは街に染まることも。
大都市、王都などは、ある程度以上になると、街が人臭さを発しなくなる。
そういう街には居るべきではないな、と俺達、少なくとも俺と泉さんはそう思う。
ーー
翌日。
朝食は宿の一階の食堂で食べる。
洋食だが、、朝からお魚のムニエルとか、、、めんどくさくないのかなぁ?
開いて、頭と骨を取った中くらいの、、さんまくらい?の大きさの魚のムニエル。
うん、一応バターも使っている。植物油とバターみたいだ。
川魚に合う香草を使って、うまく味が出ている。
あれだな、シューレが少し喜ぶくらいじゃね?
「泉さん、、」
「おう、これはまぁ、こっちじゃ見ないレベルだな」
農国ならばここまで感心しなかった。この大陸だから、ここまで考えながら作るのは珍しいのだ。
「この、王都、、」
「ああ、少し滞在しよう」泉さん
やっと面白そうな街だ。
0
あなたにおすすめの小説
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる