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後後155 老人狼2
しおりを挟むここんとこさほど問題もなく楽しいモフライフが続いている。有り難いコッチャ!
そいや、ナンジャコッチャの街って、今でもあーなんだろうか?悪くはなかったが、、おかしかったよな、、、いろいろ。
うさぎ刈り部隊の老人狼達の毛皮の張りは、若者とはいわないが、それに近いくらいまでになってきた。
「どうよ?」
と訊くと、
「節々や腰の痛みもなくなったし、なんか若返った感じだわ」
と、皆同じように答える。
ただ、村で若者達が老人達の我儘に口答えしている風景が増えた。
歳でパワー落ちておとなしくなっていたのが、、、ってやつだなぁ、、
とか昼間に思ってたら、夜、シューレの食堂の前で老人狼達が酒盛りしてた。
週二度ほどの、うさぎ狩り報酬飲み会だ。
「やあ、やってるね!」
「あ、先生、いつも世話になってるな!」
「こっち来ていっぱいやれや!」
など誘ってくる。
ちょうどいいかな、いろいろ話を聞いてみたいところだった。
なので混じらせてもらう。
「老人たちを復活させてくれたもぐ、、、先生に乾杯!」
「おまえ、いまモグリって言おうとしたろう、、おまえらだな?へんなあだ名広めたのは?」
とぼける老人たち。これだよ、、、
「もう、おまえらにトリミングしてやらない、決めた」
殺生なっつ!!
ご勘弁!
許して!
もーしないからっつ!
など、焦った声々
「今度碌でもないことしたら、今度はぜったいやるからな?」
ういーっす、、と奴等
反省してねーな?
「あ、おまえら、うさぎ刈り部隊なんだから、みんなうさぎみたいにしてやろうか、、」
「あ?何言ってんの?俺ら狼だよ?」
「知らんのか?うさぎ刈り、って呼ばれてんだよ」
「狩り、じゃあなくって、刈り、?」
「そう。最初、ろくにうさぎも狩れなかったろ?」
・・・・・・・・・・・・??
自分に都合の悪いことは忘れるのかな?タチわるーー
「3日目にしてやっと2羽だったかな?」
「・・・そーだっけ?初日から爆狩りじゃなかったっけ?」
「ちげーよ」
「なので、今度トリミングに来た者からそんときに先にうさぎカットしてやるよ。可愛くしてみなから愛されるようにしてやるからなー」
なんでっ!!
理不尽っ!!
老人虐待!!
など不満声
「だってお前ら最近評判が余計悪くなったじゃん、見た目だけでも愛らしくして少しはマシにしなきゃな?」
評判悪いってなんだよ!
俺達ヒーローだぜ!
モッテモテの狼吉って俺のこったあ!!
俺らがモテモテなんでひがんでるんだろ!
大体だな、、野生がなくなってるんだよ野生が!!
そうそう、俺らの若い頃は、
「おまえら、うさぎ、狩れなかったじゃん、、」
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
、、しょ、しょにちだけぢゃん、、
「いや、3日目にして何人もで?はじめて?たった、2羽、だよ?狼5人でうさぎ2羽。・・どうよ?、おまえら、若者たちがその戦果しかあげられなかったら、どんだけ暴言吐いてた?
でも、皆なにも言わなかったろ?優しかったろ?
それを、今、元気になったからって、傍若無人も甚だしいって、皆言っているぞ?」
「ああ、私も気になっていた。そろそろ、よぼよぼに戻そうかな?と思ってたんだ。どうするガク、戻すか?おまえに一任するわ。」シューレ
すんげーシューレの助け舟。
でもそれじゃ半強制だからアレなんですが、まぁ、手っ取り早いし、何より”分かる者”にはわかるから、いいか、、
多分、この中でも2人くらいはちゃんとわかると思うし、、
「んじゃ、少し様子見ってことでお願いします大聖霊様!」
「うむ、承知した。」
しゅんとした老人狼達
「憧れるような、老人っているだろ?あー、あーゆー年寄りになりてぇなぁ、、とか。あーゆーのいいなぁ、、とか。横丁のばぁさん(狼)とか、皆に好かれているよな?優しくて、強くて。
あーゆーのに、憧れてないか?」
・・・
・・・る・・・
・・だ、・・・よ・・
「あ?」
「憧れないはず無いだろっつ!!皆から好かれたいよっ!!尊敬されたいよっ!!」×5
「だったら、真似しろ。あのばぁさんの話を聞け。自分の話を一切せず、話だけ聞け。毎日毎日。やっていることを見ろ、他者への対応を見ろ。なんでも観察しろ。同じに成りたいんだっから、もしあのばーさんなら、こういうときどうするだろう?と思って行動しろ、言葉をはっしろ。
それを続けてりゃ、そのうちなれる。」
・・・・・
ほんとかよ、、
「ああ、なれる。真剣にやり続ければな。絶対に手を抜くな。絶対にさぼるな。そしたらなれる」
・・いつ?
「そりゃおまえの本気度次第だ。遅けりゃ、まだまだ本気が足りないってことだ。さぼりたいとかめんどくさいとかいい始める自分の尻をぶっ叩いて、強引にやらせろ。なに、自分に自分がやらせるんだ、できないことはない。」
皆のコップに酒を注ぐ。
「んじゃ、明日のおまえらのために!死ぬ気でやれ。できなきゃ死ね!乾杯!」
カチン!!!!!!
狼だ。人間じゃない。其のくらいの意気込みは持って当たり前の種族である。
で、
老人狼達のテーブルの、壁を挟んで店の中側に、農国の人狼達が食事をしていた。
ガクが本気で話し始めてから、皆聞き耳を立てていた。
食事を終えた彼らは、そのまま宿舎に戻って寝た。
翌日早朝、
普段はまだ皆寝ている時間だ。日が昇る前である。
昨晩の夕食を共にした者達皆、森に入っていた。別に誘い合ったとかではない。各自勝手にしたこと。
死ぬ気でやれ、できなきゃ死ぬ、そういう世界に居たのだ、自分達は。
いつから間違ってしまったんだろう?決して忘れてはいけないことだった。
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