308 / 409
後後182 持ってる者!・・・何を?
しおりを挟むマンダジ。だいたいどこのムスリム食にも、これとサモサはある。サモサは小麦粉を練って薄くしたもの真ん中に具を入れて三角に折って揚げたもの。マンダジは丸っこい甘い味付けの揚げパン。
自然でシンプルすぎるところが美味い原因じゃなかろうか。
しかも、歩きながらたべられるし。
抱え込んだでかい紙袋にいっぱい詰め込んだマンダジとサモサを歩きながら食べ続ける博子。
ん!、と手を出す華子、マンダジを乗せる博子。
サモサいい?と手を出す大田。サモサを乗せる博子。博子の口のもごもごは止まらない。次から次へ放り込まれるから。
「なんか、、お腹が出てきちゃったかも、、、」大田
へぇ?って目で見る華子と博子。
若人はやわじゃないんで少々食ったところででぶったりしない。
うらやましいね!
今日は別に博子の教育がおやすみというわけではない。
大田が「暴れん坊な将軍様話」の件で博子に協力依頼し、博子はコレ幸いと受け、大田を脅して「市中に取材に行きたいです、勿論皆でじゃないと困りまっス!」と言わせた。
遅く帰れば、あわよくばお稽古も勉強もする時間がなく、、、
ここんとこ、博子がずっとロボットみたいな感じになってたのは、自分の感情を切り離して一日中寝ていたからだ。肉体のみ周囲に反応させ、精神は日がな一日寝っぱなし。
この危機を乗り切るにはそれしかなかった。
最初はそれをわからなかった華子。ロボットみたいな博子は教育の成果なのだと思ってしまっていた。
が、流石に王妃の目をごまかすことは出来ていないようだ。
「お勉強もお稽古も、上達しなかったら一生このままですよ?本気になってやらなければ無理ですよ?」
と言われた。
取り合えず、朝のうちだけ起きて、疲れたら精神だけ切り離して寝る、というパターンに切り替えた。
そのおかげか、少しは良くなっている様だ。
「王都から、出たい、、、」博子
「まだ無理ね。博子が、、勉強はともかくとしても、お稽古の半分は十分できるくらいにならないと、お母様は許さないわね。」華子
稽古の、半分だけか、、、ダンスは難しくはない、型だと思えば良い。礼儀作法も、あれも型だな。侍女のお仕事一般も、勉強に比べりゃなんてことない。武芸はもとより問題なし。
「楽勝じゃん?」博子
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・またはじまった?」」
「いや、まじ、今度こそまじだから。いけるって、、きっと、、、」
きっとって言った!!(華子、大田)
ただ、
習い事が終了したとしても、勉強は永遠に終わらんだろうし(王妃が諦めるまで)、物語になんらかの成果をあげて執筆チームに正式に加わっても、そのチームの責任者つまりボスは王妃様である。常に監視の目は光っているわけだ。
今までが野放ししすぎていた、んだけどね。
がんば!!w
大田も執筆は少しづつ進んでいるけど、相変わらずダメ出しが多く、、、
ガンバ!w
ーー
小館には、王都からの脅威はさほどなさそうである。
ガクもアニャータもつかの間の平和を堪能できるだろう。
匕王夫妻や泉もほぼ常に見守っていることだし。見守って、、、うん、見守りでもあるよね?堂々とした覗きって。
そんちょが領主邸から戻ってきていた。
朝食時
「あ、そうそう、忘れてた、、領主様が安心していたぞ?領都中を小館隊使って捜索させてた。匂いがあっちいったりこっちいったり森に入ったり山に向かったり川を流れたり(え?川無かったとか言っていなかった?)、なんか、ドラゴンに連れ去られた形跡もあり、やばいんじゃね?とかなってたらしい。」
「アニャータさん?」
「そういえば、、なんかに捕まって空飛んだ覚えも、、川?ああ、なんか流された気も、、」
天然の冒険家?やらかされ魔?よろず被害受けます?違った意味での万屋?
向かいに座ってる泉さんも、箸が停まっている。なんかアニャータをぼうっと見つめている。
シューレも、カウンターの前に立ってお盆を持ちながら動かない。
(・・・・・・呼び込むタイプ、か?、、いろいろと、、厄介なことを?)泉
(・・これは、、どっちだ?面白い方なのか、、やっかいな方なのか、、)シューレ
シューレでさえも、厄介と思うことがあるのか?!
「まぁ、、それでもここに着けたのが幸運の持ち主だよねぇ、、流石女神以上のモフだけあるっつ!!」ガク
「いいぇ、、そんな、、たいしたことではありません、よくあることだし、、」
((よくあることぉお?!!))シューレ、泉
「ふーん、大変だねぇお嬢さん。まぁ村にいれば問題はそうそう起きないから安心してね!」村長
「ああ!アタシらが付いているからね!!」と、シューレの弟子をやっているそんちょ屋敷の女性陣達。
昨晩からアニャータはそんちょ屋敷で世話になっている。
泉はお代わりを貰いにカウンターのシューレのところに行き、お代わりをよそってもらいながら、、
(あーいうのって、運なのか?それとも何か憑いているのか?他になんか理由あるのか?)泉
(うーん、、、あそこまでじゃないが、、、運が少し偏っているってのはたまに見たが、、、憑き物は無いだろうなぁ、、、あるとしたら神レベル?)
(チッ、敵は手が届かないところか、、)泉
敵とか、、、
(まぁ、ここはかなりいい場所だ。様子見しておこう)
(わかった)
暖かく見守られるガクとアニャータ。
そのころ匕王夫妻。
「ハニー、そろそろ食事に行こうか?」
「ええ、ダーリン、もうすぐ支度が終わります、ごー、、よん、、、さーーーーーーーん、、、にーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、いちっつ!!おまたせっつ!!」
小館に合わせて、2人とももんぺにちゃちな小袖という出で立ち。
ヲッチのために風景に溶け込む必要があると思い、昨晩2人で相談して出した結論が、「村人と同じ格好をする」だった。
いねーよモンペ、、野良仕事から帰ってきたらすぐ着替えちゃうよっ!!街なかでモンペでうろつく百姓いねーよっつ!!!
あ、、ばっちゃんとか、、例外です。
ここにも生暖かくガク達を見守る強いチームがあった。
0
あなたにおすすめの小説
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる