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後後190 太公望ねじくれる
しおりを挟むよく晴れた日。午後も早い、丁度気持ちよく昼寝ができそうな時間。
川べりに糸を垂れている。釣りだ。
おっさんが釣り竿を軽く握ってぼけーーーっとしている。
(あ、将軍様?何やってんだ?いや釣りだろうけど、、)
土手を降りて近づいてみる
かく言うガクもトリミング客が少なかったのでアニャータにまかせて散歩しているのだ。
「しょーぐんさまー、釣れますかー?」ガク
「・・お、、おお、、、ガクか、、どうした?」
寝てたな?
「いや、珍しいですね?」
「そうか?昔は、、、そうだな、子供の頃は結構釣りをしてたんだがな、、」
「村に泉さん居ましたよ?鍛えなくっていーんですか?」
「・・・うーん、、なんかさあ、、もういいかなーって、、」
え?!!天変地異かっつ!!??
「・・・いや、そこまで驚くか?、、まぁ、、そうかもなぁ、、でもな、最近、、若い者にはかなわねぇなぁ、、ってな・・」
「泉さんは別格です、普通の若者と一緒にしないでください」ガク、きっぱりと!
「いや、人狼とかも、、」
「うちの人狼は別格です。他の人狼達と一緒にしないでください」キッパリと!!
「・・・・いずみ村の熊人とか、、」
「泉さん関係は一般的な生き物と違います。一緒にしないでください!」
「多すぎんじゃん、、」
「いやいやいやいや、、いずみ村と小館関係除いたら、将軍様はふつーに相手にできるでしょ?!」
「そりゃー、まー、そーだけど、、」
「泉さんは、それだけで一軍に匹敵しちゃうでしょ?」
「そらぁ、、、」
「で、それに、泉さん関係の者達を含めりゃ、一国以上の戦力でしょ?」
「いや、小館のはおまえんだろ?」
・・・・・
「違います!」
「なっつ?いやいや、おまえ、子供隊とか泉関係ねーじゃん?」
「俺も関係ないですうー!!」
「んじゃ、誰だよ、あんなんにしたの、、」
「ありゃー、、、、そう、あんときは太狼だった、、太狼ですよ?彼が子供隊を作り出したんです!!」
「・・・・おまえ、監督だったじゃん」
「名ばかりのっつ!!」
ほんとかよー?
「おまえ、いろいろ奇抜なことやるからなぁ、、」
「よく考えてください。思い出してください。俺は軍関係、とくに強さとか全くわからなんですよ?よ・わ・い・からっつ!!」
「んじゃ、あの東の大陸に攻めてったときのロボは?」
「ありゃ発案だけで主にオータさんとシューレと、農国の若手達じゃないすか!俺のせいにしないでください!」
「んじゃ、西の大陸は?」
「戦艦は、ラフは俺が案を出しましたが、主導したのは福田さんでしょ?」
「現地でいろいろやったじゃん」
「泉さんがいたから」
・・・・・・・
「あれ?んじゃ、ガクは、、、、、モフ神とか馬車とか便所とか?」
「なんか変なのばかり意図的に覚えている気もしますが、、灌漑とか上水とか、水車とかきのことか、養殖とかも、ですね」
「・・・そうか、、戦闘系じゃない方か、、」
「やっと判ってもらえましたね?」
「・・・・・んじゃ、泉があーなったのは?」
「主に領主さまのおかげじゃないっすか?」
「あいつかっつ」
「いや、国の戦闘力爆上げなんだからいいことでしょーよ」
そりゃそーだけど、だけど、、だけど、、とかぶつくさ言うしょーぐん
「つまり、わざわざ世界で最もおかしな集団の中に浸ってちゃ、そうなりますよ、ってことです。だいいち、ここにはドラゴン王達も入り浸ってるじゃないですか?誰があの集団に敵うってんですか?居ますか?」
「居るわけねーだろっつ!!」
「でしょ?仕方ないってことですよ」
「仕方ない、、かぁ、、、まぁ、、なぁ、、」
めんどくせーおっさんだなぁ、、
「大体ですね、死ぬ直前になってすんげー強いのが現れて指一本で負けてごらんなさい、あれ?今までの人生って何だったの?ってなるでしょ?強さのみを求めりゃそんなんなっちゃうんですよ?」
「そらそーだけどぉ、、、でもちがうんだよおおおお!!」
・・・このおっさん、、
「まぁ、、わからんことはないけど、、」
「だろう?」
ふと気づくと、結構ギャラリーが楽しそうに見物していた。
シューレと泉さんもいた。
「・・・シューレと泉さんは、アニャータ見学じゃないんですか?」怒!
「いーや?、おまえとアニャータが一緒にあれこれしてるのが面白いんで見ているだけだ。今は分離しちゃてるんでな、暇なんだよ」
何この暇つぶしのひまつぶし方!!!
他の連中は
あーあ、将軍様の出番終わっちゃったかぁ、、
残念!も少し見たかった!
面白くなったなウチの王様
おう、、随分よくなったよな
ああ、他の国のに敵うかな?
いけるんじゃね?
とかいいながら去っていく。
一体どういう規準で「敵う」なんだろう?ヒ王とかの規準かな?漫才で敵うとかなのかな?
あ、将軍、気を良くした、、、おっさん、、、
「将軍、釣れてたらさばいて料理してやるぞ?」シューレ
「お、おお、、頼みます」
流石人物的に大物、ちゃんと大精霊だから丁寧語とか使うね!好かれる理由の一つだね!
皆でぞろぞろシューレの店に帰る。
で、飯食って、ちびちびやって、
ガクはアニャータに「きりのよいとこで飯食いに食堂に来てね」と言いに行き、
強者ども(ドラゴン王達)もやってきて、、
また、いつものようになった。
ーー
西の大陸
荒野だった大地に、少しずつ草の芽が出始めている。ところどころ、早く育って緑の絨毯になりつつ在る。
僅かに残っていた貧相な森も、今では葉が生い茂っている。下草もらしくなっている。
川には水が少しずつ増え始め、小魚なども見え始めている。
全く人の気配のないこの元西の国の場所。死の荒野と化していたところが。
遠くの海べりにフィジニのテントが見える。というか、フライシートのみをテントにしてる、って感じ。主に日よけかな?
そこで、スリ鉢でごりごりごりごり何かをスリつぶし、時おりそれを風にのせて飛ばしている。
生の土地になりはじめた精霊フィジニの土地。
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