331 / 409
後後205 アニャータ、切れる
しおりを挟むアニャータの家族はアニャータの毛並みの話題で話が弾んでいた、一部。他の一部では盛り下がっていた、ガクのことだ。
失礼この上ない連中だなー。まー、あまり付き合わんからいいか、、。などと思っている今もいろいろ嫌味や威圧をされながらも受け流しているガク。
あ、、アニャータさん、怒りゲージが徐々に昇ってっていない?
うわー、家族全く気がついていないのか無視しているのか?
アニャータ、抱きついている姉たちをやんわり押して離れて、
「そうそう、今日はもう王都に戻らねばならなかったの、忘れていたわ」と言ってのける。
更に
「出発する前にお姉様たちとお会いできて嬉しかったです。また機会がありましたら、、、」
と、他人行儀に言うアニャータ。
何言ってるのか理解不能な5人。
動物だって巣立ちするんだけどね。させない家族なんかいないけどね、動物にさえ。
姉達やご両親は猫獣人なのに猫よりアレなのかなー。
「さあ、ガクさん、王都に戻りましょう、国王様がお待ちですよ?」
「え、あ、ああそうだね、、」
腕を組まれて玄関に向かうと、そのまえに立ちはだかる3ばk,、、3人娘。
「我々が通すと思うのかっつ!!」長女
「その娘を置いていけ!!」次女
「さすれば命だけは助けてやるっ!!」三女
「と言っているので、従うほうが身のためだと思うけどなー」3バカの手前にいる父
「ほんに」母
父の腹にそっと手をあてたアニャータ、、父は体を折って倒れた。泡吹いている。
その後ろ、玄関扉前に立ちはだかる3人に、次々に気を思い切り出した掌底を御見舞し、吹き飛ばすアニャータ。
「い、いつの、ま、に、、がくっ、、」長女
「お、おにが、いた、、、がくっ」次女
「さ、さいk、最強、てんし、、、がくっ」三女
お義母さん、口開きっぱなしで固まってますが?
しかし泉さん、いつの間に何を教えているんだか、、、助かったけど、、
ガタン!と扉を明けると、、
がたがたがたたた、、ぱかぱかぱか・ぱか・・
豪華馬車と騎士達、と、泉さんが、居た。
「おや、丁度なのかな?!たった今着いたところだ、、、ぴったりだな?外見てたのか?」泉さん
「いいぇ、、たまたまですけど、、、」
「お迎えご苦労様です。さあ、行きましょう」
あ、はい、、
「そうそう、お母様?この紋、ご存知ですよね?」
勿論馬車に書かれている紋章だ。
目を見開いている母親。
先程アニャータが言った言葉など全く信じていなかった。
が、
目の前に王宮の馬車が、アニャータを迎えに、騎士たちと来ている。
勿論アニャータにではないだろう。アニャータはこれまでずっとうちに居た。外部と接触を持ったことなんぞほぼ無い。あるとしたら公爵くらいだろうけど、公爵が国王の馬車を出す、しかも騎士10名ほども付けて、なんぞ相当の理由がなければできない。
なので、
ガク、の、価値、がそれほどのものなのだろうか?全くそんなには全く見えないけどこれっぽっちも。ごくふつーの人間の冴えない青年くらいにしか見えない。
でもそれ以外に考えられないので、今度公爵が来たら聞いてみよう、と言ってもアニャータが居なければ来ないだろうからこちらから出向かねばならないけど、、、などと混乱しつつもどうにか考えた。
「・・・いってらっしゃい、、今度はいつ・・」
「結婚式でお会いしましょう。その後は、ハネムーンに一年ほど掛けるので、その後ですね、いつになるかわかりませんが。お元気でいてくださいね!」
・・・・・・・・・・・・・・・
あっけに取られている母を残し、アニャータとガクは着の身着のままそのまま馬車に乗って邸をでてしまう。
街なかを出て、街道の最初の茶屋で停まってもらった。
騎士たちにも休んで貰う。午前中に着いたということは夜通しだったのだろうと想像に難くない。
ガクとアニャータは泉さんと騎士達に礼を言った。
「ほんと、完璧なタイミング!!これほど助かったことはありません。」ガク
アニャータが一発で排除していたことはとりあえず言わないでおく。
最高のアイテム、王様の紋章の着いた馬車、があったから、今後少しはマシになるだろう。もう何があろうとも来ないけど。というか、シューレに頼っちゃおうかな?アニャータ取られるくらいなら使えるものはなんでも使わないと罰が当たるだろう。そのための、今まで全部なんだろう!!
と、ガク、なんか少しアレかな?
「・・あれ?んじゃ、、農国の王様まで夜中に叩き起こしたの?」
「叩き起こしては居ないけど、そうだな。寝起きのまま降りてきたぞ、ウチの将軍様も領主様も同様だったけどなー」
身支度もせずにすぐ来たってことだ。国家か家族の危機並?夜中に訪問する泉さん。
「泉さんの威力ってすごいっすね、、」
「、、ガク、おまえでもやっぱ同じだったんじゃないか?」
・・・そうかも?でも流石に将軍様はないんじゃないかな、、
ご飯食べてゆっくりして落ち着いて、出発した。
馬車の中ではアニャータと王都でどうしようか、と話した。
近くの高原の街オーウトに行ってみたいかな、ラクダ亭はもうないだろうけど、武国に来ちゃったから。
でもムーサリム料理美味しいからなー、、、
「アニャータってムーサリム料理は好き?」
「ええ、食べますよ」
「オーウトって街知ってるよね?」
「きれいな街ですよね、涼しいし、秋はいろいろ美味しいし。滞在したことあるのですね?」
「うん、楽しかった」
で、日にちが余裕そうなら行ってみようとなった。
休憩の時に泉さんに行ってみた。オーウトまた行ってみない?って。
「あーいいなぁ、、ゴルダも近いから行ってみたいな。あのじいさんのカレー、食いてーなー」
「泉さん、武国の酒持ってきてます?」
「あ、、、でも領主様に訊けばどうにかなるんじゃね?」
ああ、いろいろ行ったり来たりしてるかもなぁ、、
夕方にはスタリッツァに到着。武国離宮に入れた。
0
あなたにおすすめの小説
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる