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後後256 村の秋
しおりを挟むその日も村は平和だった。
あれから村でもガクとアニャータのお祝い祭りをやってくれた。
人々は口々に、
いやぁ最近村上げてぱーちーやる理由がなかったからよかったよ!
久々に祭りできてうれしい!
なんなら毎年結婚してくれよガクセンセー
などとお祝いの言葉を掛けてきてくれた。
・・・・・・
アニャータは笑っていた。
が、俺は知ってしまった、超重大なことおっつ!!!
ここ、を、ではなく、お、を使ったのがミソな?
で、
それは俺の重大な過失でしかないのだ!!
なんと、
この村には
モフ神様のお祭りがないのだっつ!!!(最近、というか、最初の1度きりw)
そのときすぐに俺はさらし者にされているひな壇の上に村長を呼んだ。俺は動けないからね!
5段のひな壇を作られて、一番上に俺とアニャータが祀られ、二段目に泉さんとシューレとなぜか街からカタリーナがわざわざよばれてカタリーナの3人官女にされていて、その下にモグラと太狼と次狼とクマと俺を最初に助けてくれたおっちゃんが。
4段目には、カタリーナの指導している歌い手達が並んでたまになんか歌歌ってる。
5段目は広く、今までガクが開発してきた、便座、馬車、水車の車、きのこツボ、湯沸か窯などが展示されている。
これ作ったやつ、なんか・・・爆笑しながら作ってたんじゃないかな?って思う。
で、
村長に
「祭りだ。祭りがこの村には無かったんだ。」
「ほう、まつり、とな?」そんちょ
「モフ神様のお祭りを、今年から始めよう。」
「ふむ、それは名案。ではさっそく主だった者を集め・・」
「だれを?」
思案する村長
「そうじゃな、ひょうきん者のヒョウタ、雑すぎる雑吾郎、ならず者に憧れているナラ太、
「やめて、まじそんなんいたらそいつらかわいそう過ぎる!!」
「え?実物だけど?知らなかった?うちの村のモンだけど?」
10年ほど暮らしているけど、しらねーよ?
「ほれ、あいつとあいつとあいつ・・」
「ちげーじゃん、兵介と三五と成太じゃん、作り過ぎだなそんちょ」
「いや、ガクよ、おまえが知っている名前のほうが”表向き”なのじゃよ、ほっほっほ」
うそんくせー
でもまぁ、あの3人なら堅実かな。皆農家で良い畑を持っている。良い畑を作る奴等は堅実な奴等だ。
「んじゃそんちょ、任せますんでお願い。別にモフにこだわらず、ふつーの祭りでいいから。・・・というか、変なふうにしないように。したらだめだからね?以前の程度でいいんだからね?」
「信用ないなぁ、まかせておけ!」
あとから誰か信用できる者まぜさせよう。とガクは心に決めた。
あれから数日。
まだ秋の天気の良い日が続き、田んぼでもほぼ刈りが済み、あちこちに稲が干されている。
早いところではもうもみを取り終え、わらを刈り終えた田んぼに撒いて燃している。稲の残ってる部分を燃やすのと、灰をあとで土にすき込むのだ。稲の根っこの部分と一緒に。
付近には、そのいい匂い、秋らしい良い匂いが広がる。この稲わらを燃やす匂いがすると「秋だなぁ」と思うのだ。
山に入るとそっちはそっちで、なんか甘い匂いもほのかにして、秋の山の匂いがして、それはそれで「秋だなぁ」と感じる。
秋ってのは、年で一番空気が季節を主張する季節だよな。
アニャータはねこ人なんで、更に敏感な様子だ。特に山に入るとうっとりしたりする。
・・・・・野生のまたたびとかあるのかな?危険かもしれない?
その日は山で秋のものをいろいろ獲った。
アケビや山栗やきのこなど。きのこってもきくらげとかも多い。村で栽培していない種類もかなり多い。
しかも、この世界では毒キノコってほとんどない様子。
「いかにも、ってのが危ないですね。ドス黒とか、いかにも、ってものですね。きれいなの?ですか?美味しいですよ?ほら、あのきれいな朱色のとか、おいしいですよー」
と、ととと・・と数歩走って天狗たけみたいのをつまむアニャータ。それが美味しいらしい。
俺が前の世界のきのこ達がいかにタチがわるく、うまいきのこに似せた毒キノコ達が人々を倒してきたのかを説明した。
山持ちで農家のうちでさえ、たまにやられていたのだ。
「ひどい世界ですね、どんな神様が作ったのでしょう?。少なくともこの世界の神様はそんな悪辣卑劣極まりない悪神ではないので安心してください」アニャータ
やっぱ俺のいた世界って、そーだったんだ。
いや、
こっちきてからさ、うすうすはそうなのかもな?って思ったけどさ
アニャータが言うと凄く説得力があったのだ。
森からの帰り、村の外れには柿の木とか結構あり、丁度よく色づいている。
誰かが使ったのであろう竹竿がころがっているので、それを使って上の方の熟れている数個を落とす。
アニャータが旨くキャッチする。さすが猫である!!
その一つを服で拭ってからかじってみる。
うまい、渋くないし!
「うまい、かじってみ」
とアニャータの口元にもっていく。
ねこ姿でも果物食べられる。
しゃく・・
そう、がりっ、ではなく、ほどよく柔らかくなってる。
「あら!ほんとにちょうどよく熟れてますね、今日がもっとも食べごろ、のように!」
うん、果物はベストの時は1日くらい。日本の秋の果物は数日ってのも少なくないけど。
その大きめの柿を、アニャータとかわりばんこに齧りながら戻る。
「あ、ガクセンセー、ぶどう持ってくかい?」
と、道端の農家の軒先に座って作業していた者が声を掛けてきた。
「え?ぶどう?いただいますっつ!!」
「ちょっとまってな!」
奥にどたどたと入っていく村人
竹を編んだザルに入った山葡萄。ぴっちぴっちに熟れていて弾けそうである
「うわ、うまそう!いいのかい?」
「ああ、まだいっぱいあるからな、今日持っていこうと思ってたんだ、通りがかってくれて手間が省けたわ!あっはっは!」
ありがたく頂いた。
歩きながらアニャータとオレの口の中にひと粒づつ放り込んでいく。
種もガリガリ噛み砕いて、皮もそのまま食べてしまう。さほど苦くない。
山になっているので2人で歩きながら食べるくらいではさほど減らない。
「あにゃーたー・・」
「はい?」
「これだけあるなら」
「そうですね、シューレさんとこ?」
「だな、もってって皆で食べよう」
で、
まだ夕方になるかならないかなのに、シューレの店には泉さんがいて、匕王夫妻がいて、グレーズ公爵がいて、なぜか久々に熊と子熊がいて、村長がいた。
秋の収穫をテーブルに並べ、きのこなどはシューレに調理に回してもらう。果物はその場で皆で食べ始める。
泉さんに小声で訊く
(なんかのあつまりだったんですか?)
(ああ、祭り、のだ)
なるほど。
このメンツなら安心だけど、すごいメンツだが、いいのか?
自分では、もっとこう、山村の小さな村の秋祭り、みたいのをイメージしていたのだが・・・
うん、メンバー的にはろくでもないものにはならない、ってのは確実だけど、
むかしやった祭り(33、34話)程度でよかったんだがなー。今回のは、なんか想像できない恐ろしさを少し感じた。
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