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後後255 泉の徘徊 4
しおりを挟む異界の一つじゃないか?と言う匕王。
異界は数え切れないほどあるそうだ、と匕王は続ける。
過去から、泉のように異界に引きずり込まれ、どうにか戻ってこられた者もいる。その話を聞くと、それぞれの異界は別物だと思われることも少なくない。
帰って来れた者の話を聞くと、本人が異界に馴染むのは不味いと感じた。馴染んだら終わりだと思ったと。
で、異界に入った最初の頃はその異界と本人との結び付きは曖昧らしく、その曖昧な時になんからかしらがあれば抜け出せる、と感じ、それを自分で行ったものも居れば、今回のように外から衝撃を与えてより不安定にする場合もある。
泉に力を与えたのは、あの衝撃で逃げられなかった場合、泉が自分のちからであの異界を不安定になるように破壊の限りを尽くせるように与えた。と匕王。
泉大ショック。あれであそこで破壊の限りを尽くせたのか。あの化物どもを相手に・・・。
長生きなドラゴン一族だからこそ、そのような情報得て共有できている。
人やら獣人やら魔人達ならばそのようなことは知らないだろう。なのでいったきりで終わってしまうのが大半だろう。
帰ってきた者も、自分でさえそのうちにアレは夢だったのだろう、で終わるだろう。
恐ろしいことだ。 自分が経験した事実すら信じなくなることが恐ろしいw
まぁ、泉はそんなゴミではないので大丈夫だろうと太鼓判押す匕王。
なぜそんなことが起きるのかはわからないが、前兆が寸前に在るようだと言う匕王。
「なんかおかしなこと、普段ありえないんじゃないか?みたいなことがあるんだ、しかも立て続けにあるか、在る様子になるか、らしい」
ああ、あの破壊高周波女か、、それと立て続けの痴話喧嘩。
「確かにそうだったな」
「なるほど、泉もか」
「で、最近だといつぐらいにあったんだ?」
「ああ、つい100年ほど前だ。」
つい?ドラゴンってやつぁ・・・
「一度あると連続するのか?」
「いや、たまーに一度、くらいのようだ、捉えている情報のみでは、だけどな」
「ふむ、警戒が必要だな。」
「ああ、どうすれば警戒できるか?だがな」
「・・・・・ドラゴン、何千年とか生きているんで、そのくらい見出したんじゃないのか?」
「いーや?めったに無いし、ドラゴンはそういうの遭ったこと無いし。」
「いや、遭っても喜んで突っ込んで行って、帰ってこないだけだろ?」
・・・・・ぽん!と手を打つ2人。
「なるほど!」「ほんに!」
こいつら・・(泉)
「多分、向こうでボスになりきっちゃってんじゃねーのか?」泉
「ああ、ありえるな」
「そうでしょうね、たのしく暮らしていることでしょう!」
いーのかよ?
「・・・・・人為的に、あそこに行くこと、できるか?」
「ドラ為的に?」
「ああ、 ドラ為的に、だ」
「やってみたいですね?」后
「奇遇だな、私もそう思った」匕王
怖いもの知らず。
もしかしたらそうなるかもな?と思って、言ってみただけなのだが、やっぱそーなったか。
どうしたもんだろうか?と思案する泉。
なんか最近急に怪しくなってきたよなぁ、魔法が出始めてからだよなー。
まだ魔法なんぞ周囲に無かった頃が懐かしい、戻れるならば戻りたいものだ。
とすら思う泉。
確かに、やりすぎじゃね?くらいになってきてるよなー。
もすこしフツーの生活にしてくれよ、と思う。じゃないとまとめきれないぞ?
誰が?
だが、匕王とお后のお話し合いの結果、
「じっくり研究してみる」
ということだった。
無闇矢鱈に魔法を放っても意味ないだろうし、全く方向性がわからん。なので情報収集から始めるとのこと。
わりと正常な発想?
「なので、半分死んで仮死状態であっちの祖先達に聞いてくる」
とかいい出す匕王。
やめておけ、戻ってこれなくなるぞ?
と泉が言うと、「やっぱり!」と后が匕王を止める。
「ふむ、いい考えだと思ったのだが」
「うん、行き帰りが安全になればな」と応える泉。一応ツッコミだ。
その後、匕王が3人転位で王宮に。
王宮の人たちは泉を懐かしがった。
お転婆なお嬢ちゃんだと思ったらおっさんだった件として扱われて居る様子だ。
ケーキをいっぱい出してくれた。
ブートッチ並の美味いケーキ。ここは日のいずる国だから。
夕方に東武領領都領主邸に送ってくれた。
丁度領主もゲートを通って王都の学園から戻ってきていた。
ゲートの使い方が荒くなっている件。
こういうのも異界への繋がりの件と関係してくるのだろうか?
「あ、シューレが何か知っているんじゃないか?」泉
ほん!
「なるほど!、では、おぬし達はこれから村に帰るのだろう?私達も一緒に行こう!」匕王
で、らくらく転位で匕王夫妻、泉、ガク、アニャータ、そして話を聞いて付いていきたいと言った領主様も一緒に、小館村に跳んだ。
ーー
「あー、面倒くさい。」シューレ
「行くのが?」ガク
「いや、あっちの奴等とか、ことわりとか、いろいろ違うんだよ、こっちと。すっごくな。何もかもが面倒くさい」
「・・・ちなみに、行った事、あるのか?」泉さん
「なんどかな。いやいやだけどな。仕方無しにな」シューレ
「「ほう!」」匕王、后、
領主様はなんという顔していいのか?みたいな顔して言葉を発してない。
「確かに、俺があそこに入るだけでも難儀したからなぁ、、からかわれてるかんじでな。行きたくもナイのに勝手に誘導されてな」泉さん
「ああ、そういう世界なんだと思っとけ。あの世界自体に意思が在るってな。ネジ曲がってるんだ、ものすっごく」
今にもペッ!!とつばでも吐きそうな勢いで言うシューレ。
「なので、つまらん好奇心起こすと必ず後悔するぞ?取り戻せないぞ?」
何が?と思うのだが、訊くのはこわいかな?
「何がだ?」泉さん
「おまえ、口が頭に上になったらうれしいか?」
「・・・・わかった、好奇心もたない」
「大正解だ」
すんげーイヤ!!
やっべーよ、俺そんなんなるとこだったのか?!!まじやっぺー!!(泉)
「日のいずる国の国王とお后様よ、この度は拙者を助けてくださり、まじありがとう!!ほんと助かった!!感謝しきれない!!ありがとーーー!!!」
まじで感謝している泉さん。王と后にしがみついているよ。
「ま、そんなとこだ。」シューレ
「シューレ、俺、向こうの世界から送られた先がここの世界でほんっとに良かったよ」ガク
「まぁ、そうだろう。かなり良い方だと思うぞ。なにせ”ひとがた”だからな。」
何気に恐ろしいことを言うシューレ。何を知ってるのかな?
「えと・・・」
「小石で、移動時は転がる。年齢へるとどんどんすり減っていく。ものを食わないでいいのが楽らしい。」
「いや、イヤだから!!」
「地上物はみな風ですりへり、わずかに海があるのみ。風となった生き物?はただ吹く、あっちからこっちに流れていくだけ。食わないでいいし、永遠にそうしてられる」
「罰ゲームでしかないよね?」
「空気の無い世界。というか、何もない世界。お前の意識のみ。他者の意識も無い。お前の意識が一つの世界。ってんもあるらしいぞ」
「何がおもしろいの?永遠の禁固刑でしかないよね?」
「だよなぁ?魚とかのほうが万倍マシだよな?」
「・・・確かに魚がとても幸福に思えてきた」
「食うなよ?」
「いやいや、食うよ、うまい魚は」
「残虐なやつだな?」
あんたがなぜ言えるかな?
「では、火のみの世界とか?」匕王
「ああ、あるだろうな。おもしろいと思うか?」
「いや、全く」
「だよな」
「神様の世界ってのは?」ガク
「そこは知らないなぁ、」
「シューレ殿でも、か。」匕王
「まぁ、そのうちに知ることができるんじゃないか?」
「何年後?」ガク
「数千年?」
「いねーよ」
「私らは年取ってますが、まだまだ丈夫でしょうね」お后
「ああ、その程度ならな」匕王
こいつら桁違い!!
「潰せなのか?そんな人さらいみたいな世界を」泉さん、まだ怒っている?
「ああ、そうだな、機会があったら言っておこう」シューレ
誰に?とは、誰も質問しなかった。
一応、そんな一件でありました。
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