398 / 409
後後267 秋祭り
しおりを挟む収穫祭当日。
なんだかんだで準備に全くかかわらなかったなぁ、と少し反省なガク。
馬車に村人詰め込んで大勢で乗ってきた。が、当然村の中なんぞ入れない。入り口からもう参道状態だからだ。両側屋台。道は人混み。
なので、街道の端の木がある所に馬車を停める。馬を馬車から離し、水を与えて手綱を木に結わえつけておく。
皆でぞろぞろ参道(村への小道)を歩いていく。歩きだと村の中まで二十分くらいかかるんじゃないか?
でも両側に屋台がみっしりなので楽しい。
これだけ客が集まると、うちの村の連中があまり見えない。5村が集まったからな。上村はよく行くので知った顔が多い。皆来ている様子。楽しんでる。
ここから上村、下村までは荷馬車で2時間程度だろうか。俺達の村もいつも帰りはそれほどかからずに帰れる。行きは満載なので歩き程度な場合も多いのでそれなりに。
なので、のんびり歩いてくることも出来る。
どうだろう、上村からだと、朝出て昼前について、夕方早くに出て夜に帰れる、って感じだろうか。
ひとごみののんびりした流れに乗って、やっと奥の社のほうに来れた。
神楽隊の側に泉さんが居た。
「おう!来たか。」泉さん
「すごいっすねー人混み!」
「ああ、各村への馬車が頻繁に出ているからな」
それでかー。
「お久しぶり!ガクセンセー」
「カタリーナ、立派になったなー!嬉しいよ!」
「ガクセンセーこそすごいお嫁さんもらってすごいですね!世界一のモフ美って評判ですよ!うちの子達もモフ☆モフ度はかなり上ですけど、所詮王都なのでトリミングは下手くそですね、ガクセンセーは世界一だから仕方がないとしても、村長宅女性陣達の足元にも及ばないので、定期的に村に帰ってトリってもらってます。それはそうと王都は音楽がすばらしいですね!・・・・
相変わらずのカタリーナ・・・喋りだしたら止まらない・・・(16話)
カタリーナの連続喋りを途中でぶった切ってアニャータを紹介する。
そしてアニャータ。人が多いだろうと、目立たぬように人型で来たが、今ここでねこに戻ってもらった。
それを見た瞬間突撃し、アニャータのモフに埋もれるカタリーナ!!
もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふあふーん!
ぼこん!ガクのゲンコが降る。
「ほどほどになっ!!」
「・・・・・すごいです。・・・もふ美、というか、魔性のモフ・・・おもわず、いつの間にか、引き込まれ・・・」
ああ、モフ愛が強い者には、そうだな、そうなんだな。さすがカタリーナ、よくぞわかった!!
納得のガク。
アニャータはそばにいた楽団の子達をモフりまくる。子供達もアニャータをも触れるので喜んでいる。
舞の子達が羨ましそうに見ているので、アニャータはちょいちょいとおいでおいでをする。
ばっふん!!と2人の舞の子達がアニャータに飛びこむ。
モフ玉状態のアニャータ達。
祭りに来て社に参拝に来てる者達にはこれが見えるので、皆、うらやましそうに、見つめる。
はっはっは!!!俺は大体こういうのたまにあじわってるんだぜー!!!
モフに人生を掛けているから、そういうご利益が受けられるのだ!!
「皆健康状態が良いからでこその、あの毛並みだな?」
と、泉さん。
「ですねー、山に居た頃だったらがっさがっさでしょうね、針金みたいに」(15話)
良い生活が良いモフを生む!!
もふりあいもひといきついたらしく、神楽の子達が楽器を始めた。
ぴぃ~っ、どん!、ぴぃ~~~、どん!ぴぃ~ひゃら、どん!どん!
神楽がBGMになると、祭りは一気に祭りらしくなる。
雑踏のざわめきもより大きくなり、参拝する者も増えてくる。
中には採れた作物を捧げる者もいる。今年は豊作だった。山のものも多く採れた。
豊作の翌年は控えめになるが、凶作になるわけではない。
土地の手入れ、水利、みな上々だ。凶作要因は天候しかない。
そして、悪天候が続くということは「生まれてこの方無かった」by村長。らしい。さすがこの世界を作った神様、そこらは優しい。
土を大切に活かしておれば、土も恩恵をくれ続ける。薬剤撒いて奴隷をこき使うように土に無理ばかりさせることなどしていない。
ぼっこん!
「ガクさん!いらっしゃい!」
ごむたいが土から顔を覗かせた。
「おう、お前、祭りを楽しめよ?」
「ええ、すごいですよ!土の中で聞いてると、足音が楽しそうなんです!」
そういう楽しみ方ですか・・・
「よかったなー」(棒)
「ええ、おもしろいですよー!」
ほどなく領主様が祝詞奏上。響子も見守る。
その後舞が舞台で行われた。
領主親子は楽しそうに腕を組んで見ている。
舞が終わり、領主様は新しく得た唯一の肉親と屋台達を楽しむために雑踏にまじっていった。
「おう、よかったなー」
それを眺めていた泉さん。
「一時期、あの命日のときだったか?ありゃまずいなぁ、とか思ったからな」
そういうときがあった。俺達は心配したが、どうしようもなかった。
「うん、もう、どうにか、大丈夫ですよね」俺
「あ、そういやリーダーは?」俺
「ほれ!」
と、泉さんがあごをしゃくった先に、あのトリオと飲んで出来上がっているリーダー。3人も出来上がっている。
「今朝まで緊張してぱんぱんだったわ。で、おまえが楽しまないで村人や祭りの客どころか主賓の神様も楽しめないだろ?ってな、ばんばん飲ませた。」
さすがわいずみさん・・・・w
「まぁ、俺らの時代の者達はメンタルガラスなんですよ、びびりんぼうが身に沁みついている。なので、今後もそうやってきたえてやってください。たのんます!」
リーダーは外来なのだ。
「おう。・・・・俺らの時代とはちがうn・・イヤ、そうでもないな。士官した奴らなど、多くは似たようなもんだったな。ふだんと大きく違うなんかあると冷静さを失い多くは激高する。ああいうのはビビリから来るからな、でそれを認めたくないんで激高してた。気にするなガク、俺の時代もにたようなもんだ」
それはそれで悲しげななんかがあるぞ?
「下手に教育受けず、無知な者ほど聡明さがあるんじゃないかな?ってこっちの世界で知りました。聡明さがありゃビビリんぼうはかなり抑えられます。」俺
「そりゃそうだ。危険の原因を探ろうとするからな、びびってる暇ないぞ?」
さすが剣豪泉!
俺達も3人で屋台を回ることにした。
あんずアメも出てる。
「大田さん!ここでも活躍ですかっつ!おつかれでっす!!」
大田のカルメラ焼きだ。領主様も、大田さんがこうやってまともな事やってりゃ安心だろう♪
「おう!テキ屋もおもしろいなー!こんど射的屋やりたいなー」
ノリノリになってきてるようだ!
輪投げもまともになている。フツーの輪だっつ!!
・・・シューレ
”シューレのちょこばなな”
”シューレのくれーぷw”
”シューレの水風船釣り”
”シューレのプチケーキ”(小さくして安くして買いやすくしている)
今度は4軒並べてやってる・・・
その隣に出ている焼きそばを食べてみる。
「うん、完璧・・。なんか?ってのが全く無い!!!」
泉さんとアニャータにも買って食べさせて感想を訊く。
「おう、前のよりうまいな。」泉
「そうですね、こちらのほうがいいです」アニャータ
「すげぇ、、多分、今回の祭りの屋台、すんげーまとも!!リーダーが外来だからだ。あの人が全部ダメ出ししてまともに直させたんだ!!すげぇ!あのひとすげぇぜっつ!!!」
「ガクがこれほどになるとは・・・・」
「すごい熱ですね?熱血になったんですか?」
(まぁ、リーダーのことは領主様に伝えることは伝えておこう。村人から彼を取り上げることはしまいし。)と思う泉。
人材は隠れたところに埋まり、事がなければその実力を現すことはない。
見る目のある者が見てこそ、その人材の価値をわかるというもの。
(ガクは、それが人一倍うまいんじゃねーかな?)
気炎をあげながら吠えまくるガクを見ながら、そうと気付く泉であった。
0
あなたにおすすめの小説
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる