【ありがとうございます!!底辺の壁突破!!】拉致放置?から始まる異世界?生活?【進めー!!モフ☆モフ!!】

uni

文字の大きさ
399 / 409

後後268 祭りの翌日

しおりを挟む

南の開拓村の秋祭りはこれ以上無いほどの盛況ぶりで終えられた。
時期が、他の村はもう稲の収穫作業を一通り終え、畑作業のみであったこと。これが大きかったろう。
皆開放感が大きかったのだ。

更に、各村から馬車を往復させていた。村にある馬車数台を使っていたので、1-2時間待てば乗れるというのが大きかった。こっちで1-2時間待ちなんぞすぐだという感覚なのだ。
更に、規模がデカかったので1回ではなく、皆複数回来たこと。
領主様が3日とも屋台を見て歩いていたことも、領民達が何度も来た要因の一つだ。(領主は領民に人気あるのだ!)

ガクはそれらとは別に、懐かしの向こうの屋台と同じのが多数出ている、というのを見てまわっていた。余程嬉しかったのだろう。
というか、前回のショックがデカすぎたのかもしれない。
3日間、一日中祭りの中に居た。


「ふう、堪能した♪」ガク
「よかったですね!」何をどう、とか聞かないアニャータ。ガクが喜んでいるのだからいいのだ。
祭りの翌日、朝起きた時に布団の上でごろごろしながら昨日までの祭りでの屋台を思い出し、満足げなガク。
さあ、布団を片付けますよ、とアニャータがたたみ始めた。
この屋敷は昼間は幼年組の教室になっているのだ。

朝食を食べにシューレの食堂に向かう。
村は、ここで祭りをやったわけでもないのに、祭りの終わった後並にのどかになっていた。皆寝坊でもしているのだろう。
そういや、今朝は鍛練なかったな?と思ったガク。起こされなかったから。

食堂も人は少なかった。
「おや、早起きだね?」と給仕してくれたおばさんが言う。
「え?」
「昨晩は今朝方まで飲んでたろ、皆。まじってなかったのかい」

そうなの?ってアニャータを見るガク。
こくん、と頷くアニャータ。
ガクは屋台達しか気にしていなかった。見ていて満足し、たまにまたなんか懐かしいものを買って満足していた3日間。
いつでもできる”飲む”とか、言われたかもしれないけど、全く気に掛けなかったのだろう。

まあいいか・・
シューレも泉さんも今朝姿が見えないのはそれだったのか。

うまい朝食を食べ、その後、静かな村を散歩した。

「これだけ静かなこの時刻も珍しいですね」アニャータ
「うん、記念になるくらいののんびり雰囲気だねー」

たまに子どもたちが外で遊んでいるくらいだ。親はまだ沈没中なのだろう。

ひととおり周ってきた。トリミング小屋に行くと、人狼の老人と、ねこ人の老人一人づつが待っていた。歳なんで飲み会には参加しなかった、というところだろうか。

トリミングを始めると、人狼のじいさんの酒臭さがねこ人をトリミングしているガクのところまで来る。
「じいさん、酒飲んでたのか?」ガク
「ああ、朝方までなー。でもなんか眠くならんのでなぁ、んじゃトリミングって貰えば眠くなるかなーってな!もちろんさっき風呂で洗ってきたからきれいだぜ?」人狼じいさん

「じじい、危険だって行っているだろ!酒のんで風呂はやめろ!」
「わかったよ、今日は忘れていただけだって・・」
「今度から絶対思い出せよ!!」
「ういーっす」

「その点、ねこ系は飲まないからねぇ、安心だよ」ねこ人ばあさん
「・・・・・・・・・・・・・・・」アニャータ
「うん、アニャータ、ダイジョブだから!」ガク
例外もいるんですよおばあさん、あまり言わないでくれる?

でもアニャータは節度ある飲み方なので、いつも果実酒数杯くらいしか飲まないのだ。
度数20くらいありそうだから、弱くはないけどね。(日本酒(武国酒)と似たようなもん)

せっせとトリミングしていて気付くと昼近く。ガクもアニャータも各々2人ずつをし終えて昼ゴハン。
外に出ると、通りはいつものように人通りが。昼時だからね。

シューレの食堂に入ると、
「あんたらは昼餉だけど、こいつら皆これが朝飯さ!」と給仕してくれたおばさん。
今頃起きてきたらしい。仕方ないね!!。
朝まで飲む、はガクも泉とよくやること。たまになら悪いことではないと思っている。
しかも祭りの後夜祭みたいなもんだ。いいこったろう。

が、飯を食べてそのままテーブルに突っ伏してまた寝始めている者も少なくない。
おばさんたちがそれらを台車に載せて出ていく。配達だろう。
あ、泉さんもいたんだ・・軽いんでおばさんに担がれて出ていった。村長宅が泉さんちなのだここでは。
他の村のもの達はみえなかったので、皆自分の村で飲んでいたのかな?

食事を終え、茶を貰って飲む。
「アニャータ、ようやく旅に出るぞ。」
「ええ。楽しみですね。」
「まぁ、泉さんと一緒だからな、いろいろあるだろう」
「そうなんですか?」

「・・・泉さんが、いろいろ呼ぶ体質みたいでね」
「そりゃおまえもだぞ?」
いきなりシューレが下からぬっと現れた。ごろごろ転がってきたんか?なんか疲れて起き上がれない様子。
アニャータがシューレを持ち上げてイスに座らせた。ガクより力持ちだからね!

「おーい、お茶クレー」シューレ
すぐにお茶が手渡され、温いお茶だったのかごくごく飲み干す。後ろに控えていたおばさん、別の湯呑みを手渡す。今度はふーふー覚ましながら飲む。すげーなそんちょー宅女性陣!!茶さえもベストにっつ!!!勝てないわけである。
でも、なぜそんななのに、料理だけはてきとーだったんだろう?ある部分今もだけど・・
謎だ。

「おまえら、公爵の家を別荘代わりにするんじゃないのか?」シューレ
「そういう話しになったけど、今回は旅なので途中で寄るだけですねー。じゃないと醍醐味がない。」ガク
「まぁ、そりゃそうか。特にアニャータにはなんのおもろみも無いだろうしな」
「そーゆーこと」

「じゃー、地べたでいくのかー」
地べた・・・そうだけどさ・・・。

「どうだ?おもろい乗り物出してやろうか?」
「いやー、ふつーに歩いて、乗合馬車つかったり便乗させてもらったり、で行きます」
「そうか?おもしろいんだけどなー」
誰が?どう?
シューレが俺らがそれに翻弄されるのを見て喜ぶのではなかろうか?

ぷwとか言うシューレ。
なんか想像したな?

「まぁ、それはとっておこう。」
・・・・・・(ガク)

グリフォンとかかなー?
「なぜそれをっつ!!!」シューレ
まじですか・・・大精霊って・・・
「いや、冗談だ。気にするな。」
ぜってー冗談じゃなかったなっ!!

アニャータ、しっっぽがびったびった打ってるって。
興味がすごくあるようです。

「あー、わたしはまた寝るわ、あとでなー」
シューレがよろよろ奥に引っ込んでいった。
精霊もこういう時は寝るんだなー。

「グリフォン、いいですねっ!!」アニャータ
・・・・・・・・何が?、どう?

トリミングは今日の午後はそう客も多くなく、早仕舞いした。
その後、旅行に必要なものを2人で考えながら集めた。
泉さんが以前シューレに貰ったストレージがあるので、そこそこ多くてもいいなー、とか思っていたらすごくなった。
なので半分くらいに減らした。
出先で容易に手に入るモノでめったに使わないモノはみなはじいた。

夕方前には泉さんも来て、あーでもないこーでもないと、リストを作り、明日から足りないものを用意することになった。
旅を実感し始めた初日だった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜

もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。 ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を! 目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。 スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。 何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。 やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。 「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ! ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。 ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。   2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~

御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。 十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。 剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。 十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。 紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。 十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。 自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。 その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。 ※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。

処理中です...