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3章 私と魔王様のお盆休み

*魔王の重すぎる“執着”と“愛”②

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「はぁ、お前の中は狭くて絡み付いてきて……気持ちいいな……くっ、動くぞ」
「あぁ、まって、アァン!」

 強い締め付けに、直ぐに射精感が沸き起こる。
 快楽にのみ込まれないように律動を速めながら、シルヴァリスは背筋が震える感覚を覚えた。

(好いた女を、理子を抱くことで満たされる。これが人族でいう、幸福感とやらか?)

「あっああん、あっあぁっ」

 意識を快楽にのみ込まれてしまった理子は、シルヴァリスの肩にすがり付いて律動に合わせて自分でも腰を動かしだす。
 シルヴァリスの肩へ理子の腕がすがり付き、中を穿つ腰の角度が変わり感じやすいクリトリスが擦れ、律動に合わせて理子は体を揺らした。

「ひゃあんっ、それっだめ、だめぇ、イッちゃう、もぉっああっ」
「リコッ、愛している。俺のものだ。永遠にっ」
「あぁっ、それもぅ、イクッ、あぁああー!」 

 胸と首を仰け反らせて理子が盛大に達すると、膣内の締め付けが強くなり子種を搾り取ろうと、壁がうごめき陰茎に絡み付く。

「ぐっ」

 膣壁が陰茎を締め付ける気持ち良さに、シルヴァリスは愉悦に顔を歪ませる。
 締め付ける中を一度だけ抜き差しした後、快感に堪えきれず子宮口へ亀頭を潜り込ませて熱く滾る熱を爆発させた。

「ぁっ、あつい」

 狂いかけるくらいの我慢を強いられた日々のせいで、溜まりに溜まった濃い魔力と子種を含んだ大量の精液を体の奥で受け止めた理子は、軽く達してしまったらしく数秒意識をとばした。

「リコ?」

 虚ろな瞳と半開きの唇からは荒い息が吐かれ、快感に震える体は力が抜けて……今まで抱いた女達と同様に壊してしまったかと焦る。
 数秒後、焦点の合わない瞳に光が戻り、意識を取り戻した理子と視線が合うとどちらともなく口付けを交わした。



「もぉイクぅ! ああああー!」

 何度目かの絶頂を迎えた理子は、大きく首筋を仰け反らせた。

「はぁ、リコッ」

 白い首筋に透けて見えた太い血管が旨そうで、達した興奮も相まって衝動のままシルヴァリスは首に噛み付いた。

「ひぅっ!」

 ぷつり、歯を立てれば皮膚が破れる音がして、血管からはあたたかな鮮血が流れだす。
 芳醇な赤ワインに似た香りがする、鮮血をシルヴァリスは舌で掬い取り啜った。

「いやっ……やだっやめて」 

 じゅるじゅる音を立てて啜ると、息も絶え絶えな理子がシルヴァリスの頭を押さえて泣き出す。
 痛みで泣く理子の涙がシルヴァリスの頬へと滑り落ち、血に狂いかけた意識が戻ってくる。

「はっ、ヤリ過ぎたか」

 鮮血が滴る首筋と傷を舐めて、涙を流す理子に回復魔法をかけた。

「やさしく、するって、言った、のに」

 両手で顔を覆って泣く理子の姿を見て反省はしても、泣き顔に高揚している自分もいてシルヴァリスは自嘲の笑みを浮かべた。

「ああ、優しくする」

 目元から唇へと口付けて、薄く開いた口へ舌を差し込めば理子の舌が遠慮がちに絡みつく。
 舌を絡ませる口付けを交わしているうちに、眠気と疲労によって理子の目蓋が綴じていった。

 かくんっ。

 眠りに落ちて脱力しきった理子の体を受け止め、突き入れてからずっと繋がったままだった陰茎を膣から引き抜き、彼女をベッドに仰向けに横たえた。
 意識の無い理子の白い肌が淡い桜色に染まり、散々口付けを落とし吸い上げた乳房の鬱血の痕が艶かしくて、陰茎が力を取り戻していく。

「この俺をここまで溺れさせるとはな」

 苦笑いしたシルヴァリスは、何度も何度も子種をたっぷり含んだ白濁した精液を注ぎ込み、膨れた子宮のせいで突き出した理子の下腹へ手のひらを当てる。
 魔王の精を全て溢すこと無く受け止めたこの体は、壊れることは無く心臓の鼓動も止まらないのだ。
 手のひらから子宮へ魔力を注げば、限界まで中に溜まった精液は理子の身体中へと浸透していく。
 渇望していた征服欲が満たされていき、ぐったりと意識を失い眠る理子を見る。
 疲労から深い眠りに入っている理子の首に残るのは、シルヴァリスが鋭い歯を突き立てた噛み傷。

 ちゅっ。

 規則正しい呼吸に合わせて上下する、理子の胸元に口付ければ簡単に赤い鬱血痕が付く。
 鬱血痕に混じって、胸の間、心臓の真上にうっすら色付き始めた証を指先でなぞった。

 何も知らずに眠る理子は擽ったそうに身動ぎ、夢でも見ているのかふんわりと微笑む。

「クククッ、これでお前の体も魂も全て、俺のものだ」

 孕むためとは別の、魔力を与えるために放った魔王の精を全て受け入れ、印を体と魂へと刻み込んだ。

 魔王と理子の魂との契約は成された。
 これで、山田理子という女は、我が魂が消滅するまで魔王と共に在り続ける。
 たとえ、生まれ変わっても必ず結び付く。決して途切れない、魂に刻まれる契約。

(……逃がさない。泣いて拒絶しても、離してなどやらない)

 何度も口付けて、吸い上げたせいで赤く腫れぼったくなった理子の唇に、愉悦の笑みを浮かべたシルヴァリスは口付けを落とした。
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