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46話バカ力。そして新しい街へ!
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「従魔の目が覚めて嬉しいのはわかるわ!でも、こっちもこっちで問題山積みなのよ!!」
「うんうん。山積みだよね。ルピ、ご飯食べれそう?」
『お腹空いた』
「そっかそっか!!いっぱいあるから、いっぱい食べて。ロッソもお腹減ってるでしょ!あそこの木陰で食べよう」
バッチーーーーン!と彼女の平手打ちが僕の頭に飛んでくる。痛い!なにこの子!?すごいバカ力なんじゃないの!?
「ちょっと私の話を聞きなさい!!」
『聞いてるようで無視してるあるじも悪いわ…』
ルピの目が覚めてすごく嬉しいけど、この平手打ちは痛い…。
ロッソがルピは問題ないから話しを聞いてあげたら?と言われ、彼女に食事をとりながらの話しでも良いか?と提案すると構わないそうなので木陰に移動しお弁当を出した。
「あら…すごく美味しそうね。私の家で作られる食事には劣るけど」
「キミ、さっきの現状を見てよくご飯見て美味しそうなんて思うね」
「私がいつまでもクヨクヨしてても仕方がないでしょ。それに街の外に出る以上、私も含めみんな覚悟は持っているわ…」
彼女が言うには街の外に出て楽で安全に帰ってこれるとは思っていないらしい。運んでるものが運んでるものだからと。
何を運んでるのか気にはなるけど、聞いて問題ごとに頭を突っ込むのはごめんだ。
でも、そんなに大事なものなら子供に従者を付けるんじゃなくて、大人だけで運ぶべきだと思うけどね。
「それでキミもお弁当を食べるの?」
「キミキミって、私にはリリノアって名前があるのよ。年上にキミって言い方も失礼じゃない?ちゃんと呼んでくれるかしら?」
「今初めて名前聞いたから…。それでリリノアさんも食べるんですか?」
「リリーで良いわ。敬語も使わなくっていいわ」
だーーーー!!なんだこの面倒くさいお嬢様は。助けてもらったからには、お礼をちゃんとしよう。でも、荷物運ぶ云々は僕にはしらん。街まで送ったら即バイバイだ!!
しかも、これも美味しい。あらこれも美味しいって、どんどんお弁当を食べていく。これはルピとロッソに出したお弁当なのに…。
しかもちゃっかりデザートにリンゴまで食べていた。
「お腹もいっぱいになったし、荷物どうするかいい考えが思いついたのかしら?」
「無理。僕達にあれを運ぶすべはない。本当に大切な手に持てるサイズなら運ぶぐらいは手伝うよ」
「選べないわ…。中は本当に大切なものしかないのよ…」
僕としては妥協策を出したんだ。ルピを助けてもらったお礼に街まで連れて行くだけでいいはずだ。それに襲われてるところを僕達は守ったんだ。トントンかむしろお釣りがくるぐらいだ。
それでも、手に持てるぐらいの荷物なら運んでも良いと僕は妥協をしているのに、一切妥協しようとしない。置いていこうかな…。
『ルピが運べるよ』
ルピが馬車の天井に乗ると、ふわりと馬車が浮き上がり進んでいる。
え?なんでそれ浮いてるの??ルピが飛んでいるのは見たことあるけど、鳥だからなって勝手に思ってた。
馬車まで浮かせられるのか…。僕も飛べたりするのかな?あとでお願いしてみても…良いかな?
「それってまさか浮遊!?物を浮かせるぐらいの浮遊って…高期魔法のはずよ!?操られてる魔物を簡単に倒したり、従魔と会話したり、あんた達なんなのよ!」
さっきのゴタゴタと荷物どうするかで、きっと魔物を倒した強さとかは彼女の中で考える余裕がなかったんだろう。
しかし、ルピがやっちゃって…さっきのことを思い出してしまったみたいだ…。これなんて説明しよう。
「黙っててもらえるなら、街まで荷物運びますけど…」
「いいわ…。私もこの荷物の事を黙っていてもらえるなら、あなた達のことは口外しないわ」
よほど大事な荷物が入っているんだろう。僕達の事を話すことよりも彼女にとっては重要な荷物らしい。
ルピが運べるみたいだから運んでもらって、それで黙ってもらえるならよしとしよう。
でも、馬もいない馬車を運んだとしてどうやって街中に入れるの?と聞くと、街付近までつけばどうにかなるというので任せることにした。
街の近くまで来ると人目がない場所に馬車を置いた。
街に行くまでに魔物に襲われたら困るので、ロッソを借りても良いかと聞かれロッソが仕方ないわねというのでOKした。
ルピと遊びながらしばらく待っていると、ロッソとリリー。それにふくよかで人当たりがよさそうな50代ぐらいの男性もついてきた。
「リリー。この人がリリーを守ってくれた冒険者の人なのかい?」
「そうよお父様。この人が私と馬車を魔物たちから守ってくれたのよ」
「お前がいないとなった時は、ワシは心臓が止まるかと思った…。2度と勝手なことはしないでおくれ…」
「街の問題なのよ!お父様が腑抜けていては街の死活問題なのよ!」
ロッソがげっそりした顔をしているので、ここに来るまでにもこの2人はこんな感じだったんだろう。お疲れロッソ。
「しかし、ワシに黙って勝手に奴隷を買って街の外に出ることは今後は許さん!いいな!」
え?あの人たち奴隷だったの??従者にしては身なりがリリーに比べると貧相だなとは思っていたけど、奴隷買って街の外に行くってかなり無謀じゃない!?
でも、あれだけ悲しんでいたから相当長い付き合いがある従者なのかと思ってた…。
「君たちありがとう。娘をここまで送り届けてくれて。不甲斐ない私を見て、自分なりに考えた行動だったんだろうが…死んでもおかしくないのによく生きて帰ってこれた…。ありがとう。君たちのおかげだ」
「あの、ここまでどうやって来たとかは聞かないんですか?」
「冒険者が簡単に自分の情報を言うもんじゃない。それに、リリーが荷物を持ち帰ったと人に言われる方が困る。それを言われないなら、どうやって運んできたかなど問題じゃないんだよ」
よほど大事な荷物みたいだ。でも、そんなに大事な荷物を奴隷買って持って帰るって、本当に無謀なお嬢様だな…。
今日はうちで休んでいきなさいと言われたが、ロッソに術も解いてもらわないといけないし断った。
リリーが顔ぐらい出して帰りなさいよ!というので、あまり関わりたくはないけど帰りに顔出すよと伝え、門番にギルドカードを提示し入街税を払って街へ足を踏み入れた。
「うんうん。山積みだよね。ルピ、ご飯食べれそう?」
『お腹空いた』
「そっかそっか!!いっぱいあるから、いっぱい食べて。ロッソもお腹減ってるでしょ!あそこの木陰で食べよう」
バッチーーーーン!と彼女の平手打ちが僕の頭に飛んでくる。痛い!なにこの子!?すごいバカ力なんじゃないの!?
「ちょっと私の話を聞きなさい!!」
『聞いてるようで無視してるあるじも悪いわ…』
ルピの目が覚めてすごく嬉しいけど、この平手打ちは痛い…。
ロッソがルピは問題ないから話しを聞いてあげたら?と言われ、彼女に食事をとりながらの話しでも良いか?と提案すると構わないそうなので木陰に移動しお弁当を出した。
「あら…すごく美味しそうね。私の家で作られる食事には劣るけど」
「キミ、さっきの現状を見てよくご飯見て美味しそうなんて思うね」
「私がいつまでもクヨクヨしてても仕方がないでしょ。それに街の外に出る以上、私も含めみんな覚悟は持っているわ…」
彼女が言うには街の外に出て楽で安全に帰ってこれるとは思っていないらしい。運んでるものが運んでるものだからと。
何を運んでるのか気にはなるけど、聞いて問題ごとに頭を突っ込むのはごめんだ。
でも、そんなに大事なものなら子供に従者を付けるんじゃなくて、大人だけで運ぶべきだと思うけどね。
「それでキミもお弁当を食べるの?」
「キミキミって、私にはリリノアって名前があるのよ。年上にキミって言い方も失礼じゃない?ちゃんと呼んでくれるかしら?」
「今初めて名前聞いたから…。それでリリノアさんも食べるんですか?」
「リリーで良いわ。敬語も使わなくっていいわ」
だーーーー!!なんだこの面倒くさいお嬢様は。助けてもらったからには、お礼をちゃんとしよう。でも、荷物運ぶ云々は僕にはしらん。街まで送ったら即バイバイだ!!
しかも、これも美味しい。あらこれも美味しいって、どんどんお弁当を食べていく。これはルピとロッソに出したお弁当なのに…。
しかもちゃっかりデザートにリンゴまで食べていた。
「お腹もいっぱいになったし、荷物どうするかいい考えが思いついたのかしら?」
「無理。僕達にあれを運ぶすべはない。本当に大切な手に持てるサイズなら運ぶぐらいは手伝うよ」
「選べないわ…。中は本当に大切なものしかないのよ…」
僕としては妥協策を出したんだ。ルピを助けてもらったお礼に街まで連れて行くだけでいいはずだ。それに襲われてるところを僕達は守ったんだ。トントンかむしろお釣りがくるぐらいだ。
それでも、手に持てるぐらいの荷物なら運んでも良いと僕は妥協をしているのに、一切妥協しようとしない。置いていこうかな…。
『ルピが運べるよ』
ルピが馬車の天井に乗ると、ふわりと馬車が浮き上がり進んでいる。
え?なんでそれ浮いてるの??ルピが飛んでいるのは見たことあるけど、鳥だからなって勝手に思ってた。
馬車まで浮かせられるのか…。僕も飛べたりするのかな?あとでお願いしてみても…良いかな?
「それってまさか浮遊!?物を浮かせるぐらいの浮遊って…高期魔法のはずよ!?操られてる魔物を簡単に倒したり、従魔と会話したり、あんた達なんなのよ!」
さっきのゴタゴタと荷物どうするかで、きっと魔物を倒した強さとかは彼女の中で考える余裕がなかったんだろう。
しかし、ルピがやっちゃって…さっきのことを思い出してしまったみたいだ…。これなんて説明しよう。
「黙っててもらえるなら、街まで荷物運びますけど…」
「いいわ…。私もこの荷物の事を黙っていてもらえるなら、あなた達のことは口外しないわ」
よほど大事な荷物が入っているんだろう。僕達の事を話すことよりも彼女にとっては重要な荷物らしい。
ルピが運べるみたいだから運んでもらって、それで黙ってもらえるならよしとしよう。
でも、馬もいない馬車を運んだとしてどうやって街中に入れるの?と聞くと、街付近までつけばどうにかなるというので任せることにした。
街の近くまで来ると人目がない場所に馬車を置いた。
街に行くまでに魔物に襲われたら困るので、ロッソを借りても良いかと聞かれロッソが仕方ないわねというのでOKした。
ルピと遊びながらしばらく待っていると、ロッソとリリー。それにふくよかで人当たりがよさそうな50代ぐらいの男性もついてきた。
「リリー。この人がリリーを守ってくれた冒険者の人なのかい?」
「そうよお父様。この人が私と馬車を魔物たちから守ってくれたのよ」
「お前がいないとなった時は、ワシは心臓が止まるかと思った…。2度と勝手なことはしないでおくれ…」
「街の問題なのよ!お父様が腑抜けていては街の死活問題なのよ!」
ロッソがげっそりした顔をしているので、ここに来るまでにもこの2人はこんな感じだったんだろう。お疲れロッソ。
「しかし、ワシに黙って勝手に奴隷を買って街の外に出ることは今後は許さん!いいな!」
え?あの人たち奴隷だったの??従者にしては身なりがリリーに比べると貧相だなとは思っていたけど、奴隷買って街の外に行くってかなり無謀じゃない!?
でも、あれだけ悲しんでいたから相当長い付き合いがある従者なのかと思ってた…。
「君たちありがとう。娘をここまで送り届けてくれて。不甲斐ない私を見て、自分なりに考えた行動だったんだろうが…死んでもおかしくないのによく生きて帰ってこれた…。ありがとう。君たちのおかげだ」
「あの、ここまでどうやって来たとかは聞かないんですか?」
「冒険者が簡単に自分の情報を言うもんじゃない。それに、リリーが荷物を持ち帰ったと人に言われる方が困る。それを言われないなら、どうやって運んできたかなど問題じゃないんだよ」
よほど大事な荷物みたいだ。でも、そんなに大事な荷物を奴隷買って持って帰るって、本当に無謀なお嬢様だな…。
今日はうちで休んでいきなさいと言われたが、ロッソに術も解いてもらわないといけないし断った。
リリーが顔ぐらい出して帰りなさいよ!というので、あまり関わりたくはないけど帰りに顔出すよと伝え、門番にギルドカードを提示し入街税を払って街へ足を踏み入れた。
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