【完結】愛されているのに気づかない魔術師と、ずっと隣にいたい番犬剣士の話

物村

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第四話

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ベッドに膝をついたカイルが、セフィナへと手を伸ばした。

指先が服越しに身体の線をなぞり、やわらかく撫でていく。
くすぐったさと期待がまざり、反射的に身体が震えた。その反応が恥ずかしくて顔を上げると、幸せそうに目を細めて笑うカイルと視線がぶつかった。

服の裾に手がかかり、腹から胸元へと布がゆっくり持ち上がっていく。

「……すげえ……」

こぼれた小さな声に、頬が一気に熱くなる。

「っ、見すぎ」

ぶっきらぼうに返すと、カイルは慌てたように息を呑んだ。

「ごめん……想像してたより、ずっと綺麗でさ。眺めてたいけど……脱がせてもみたい」

あまりにも素直な言葉だった。
レースの白い下着の上からそっと撫でられるだけで、そこから震えが広がっていく。

「っ、カイルの……したいように、さわって、ほしい……」

拒むでもなく、求めすぎるでもなく。
ただ彼の手がどう触れるのか、その続きを知りたかった。

胸元へ顔が寄せられ、布地の谷間に唇が沈む。
吸いつく音と、くぐもった吐息。指先が輪郭をなぞり、つま先へ向かってじわじわと熱が降りていく。

「やっ……んんっ、カイル……!」

名前を呼んだ瞬間、彼の身体がわずかに震えた。
その反応が嬉しくて、恥ずかしさよりも「もっと触れてほしい」という気持ちが勝っていく。

背中へ腕が回され、慎重に留め具が外された。
ぷちん、と小さな音とともに布の張りがほどけ、白い胸が空気にふれる。
思わず腕で隠そうとしたところを、手首を掴まれた。

「……隠さないで。全部、見せてほしい」

囁く声は真剣で、乞うようだった。
力を抜くと、肩口から胸元へとやさしい手が滑り、ベッドへと導くように両手を押さえられる。

先端に唇が触れた瞬間、世界がそこを中心に色づく。
吸われ、舌先でなぞられるたび、背中が勝手に跳ねた。

「ひあっ! んんっ……!」

視界の端では、もう片方の胸を包む大きな手が輪郭をゆっくり撫でている。
胸へ、唇へとキスが移り、熱を含んだ息が重なっていく。

「っ、はぁ……セフィナ……」

名を呼ばれ、セフィナも何度も唇を探した。
とろんとした視線で見つめられ、「キス、好きか?」と問われれば、頷くしかない。

「っ、好き……気持ちよくて、すき……」

素直な声が漏れた瞬間、胸の奥にゆっくりと火が灯る。

「もっと言って」
「んっ……すき。カイル、もっと……」
「セフィナ……!」

息を詰めた幸福そうな顔が、目の前にある。
いくつかキスを重ねたあと、手が脇腹へ降り、下腹のあたりを確かめるように撫でてきた。

「……下も、脱がせてもいいか」

真剣な眼差しに、セフィナは息を整えながら頷く。
自分でベルトを外し、少しだけゆるめると、カイルがそっと足元から布を引き下ろした。

ショーツににじんだ染みに、彼の喉がかすかに鳴る。

「……濡れてる」
「っ、だって……!」

慌てて隠そうとして指先が布に触れた瞬間、自分でも驚くほど濡れていると気づいた。
布越しにそっとなぞられただけで、腰が跳ねる。

布の上からゆっくりと押し広げるように指が動き、控えめな音が空気にほどけていく。
身体が勝手に前へ寄ろうとし、もう布が邪魔で仕方なくなった。

「……カイル……」

呼びかけると、彼の視線がやわらかく揺れた。

布は儀式のようなゆっくりさで外される。
晒された秘所に視線が落ちてくるが、その目には欲だけではなく、確かめるような慈しみがあった。

すべてを曝け出している自分を、まっすぐに見てくれる。
その事実だけで、胸がじんわりと満たされる。

ふと気づけば、まだシャツとスラックス姿のカイルを、もっと近くで感じたいと思っていた。

「……っ、カイルも、脱いで……」

掠れた声で伝えると、彼は一瞬だけ目を見開き、静かに頷く。
シャツのボタンが外れ、鍛えられた胸元と首元のタグがこぼれるように姿を見せる。
剣士らしい俊敏さと柔らかさを兼ね備えた輪郭。飾り気はないのに、美しく研ぎ澄まれた肉体。気づけば息を忘れるほど見惚れてしまう。

チェーンを外し、スラックスを落とし、最後の布を抜き取ったとき──昂ぶりの輪郭があらわになった。

胸が早鐘のように鳴る。それでも、目を逸らしたくなかった。

「カイル、綺麗……」

思わずこぼした言葉に、彼は息を飲み、まっすぐ見返してくる。

「……全部、脱ぐからな」

頷き合い、向かい合う位置で膝を立てる。

「カイル、触れたい。……さわって、いい?」
「……ああ。セフィナの、好きに」

髪に手を差し入れると、緩く結ばれた束が静かに揺れる。
耳や額、まぶた、頬に小さな口づけを落とすたび、どの表情も愛おしくて仕方ない。

「すき、すき……」

うわ言のように呟きながら胸元に唇を寄せようとしたところで、彼の腕が強く回された。

「セフィナ。っ……もう、それ以上は……」

上半身がぴたりと重なり、昂ぶりが下腹に触れる。
まるで「これ以上は理性がもたない」と訴えるような抱擁だった。

触れてほしい。でも、少しだけ怖い。

「カイル……あのね。その……ひとりでした時、ちょっと怖くて……中には、まだ入れられてなくて。だから、急じゃなくて……段階を踏んでくれると……」

言葉を探しながら視線を落とすと、彼は息を詰めたように動きを止め、すぐに抱き寄せる。

「わかった。少しずつ、慣らしていこう」

やさしい声とともに、セフィナはゆっくりとベッドへ横たえられた。



カイルの指が、ぬめる入り口にそっと触れる。
愛液を指先にまとわせ、小さな突起へとやさしく移動させた。

「んっ……!」

全身が跳ねる。

「セフィナ。ここ……触った?」
「うん。する時、最後……そこで、終わってる……」

もじもじと答えると、彼は静かに頷き、その一点をやわらかく押しあたためる。
緊張が緩んでいくのに合わせて、小指が入り口をなぞり、中へと少しずつ迎え入れられた。

異物感に思わず息が止まるが、思ったよりも受け入れられている。

「……大丈夫?」

覗き込む視線に、胸の内側がきゅっと締まる。
その反応に、彼の表情がやわらかくほころんだ。

「……じゃあ、少しずつ増やしていくな。辛かったら言って」

指が細いものから太いものへ移り、内側をゆっくり押し広げていく。
出し入れと円を描く動きが重なるたび、異物感がまだ少しだけ胸につかえていた。

「……ん、ふぅ……、ぐ、ううっ……」

押し殺した声がこぼれた瞬間、カイルがそっと体を寄せる。
「……ちょっと、辛いか」
低く落とされた声ののち、温かな舌が敏感な突起をやさしくさらった。

「んっ……! は、ぁ……カイル……」

鋭い刺激よりも、安心をほどくようなやわらかな舐め方だった。
その間も指はゆっくりと動きを保ち、異物感が少しずつほどけていく。

やがて指先が中の一点に触れた瞬間、下腹の奥で甘い熱が弾ける。

「ふぁぁ……っ、やっ、ああ……!」

敏感な突起への刺激と重なり、足先までしびれるような感覚が走った。
セフィナの手を握りしめたまま、彼はその反応が落ち着くのを待ってくれる。


熱に浮かされたような表情で、カイルが身体を寄せてきた。
片手は自身を包むように押さえ、こらえるように動きを止めている。

「セフィナ……俺、もう……」
「……うん」

ぬかるんだ中心に、指とは比べものにならない熱がそっとあてがわれる。
入り口へ押し当てるようなくちづけが、何度かゆっくり繰り返されたところで、カイルがはっと眉をひそめた。

「っ、待った……アレ……!」

床に落ちた革鎧へ手を伸ばし、小さな包みを取り出してくる。
手早く装着を済ませ、頬をさらに赤くしながら戻ってきた。

「ごめん……ちゃんと、こういうのしてから……」

それが、最後の理性なのだとわかる。

改めて視線が重なり、カイルが低く問いかけた。

「いいか?」
「……うん。来て……」

不安が胸をかすめる。
それを察したように、彼がそっと唇を重ねた。やさしいキスの余韻が、緊張をほどいていく。

そのまま、熱がゆっくりと中へ沈んでいった。
指とは違う固さと重みが、内側を押し広げる。

「……力、抜けるか? 深く、ゆっくり呼吸して」

肩と腰を撫でる手に合わせて、セフィナも呼吸を整える。
カイルは急がず、少し進めては止まり、様子を確かめるたびに安心させるように撫でてくれた。

力が抜けるたび、熱は少しずつ奥へ。
やがて彼でいっぱいになったのがわかり、セフィナは息を呑む。

「……すごい。カイルで、中がいっぱい」
「っぐ、セ……フィナっ……!」

カイルの腰がぐっと深く沈み込む。
何かをこらえるように、はーっ、はーっと肩で大きく息を吐き、「……出るとこだった」と小さく漏らした。

「出しても、いいよ」
「絶対嫌だ。まだ……セフィナの中にいたい……」

ぶんぶんと首を振って、必死にしがみついてくる。
結わえた髪が揺れ、潤んだ瞳がこちらに向く様は──まるで懐いて離れたくない大型犬のようで、健気で、正直で、愛おしい。
セフィナはくすりと笑い、その髪をそっと撫でた。

「……俺、ずっとセフィナとこうしたかったんだ」

腰が、ゆっくりと動き始める。
最初は様子を伺うように穏やかで、辛さがないと分かると、少しずつ深く、大きくなっていった。

擦れる感覚が、次第に安心と快楽へ変わっていく。
さっき見つけられた“奥の弱いところ”をなぞられると、背筋がぞくりと震えた。

「あっ、ああっ!」

気づけば、カイルにしがみついていた。
もっと近くにいたくて、足を彼の腰へ絡めると、短くキスを落とされ、抱き寄せる角度が変わる。

その瞬間、奥の一点に深々と当たった。

「あっ……そこ……っ!」

甘い熱が一気にせり上がり、頭の芯がふわりとほどけていく。

「……セフィナ……っ」

腰がさらに深く、ぐっと打ち込まれる。熱のぶつかり合いに合わせ、身体が跳ねるように応えてしまう。

「カイル……! すき、だいすき……!」

肩口へ唇を寄せ、ちゅっと吸い、甘く噛む。
全部受け入れたいという想いが、肌越しに伝わっていく。

勢いを殺さず、がつがつと、何度も、何度も──荒く、むさぼるようにセフィナの奥を穿ち、内壁をこすり上げてくる。
お互い、その瞬間だけの本能で求め合い、身体を重ね続けた。

「っはぁ、ぐっ……出る……!」
「ん! あうっ、ああ!……あああっ……!」

熱が、中で弾けた。
避妊具越しに伝わる脈動と震えに包まれながら、セフィナは初めて“内側で”果てる。

 

まだ身体はかすかに震えていた。
互いに抱き合ったまま、熱い息を吐き合う。

言葉がなくても、頬へ伸びた指先が髪を払い、前髪をそっと整えてくれる。
視線が絡むと、小さな笑みが自然にこぼれた。

浅いキスをいくつも交わすうちに、乱れていた呼吸が落ち着いていく。

やがて、内側を満たしていた熱がゆるやかに引いていった。
抜けたあと、空気がひやりと触れた気がして、セフィナは思わず脚を閉じる。

「……ちょっと離れる」

短く告げてベッドを抜けたカイルが、小袋と布を手に戻ってきて、手早く後処理を済ませる。
掛け布を整えたあと、肩へ腕を回すように寄り添ってきた。

「……受け入れてくれて、本当にありがとう。夢じゃないの、まだ信じられないくらいだ。……愛してる。……俺、幸せだよ」

低く落とされた声が、胸に染み込んでいく。
セフィナはそっと彼の胸元へ顔を寄せ、静かに囁いた。

「カイルと触れ合えて……すごく嬉しかった。……私も、愛してる」

唇が触れ合い、確かめるようなキスがひとつ落ちる。
やがてどちらからともなく息が静まり、微かな寝息が重なった。

つないだ手は、夜のあいだじゅう離れなかった。
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