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5.似た者同士
しおりを挟む「ははっ」
「ふふっ」
ラウル様が笑い出したので、私もつられて笑ってしまう。
少し笑い合った後、改めて座り直しもう一度謝罪の言葉を口にする。
「ラウル様…。改めてこの度は申し訳ございません。こちらから婚約を願い出たのにも関わらず、こちらの都合で妹との婚約を解消し、姉である私と婚約して欲しいなどと無礼な事を申し出ている事、とても恥ずかしく思っております」
そう言って頭を下げる。
「…フレミア様、顔を上げてください。」
ラウル様の優しい声に促されゆっくりと顔を上げラウル様の顔を見る。
「こちらこそ私の力が未熟だった為、このように顔に傷を負ってしまいました。このような顔ではジュリー様との婚約を解消すべきであると思っていたのです。しかし、こちらは伯爵家、ジュリー様は侯爵家。爵位が下の者から婚約解消を願い出る事は無礼である為、言い出す事ができませんでした。」
「ラウル様…」
ご自分が怪我をして大変な時に、そのように考えていただなんて…。
「その事に、ジュリー様の姉であるフレミア様まで巻き込んでしまいこちらがフレミア様に謝るべきなのです」
「そ、そんな!謝らないでください!ラウル様は何も悪くありません!こちらが…!」
「いえ、こちらこそ……」
また目が合い、自然と笑みが溢れる。
「あははっ何だか私達は似ていますね。では…お互い様、という事で謝り合うのはやめましょうか」
そう言ってニコリと微笑むラウル様は本当に温かくて…眩しい。
どう考えてもこちらが無礼を働いているのは明らかであるのに、私が気を遣わぬように言葉を選び話されるラウル様。
「あ、ありがとうございます…」
思わずラウル様の心遣いに目頭がじんわり熱くなる。
(ここで泣いてしまってはラウル様に心配をかけてしまう)
そう思い、涙をグッと堪える。
「…フレミア様にも…私のこの気味の悪い顔で怖がらせたり驚かせてしまいましたね。代わりに私の元へ嫁がなければならないと要らぬ心配をかけてしまいました。しかし…」
その言葉に、思わず礼儀も作法も忘れて前のめりになりテーブルに両手をつき、まっすぐラウル様の目を見る。
「そんなっ!そのような事は決してありませんわ!ラウル様のその傷は君主の為に傷付く事を恐れずに皇子を守った名誉ある傷です!尊敬の念を抱く事はあっても、どうして嫌悪感や恐怖を抱く事がありますでしょうか」
「フレミア様…」
「も、申し訳ございません…取り乱してしまいました…」
ラウル様が私の名前を呼ぶ声に、ふと我に帰り、視線を逸らし急いで姿勢を正す。
(私ったらラウル様の話を遮り前のめりになり声を荒げるなんて、はしたない事を…!で、でもラウル様には誤解されたく無かった…!)
侯爵令嬢がこんな未熟な者だと呆れられてしまったかもしれない…。
恐る恐る、視線をラウル様の顔に戻す。
すると…。
そこには片手で顔を半分隠し、顔を真っ赤にして照れているラウル様がいたのだった…。
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