48 / 231
第46話 予言の巫女エナ
しおりを挟む
大砦に到着後、アバン皇子の命令で地下牢にドナドナされたマリ達は牢屋の中で休んでいた。
冷たい石畳がひんやりとして気持ちいいとマリが横になると、メリーから叱りの声が聞こえる。
「陛下ー!? 何てはしたない事を! ちゃんと椅子に座ってくださーい!」
地下牢に多くの牢屋が並び、マリから数個離れた牢にメリーは入っていた。
「え~、ずっと馬車の中暑かったんだからこれぐらい良いじゃーん。 ねぇ? デランさん」
隣の牢に話しかけると、ゴルメディア帝国最強の黒騎士団団長デランが項垂れている。
「そんな……アバン皇子、何故このような事を」
残念ながら、マリの声は届いていないようだ。
大砦の廊下で突如味方に囲まれ、更にゴルメディア帝国のアバン皇子に地下牢送りにされたのだ。 項垂れるのも無理は無いだろう。
「あーーー……気持ちいい。 でも、この地下牢広いのに全然人が居ないんだね~」
マリがメリーの怒りを無視して石畳でゴロゴロしていると、牢の扉が開いた。
「陛下! 年頃の女性がその様な事をしてはいけません!!」
入って来たのは別の牢屋に入れられていた筈のメリーだった。
「ほえ? メリーさん、どうやって出たの!?」
「メイドの嗜みでございます。 それより! さっさと立つ!!」
「はい!」
メリーに服の汚れを落とされ一通り説教が終わった後、地下牢へと降りて来る音が聞こえた。
薄暗い地下牢に階段から降りてくる音が響き渡る。
「失礼する。 さて、エントン フォル マリ女王よ……ついてこい。 ん? 其処のピンクの髪のメイドは別の牢屋に入れさせた筈だが?」
降りてきたのは黒髪の青年、ゴルメディア帝国皇子アバンだった。
「貴方の部下が間違えたのでは? 私が陛下のお側に居るのは当然ですし、何か問題でも? それより、陛下をどちらに連れて行かれるおつもりですか?」
メリーはアバンの事が心底嫌いなのだろう。 言葉の端々に嫌悪を感じる。
(アバン皇子……乙女小説に出てくるキャラと性格が全然違うんだけど?! メリーさんもいきなり私達を牢屋に入れたから敵対心剥き出しなんですけどー?)
マリが殺伐としたこの状況に困惑していると、アバンがため息を吐き再度マリに向けて殺気を放つ。
「ふっ……まぁどうでもいいか。 さっさと来い、マリ女王。 私が直々に拷問してやる……エナの痛みを少しでも味合わせないと私の気が済まないからな!」
アバンの言い分に全く身に覚えの無いマリだったが、エナという言葉には聞き覚えがある。この世界を元にした乙女小説の主人公の名前がエナなのだ。
「何を訳の分からない事を! 触るな下郎! 陛下、私の後ろに!」
「アバン皇子何をされているのですか! エントンフォルマリ女王陛下は、王族調停の法に守られています! 例え、皇子と云えど女王陛下に手を出す事は女皇帝陛下に弓引く事と同じですぞ!」
メリーがマリを背中に隠しアバンから守ろうと庇う。 隣の牢からは正気を取り戻したデランが必死にアバンを説得し始めた。
「うるさい! 黙れ黙れ黙れ! お前のせいなんだ! お前が、お前が無能の女王じゃ無かったせいで! エナは、俺の最愛のエナが!」
「くっ、仕方ありません。 陛下に仇なすのならその首跳ねてあげましょう!」
アバンは髪の毛をかきむしり、マリをひたすら睨み付ける。そして腰に差した剣を抜き放ちメリー諸とも斬り付けようとした。
メリーも即座に動き、手刀でアバンの首を跳ね様とした瞬間、アバンの背後から別の人物が待ったをかけた。
「其処まで!! おい、守衛よ皇子はお疲れのご様子。 私室にお運びせよ!」
「「はっ!」」
降りてきたのはゴルメディア帝国宰相のブラックだ。
大砦に到着した際に、不躾に馬車の扉を開け放ち無礼を働いた老人である。
「おい! ブラック! 貴様、私を誰だと思っている! くそぉ! マリぃぃ! 必ず地獄に落としてやるからなぁぁ! 必ずだぁぁぁぁ!」
兵士に両腕を羽交い締めにされたアバンは連行され、宰相のブラックだけが残った。
「ブラック殿! かたじけない、感謝します!」
デランがブラックに感謝を述べるが、ブラックの瞳はずっとメリーから離れなかった。
「……首狩りメリー。 この名に聞き覚えはあるかね……お嬢さん」
ブラックがメリーに問うと、メリーは静かに首を振って答える。その時の表情を背中越しのマリは見る事は出来なかった。
「そうか、すまない……忘れてくれ。 さて、では私は失礼するよ。 おっと……デラン団長、明日には大砦を主発できる様に手配した。 我等の女皇帝陛下をお待たせするなよ?」
「ブラック殿、かたじけない!」
ブラックはデランに用件を伝えると、そのまま牢屋を去ろうとしたがマリがそれを止めた。
「あ、あの! 聞いても良いですか?」
「……何かな?」
静かにゆっくりと振り返る不気味な姿に寒気をするが、必死に堪える。 マリはどうしても聞かねばならないのだ。
「エナという少女に何があったのですか?」
そう、先ほどアバンの口から出た乙女小説の主人公エナの事だ。 マリは時系列的には、まだアバンとエナは恋人同士になったばかりの筈だと思っていた。なのに、アバン皇子にマリのせいだと拷問をされそうになり。 ましてや、会った事も無かったアバン皇子に恨まれる覚えも全く無い。
ブラックは答える代わりに、牢屋の1番奥を指差しそのまま階段を上がって行った。
知りたいなら奥に行け、という事だろう。先程のやり取りの後から牢の鍵は開いたままになっており、守衛が閉めに来る事が無いのなら今は牢を出ても咎められはしないだろう。
「陛下、ご無事ですか?」
「ありがとうメリーさん。 牢屋の奥に行かないと……付いて来てくれる?」
「仰せのままに、陛下。 デラン殿、直ぐに戻ります」
「ええ、何度もご迷惑をお掛けしている身です。 お好きになさって下さい」
デランの許可を取り、2人は牢屋の奥へと進む。
薄暗い地下牢に備えられた松明が煌々と燃えている。幾ばくか奥へと進むと突き当たりの牢屋が見えてきた。
「陛下、お待ちを」
メリーに止められた。 声色に少し動揺が混じっているのをマリは感じとり素直に牢屋の入り口で待つ。
「ぐっ!? な、何て酷い。 ……え? ……はい……そんなっ……分かりました」
薄暗い牢屋からメリーの声がぼそぼそと聞こえる。
「陛下、お入り下さい。 陛下のお探しの人物がこの先に居ます」
メリーから怒気や悲しみ、察するに余る感情の波をマリは感じ取った。
「お邪魔しますー……エナさん?」
恐る恐る牢に入る。石畳は何やらヌルヌルしており油断すると転倒しそうだ。
「メリーさん、灯りが無いと見えないよ」
マリがメリーに助けを求めると、何かを躊躇したメリーが壁に掛けてあった松明を手に牢へと入ってきた。
「ぁぐ……」
やっと部屋が灯りで見える様になったその時、微かな声が聞こえた。
それは……足下からだった。
「え……エナさん!? 酷い、酷すぎる! どうしてこんな……!!」
マリの足下に何も身に纏わず身体中が生傷だらけの少女が血の海に倒れていた。
素人のマリが見ても、死んでないのが不思議な程に重傷の少女を服が汚れるのも厭わずに抱き寄せる。
「メリーさん! 早く治療を! 早く!」
涙を流しながらマリが懇願するが、メリーは静かに首を振った。
もう、手遅れだと。
冷たい石畳がひんやりとして気持ちいいとマリが横になると、メリーから叱りの声が聞こえる。
「陛下ー!? 何てはしたない事を! ちゃんと椅子に座ってくださーい!」
地下牢に多くの牢屋が並び、マリから数個離れた牢にメリーは入っていた。
「え~、ずっと馬車の中暑かったんだからこれぐらい良いじゃーん。 ねぇ? デランさん」
隣の牢に話しかけると、ゴルメディア帝国最強の黒騎士団団長デランが項垂れている。
「そんな……アバン皇子、何故このような事を」
残念ながら、マリの声は届いていないようだ。
大砦の廊下で突如味方に囲まれ、更にゴルメディア帝国のアバン皇子に地下牢送りにされたのだ。 項垂れるのも無理は無いだろう。
「あーーー……気持ちいい。 でも、この地下牢広いのに全然人が居ないんだね~」
マリがメリーの怒りを無視して石畳でゴロゴロしていると、牢の扉が開いた。
「陛下! 年頃の女性がその様な事をしてはいけません!!」
入って来たのは別の牢屋に入れられていた筈のメリーだった。
「ほえ? メリーさん、どうやって出たの!?」
「メイドの嗜みでございます。 それより! さっさと立つ!!」
「はい!」
メリーに服の汚れを落とされ一通り説教が終わった後、地下牢へと降りて来る音が聞こえた。
薄暗い地下牢に階段から降りてくる音が響き渡る。
「失礼する。 さて、エントン フォル マリ女王よ……ついてこい。 ん? 其処のピンクの髪のメイドは別の牢屋に入れさせた筈だが?」
降りてきたのは黒髪の青年、ゴルメディア帝国皇子アバンだった。
「貴方の部下が間違えたのでは? 私が陛下のお側に居るのは当然ですし、何か問題でも? それより、陛下をどちらに連れて行かれるおつもりですか?」
メリーはアバンの事が心底嫌いなのだろう。 言葉の端々に嫌悪を感じる。
(アバン皇子……乙女小説に出てくるキャラと性格が全然違うんだけど?! メリーさんもいきなり私達を牢屋に入れたから敵対心剥き出しなんですけどー?)
マリが殺伐としたこの状況に困惑していると、アバンがため息を吐き再度マリに向けて殺気を放つ。
「ふっ……まぁどうでもいいか。 さっさと来い、マリ女王。 私が直々に拷問してやる……エナの痛みを少しでも味合わせないと私の気が済まないからな!」
アバンの言い分に全く身に覚えの無いマリだったが、エナという言葉には聞き覚えがある。この世界を元にした乙女小説の主人公の名前がエナなのだ。
「何を訳の分からない事を! 触るな下郎! 陛下、私の後ろに!」
「アバン皇子何をされているのですか! エントンフォルマリ女王陛下は、王族調停の法に守られています! 例え、皇子と云えど女王陛下に手を出す事は女皇帝陛下に弓引く事と同じですぞ!」
メリーがマリを背中に隠しアバンから守ろうと庇う。 隣の牢からは正気を取り戻したデランが必死にアバンを説得し始めた。
「うるさい! 黙れ黙れ黙れ! お前のせいなんだ! お前が、お前が無能の女王じゃ無かったせいで! エナは、俺の最愛のエナが!」
「くっ、仕方ありません。 陛下に仇なすのならその首跳ねてあげましょう!」
アバンは髪の毛をかきむしり、マリをひたすら睨み付ける。そして腰に差した剣を抜き放ちメリー諸とも斬り付けようとした。
メリーも即座に動き、手刀でアバンの首を跳ね様とした瞬間、アバンの背後から別の人物が待ったをかけた。
「其処まで!! おい、守衛よ皇子はお疲れのご様子。 私室にお運びせよ!」
「「はっ!」」
降りてきたのはゴルメディア帝国宰相のブラックだ。
大砦に到着した際に、不躾に馬車の扉を開け放ち無礼を働いた老人である。
「おい! ブラック! 貴様、私を誰だと思っている! くそぉ! マリぃぃ! 必ず地獄に落としてやるからなぁぁ! 必ずだぁぁぁぁ!」
兵士に両腕を羽交い締めにされたアバンは連行され、宰相のブラックだけが残った。
「ブラック殿! かたじけない、感謝します!」
デランがブラックに感謝を述べるが、ブラックの瞳はずっとメリーから離れなかった。
「……首狩りメリー。 この名に聞き覚えはあるかね……お嬢さん」
ブラックがメリーに問うと、メリーは静かに首を振って答える。その時の表情を背中越しのマリは見る事は出来なかった。
「そうか、すまない……忘れてくれ。 さて、では私は失礼するよ。 おっと……デラン団長、明日には大砦を主発できる様に手配した。 我等の女皇帝陛下をお待たせするなよ?」
「ブラック殿、かたじけない!」
ブラックはデランに用件を伝えると、そのまま牢屋を去ろうとしたがマリがそれを止めた。
「あ、あの! 聞いても良いですか?」
「……何かな?」
静かにゆっくりと振り返る不気味な姿に寒気をするが、必死に堪える。 マリはどうしても聞かねばならないのだ。
「エナという少女に何があったのですか?」
そう、先ほどアバンの口から出た乙女小説の主人公エナの事だ。 マリは時系列的には、まだアバンとエナは恋人同士になったばかりの筈だと思っていた。なのに、アバン皇子にマリのせいだと拷問をされそうになり。 ましてや、会った事も無かったアバン皇子に恨まれる覚えも全く無い。
ブラックは答える代わりに、牢屋の1番奥を指差しそのまま階段を上がって行った。
知りたいなら奥に行け、という事だろう。先程のやり取りの後から牢の鍵は開いたままになっており、守衛が閉めに来る事が無いのなら今は牢を出ても咎められはしないだろう。
「陛下、ご無事ですか?」
「ありがとうメリーさん。 牢屋の奥に行かないと……付いて来てくれる?」
「仰せのままに、陛下。 デラン殿、直ぐに戻ります」
「ええ、何度もご迷惑をお掛けしている身です。 お好きになさって下さい」
デランの許可を取り、2人は牢屋の奥へと進む。
薄暗い地下牢に備えられた松明が煌々と燃えている。幾ばくか奥へと進むと突き当たりの牢屋が見えてきた。
「陛下、お待ちを」
メリーに止められた。 声色に少し動揺が混じっているのをマリは感じとり素直に牢屋の入り口で待つ。
「ぐっ!? な、何て酷い。 ……え? ……はい……そんなっ……分かりました」
薄暗い牢屋からメリーの声がぼそぼそと聞こえる。
「陛下、お入り下さい。 陛下のお探しの人物がこの先に居ます」
メリーから怒気や悲しみ、察するに余る感情の波をマリは感じ取った。
「お邪魔しますー……エナさん?」
恐る恐る牢に入る。石畳は何やらヌルヌルしており油断すると転倒しそうだ。
「メリーさん、灯りが無いと見えないよ」
マリがメリーに助けを求めると、何かを躊躇したメリーが壁に掛けてあった松明を手に牢へと入ってきた。
「ぁぐ……」
やっと部屋が灯りで見える様になったその時、微かな声が聞こえた。
それは……足下からだった。
「え……エナさん!? 酷い、酷すぎる! どうしてこんな……!!」
マリの足下に何も身に纏わず身体中が生傷だらけの少女が血の海に倒れていた。
素人のマリが見ても、死んでないのが不思議な程に重傷の少女を服が汚れるのも厭わずに抱き寄せる。
「メリーさん! 早く治療を! 早く!」
涙を流しながらマリが懇願するが、メリーは静かに首を振った。
もう、手遅れだと。
16
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!
碧桜
恋愛
私は花園美月。20歳。派遣期間が終わり無職となった日、馴染の古書店で顔面偏差値高スペックなイケメンに出会う。さらに、そこで美少女が穴に吸い込まれそうになっていたのを助けようとして、私は古書店のイケメンと共に穴に落ちてしまい、異世界へ―。実は、聖女様として召喚されようとしてた美少女の代わりに、地味でオタクな私が間違って来てしまった!
落ちたその先の世界で出会ったのは、私の推しキャラと見た目だけそっくりな王(仮)や美貌の側近、そして古書店から一緒に穴に落ちたイケメンの彼は、騎士様だった。3人ともすごい美形なのに、みな癖強すぎ難ありなイケメンばかり。
オタクで人見知りしてしまう私だけど、元の世界へ戻れるまで2週間、タダでお世話になるのは申し訳ないから、お城でメイドさんをすることにした。平和にお給料分の仕事をして、異世界観光して、2週間後自分の家へ帰るつもりだったのに、ドラゴンや悪い魔法使いとか出てきて、異能を使うイケメンの彼らとともに戦うはめに。聖女様の召喚の邪魔をしてしまったので、美少女ではありませんが、地味で腐女子ですが出来る限り、精一杯頑張ります。
ついでに無愛想で苦手と思っていた彼は、なかなかいい奴だったみたい。これは、恋など始まってしまう予感でしょうか!?
*カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる