177 / 231
第175話 メリー達の昔話
しおりを挟む
復興祭も終わり、ルーデウスも無事に国王として即位してから数日が経ち。 マリは穏やかな日々を過ごしていた。
「さてさて、今日は皆集まってくれてありがとうね。 諸々が終わったから、後2週間で北に旅立ちます。 その前に、メリーさん達の話を聞きたくて来てもらいました。 というわけで、メリーさんよろしくね~」
今日は以前にメリーと約束していた魔族の国から出た昔話を聞く日である。
執務室には、メリーやファースト達メイド部隊が全員揃って椅子に座っていた。 長机には国王ルーデウス手作りのクッキーが山のように積まれており、マリは上機嫌で食べる。 義妹のキャミとドーラも手伝ってくれたらしく、喜びもひとしおだ。
「はい、それでは……何故私達が人間の領域に来たのかお話しさせていただきますね」
◆◇◆
はるか昔、まだエントン王国すら無かった頃の時代。 私達魔族は亜人達との殺し合いに明け暮れていました。 魔族の国は荒れ果てた荒野で、切り立った山脈に囲まれ食料を得るには亜人の森に侵入し奪わないと生きていけませんでした。
しかし、先代の魔王様が統治されていた時の事です。 突然、魔王様が亡くなりひとり息子が跡を継ぎ今代の魔王となりました。 その魔王とは……私の兄です。
そうですね、先代の魔王様とは私の父です。 ふふ、実は私も王族の一員だったんですよ~? まぁ、今は違いますが……。
そして、理由は分かりませんが魔族の国を高濃度の魔力が覆い、魔族達は飲食をしなくても多少問題無く生きていける様になりました。
兄は、魔族達が魔力を吸収し生きていける様に進化したのだと皆に説明していましたが……正直の所、私は信用出来ませんでした。 でも、少なくとも亜人との戦争がそれ以来激減したのも事実です。
え? あぁ、私が使ってた魔隠密術ですか?
元々、魔族は好戦的で幾つかの流派が存在します。 私が使う、魔隠密術や魔格闘術等ですね。 魔族はどれかの流派を必ず習得するのが決まりなので、支援要因のスィクスス達もある程度は戦えるんですよ?
話を戻しますね。 その後、兄よりお達しがあり何故か遠い南の地にて人間族の繁栄と動向を監視する者を選抜する事になりました。
それは……殆ど、追放と言っていい内容でした。 歴史でも、何度か人間達とも戦った事がありバレたら殺されるでしょう。 そんなリスクを負いたい魔族は居らず、兄は選考に苦慮しました。
最初に選ばれたのは、魔王城で私のお世話をしてくれていたスィクスス、エイトス、ナイス、テンスの四人でした。 勿論、私は兄に反抗しましたが受け入れられず。 四人を庇う形で志願したのです。
あぁ、そうでしたね。 スィクスス達は最初、魔王城でメイドをしていたのに兄が魔王に即位してからは必要ないと解雇されたのを抗議しに行ったから選ばれたんでしたっけ。 ふふ、懐かしいですね。
私は、父が過保護な方だったのでずっと城に閉じ込められていました。 なので、魔王城で働いていた皆が私の友人であり大切な家族だったのです。
私が志願した事を知った、暗部部隊訓練生だったファースト、セカンド、フォース、フィフス、セヴンス達も同行する形となり陛下の知っているメンバーになりました。
あ、サードはですね。 その当時の暗部部隊のファーストをしていました。 可愛い後輩達と姪である私を助ける為に、志願してくれたのです
ふふ、そうですよ。 サードは……ユアンは私の叔母です。 他のメンバーも、本当の名前がありますが私専属の暗部部隊に任命された際に序列での呼び名になりました。
総勢11名となった私達は、魔族の国から旅立ち約100年間の長い監視の任務に付きました。
最初に隠れながら亜人の森を抜け、南へと長い長い旅をしました。
そして、辿り着いた南の最先端で人間達が集まっている村を見つけ接触し小国となる様に手助けをしたのです。
あくまでも、目的は繁栄と動向の監視ですから上に立つことはなるべくせずに、手助けし人間達がどの様に考え動くのかを見ていました。
しかし、国が出来てから幾ばくか時が過ぎた時。
突如として地面が揺れ、王国は地下へと落ちました。 そうです、ゴルメディア帝国の地下にあった廃墟は私達が作り上げた王国の成れの果てなのです。
「さてさて、今日は皆集まってくれてありがとうね。 諸々が終わったから、後2週間で北に旅立ちます。 その前に、メリーさん達の話を聞きたくて来てもらいました。 というわけで、メリーさんよろしくね~」
今日は以前にメリーと約束していた魔族の国から出た昔話を聞く日である。
執務室には、メリーやファースト達メイド部隊が全員揃って椅子に座っていた。 長机には国王ルーデウス手作りのクッキーが山のように積まれており、マリは上機嫌で食べる。 義妹のキャミとドーラも手伝ってくれたらしく、喜びもひとしおだ。
「はい、それでは……何故私達が人間の領域に来たのかお話しさせていただきますね」
◆◇◆
はるか昔、まだエントン王国すら無かった頃の時代。 私達魔族は亜人達との殺し合いに明け暮れていました。 魔族の国は荒れ果てた荒野で、切り立った山脈に囲まれ食料を得るには亜人の森に侵入し奪わないと生きていけませんでした。
しかし、先代の魔王様が統治されていた時の事です。 突然、魔王様が亡くなりひとり息子が跡を継ぎ今代の魔王となりました。 その魔王とは……私の兄です。
そうですね、先代の魔王様とは私の父です。 ふふ、実は私も王族の一員だったんですよ~? まぁ、今は違いますが……。
そして、理由は分かりませんが魔族の国を高濃度の魔力が覆い、魔族達は飲食をしなくても多少問題無く生きていける様になりました。
兄は、魔族達が魔力を吸収し生きていける様に進化したのだと皆に説明していましたが……正直の所、私は信用出来ませんでした。 でも、少なくとも亜人との戦争がそれ以来激減したのも事実です。
え? あぁ、私が使ってた魔隠密術ですか?
元々、魔族は好戦的で幾つかの流派が存在します。 私が使う、魔隠密術や魔格闘術等ですね。 魔族はどれかの流派を必ず習得するのが決まりなので、支援要因のスィクスス達もある程度は戦えるんですよ?
話を戻しますね。 その後、兄よりお達しがあり何故か遠い南の地にて人間族の繁栄と動向を監視する者を選抜する事になりました。
それは……殆ど、追放と言っていい内容でした。 歴史でも、何度か人間達とも戦った事がありバレたら殺されるでしょう。 そんなリスクを負いたい魔族は居らず、兄は選考に苦慮しました。
最初に選ばれたのは、魔王城で私のお世話をしてくれていたスィクスス、エイトス、ナイス、テンスの四人でした。 勿論、私は兄に反抗しましたが受け入れられず。 四人を庇う形で志願したのです。
あぁ、そうでしたね。 スィクスス達は最初、魔王城でメイドをしていたのに兄が魔王に即位してからは必要ないと解雇されたのを抗議しに行ったから選ばれたんでしたっけ。 ふふ、懐かしいですね。
私は、父が過保護な方だったのでずっと城に閉じ込められていました。 なので、魔王城で働いていた皆が私の友人であり大切な家族だったのです。
私が志願した事を知った、暗部部隊訓練生だったファースト、セカンド、フォース、フィフス、セヴンス達も同行する形となり陛下の知っているメンバーになりました。
あ、サードはですね。 その当時の暗部部隊のファーストをしていました。 可愛い後輩達と姪である私を助ける為に、志願してくれたのです
ふふ、そうですよ。 サードは……ユアンは私の叔母です。 他のメンバーも、本当の名前がありますが私専属の暗部部隊に任命された際に序列での呼び名になりました。
総勢11名となった私達は、魔族の国から旅立ち約100年間の長い監視の任務に付きました。
最初に隠れながら亜人の森を抜け、南へと長い長い旅をしました。
そして、辿り着いた南の最先端で人間達が集まっている村を見つけ接触し小国となる様に手助けをしたのです。
あくまでも、目的は繁栄と動向の監視ですから上に立つことはなるべくせずに、手助けし人間達がどの様に考え動くのかを見ていました。
しかし、国が出来てから幾ばくか時が過ぎた時。
突如として地面が揺れ、王国は地下へと落ちました。 そうです、ゴルメディア帝国の地下にあった廃墟は私達が作り上げた王国の成れの果てなのです。
17
あなたにおすすめの小説
虐げられていた次期公爵の四歳児の契約母になります!~幼子を幸せにしたいのに、未来の旦那様である王太子が私を溺愛してきます~
八重
恋愛
伯爵令嬢フローラは、公爵令息ディーターの婚約者。
しかし、そんな日々の裏で心を痛めていることが一つあった。
それはディーターの異母弟、四歳のルイトが兄に虐げられていること。
幼い彼を救いたいと思った彼女は、「ある計画」の準備を進めることにする。
それは、ルイトを救い出すための唯一の方法──。
そんな時、フローラはディーターから突然婚約破棄される。
婚約破棄宣言を受けた彼女は「今しかない」と計画を実行した。
彼女の計画、それは自らが代理母となること。
だが、この代理母には国との間で結ばれた「ある契約」が存在して……。
こうして始まったフローラの代理母としての生活。
しかし、ルイトの無邪気な笑顔と可愛さが、フローラの苦労を温かい喜びに変えていく。
さらに、見目麗しいながら策士として有名な第一王子ヴィルが、フローラに興味を持ち始めて……。
ほのぼの心温まる、子育て溺愛ストーリーです。
※ヒロインが序盤くじけがちな部分ありますが、それをバネに強くなります
※「小説家になろう」が先行公開です(第二章開始しました)
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ~⁉
狭山ひびき
恋愛
ある日、イアナ・アントネッラは父親に言われた。
「来月、フェルナンド・ステファーニ公爵に嫁いでもらう」と。
フェルナンド・ステファーニ公爵は御年六十二歳。息子が一人いるが三十年ほど前に妻を亡くしてからは独り身だ。
対してイアナは二十歳。さすがに年齢が離れすぎているが、父はもっともらしい顔で続けた。
「ジョルジアナが慰謝料を請求された。ステファーニ公爵に嫁げば支度金としてまとまった金が入る。これは当主である私の決定だ」
聞けば、妹のジョルジアナは既婚者と不倫して相手の妻から巨額の慰謝料を請求されたらしい。
「お前のような年頃の娘らしくない人間にはちょうどいい縁談だろう。向こうはどうやらステファーニ公爵の介護要員が欲しいようだからな。お前にはぴったりだ」
そう言って父はステファーニ公爵の肖像画を差し出した。この縁談は公爵自身ではなく息子が持ちかけてきたものらしい。
イオナはその肖像画を見た瞬間、ぴしゃーんと雷に打たれたような衝撃を受けた。
ロマンスグレーの老紳士。なんて素敵なのかしら‼
そう、前世で六十歳まで生きたイオナにとって、若い男は眼中にない。イオナは枯れ専なのだ!
イオナは傷つくと思っていた両親たちの思惑とは裏腹に、喜び勇んでステファーニ公爵家に向かった。
しかし……。
「え? ロマンスグレーの紳士はどこ⁉」
そこでイオナを待ち受けていたのは、どこからどう見ても二十歳くらいにしか見えない年若い紳士だったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる