[完結]転生したのは死が間近の女王様!? ~超可愛い弟が王になれるよう平凡な女王が抗う奮闘記~

秋刀魚妹子

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第211話 決戦の始まり

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 「痛たた……皆、無事かい?」

 横転し、大砦に突っ込んだ超巨大新幹線は完全に大破してしまった。

 「えぇ……私達は平気です」

 メリーやファースト達は立ち上がり、身体の状態を確認している。

 「もし怪我をしていたら言ってくれ、ルル殿に託されたポーションがあるから……くそ、殆ど割れてる」

 無事だったジャックはポーションの箱を開けて舌打ちをした。

 「我等も平気だが。 ……外に何かおるぞ」

 魔王ダイと上級魔族のエブラノは無傷で、割れた車両の窓から外の様子を見ていた。

 「よっと……ふぅ、流石魔王だね。 無傷とは……」

 運転席から脱出したヨハネがダイの隣に立つ。 他の者達も外を警戒し、戦闘態勢に入った。

 「ふっ……魔族は頑丈だからな。 ……ん? おい、闇の精霊と会話することは可能か?」

 「私しか聞けないけど出来るよ。 何を知りたいんだい?」

 「光の精霊は妖精と混じった奴と、マリを乗っ取った2体だよな?」

 「待ってて……うん、分かったよ。 そうだね、その筈だよ」

 ヨハネが自身の中に宿る闇の精霊とコンタクトを取り、答えた。

 「そうか、ではルミニス以外の何かが居るんだな。 外に敵は3体居るぞ」

 車両の外には3名の人影が見えており、既に敵は待ち構えていた。 

 「ダイ……君と私は妖精ルミニスだ。 メリーも頼むよ。 ジャック、マリを抑えててくれ。 ファースト達はジャックの援護だ」

 「3体目はどうするのだ」

 ダイの問に、ヨハネは渋い顔で呟く。

 「予想外だからね~……どうしよう」

 「エルフ殿、私が行こう。 あの人影……間違い無い」

 上級魔族エブラノは窓から外の人影を食い入るように見つめている。

 「ヨハネ、俺は一人でも構わない。 エブラノ殿にファースト達を付けてくれ」

 「ダメだよジャック……なら、こうしよう。 フォースとフィフスはエブラノ殿の援護だ。 これで、良いね?」

 「構いません。 ファースト、セカンド、フォース、フィフス……行きましょう!」

 「はい!」 「ふふ、後で大先輩達に叱られない様にがんばりますわ」 「しゃぁっ! やってやらぁ!」 「これで本当に最後っす!」

 「ふっ、では行くぞ!!」

 ダイが車両の扉を開け放ち、一斉に飛び出した。

 『あはははは! やっと出て来たぁぁぁ! いらっしゃぁぁい! そして、さようならぁぁぁぁ!』

 「『さっきは良くもやってくれたわねぇぇぇぇ!』」

 同時にルミニスとマリが黒い靄の触手を槍のように尖らし、ヨハネ達に向けて射出する。

 「闇の精霊よ、貴方の力を貸し給え世界を律する力を与え給え、闇よりも暗き深淵の淵から救い給え。 新たな友が願わん!」

 ヨハネが精霊魔法を唱えると、地面から黒い靄の触手よりも濃ゆい深淵の壁が現れ槍を防いだ。

 防ぐと同時にダイが深淵の壁を突き破り、ルミニスに向けて突撃する。

 「ふんっ!!」

 『きゃぁぁぁぁぁっ?! ふざけるなぁぁぁぁ!』

 驚き静止した隙にダイがルミニスを殴り吹き飛ばした。 大砦の壁を幾つも破壊し、大穴を空ける。

 「行くぞ!」 「はい、兄上!」

 そして、その大穴をダイとメリーが追い掛ける。

 「マリ……」

 「ヨハネ何をしてる! 行け!! ルミニスを倒さないと、マリ様は解放されないんだろ!」

 ヨハネは嗤うマリの姿を見て、身体が止まってしまった。

 可愛らしい笑顔は面影も無く、頬まで裂けた醜い笑顔のマリがジャック達に襲い掛かろうとしている。

 「わ、分かってるさ! ジャック……頼んだよ!」

 「任せろ!」

 ジャックに活を入れられ、ヨハネはようやくダイ達を追う。

 「『へぇ~……私を止めるんだぁぁぁ、ジャックぅぅぅぅ!』」

 「マリ様の声で私を呼ぶな! 貴様はマリ様では無い!」

 「ジャック様、援護はお任せを」

 「動きを止める毒が幾つかございます」

 マリとジャック達の戦いが始まる頃、車両の側では上級魔族エブラノが手を震わせていた。

 「エブラノ様……俺達がやりましょうか?」

 「そうっす。 こんなの……あんまりっすよ」

 「ふふ、ありがとうございます。 でも、これだけは譲れませんな。 彼女はとても仲間想いですから……」

 エブラノが、拳に魔力を纏いゆっくりと構える。

 視線の先には大剣を手に持った無機質な顔のサードが立っていた。
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