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6.無能聖女、役目を放棄した理由
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身を隠せる洞窟を見つけ、ひとまずそこに身を潜めるトルテ。とりあえず、状況の整理をすることにした。
「さて、まずは…」
トルテの予想では、自分と王子の婚約破棄に関しては、多分国王は関与していない。あれは王子がミーシャとか言う男爵令嬢に唆されて独断でやった事だろう。ただし国王は、息子である王子の愚行を利用してトルテを排除しようとしていたのだと思う。
その根拠は、コタゲーノがトルテの左腕に嵌めた腕輪だ。この腕輪には闇魔法である獣化魔法がかけられている。
ツイース王国では、闇魔法は禁忌であり、魔法が記された魔道書や魔法道具は王家が厳重に保管している。それゆえに、魔道具を簡単に持ち出せるのは王家の人間しかいない。
王家は何故トルテを排除したがったのか。それはトルテが聖女の役目のうち二つ目の役目を放棄したからに他ならないだろう。聖女達は、この役目は「魔神ダークの呪い」によって、闇の力の強まる夜に獣化してしまう「人間」を、元の姿に戻す事である。と教えられる。
解呪の魔法を唱えると、呪いにかけられた人間は一度獣の姿になり、そこから1日をかけて徐々に人の姿へ戻る。と教わるのだ。しかし、それは事実ではない。聖女の役目に隠された秘密。それは、この国の一部の人間達の利益と欲望の為に行われている非道な行いを続けるための役目だったのだ。
この呪われの森にかけられた結界は、光魔法の強くなる日中、動物たちが行動できないよう押さえつける効果があるのだ。それこそ尻尾さえも持ち上げる事が出来ないくらい地面に押さえつけられる。これは鳥や、幻獣と呼ばれるような獣達も例外では無かった。
更にこの森の結界は、一度中に入ると結界の外へ出ることが出来ないようになっていて、完全に動物達の檻となっているのだ。これによって人間は日中に、苦労すること無く簡単に幻獣や獣を狩る事が出来るようになった。そうやって手に入れた角や骨、皮や肉を使ったり売ったりする事で、人間最古の国として、他国より優位に立つことが出来ているのだ。
人間達のこの非道ぶりに、本来地上と関わる事のない魔神ダークは森の獣達に一つの恩恵を与えた。それが日の出とともに人の形へと変化し、日没と共に獣の姿へ戻るという物だった。人間から見れば呪いそのものだが、日中一切動けなくなっていた動物たちにとっては恩恵であった。
魔神ダークのこの行動を良しとしなかったのが人間である。今まで簡単に獣を狩り、甘い汁を吸っていた王族や、それに近い人間、権力を拡大させたい教会の人間たちは、国の中で突出して光魔法の力が強い乙女を探し出し「聖女」と呼び、彼女達に嘘を吹き込み、魔神ダークの恩恵を阻害する「解呪」の魔法で人化した獣たちを獣の姿へと戻したのだ。
日中に人化が解けてしまえば、獣たちは結界の力でたちまち動けなくなってしまう。
聖女達には、一度獣の姿になった後に人へと戻るのだと、今にして思えば非常に苦しい言い訳を信じ込ませ、呪文を使わせた後はさっさと森の外へと送っていくのだ。聖女がいなくなると、待機していた狩人たちが動けない獣たちを意気揚々と狩っていくのだった。
トルテが聖女の役目を放棄した理由は、これらの事を知ってしまったからだった。
(そう…あの日に見てしまった…)
※-----------------------※
「聖女の呪い」の方では、動物たちを呪いから解放する。という名目で聖女が魔法を使っていましたが、この作品の時代では、名目が呪いを受けた「人間」を助ける。に変化しています。これは時代の流れの中で、人間側の解釈などが変わった為です。
「さて、まずは…」
トルテの予想では、自分と王子の婚約破棄に関しては、多分国王は関与していない。あれは王子がミーシャとか言う男爵令嬢に唆されて独断でやった事だろう。ただし国王は、息子である王子の愚行を利用してトルテを排除しようとしていたのだと思う。
その根拠は、コタゲーノがトルテの左腕に嵌めた腕輪だ。この腕輪には闇魔法である獣化魔法がかけられている。
ツイース王国では、闇魔法は禁忌であり、魔法が記された魔道書や魔法道具は王家が厳重に保管している。それゆえに、魔道具を簡単に持ち出せるのは王家の人間しかいない。
王家は何故トルテを排除したがったのか。それはトルテが聖女の役目のうち二つ目の役目を放棄したからに他ならないだろう。聖女達は、この役目は「魔神ダークの呪い」によって、闇の力の強まる夜に獣化してしまう「人間」を、元の姿に戻す事である。と教えられる。
解呪の魔法を唱えると、呪いにかけられた人間は一度獣の姿になり、そこから1日をかけて徐々に人の姿へ戻る。と教わるのだ。しかし、それは事実ではない。聖女の役目に隠された秘密。それは、この国の一部の人間達の利益と欲望の為に行われている非道な行いを続けるための役目だったのだ。
この呪われの森にかけられた結界は、光魔法の強くなる日中、動物たちが行動できないよう押さえつける効果があるのだ。それこそ尻尾さえも持ち上げる事が出来ないくらい地面に押さえつけられる。これは鳥や、幻獣と呼ばれるような獣達も例外では無かった。
更にこの森の結界は、一度中に入ると結界の外へ出ることが出来ないようになっていて、完全に動物達の檻となっているのだ。これによって人間は日中に、苦労すること無く簡単に幻獣や獣を狩る事が出来るようになった。そうやって手に入れた角や骨、皮や肉を使ったり売ったりする事で、人間最古の国として、他国より優位に立つことが出来ているのだ。
人間達のこの非道ぶりに、本来地上と関わる事のない魔神ダークは森の獣達に一つの恩恵を与えた。それが日の出とともに人の形へと変化し、日没と共に獣の姿へ戻るという物だった。人間から見れば呪いそのものだが、日中一切動けなくなっていた動物たちにとっては恩恵であった。
魔神ダークのこの行動を良しとしなかったのが人間である。今まで簡単に獣を狩り、甘い汁を吸っていた王族や、それに近い人間、権力を拡大させたい教会の人間たちは、国の中で突出して光魔法の力が強い乙女を探し出し「聖女」と呼び、彼女達に嘘を吹き込み、魔神ダークの恩恵を阻害する「解呪」の魔法で人化した獣たちを獣の姿へと戻したのだ。
日中に人化が解けてしまえば、獣たちは結界の力でたちまち動けなくなってしまう。
聖女達には、一度獣の姿になった後に人へと戻るのだと、今にして思えば非常に苦しい言い訳を信じ込ませ、呪文を使わせた後はさっさと森の外へと送っていくのだ。聖女がいなくなると、待機していた狩人たちが動けない獣たちを意気揚々と狩っていくのだった。
トルテが聖女の役目を放棄した理由は、これらの事を知ってしまったからだった。
(そう…あの日に見てしまった…)
※-----------------------※
「聖女の呪い」の方では、動物たちを呪いから解放する。という名目で聖女が魔法を使っていましたが、この作品の時代では、名目が呪いを受けた「人間」を助ける。に変化しています。これは時代の流れの中で、人間側の解釈などが変わった為です。
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