異世界チン!~王子様の選ばれし存在は俺!?~

モト

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王子様は離す気が全くありません

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コンコン。

部屋のドアがノックされた。

「アラタ、ただいま」

ひょこっとドアから顔を出したのはラルだった。

「————うっ!!」
「ん?」

ピカピカ黄金の光に包まれ輝いている。大天使様じゃ、大天使様が降臨された。
彼の輝きに目がチカチカしていると、彼が自分の元へ近付いて来て両手を広げた。

「アラタ、抱きしめていい?」

そう言いながら、抱きしめてくる。

おぉ……お、今更ながらイケメンに抱きしめられるのって幸せなんだ。俺は今までこんな幸せに対してファイトだなんて思っていたのか。

抱きしめ返すとヨシヨシと撫でてくれる。うあ、俺、幸せかも。優男なのに厚い胸とかズルい、好き好き王様になっても俺を抱いてくれぇ

…………………………………………………………という夢を見た。








「白髭魔術師様、魔術を使えば、男でも妊娠ってできますか?」
「は?」

マヌケな質問をしている。最近自分が怖いよ。

白髭魔術師はうーんと唸って、教えてくれた。
仮の膣や子宮などの女性器は作れるが、女性と違って男性の骨盤は開きにくい。
出来なくはないが、産前産後に耐えられる肉体構造をしていない。というのが答えだった。

妊娠出来るか聞いたのは、ラルの嫁にしてもらえないかなって。愛人とか現在日本の感覚で生まれ育った俺は無理。告白する前に分かってよかった。


「はぁ、そうですか。妊娠できない。……じゃ、俺を処女に戻してください」
「えぇ!?」

今後の一人暮らしの問題点は、穴快楽だ。処女に戻ればその問題もスッキリするんじゃないか。

「アラタ様よ、王子は何と?」

「ラルのことは聞かないでください。俺も芽生えた気持ちを手放すことで必死なんです」
「しかし、ですな」

「あ。一度やってくれるって言ったのに嘘はだめですよ~! 今後の為なんです!」


俺が咎めると、白髭魔術師は顔をしかめて渋々と言った様子で呪文詠唱し始めた。すると、俺の足元に魔法陣が出来、スゥっと光に包まれた。
ゲームとかでよく見る回復魔法がかかった感じに似ている。

どうやら、これで俺の尻の処女化が済んだようだ。




————独りぼっちを想定した新生活の準備は整った。

だが、残念なことに尻の疼きは変わらず。
尻は処女になっても感覚は非処女。なんだ、この無意味感は……。


「おひとつ、アナルプラグを頂けないでしょうか?」

次の日、電化製品を買う気軽さで女官に言っていた。

女官は変な顔一つせず、様々なアナルグッズを見せてくれた。黒いアナルスティックを選んで、そそくさと帰ろうとした時に、女官に首根っこを掴まれて、自慰する時の注意点を聞かされた。


部屋に戻って、黒スティックを睨む。ラルのエクスカ〇バーの横にも縦にも半分しかないけれど。

今後は淋しい時は、よろしくなと挨拶して、それをサイドテーブルに無造作に置いて、そのまま寝た。ちょっと泣けた。






「アラタ、起きて。どうして泣いているの?」
「へ……?」

ラルがベッドサイドに腰を掛けていた。ラルと一緒に寝たっけとぼやけた頭でぱちぱち瞬きをする。いや、自室で寝た。でもここは自室じゃない。

クルリと天井を見て、電球の形が違う。ラルの部屋とも違う。

あ、夢か。昨日もラルが出てくる夢を見たしなぁ。ラルが俺を膝に抱っこした後、背中をポンポンしてくれる。
夢だから胸板にスリスリしちゃう。スンスン匂いも嗅ぐ。

ふふ。


「今日から二人っきりで住もうね」
「うん」

二人でだなんて、素晴らしいアイデアだ。

「……呪いはないけど、朝から晩までキスしまくろう」
「…………うん」
「いっぱいエッチもしていい? 沢山ゴリゴリ擦ってイかせていい?」

呪いがなくなってもエクスカ〇バーを満喫できるなんて流石よくできた夢だ。
コクコク頷いていると、声のトーンが下がった。


「あと、アナルスティックは要らないよね。私以外のモノは入れないで。スライムにだってヤキモチ焼く程だよ」

そう言って、黒のスティックをぽきんと折られた。真二つに折られたそれを見てぼんやりの夢うつつな意識がハッとする。

「おぉお……、俺のこれからのパートナーがぁあ!」

無惨に折られたスティックを持つと、ムッとしたラルが俺の唇をガブリと食べた。

「んんんっ!? んはっ! あ? ん? 本当のラル?——……あれ、どこまで夢?」

「んふふ。寝ぼけていたんだね」

改めて室内を見渡す。キングサイズのベッド。真新しい匂いがする室内だった。

どこだここ?

もう一度ラルの方を見ると、ラルが俺を抱っこしたまま立ち上がり移動して玄関ドアを開けた。



「——は?」


目の前には城の門。大きな城。

「君の希望通り、城外に新しく住居を立てたんだ。王位は第三王子に譲っているから、私はここで君と楽しく過ごしたいな」

城外って言っても城の敷地内だった。
確かに俺の希望は叶えてくれているけど。城の横に家を立ててもいいのか!? 夢より現実味がないぞ。
キョトンとしていると、こっちを見ろと頬にキスされる。


「私と君は、そんな関係になりたい」

「……へ?」

「呪いはとっくに君に解決してもらったけど、君を引き留めたくて勘違いを利用したんだ。一番初めに、単なる告白しても平気で離れるでしょ」

色々ツッコミたいが、とりあえず気になる箇所をピックアップして考える。 

初めの頃に、告白? 
断るかな? ……多分、断るな。


「……ラルって俺を好きなの?」

「好き、ずっと言ってるでしょう。いや?」

ちょっと不安げな瞳が揺れる。でも、それが凄くリアリティを感じて嬉しかった。

「ぜんっぜんっ! 嫌じゃない!!」

嫌どころか今の心境は、嬉しい誤算、思わぬ幸運! 棚からぼた餅だよ!! 

よっしゃ、穴快楽問題万事解決!! ヒャッホーイ!
元気よくガッツポーズする俺にラルは嬉しそうに目を細めた。


「ふふ、じゃ早速初夜にしよう。我慢できないよ」
「うん!! しよ……………ぁ、いや、その」

家の中のベッドに向かいながら、ギクリとする。

そうだった。
忘れていたけど、処女尻だ。エクスカ〇バーを受け入れたら、滅びる。

離れようとする俺の腰を掴んで、するんとズボンを剥がした。ツンと蕾を指で突かれる。

「ひぁん、待って! したいけど、したくない! 5日の猶予くれ!」

デッドだ!!

すると、カブリと肩を噛まれた。さっきから噛まれまくっている。ラルからヒュウと冷気を感じる。ゾクゾク。

「魔術師に聞いたよ。勝手になかったことにするなんて酷いよ、あんなに愛し合ったのに。そんなに嫌なのかと心配になっちゃった」

「あ~、そっか? ごめんな!」

それで寝ているときに連れてきたのか。よしよしと頭と背中を撫でる。
ムスッとしたラルにぶちゅーと子供みたいなキスをされる。

「アラタといるとモヤモヤした気持ちが持続しない」
「それはいいことだ」
「ふふ」

そのままじゃれつくようにドサリとベッドに降ろされ、服を剥ぎ取られる。
俺の胸元にキスを落としながらこちらを見つめてくる。

「もっと気持ちいいお尻にしてあげる♡」
「……」

ニコリと静かに笑った。
この顔は知っている。こういう時のラルは朝までねっとりしていて、空になってもイかせようとする。ある時は潮を吹いてもやめてくれなくて…………


「じゃ、まずはスライムから……ね♡ 一匹、二匹……4匹♡」

「ひ、ひゃ!? ちょっ、一気にっ?!」
「頑張れ、頑張れ、これじゃ、私の入らないから」


気持ちよくなるためだからねと囁かれ、じゃ仕方ないのか。
しかし、またこの苦しさを!? いや、二人で気持ちよくなるためだもんな!?



「う、うっ、うっ!! ファイトぉおお!!」





オワリ
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感想 5

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みんなの感想(5件)

るこ
2022.12.06 るこ

めちゃくちゃ笑いましたꉂ🤣𐤔

自分のお尻応援してオワリましたね🍑笑
斬新なおわり方ꉂ🤣𐤔

サクッと読めて面白い!!!!最高の物語をありがとうございます♡😊

対エクスカ○バーでは初期設定のお尻は確かに滅びますね。笑笑

色気無しのひたすら明るいエロ言語もツボでした(笑)

2022.12.07 モト

るこ様

最後までお読みいただきありがとうございます。自分のお尻を応援しながら終わりました。ふふふ、自分応援Hの明るい短編でした。嬉しいお言葉大変励みになります。だから、悪役令息の腰巾着も更新再会いたしますので、もう一、二日お待ちくださると嬉しいです。
お越しくださりありがとうございました。

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カミル
2022.12.02 カミル

楽しく読ませていただきました🤣🤣
もうサイコーw
タグの応援エロとは⁉︎ (´⊙ω⊙`)←と最初戸惑いましたがそう言う事かwwwファイトぉお‼︎‼︎
もうエクスカ○バーが定着しちゃって、今後その意味でしか脳内変換できそうにありません(。-∀-)♡

2022.12.03 モト

カミル様
こちらの作品もお読みくださりありがとうございます!最初から最後までギャグしかないアラタでした。応援エッチはこういうことだったのです。ふふふ、
ご感想とても嬉しいです。お越しくださりありがとうございました!

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しまのんのま

新太くんよ…。
『勃つ=呪い』ではない。
ムラっとしただけだ。

毎回、律儀に王子のために鞘役やっちゃうの…おバカで可愛いですね。

2022.12.01 モト

しまのんのま様

お読みくださりありがとうございます。その通りでございます…アラタヨ…大きな誤解を……しかしそのチョロいところも王子にはキュンギュンッ!とさせちゃうわけですね。ふふ…あと一話で完結となります!

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