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私も君のことが好きだ
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真っ直ぐに見つめられ、オリヴィエは動揺してしまった。
いくら予想できていたこととは言え、さらに言うならオリヴィエも同じ気持ちとはいえど、突然の告白に動揺しない筈がない。
嬉しい。凄く嬉しい。けれど、同時に怖かった。こんな幸福があるだろうか。
「……私も君のことが好きだ。でも、一つだけお願いしたいことがあるんだ。聞いてくれるかい?」
「何だ? 私ができることなら何でもしよう」
ルスタヴェリの真剣な表情に、オリヴィエは意を決して口を開いた。
「私に君の血をくれ。私を君の眷属にしてくれ」
「……?」
オリヴィエの提案を聞いたルスタヴェリは、怪訝な顔をして首を傾げた。
「元よりそのつもりだが……」
「違うよ。君は私をヴァンパイアにしたら、封印されるつもりだっただろう?」
「ああ、そういう約束だった筈だ」
「だから、それを無しにしたい」
オリヴィエはハッキリと言った。
「それは、つまり……」
「うん。私は君とずっと一緒にいたい。君さえよければ――だけど」
「私が断る筈がないだろう! 勿論だ。これからは共に生きよう。いや、共に永遠を……生きて欲しい」
ルスタヴェリが嬉しそうに笑うものだから、オリヴィエまで幸せな気分になった。
「じゃあ、さっそく……腕でいいかな?」
私の大半は腐蝕してしまっているから……。そう言って、オリヴィエは自分の腕を差し出した。
少々変色してしまっているその皮膚を、ルスタヴェリは痛ましそうに見つめる。
「……ああ、大丈夫だ。問題ない」
ルスタヴェリは晒されたオリヴィエの腕に躊躇なく噛みついた。
痛みと共にオリヴィエに流れ込んでくるルスタヴェリの熱い血潮は全身を巡り、オリヴィエの身体を光で包み始める。
オリヴィエは己の腐敗していた内蔵から爛れていた肌までが、ジワジワと再生されていくのを赤く変わっていく視界でただ見ていた。
時間にして、一時間も無かったかもしれない。
温かな光が収まると、そこにはルスタヴェリと同じヴァンパイアの姿となったオリヴィエがいた。
「これで、私もヴァンパイアか」
オリヴィエが微笑むと、ルスタヴェリも笑みを浮かべる。
「そうだな。だが、少し残念でもある」
「……? なぜだ?」
「お前が私のものであるという証が欲しかったのだ。封印は、私がお前のものであるのと同時に、お前は私のものである証拠にもなっただろう? 封印により、お前はいつまでも私と繋がっていてくれただろうから」
「あぁ、そういうことか。大丈夫だよ。私はもう君から離れない。だって――」
オリヴィエはそこで言葉を切って、ルスタヴェリの身体に腕を巻き付ける。
「私が好きなのは君だけだ。他の人なんて考えられないからね」
「……お前は存外、可愛いことを言うな」
ルスタヴェリは興奮で爛々と輝く瞳を隠しもせずオリヴィエを見つめると、そっとその顎を持ち上げてキスをした。
end
次は番外:死神レニエ
いくら予想できていたこととは言え、さらに言うならオリヴィエも同じ気持ちとはいえど、突然の告白に動揺しない筈がない。
嬉しい。凄く嬉しい。けれど、同時に怖かった。こんな幸福があるだろうか。
「……私も君のことが好きだ。でも、一つだけお願いしたいことがあるんだ。聞いてくれるかい?」
「何だ? 私ができることなら何でもしよう」
ルスタヴェリの真剣な表情に、オリヴィエは意を決して口を開いた。
「私に君の血をくれ。私を君の眷属にしてくれ」
「……?」
オリヴィエの提案を聞いたルスタヴェリは、怪訝な顔をして首を傾げた。
「元よりそのつもりだが……」
「違うよ。君は私をヴァンパイアにしたら、封印されるつもりだっただろう?」
「ああ、そういう約束だった筈だ」
「だから、それを無しにしたい」
オリヴィエはハッキリと言った。
「それは、つまり……」
「うん。私は君とずっと一緒にいたい。君さえよければ――だけど」
「私が断る筈がないだろう! 勿論だ。これからは共に生きよう。いや、共に永遠を……生きて欲しい」
ルスタヴェリが嬉しそうに笑うものだから、オリヴィエまで幸せな気分になった。
「じゃあ、さっそく……腕でいいかな?」
私の大半は腐蝕してしまっているから……。そう言って、オリヴィエは自分の腕を差し出した。
少々変色してしまっているその皮膚を、ルスタヴェリは痛ましそうに見つめる。
「……ああ、大丈夫だ。問題ない」
ルスタヴェリは晒されたオリヴィエの腕に躊躇なく噛みついた。
痛みと共にオリヴィエに流れ込んでくるルスタヴェリの熱い血潮は全身を巡り、オリヴィエの身体を光で包み始める。
オリヴィエは己の腐敗していた内蔵から爛れていた肌までが、ジワジワと再生されていくのを赤く変わっていく視界でただ見ていた。
時間にして、一時間も無かったかもしれない。
温かな光が収まると、そこにはルスタヴェリと同じヴァンパイアの姿となったオリヴィエがいた。
「これで、私もヴァンパイアか」
オリヴィエが微笑むと、ルスタヴェリも笑みを浮かべる。
「そうだな。だが、少し残念でもある」
「……? なぜだ?」
「お前が私のものであるという証が欲しかったのだ。封印は、私がお前のものであるのと同時に、お前は私のものである証拠にもなっただろう? 封印により、お前はいつまでも私と繋がっていてくれただろうから」
「あぁ、そういうことか。大丈夫だよ。私はもう君から離れない。だって――」
オリヴィエはそこで言葉を切って、ルスタヴェリの身体に腕を巻き付ける。
「私が好きなのは君だけだ。他の人なんて考えられないからね」
「……お前は存外、可愛いことを言うな」
ルスタヴェリは興奮で爛々と輝く瞳を隠しもせずオリヴィエを見つめると、そっとその顎を持ち上げてキスをした。
end
次は番外:死神レニエ
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