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第6章

06-148 三国峠の戦い

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 4輌の装甲車輌は、三国峠を目指して後退を開始。だが、4輌が並走しての後退は無理だった。
 不整地だが、倒木や岩などの走行を阻害する障害物はない。丈の低い草原が彼方まで広がり、高速で移動できる。
 M41軽戦車は最大時速70キロ、自走155ミリ榴弾砲M109は最大時速55キロ、87式自走高射機関砲は最大時速50キロ、センチュリオン改主力戦車は最大時速45キロと差が大きい。

 操縦手を務める井澤貞之は先行する3車を追うが、オリジナルが時速35キロ程度の低速であることからエンジンの出力がわずかに上がった程度では、高速の発揮は不可能だった。
 そして、熱エネルギー兵器に対する対策に力を注いでいたが、ギガスは運動エネルギー兵器を使ってきた。

 ギガスは、激しい追撃はしなかった。
 海岸から50キロ、かつて長岡があった付近まで後退する頃には、ドラゴンは視界にいなかった。
 車内は、沈黙が支配している。

 海岸線から70キロ、かつての小千谷付近でセンチュリオン改は履帯の回転を止めた。
 先行するM41軽戦車、155ミリ自走榴弾砲M109、87式自走高射砲は、轍を残すだけで視界にない。

「これ、何だ?」
 井澤貞之が砲塔の防盾を指差す。砲身の根本付近にある可動部で、最も装甲の厚い部分だ。
「歯、か?」
 長さ30センチ、直径5センチほどの円錐形の物体が突き刺さっており、材質はヒトの歯と同じように見える。白色だ。
 センチュリオンの砲塔は、装甲が薄い上部であってもドラゴンの歯は貫通していない。 歯が命中して砕けた形跡があるので、材質としては鋼鉄ほどは固くないのかもしれない。
 香野木が「井澤さん、抜けますか?」と尋ねると、彼はそれを引き抜いた。
「香野木さん、これを持って帰って来栖先生に見せよう」
 奥宮要介陸士長が砲塔から頭を出す。
「香野木さん、相馬原と無線が通じました」 香野木は自衛官ではないので、自衛隊ルールの無線交信はしない。
「花山さん?
 たいへんだ。ギガスがドラゴンを連れている。そのドラゴンだが、砲弾みたいに歯を発射する。
 尻の穴からは火炎放射だ。メタンが燃料だと思うが……」
「ハ?」
「歯だ。口の中にある、歯だ!」
「え!」
「ギガスは、運動エネルギーの武器を使う!
 たぶん、俺たちを追っている。
 三国峠で迎え撃たないと、関東平野に雪崩れ込んでくる!」

 東アジアに達したギガスは、対ヒト戦の戦術を変えてきた。
 飛翔する生物の投入と、その生物が発射する運動エネルギー兵器の使用だ。
 それに、オークはラダ・ムーが知るそれに違いないが、ギガスは変質しているようだ。ラダ・ムーは、オークとギガスは文明を持たないと断言していた。どちらも、彼らの創造主が与えたものだけを使っていると……。
 2万5000年の間に、ギガスは彼ら独自の文明を持つよう、進化したのか?
 香野木は、オークよりもギガスのほうが厄介だと考え始めている。
 世界各地に降下したオークは、降下先の生存者と争っているはず。
 だが、その情報は極めて乏しい。対して、ギガスとの戦闘情報は多い。接触が多く、激戦が続いている証だ。

 花山真弓は、不明確な状況に対応する術を逡巡していた。
 彼女は来栖早希に「怪獣と戦う訓練も、怪獣と戦う想定もしたことがない」と言ったが、来栖は「私だってないわよ。モスラやギャオスの映画だって見たことないんだから……。ちゃんと見ておけば、役に立ったと思うけど……」と。
 怪獣映画が戦術の参考になるとは思えないが、花山自身「ゴジラくらいは見ておけばよかった」と内心で呟いた。

 三国峠の頂上に最初に到達したのは、M41軽戦車だった。砲塔側面にドラゴンの歯が命中。貫通した歯は、貫通後に砕け砲塔内の2人を殺していた。

 関東一円へのドラゴン警戒情報は、このM41が発した。
「ドラゴンが新潟に上陸!
 口から徹甲弾を吐き出す!
 ドラゴン多数!
 戦死3。
 増援を求める。
 我ら、三国峠を死守する。
 一刻も早く、避難してくれ!」

 北関東の各グループは、少数の例外を除くと、高知市への移動・移住に賛成・同意している。
 例外とは、新座園子グループなどの犯罪集団、一部のオカルト系と宗教系の小集団だ。
 ただ、移送に使用できる大型フェリーは2隻しかなく、その2隻もリンガエン湾を根城にする米露原潜を警戒して、経済的な運行ができていない。
 しかも、燃料には限りがある。
 市ヶ谷台勢力圏下のヒトと物資を移送するだけで手一杯だ。
 そこで、北関東の各グループは共同で、小型貨物船を運航することにする。浦戸湾内で傾斜、着底していた全長30メートル、870重量トンの小型ばら積み貨物船を浮揚・修理して、独自の輸送船にしたのだ。
 フェリーに比べればヒトの輸送は劣悪な環境だが、簡単には動かせない物資から移送を始めていた。
 貨物船のクルーは、船舶関係や船員の経験があるヒトが務めている。
 相馬原は畠野史子3曹を指揮官として、年少の子供たちと燃料の大半を東京に送り出していた。
 5歳以下の子供は、結城光二が操縦するMD500小型ヘリで運んだ。23人中5人が5歳以下で、小集団としては乳幼児の割合が非常に高い。

 花山真弓は、夏見智子看護師を指揮官とする第2陣の移動を即断する。
「夏見さん、15歳以下の子を全員竹芝に連れていって!」
 夏見は、5人を相馬原で作られた60式装甲車改(60APC)に押し込んで、当面の食料とともに竹芝を目指す。

 竹芝には、広大な平地があるだけだ。ここに、北関東のヒトたちは貴重な物資を集積している。一見、ガラクタのようなものもあるが、ヒトが作った形あるもの自体が少ない世界にあって、ガラクタやポンコツでも貴重な物資なのだ。
 相馬原の竹芝基地は竹芝小型船発着所があった付近にあり、ここには葉村正哉と百瀬未咲が常駐している。
 相馬原にあった動かない兵器や車輌、大型ブルドーザー、農業用トラクター、日々の足に使っていたパジェロ(1/2トントラック)は移動済みだ。
 相馬原に残っているのは、修理・改造した74式戦車、車体の改造が少ないセンチュリオン戦車、相馬原製35ミリ対空自走砲2輌と稼働状態に復元した74式自走105ミリりゅう弾砲2輌だ。
 20ミリ3銃身ガトリング機関砲搭載の装甲輸送車は、竹芝にある。

 この危機的状況の中で、北関東のヒトたちは、浦戸湾内に半没放置されていたコンテナ船を修理することに成功する。全長130メートルの小型に近い中型貨物船だが、RORO船としての機能があり、トレーラーなら30輌積める。

 北関東のヒトたちは、市ヶ谷台を完全には信用していなかった。塩田香奈恵代表は政治家として誠実だが、副代表の城石徳明は正義感でできている人物だ。
 塩田代表は政治家らしく、ある程度の清濁併せ?む器量があり、物事を正誤で量ったりしない。
 城石副代表は違う。彼は、東京近郊の市議会議員だった。北関東で自立しているヒトたちに対して、協調性のない自分勝手な集団、と考えていた。
 高知市への移動・移住を指揮する城石副代表は、それとなく北関東のヒトたちを差別していた。
 それを感じ取った北関東のヒトたちは、自力での移動を初期から指向していた。船体の長さが20メートル以上あれば、船種を問わず修理して、ヒトや物資を輸送している。
 市ヶ谷台は当初、輸送は2隻のフェリーで十分と考えており、実際、1隻で乗客600人、トラック150台以上を運べる。
 関東の人口は3万ほどだから、1隻が12回往復すれば、全員を運べる。
 実際、1隻で1度に1000から2000人以を乗せていたので、もっと短期間で輸送は終わるはずだった。
 実際、市ヶ谷台はすでに2万人を移送している。この中には、北関東のヒトも含まれている。
 ギガスがドラゴンを伴って新潟に上陸した際、関東には市ヶ谷台管理下に5000人、北関東各グループに5000人、残留者1000から2000人がいた。
 相馬原では、誰1人として高知市に移動していなかった。

 花山真弓は、74式戦車改と35ミリ対空自走砲の2輌で三国峠を目指す。
 相馬原には、ヘリコプターで帰投していた結城光二1人が残った。そして、車輌や物資は多くが残されたままだ。

 北関東のヒトは、オークの再来襲を恐れていた。対オーク戦では、歩兵戦闘車や対空自走砲の大口径機関砲が有効だった。
 それと、雨が降れば泥濘となるので、装輪車輌は機動できなくなる。装軌車輌でないと、行動は無理。
 しかし、自衛隊の89式装甲戦闘車は市ヶ谷台が数輌持つだけ。アメリカのM2ブラッドレーなんて、入手できるわけがない。ドイツのマルダー歩兵戦闘車やプーマ装甲歩兵戦闘車、イギリスのウォーリア装甲戦闘車なんて絶対にあり得ない。
 北関東の各グループは、台湾経由で入手したM41軽戦車やFV101スコーピオン軽戦車で三国峠を目指す。
 一部は博物館から持ち出したような骨董品もある。FV101スコーピオンはともかく、M41は骨董品に近いし、M42ダスター自走高射機関砲は完全に骨董品だ。
 ユーラシア大陸北東側の情勢がまったくわからないので、ロシアや中国製の装甲車輌はない。

 市ヶ谷台が派遣した87式自走高射機関砲は、かつて苗場スキー場があったあたりで待っていた。
 車長は相変わらず非協力的で、憮然とした態度だが、心配してくれていた。
「あんたたちの戦車は、鈍足だが、装甲が厚い。無事だとは思っていたけどね……」
 87式自走高射機関砲の砲塔には、ドラゴンの歯が数本突き刺さっているし、M41は戦死者を砲塔から出して、埋葬していた。
 自走155ミリ榴弾砲M109は、なぜか無傷だった。彼らによれば、追ってきたドラゴンは砲塔上の12.7ミリ機関銃で追い払えたそうだ。

 どう戦うか、わずかな草以外は何もない台地の上で、少し議論になった。
 87式自走高射機関砲の車長は「ドラゴンは地上から50メートル以上には上昇しない」と判断している。
 鳥類は、ハトが100メートル、スズメが30メートル、ヒマラヤを越えるアネハヅルは8000メートル、キバシガラスも8000メートル、マダラハゲワシは1万1000メートル超の高空を飛べる。
 だが、ドラゴンは鳥類と比べれば、明らかに特殊化の段階が低い。
 コウモリと同程度の飛翔能力ならば、87式自走高射機関砲の解析結果は信用に値する。三国峠の標高は1200メートルを超える。
 ドラゴンが平地で50メートル程度までしか上昇できないならば、高地では20から30メートルが限界だろう。
 ならば、対抗手段がある。

 香野木が提案する。
「ギガスの浮行船は、何隻か落としたから、おそらく先陣は切らない。ドラゴンに跨がった“騎兵”に戦わせるだろう。
 戦車砲は使わずに、機関銃で迎え撃とう」
 87式自走高射機関砲の車長が軽く命令する。
「ドラゴンが何体飛んでくるかわからないが、これだけの頭数では阻止なんてできない。
 阻止は諦めるが、損害はできるだけ与える」
 全員が頷く。
 ここで、食い止めることはできない。
 だが、ヒトが恐ろしい生き物であることは示せる。
 香野木は“死”を覚悟する意思はない。この戦いを生き残り、次の戦いも生き残る。生死は結果。どんな戦いでも、最初から結果を決める必要はない。

 香野木は祖父の言葉を思い出していた。15歳の誕生日だった。
「香野木家の祖先は板東の武者で、江戸時代は北関東にあった小藩に仕えていたんだ。
 まぁ、貧乏な家だったらしい。
 それに、朝敵として戊辰戦争を戦ったから、明治維新後は一家は苦労したらしい。
 ここからが大事なこと。
 戊辰戦争で、当家から戦死者が1人出た。八重という名だった。16歳くらいだったようだ。名の通り、女の子だ。
 彼女の戦死以来、じいちゃんが知る限り、誰も戦死していない。日清・日露の戦争、シベリア出兵、第一次世界大戦、日華事変、上海事変、熱河作戦、太平洋戦争など、親戚の誰かが戦地に行った。
 でも、誰も戦死していない。
 じいちゃんのじいちゃんが言っていたらしいが、朝敵なのに維新政府に生命をくれてやる義理はないって。
 じいちゃんの代とおまえの父親の代は、戦争がなかった。だが、おまえの時代にはあるかもしれない。
 もし、戦地に行くことがあったら、必ず生き残れ。当家は朝敵、維新政府に生命をくれてやる義理はない」

 香野木は、祖父の言葉を思い出していた。維新政府はもうない。だが、生命は持ち帰るつもりだ。

 彼方に無数の黒い点が見える。
 ドラゴンの群だ。
 砲塔の上に並んで立つラダ・ムーが、つばを飲み込む。その音がやけに大きい。
「よし、迎え撃つぞ」
 香野木とラダ・ムーは砲塔に入り、奥宮陸士長は12.7ミリM2重機関銃を構え、香野木とラダ・ムーは、台湾製スプリングフィールドM14である57式歩槍を構える。

 三国峠に急ぐ花山真弓たちは、かつて水上があった付近で大勢のヒトと出会う。
 中型トラックの運転席から男が、砲塔上の花山に声をかける。
「三国峠に向かうのか!」
「そうよ!」
「トンネルは塞いだ!
 俺たちは竹芝に急ぐ!」
「塞いだ?」
「あぁ、清水トンネル、新清水トンネル、大清水トンネル、関越トンネル。
 新潟側を完全に塞いだんだ。
 火薬がなくて、爆破はできないけど、トンバッグに土を詰めて、幾重にも置いてきた。
 簡単に取り除けないよ!」
 男は、新潟と群馬を結ぶ県境のトンネルをフレコンバッグで塞いだのだと説明する。
 三国峠を丸2日封鎖できれば、北関東のヒトたちは竹芝まで無傷でたどり着ける。

 花山は、目を疑った。
「あれ見て、谷川岳を越えてくる……」
 翼長7メートル級の小型ドラゴンが、一ノ倉沢方向から低空を滑空してくる。長い首の付け根に何かが乗っている。
 花山は、砲塔ハッチに取り付けた74式車載機関銃を構える。
 砲塔に乗る他の2人も、ハッチから頭を出して、自動小銃を構えた。
 花山たちは、トラックが後退する時間を稼ごうと考えたが、トンネル封鎖の任務を終えた男女は勇敢で、ありったけの武器を出して、反撃する。
 ドラゴンが地上に降り、捕殺か捕獲か、そのどちらを狙っているのか、よくわからない体勢で迫ってくる。
 弓を射る女性、散弾銃を撃つ男性。
 ドラゴンの後肢で男性が押さえ込まれる。そのドラゴンの前肢を日本刀で断つ女性。
 トラックの車体下に隠れた男性は、彼を引き出そうとドラゴンが差し込んだ頭に散弾を連射。
 男の子が手榴弾を絶妙なコントロールでドラゴンの口に放り込む。ドラゴンは頭を吹き飛ばされ、騎手が振り落とされる。別の少年が、黒に濃い灰色の唐草風模様を描いたギガスの冑を、金属バットでフルスイング。
 ギガスは、明らかにヒトを捕らえようとしている。しかし、ヒトは徹底抗戦を続ける。地上戦は不利と悟ったのか、いったん、全騎が空中に舞い上がる。
 手製のランチャーからロケットが発射される。歯を飛ばそうとの体勢となったドラゴンの胸部付近に命中。
 ドラゴンの歯の投擲よりも、ヒトが放つ銃弾のほうが圧倒的に多く速かった。
 ドラゴンが空中に上がり、間合いをとったことから、35ミリ対空自走砲が発射を開始する。

 ドラゴンが新潟方面に逃げていく。
 花山は、無線で香野木を呼び出した。
「香野木さん、三国峠には行けそうもない……。
 谷川連峰を越えて、ドラゴンがやって来たの。私たちは、いったん相馬原に戻り、竹芝に向かうヒトたちを守るから……」
 香野木はこの事態を予測していた。
「三国峠は、今夜まで守るから……。
 我々を待たずに、高知に向かって……」

 4輌の装甲車輌は“ここが死に場所”とは決めていなかった。
 87式自走高射機関砲は、2輌しか発見されていない貴重な防空戦力だ。ここで、使い潰すわけにはいかない。
 M41軽戦車は3人の乗員を失い、大きく傷ついている。自走155ミリ榴弾砲M109は、砲塔上と砲塔側面に砂を詰めた袋をくくりつけて、増加装甲にする作業を行っている。
 香野木たちのセンチュリオン改は、厚い装甲に守られて、無傷だ。

 超大型と大型のドラゴンが、新潟と群馬の県境に向かってくる。それは、87式自走高射機関砲がレーダーで探知し、やがて肉眼でも確認していた。
 想像でしかないが、彼らがいる位置は、かつては苗場スキー場の駐車場である可能性が高い。山地の中なのに、かなり広い平地になっている。
 ここに87式自走高射機関砲を守るように3輌の装甲車輌を配置する。87式自走高射機関砲は、対ドラゴン戦に絶対的な威力を発揮する。
 87式自走高射機関砲を破壊されなければ、香野木たちが生き残れる可能性が高くなる。

 87式自走高射機関砲からスティンガー防空ミサイル2発が発射される。
 ドラゴン2体が被弾し、地上に落下する。M109が155ミリ榴弾を発射する。空中で巨弾が炸裂するが、効果は威嚇程度だ。
 砲身長60口径76.2ミリ砲を搭載するM41は、狙っていた。
 ドラゴンは空中にいるが、山間で斜面が急なこともあり、戦車とは水平位置に近かった。ドラゴンは大きくなると動作が極端に緩慢になり、戦車砲で狙いやすくなる。
 M41が76.2ミリ砲を発射、続いてセンチュリオン改が105ミリ砲を撃つ。
 超大型2体が墜落。
 87式自走高射機関砲の35ミリ機関砲が発射を始める。
 砲塔上の12.7ミリや7.62ミリの機関銃が発射を始める。
 大型ドラゴンがセンチュリオン改の砲塔に舞い降り、機関銃を発射する香野木の頭を咥えようとする。
 香野木は怖じ気付いて砲塔内に身体を落とし、古めかしい水平2連の散弾銃の銃口をドラゴンの口の中に入れる。
 散弾2発で、ドラゴンが退散する。
 M41がドラゴンの総排泄口から放たれた火炎放射で、炎に包まれる。そのドラゴンを87式自走高射機関砲の斉射で追い払う。

 ドラゴンが新潟方向に退いていく。
 M41の乗員は無事だったが、走行不能になってしまった。
 砲弾はまだ残っているが、87式自走高射機関砲の機関砲の残弾が少なく、機関銃弾はほぼ撃ちつくしている。
 撤退は、当然の判断として、全車が受け入れた。87式自走高射機関砲は市ヶ谷台との通信が途絶してしまい、独断での行動を強いられた。

 3輌は、相馬原に向かった。
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