11 / 30
乙女ゲームの福音。
しおりを挟む
明るい音楽が流れてくる。ピンクの花びらが舞っている。
白石の学園に鉄条の門。その門が開かれ、画面にゲームタイトルが浮き上がった。
【愛と希望と青春と、私の愛しの王子様♡】
ピンクの髪の可愛らしい女の子が現れる。ぱっちりした瞳もピンク色。
柔らかな音楽が流れ、可愛らしい声優の声と画面に文字が刻まれていく。
「私は、ロロリイ・エボック。今日はノエル学園の入園式。私にも素敵な王子様が現れるかな。(ドキドキ)」
『私は、ロロリイ・エボック。今日はノエル学園の入園式。必ずや、高位の殿方を落として見せますわ。(ドキドキ)』
(ちょっと待って、後半なに!? )
学園の校門前。
①直ぐに入る。
②少し、学園を見詰める。
①へ進む。
学園の校門前。
①正門から入る。
②裏門から入る。
③もう少し学園を堪能する。
①へ進む。
(そう言えば変な三択よね。裏門て。)
学園の校舎前。
「キャーッ、オスカル王子様!! 」
「アンドレ様、可愛い!! 」
「フェルゼン様、格好いい!! 」
「ルイージ様、こっち向いて!! 」
女生徒達が騒いでいる。
「王子様? 」
『高位の獲物? 』
(ちょっと、後半なに!? )
学園の校舎前。
四人のキラキライケメン攻略キャラが立っている。
「オスカル王子様、なんて素敵な瞳。」
『目の奥が警戒している、スキが無いわ。』
「アンドレ様、なんて可愛らしい。」
『すばしっこそうだわ、懐に入られるとやばいかも。』
「フェルゼン様、格好いいわ。」
『あの上腕二頭筋。かなり剣を振るってるわね。』
「ルイージ様、素敵こっち向いて。」
『あの胸板、結構鍛えてるわ。』
(女生徒達の後半なに!? )
ドン!!
「ちょっとあなた、どきなさいよ!! 」
ドサッ。
「キャァ!! 」
『集団とはいえ、私を倒すとは。くっ、油断していたとはいえ。悔しい。』
(ちょっと後半、ロロリイの心の声!? こんなこと考えてたの。)
項垂れるロロリイ。
「大丈夫かい? 」
オスカル様から差し出される手。
①戸惑う。
②掴む。
③自分で立ち上がる。
②へ進む。
(掴むて、変な言い方よね。)
ロロリイは手を掴んだ。
「ありがとうございます。」
オスカル様はロロリイを引き上げた。
『力を入れた私を引き上げる腕力、握力といい やるわね。』
(おーーーい。)
二人は見つめ合った。
ピンクの花びらが二人の周りに舞い落ちる。ロロリイは両手を組み、王子様の去るのを見詰めていた。
「オスカル様。」
『でも、ロロリイは負けない。』
(これ、乙女ゲームよね!? )
王子は手を見詰めていた。
「気になるのですか? 」
「なに、惚れちゃった? 」
「オスカル様が、珍しいですね。」
「いや。」
ぐっと拳を握る。王子は振り向いた。
ピンクの花びらが舞い落ちる。
『令嬢とはいえない握力。間者かも知れない。』
「お前もか!! 」
彼女は机に手を突いて立ち上がった。
教室内の総ての目が彼女に注がれる。
「あ、すみません。」
彼女は真っ赤に成って、座り直した。
彼女はロロリイの記憶から、乙女ゲームの思い出そうと記憶の中を探った。
そして思い出した乙女ゲームには、福音(ロロリイの心の声)が着いていた。ついでに王子の心の声も。
(何なの!? あの手を取るキラキライベントの裏に、力の戦いがあったなんて。)
彼女は頭を抱えた。
(王子も恋じゃななく、間者かもて気になってたの? )
「何なのよ、この乙女ゲーム!! 」
彼女は再び立ち上がった。ビクッと、生徒達は彼女に目を向ける。
そして目を反らした。
ピンクの髪の可愛い女の子は奇天烈な態度で、クラスの生徒から引かれていた。彼女が慎ましく生きるには、まず奇天烈な行動を押さえる必要があった。
ただ、奇天烈な行動をする彼女を黒縁眼鏡の男子生徒は「面白い。」と、掴まれた肩を摩りながら見詰めるのであった。
白石の学園に鉄条の門。その門が開かれ、画面にゲームタイトルが浮き上がった。
【愛と希望と青春と、私の愛しの王子様♡】
ピンクの髪の可愛らしい女の子が現れる。ぱっちりした瞳もピンク色。
柔らかな音楽が流れ、可愛らしい声優の声と画面に文字が刻まれていく。
「私は、ロロリイ・エボック。今日はノエル学園の入園式。私にも素敵な王子様が現れるかな。(ドキドキ)」
『私は、ロロリイ・エボック。今日はノエル学園の入園式。必ずや、高位の殿方を落として見せますわ。(ドキドキ)』
(ちょっと待って、後半なに!? )
学園の校門前。
①直ぐに入る。
②少し、学園を見詰める。
①へ進む。
学園の校門前。
①正門から入る。
②裏門から入る。
③もう少し学園を堪能する。
①へ進む。
(そう言えば変な三択よね。裏門て。)
学園の校舎前。
「キャーッ、オスカル王子様!! 」
「アンドレ様、可愛い!! 」
「フェルゼン様、格好いい!! 」
「ルイージ様、こっち向いて!! 」
女生徒達が騒いでいる。
「王子様? 」
『高位の獲物? 』
(ちょっと、後半なに!? )
学園の校舎前。
四人のキラキライケメン攻略キャラが立っている。
「オスカル王子様、なんて素敵な瞳。」
『目の奥が警戒している、スキが無いわ。』
「アンドレ様、なんて可愛らしい。」
『すばしっこそうだわ、懐に入られるとやばいかも。』
「フェルゼン様、格好いいわ。」
『あの上腕二頭筋。かなり剣を振るってるわね。』
「ルイージ様、素敵こっち向いて。」
『あの胸板、結構鍛えてるわ。』
(女生徒達の後半なに!? )
ドン!!
「ちょっとあなた、どきなさいよ!! 」
ドサッ。
「キャァ!! 」
『集団とはいえ、私を倒すとは。くっ、油断していたとはいえ。悔しい。』
(ちょっと後半、ロロリイの心の声!? こんなこと考えてたの。)
項垂れるロロリイ。
「大丈夫かい? 」
オスカル様から差し出される手。
①戸惑う。
②掴む。
③自分で立ち上がる。
②へ進む。
(掴むて、変な言い方よね。)
ロロリイは手を掴んだ。
「ありがとうございます。」
オスカル様はロロリイを引き上げた。
『力を入れた私を引き上げる腕力、握力といい やるわね。』
(おーーーい。)
二人は見つめ合った。
ピンクの花びらが二人の周りに舞い落ちる。ロロリイは両手を組み、王子様の去るのを見詰めていた。
「オスカル様。」
『でも、ロロリイは負けない。』
(これ、乙女ゲームよね!? )
王子は手を見詰めていた。
「気になるのですか? 」
「なに、惚れちゃった? 」
「オスカル様が、珍しいですね。」
「いや。」
ぐっと拳を握る。王子は振り向いた。
ピンクの花びらが舞い落ちる。
『令嬢とはいえない握力。間者かも知れない。』
「お前もか!! 」
彼女は机に手を突いて立ち上がった。
教室内の総ての目が彼女に注がれる。
「あ、すみません。」
彼女は真っ赤に成って、座り直した。
彼女はロロリイの記憶から、乙女ゲームの思い出そうと記憶の中を探った。
そして思い出した乙女ゲームには、福音(ロロリイの心の声)が着いていた。ついでに王子の心の声も。
(何なの!? あの手を取るキラキライベントの裏に、力の戦いがあったなんて。)
彼女は頭を抱えた。
(王子も恋じゃななく、間者かもて気になってたの? )
「何なのよ、この乙女ゲーム!! 」
彼女は再び立ち上がった。ビクッと、生徒達は彼女に目を向ける。
そして目を反らした。
ピンクの髪の可愛い女の子は奇天烈な態度で、クラスの生徒から引かれていた。彼女が慎ましく生きるには、まず奇天烈な行動を押さえる必要があった。
ただ、奇天烈な行動をする彼女を黒縁眼鏡の男子生徒は「面白い。」と、掴まれた肩を摩りながら見詰めるのであった。
12
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
魔法学園の悪役令嬢、破局の未来を知って推し変したら捨てた王子が溺愛に目覚めたようで!?
朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます
恋愛
『完璧な王太子』アトレインの婚約者パメラは、自分が小説の悪役令嬢に転生していると気づく。
このままでは破滅まっしぐら。アトレインとは破局する。でも最推しは別にいる!
それは、悪役教授ネクロセフ。
顔が良くて、知性紳士で、献身的で愛情深い人物だ。
「アトレイン殿下とは円満に別れて、推し活して幸せになります!」
……のはずが。
「夢小説とは何だ?」
「殿下、私の夢小説を読まないでください!」
完璧を演じ続けてきた王太子×悪役を押し付けられた推し活令嬢。
破滅回避から始まる、魔法学園・溺愛・逆転ラブコメディ!
小説家になろうでも同時更新しています(https://ncode.syosetu.com/n5963lh/)。
逃げたい悪役令嬢と、逃がさない王子
ねむたん
恋愛
セレスティーナ・エヴァンジェリンは今日も王宮の廊下を静かに歩きながら、ちらりと視線を横に流した。白いドレスを揺らし、愛らしく微笑むアリシア・ローゼンベルクの姿を目にするたび、彼女の胸はわずかに弾む。
(その調子よ、アリシア。もっと頑張って! あなたがしっかり王子を誘惑してくれれば、私は自由になれるのだから!)
期待に満ちた瞳で、影からこっそり彼女の奮闘を見守る。今日こそレオナルトがアリシアの魅力に落ちるかもしれない——いや、落ちてほしい。
【完結】前世の記憶があっても役に立たないんですが!
kana
恋愛
前世を思い出したのは階段からの落下中。
絶体絶命のピンチも自力で乗り切ったアリシア。
ここはゲームの世界なのか、ただの転生なのかも分からない。
前世を思い出したことで変わったのは性格だけ。
チートともないけど前向きな性格で我が道を行くアリシア。
そんな時ヒロイン?登場でピンチに・・・
ユルい設定になっています。
作者の力不足はお許しください。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生!破滅回避のため空気を目指したのに、勘違いでモブキャラ護衛の重すぎる愛に捕まりました
久遠翠
恋愛
階段から転げ落ちて、気づけば乙女ゲームの悪役令嬢『公条院玲奈』に転生していた、しがない元会社員の私。一年後の卒業パーティーでは、婚約者の御曹司から婚約破棄され、家は没落、本人も海外追放という破滅ルートが待っている。そんな未来は絶対回避! 目立たず、騒がず、空気のように過ごして、平穏な日々を手に入れるはずが……ゲームの知識でヒロインの罠を無意識に回避していたら、なぜか周りから「全てお見通しの完璧令嬢」と崇められてしまう事態に!
婚約者はヒロインにご執心だし、ヒロインの敵意は増すばかり。そんな私の唯一の癒やしは、いつも無表情で影のように寄り添う護衛の黒瀬隼人。モブのはずの彼のさりげない優しさに惹かれていくけれど、その瞳の奥には、どうやら底知れない執着が隠されているようで……?
勘違いとすれ違いが加速する、破滅回避ラブコメディ! 悪役令嬢は、忠実すぎる護衛の重すぎる愛と共に、最高のハッピーエンドを掴み取れるのか!?
『転生したら悪役令嬢、前世の娘がヒロインでした』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
悪役令嬢に転生したら、前世の娘が仮ヒロインでした!?
今世こそ彼女を、幸せにしたい──そう誓った母(中身)メリンダは、
お見合い・婚約破棄・断罪イベントまで全力介入!
暴走母の愛が、王子と学園を巻き込んでいく!?
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる