【完結】どうやら、乙女ゲームのヒロインに転生したようなので。逆ざまぁが多いい、昨今。慎ましく生きて行こうと思います。

❄️冬は つとめて

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乙女ゲームの福音。

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明るい音楽が流れてくる。ピンクの花びらが舞っている。
白石の学園に鉄条の門。その門が開かれ、画面にゲームタイトルが浮き上がった。

【愛と希望と青春と、私の愛しの王子様♡】

ピンクの髪の可愛らしい女の子が現れる。ぱっちりした瞳もピンク色。
柔らかな音楽が流れ、可愛らしい声優の声と画面に文字が刻まれていく。

「私は、ロロリイ・エボック。今日はノエル学園の入園式。私にも素敵な王子様が現れるかな。(ドキドキ)」

『私は、ロロリイ・エボック。今日はノエル学園の入園式。必ずや、高位の殿方を落として見せますわ。(ドキドキ)』
(ちょっと待って、後半なに!? )


学園の校門前。
①直ぐに入る。
②少し、学園を見詰める。

①へ進む。

学園の校門前。
①正門から入る。
②裏門から入る。
③もう少し学園を堪能する。

①へ進む。
(そう言えば変な三択よね。裏門て。)

学園の校舎前。
「キャーッ、オスカル王子様!! 」
「アンドレ様、可愛い!! 」
「フェルゼン様、格好いい!! 」
「ルイージ様、こっち向いて!! 」
女生徒達が騒いでいる。

「王子様? 」
『高位の獲物? 』
(ちょっと、後半なに!? )

学園の校舎前。
四人のキラキライケメン攻略キャラが立っている。
「オスカル王子様、なんて素敵な瞳。」
『目の奥が警戒している、スキが無いわ。』

「アンドレ様、なんて可愛らしい。」
『すばしっこそうだわ、懐に入られるとやばいかも。』

「フェルゼン様、格好いいわ。」
『あの上腕二頭筋。かなり剣を振るってるわね。』

「ルイージ様、素敵こっち向いて。」
『あの胸板、結構鍛えてるわ。』
(女生徒達の後半なに!? )

ドン!! 
「ちょっとあなた、どきなさいよ!! 」
ドサッ。
「キャァ!! 」
『集団とはいえ、私を倒すとは。くっ、油断していたとはいえ。悔しい。』
(ちょっと後半、ロロリイの心の声!? こんなこと考えてたの。)

項垂れるロロリイ。
「大丈夫かい? 」
オスカル様から差し出される手。

①戸惑う。
②掴む。
③自分で立ち上がる。

②へ進む。
(掴むて、変な言い方よね。)

ロロリイは手を掴んだ。
「ありがとうございます。」
オスカル様はロロリイを引き上げた。
『力を入れた私を引き上げる腕力、握力といい やるわね。』
(おーーーい。)

二人は見つめ合った。
ピンクの花びらが二人の周りに舞い落ちる。ロロリイは両手を組み、王子様の去るのを見詰めていた。

「オスカル様。」
『でも、ロロリイは負けない。』
(これ、乙女ゲームよね!? ) 

王子は手を見詰めていた。
「気になるのですか? 」
「なに、惚れちゃった? 」
「オスカル様が、珍しいですね。」
「いや。」
ぐっと拳を握る。王子は振り向いた。
ピンクの花びらが舞い落ちる。

『令嬢とはいえない握力。間者かも知れない。』

「お前もか!! 」
彼女は机に手を突いて立ち上がった。
教室内の総ての目が彼女に注がれる。

「あ、すみません。」
彼女は真っ赤に成って、座り直した。
彼女はロロリイの記憶から、乙女ゲームの思い出そうと記憶の中を探った。
そして思い出した乙女ゲームには、福音(ロロリイの心の声)が着いていた。ついでに王子の心の声も。

(何なの!? あの手を取るキラキライベントの裏に、力の戦いがあったなんて。)
彼女は頭を抱えた。
(王子も恋じゃななく、間者かもて気になってたの? )

「何なのよ、この乙女ゲーム!! 」

彼女は再び立ち上がった。ビクッと、生徒達は彼女に目を向ける。
そして目を反らした。

ピンクの髪の可愛い女の子は奇天烈な態度で、クラスの生徒から引かれていた。彼女が慎ましく生きるには、まず奇天烈な行動を押さえる必要があった。
ただ、奇天烈な行動をする彼女を黒縁眼鏡の男子生徒は「面白い。」と、掴まれた肩を摩りながら見詰めるのであった。






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