32 / 67
第32話 無名の英雄
しおりを挟む
「そういえば、デルフィーヌ様は戦術にお詳しいですよね? 実は殿下とデルフィーヌ様のお茶会の内容がおもしろいと仲間内で評判だったんです」
「そうなの!?」
たしかに、殿下と交流を深めるためのお茶会の席で質問するのは専ら軍事作戦についてだった。2人の会話はもはや国防軍の戦術会議の様相を呈していたそうで、後ろで控えている衛兵たちも興味津々といった感じに聞き耳を立てていたらしい。
「私ってば、淑女にあるまじき話題を振ってたのね」
「存外に愉しそうでしたよ? なぁ?」
「あぁ。少なくとも他の妃候補殿が振る話題よりは、ずっと興味を示していたな」
「けどまぁ、決まってその後、お顔に影が差してたけど」
「仕方ないさ。多くの仲間を失ったんだ、楽しい想い出ばかりじゃない」
「殿下は、皆さんとそういったお話をすることはあるんですか?」
「いや、ありませんね」
「そうですか……」
殿下の寝顔を盗み見る。
長い睫毛。殿下ってば、睫毛まで白銀なのね。
殿下の、水の惑星を閉じ込めたような瞳。近い将来、彼がその瞳に映すのは、どんな女性なんだろう。
聖女リリーなら、重責を担う殿下を心身ともに癒してあげられるのかもしれない。
他の妃候補たちなら、生家の権力を背景に、殿下の治世がより強固で安定したものになるよう支えられるのかもしれない。
でも私は――殿下のために、してあげられることが何もない。
実家の権威も財力も、庶子である私の味方にはなってくれない。
世間では才女だなんて言われてるけど、地道な努力を惜しまなかっただけ。天才型の才女とは訳が違う。
それよりなにより――魔力なしの私では、魔力が豊富な王族の血筋を引き継いでいくことができない。
はじめは、妃教育で得られる恩恵を得られるだけ得て、殿下に私がディーだって種明かしをしたら、ドロンしようと思っていた。
でも今は――。
殿下のために出来ることは何だろうと、考え始めている自分がいる。
こういうのを世間では“情”と呼ぶのかな? 臣下としての忠誠心、みたいな?
結局殿下は、日が暮れるまで目を覚ますことはなく、ジェローム卿が迎えに来てくれてようやく王宮へ戻ることになった。
「ジェローム卿には、大変お世話になりました」
「まるで、もう会わないみたいな物言いですね」
「……」
「まさか、本当に?」
「ジェローム卿に、たってのお願いがございます」
「……はい」
「ソフィーのこと、どうかよろしく頼みます」
「!?」
「好いてくださっているのでしょう?」
「……はい」
「私にとって、姉のような人なのです。ですから――」
「大切にすると、お約束します」
「良かった。……これで安心して、ここを発てそうです」
「まさか、王都を去られるのですか?」
「ええ」
「どうしてです? いったい何があったのです!?」
「ジェローム卿?」
「っ、申し訳ございません。声を荒げたりして。――殿下は、このことは?」
「おそらく、もうご存知のはずです」
「そうですか」
――翌日の夕方。
離宮の部屋を片付けていた私のもとへ、何の先触れもなく殿下が訪ねてきた。
「少し、散歩しないか?」
陽が傾いてきたからと、殿下がエスコートしてくれることになった。私の手首をガッチリと掴んで。
なぜにまた、連行!?
もう最後だから聞いてみよう。
「殿下。どうして私をエスコートするときに手首を掴むんですか? これじゃまるで、連行です!」
「どうしてって、危ないからに決まっているだろう?」
「え?」
「ガブリエルから聞いた。デルフィーヌは鳥目で、なんにもない所でもよく転ぶと。腕に手を添えるくらいじゃ、転んだ時に助けてやれないだろう? だからだ」
え? え? そうなの!?
それってまるで、愛の告白みたいじゃない。
せっかく殿下に対する片思いを終わらせてここから去ろうとしてるのに。また恋心が燻ぶっちゃうじゃない!
どうやら殿下は王家の黒い森へ案内してくれるようで、入口に建つ銅像の前までやってきた。
「……」
「どうした?」
「いえ」
「――無名の英雄像が気になるのか?」
「英雄?」
「あぁ。17年前、北方民族との終戦協定の締結に尽力した名もなき英雄だ」
「その英雄は――」
「北方の風土病が原因で亡くなったと聞いている。勝ったのにな。祖国の地を踏むことは適わなかったそうだ」
「どうしてそんな英雄が無名のまま――」
「真相は分からない。ただ、彼の死を偲んだ父がこの銅像を建てたと聞いている」
「陛下が?」
「あぁ。きっと、父の大事な人だったんだろうと思う」
「大事な人……」
「この森には、家族の大切な想い出が詰まっている。もしかしたら、俺やレオが産まれる前から母にとってはそういう場所だったのかもしれないな」
思わず、英雄像を仰ぎ見る。
初めてここを通ったとき、ソフィーが何気なく言った一言が、今になって想い出された。
「この騎士様、お嬢様に雰囲気が似てますね?」
「え? どこが?」
「ほら。目尻のあたり。キリリとしていて凛々しいというか」
「それ、単に目つきが悪いだけじゃない?」
「そんなことないですって! それにほら、ちゃんと見てください。なんだか……愛し気に森を見つめている気がしませんか?」
「案外そうだったりして。森の守り人、みたいな」
王妃様と双子の王子がこの森を散歩する姿を、この英雄は微笑ましく見守っていたのではないか。特に理由はないけれど、ただ何となく、そんなふうに思った。
それから殿下に案内されるまま森の中を少し歩き、日が落ちる前に離宮まで戻ってきた。これが最後の語らいになるだろうから、少しは踏み込んだ話ができるかも……なんて期待していたのは私だけだった。
あっけないほど何にも起こらないまま解散となり、すっかり肩透かしを食らってしまった私は、少しだけ落ち込んだ。
そりゃそうか。
殿下にとって私は、数多くいる妃候補の一人にすぎない。それも過去形の。
それなのに――茶飲み仲間になってもいいだなんて、おこがましいにも程がある。
「退きどき、ってやつなのかな……」
殿下を巡る婚活戦線から退くことを決めたのは自分なのに、未練たらたらなんだから。名うての高飛車令嬢が、かっこ悪いったらないわね。
そうして2日後。
学院長が出した“推薦取消申請”が正式に受理され、私は妃候補から外れることになった。
「そうなの!?」
たしかに、殿下と交流を深めるためのお茶会の席で質問するのは専ら軍事作戦についてだった。2人の会話はもはや国防軍の戦術会議の様相を呈していたそうで、後ろで控えている衛兵たちも興味津々といった感じに聞き耳を立てていたらしい。
「私ってば、淑女にあるまじき話題を振ってたのね」
「存外に愉しそうでしたよ? なぁ?」
「あぁ。少なくとも他の妃候補殿が振る話題よりは、ずっと興味を示していたな」
「けどまぁ、決まってその後、お顔に影が差してたけど」
「仕方ないさ。多くの仲間を失ったんだ、楽しい想い出ばかりじゃない」
「殿下は、皆さんとそういったお話をすることはあるんですか?」
「いや、ありませんね」
「そうですか……」
殿下の寝顔を盗み見る。
長い睫毛。殿下ってば、睫毛まで白銀なのね。
殿下の、水の惑星を閉じ込めたような瞳。近い将来、彼がその瞳に映すのは、どんな女性なんだろう。
聖女リリーなら、重責を担う殿下を心身ともに癒してあげられるのかもしれない。
他の妃候補たちなら、生家の権力を背景に、殿下の治世がより強固で安定したものになるよう支えられるのかもしれない。
でも私は――殿下のために、してあげられることが何もない。
実家の権威も財力も、庶子である私の味方にはなってくれない。
世間では才女だなんて言われてるけど、地道な努力を惜しまなかっただけ。天才型の才女とは訳が違う。
それよりなにより――魔力なしの私では、魔力が豊富な王族の血筋を引き継いでいくことができない。
はじめは、妃教育で得られる恩恵を得られるだけ得て、殿下に私がディーだって種明かしをしたら、ドロンしようと思っていた。
でも今は――。
殿下のために出来ることは何だろうと、考え始めている自分がいる。
こういうのを世間では“情”と呼ぶのかな? 臣下としての忠誠心、みたいな?
結局殿下は、日が暮れるまで目を覚ますことはなく、ジェローム卿が迎えに来てくれてようやく王宮へ戻ることになった。
「ジェローム卿には、大変お世話になりました」
「まるで、もう会わないみたいな物言いですね」
「……」
「まさか、本当に?」
「ジェローム卿に、たってのお願いがございます」
「……はい」
「ソフィーのこと、どうかよろしく頼みます」
「!?」
「好いてくださっているのでしょう?」
「……はい」
「私にとって、姉のような人なのです。ですから――」
「大切にすると、お約束します」
「良かった。……これで安心して、ここを発てそうです」
「まさか、王都を去られるのですか?」
「ええ」
「どうしてです? いったい何があったのです!?」
「ジェローム卿?」
「っ、申し訳ございません。声を荒げたりして。――殿下は、このことは?」
「おそらく、もうご存知のはずです」
「そうですか」
――翌日の夕方。
離宮の部屋を片付けていた私のもとへ、何の先触れもなく殿下が訪ねてきた。
「少し、散歩しないか?」
陽が傾いてきたからと、殿下がエスコートしてくれることになった。私の手首をガッチリと掴んで。
なぜにまた、連行!?
もう最後だから聞いてみよう。
「殿下。どうして私をエスコートするときに手首を掴むんですか? これじゃまるで、連行です!」
「どうしてって、危ないからに決まっているだろう?」
「え?」
「ガブリエルから聞いた。デルフィーヌは鳥目で、なんにもない所でもよく転ぶと。腕に手を添えるくらいじゃ、転んだ時に助けてやれないだろう? だからだ」
え? え? そうなの!?
それってまるで、愛の告白みたいじゃない。
せっかく殿下に対する片思いを終わらせてここから去ろうとしてるのに。また恋心が燻ぶっちゃうじゃない!
どうやら殿下は王家の黒い森へ案内してくれるようで、入口に建つ銅像の前までやってきた。
「……」
「どうした?」
「いえ」
「――無名の英雄像が気になるのか?」
「英雄?」
「あぁ。17年前、北方民族との終戦協定の締結に尽力した名もなき英雄だ」
「その英雄は――」
「北方の風土病が原因で亡くなったと聞いている。勝ったのにな。祖国の地を踏むことは適わなかったそうだ」
「どうしてそんな英雄が無名のまま――」
「真相は分からない。ただ、彼の死を偲んだ父がこの銅像を建てたと聞いている」
「陛下が?」
「あぁ。きっと、父の大事な人だったんだろうと思う」
「大事な人……」
「この森には、家族の大切な想い出が詰まっている。もしかしたら、俺やレオが産まれる前から母にとってはそういう場所だったのかもしれないな」
思わず、英雄像を仰ぎ見る。
初めてここを通ったとき、ソフィーが何気なく言った一言が、今になって想い出された。
「この騎士様、お嬢様に雰囲気が似てますね?」
「え? どこが?」
「ほら。目尻のあたり。キリリとしていて凛々しいというか」
「それ、単に目つきが悪いだけじゃない?」
「そんなことないですって! それにほら、ちゃんと見てください。なんだか……愛し気に森を見つめている気がしませんか?」
「案外そうだったりして。森の守り人、みたいな」
王妃様と双子の王子がこの森を散歩する姿を、この英雄は微笑ましく見守っていたのではないか。特に理由はないけれど、ただ何となく、そんなふうに思った。
それから殿下に案内されるまま森の中を少し歩き、日が落ちる前に離宮まで戻ってきた。これが最後の語らいになるだろうから、少しは踏み込んだ話ができるかも……なんて期待していたのは私だけだった。
あっけないほど何にも起こらないまま解散となり、すっかり肩透かしを食らってしまった私は、少しだけ落ち込んだ。
そりゃそうか。
殿下にとって私は、数多くいる妃候補の一人にすぎない。それも過去形の。
それなのに――茶飲み仲間になってもいいだなんて、おこがましいにも程がある。
「退きどき、ってやつなのかな……」
殿下を巡る婚活戦線から退くことを決めたのは自分なのに、未練たらたらなんだから。名うての高飛車令嬢が、かっこ悪いったらないわね。
そうして2日後。
学院長が出した“推薦取消申請”が正式に受理され、私は妃候補から外れることになった。
534
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」
公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。
忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。
「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」
冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。
彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。
一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。
これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください
シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。
国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。
溺愛する女性がいるとの噂も!
それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。
それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから!
そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー
最後まで書きあがっていますので、随時更新します。
表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
「美しい女性(ヒト)、貴女は一体、誰なのですか?」・・・って、オメエの嫁だよ
猫枕
恋愛
家の事情で12才でウェスペル家に嫁いだイリス。
当時20才だった旦那ラドヤードは子供のイリスをまったく相手にせず、田舎の領地に閉じ込めてしまった。
それから4年、イリスの実家ルーチェンス家はウェスペル家への借金を返済し、負い目のなくなったイリスは婚姻の無効を訴える準備を着々と整えていた。
そんなある日、領地に視察にやってきた形だけの夫ラドヤードとばったり出くわしてしまう。
美しく成長した妻を目にしたラドヤードは一目でイリスに恋をする。
「美しいひとよ、貴女は一体誰なのですか?」
『・・・・オメエの嫁だよ』
執着されたらかなわんと、逃げるイリスの運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる